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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

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四国の旅 17日目 伊方〜松山

四国の旅も17日目となる11月2日、
連泊した伊方の室鼻公園を出発し、
松山市街へ77kmほど走りました。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_12350946.png
室鼻公園から伊方市街へ出る間に標高差60mの丘越えと、
伊方市街から国道に出るまでに少々の上りがありますが、
全体としては鏡のように滑らかな平坦路が続き、
点々と現れる見どころでゆっくりしても、
感覚的にはあっという間に松山に到着した一日でした。
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7時前には撤収を終え、
再びフル装備となったレネゲードC2。
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室鼻公園から伊方の中心へ出る途中に
ひときわ個性的な交通安全の碑がありました。
銘板を読むと、交通事故で愛娘を亡くした
お父上が建てられたとか……自分にも
娘がいるので、心が痛みます。
旅でも日常でも、安全第一であることを
あらためて肝に銘じ、伊方を後にしました。
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国道197号に出ると、伊方と八幡浜の間にも
メロディー区間がありました。
伊方に限りませんが、地方でも
朝の通勤時間帯は意外と交通量が多いので、
メロディーが錯綜してなにがなんだか……。
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国道378号に入ると、途端に静けさが戻りました。
すっかり秋めいた沿道の様子が印象的。
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長い瞽女トンネルを抜けると、
あっという間に伊予灘へ。
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このあたりは本州まで距離があり離島もないので、
どこまでも青い海が広がります。
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肱川に架かる長浜大橋。
工事中で車両は通行止めでしたが、
歩行者と自転車は通行可能。
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昭和10年に完成した長浜大橋は、
現役の架道橋としては国内最古となる重要文化財。
中央で持ち上がってる箱は、
桁をスムーズに動かすためのカウンターウェイトだそうです。
全体に傷だらけですが、なかには
グラマンによる機銃掃射の跡もあるそうです。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_12475875.jpg
橋から続く長浜の商店街。
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龍馬が宿泊したという
お屋敷が健在です。
隣接して新しい休憩所が整備されており、
ウオッシュレットのきれいなトイレがありました。
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伊予長浜駅。
ここからは予讃線の旧線と並走する
国道378号へ。西向きなので「夕やけこやけライン」という
愛称があるものの、一度も夕暮れ時に走る機会がありません。
(鉄道の旅では夕暮れ時もありました)
今回も午前中の通過です。
駅の近くには大きな港とコンビニが2件あり、
補給に困ることはない区間です。
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鉄道沿いに出て気が緩んだ……というわけでもないでしょうが
パンクしてしまいました。
歩道をお借りして、ささっと修復。
エアボリュームの大きなタイヤなので
ポンピングの回数はかさむものの、
せいぜい4気圧まで入れれば十分なので
より高圧が求められるロードバイクよりも
パンク修理は楽かもしれません。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_12590114.jpg
みんな大好き下灘駅。
海に一番近い駅として、青春18きっぷの
ポスターなどで知られるようになりました。
いまは海との間に国道が通じているので
厳密に言えば海に一番近い駅でもないのですが、
ちょっと高台にあるので見晴らしは抜群。
素朴なホームが大人気で、写真には写ってませんが、
この日も老若男女が入れ替わり立ち替わり訪れ、
記念撮影に興じてました。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13015757.jpg
駅舎もかわいらしい下灘駅。
一度はここで「駅寝」などして
思う存分に夕映えや夜景を堪能してみたいですが、
事案になりそうなので控えざるをえません(汗)。
意外とキャンプ場が見当たらないエリアでもあります。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13095435.jpg
ちょっと進むと道の駅 ふたみ。
以前はかなりボロかった記憶がありますが、
すっかりリニューアルされて多くの人が
立ち寄ってました。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13100153.jpg
ラーメンと唐揚げのセットをいただきました。
ラーメンはもちろん、唐揚げがジューシーで
たいへん美味しゅうございました。
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明治2年に作られたという
石組みの灯台が残る萬安港。
立派な堤防もあり、竿を出したくなりましたが、
一昨日のオニオコゼの重みで折ってしまったので、
見送るしかありません。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13141824.jpg
伊予鉄道の松前(まさき)駅。
明治の開業時に作られたといわれる
豪壮な駅舎です。
こうした私鉄を見ると、
いよいよ大都会・松山が近づいてきたことを実感。
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再開発が期待されているようですが、
いまの駅舎のほうが何倍も素晴らしいと思われ……。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13173665.jpg
14時半には松山の中心に着きました。
松山城に上るかと思いましたが、見上げると思いのほか
高いので、あきらめました。
(ロープウェイもあります)
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伊予鉄道は路面電車もいい感じ。
特に旧型の車両がかわいらしいです。
網の目のように路線が伸び、鉄道線と
交錯しながら市街を網羅してます。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13192663.jpg
松山中心街のビジネスホテルにチェックイン。
昨日の時点で、この日は松山でホテルに泊まろうと決めていて、
自宅に連絡して補給物資を送ってもらいました。
この中に予備の竿を入れていたはずなので、
あらためて買うよりはホテル代のほうが安いだろうと……。

しかし、自分の勘違いで、竿は入ってませんでした(汗)。
いよいよボケてきた感がいなめませんが、
竿は明日にでも釣具店で買うことにしましょう。
四国の旅 17日目 伊方〜松山_d0211129_13215321.jpg
部屋は9階にあり、まるで空撮のように
路面電車を撮影できました。こんなんでオタクは大満足。
フツーならこれに乗って道後温泉へ繰り出すところですが、
自分は温泉への興味が薄いので、
部屋風呂で十分に満足。
洗濯や充電なども済ませて寝入ったのでした。

続く。


# by cyclotourist | 2021-11-15 13:32 | おしらせ | Comments(0)

四国の旅 16日目 佐田岬往復

四国の旅16日目となる11月1日、
いよいよ佐田岬へ向かいます。
日本一細長いといわれる半島の突端であり、
四国最西端です。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_09525590.png
伊方市街〜三崎港までは佐田岬メロディー道路こと
国道197号をシンプルに進み、
その先は県道や農道です。
当初は国道を避けて小さな漁港をつなぐつもりでしたが、
それだと距離140km近くになるため、
往復とも国道を利用して距離98kmほどとしました。

Ride With GPSでコースを引くときは
楽観的で強気ですが、現地では「そんなに走れねーよ」と
弱気というか堅実な選択をすることも多くなり、
理想と現実が乖離することが増えてきました。
佐田岬半島は5年ほど前にも走ったことがあり、
けっこうアップダウンが多かった記憶があるのも
最短経路にした理由のひとつです。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10163089.jpg
6時、空が少しずつ明るくなってきました。
四国の西側にいると、日の出が山にさえぎられ、
明るくなるのがゆっくりです。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10163209.jpg
補給食とお守りを入れた
コックピットパック(トップチューブバッグ)以外の
バッグをすべて外しました。
レインジャケットはウェアのバックポケットに入れ、
完全に日帰り快走モードで出発。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10163670.jpg
伊方市街のローソンで
軽い朝食を済ませ、国道に上ります。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10163916.jpg
国道は尾根筋に伸びているので、
まずは標高200mくらいまでアップ。
トンネルが現れるたびに小さなアップダウンを
繰り返しながら進んでいきます。
トンネルが多いだけに上り量はさほどでも
ないのですが、あらためて走ってみると
岬への往路はトンネルの多くが上り基調となり、
抜けるのに時間がかかって、けっこう気をつかいます。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10171006.jpg
伊方きらら館という道の駅。
まだ8時前で入館できませんでした。
ここでクロスバイクに乗られた方に追いつくと
「お兄さん強いねー」なんて声をかけられましたが、
まったく強くありません(汗)。
レネゲードC2という、自分史上もっとも快適な
自転車に乗っているにも関わらず、
早くも疲労を感じつつあります。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10270088.jpg
長い国道197号は佐田岬メロディー道路と呼ばれ、
二箇所ほど音楽を奏でる区間があります。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10270437.jpg
路面に計算された溝が掘られており、
クルマの走行音がメロディーになるのです。
沿道に民家がほとんどなく、半ば観光道路のような
道筋だから可能な仕掛けでしょう。
ただし、自転車では鳴りません。
行き交う自転車が奏でるのを聞くのみです。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10315166.jpg
淡々と30kmほど走ると三崎港。
佐賀関からの国道九四フェリーが就航している港町です。
「佐田岬はなはな」という大掛かりな
観光施設が誕生していました。
しかし、三崎の入り口にある馴染みの(?)ローソンで
補給したばかりだったので、
特に中には入らず先へ進みました。
三崎で国道はとぎれ、ぐっと細くなる県道で
佐田岬へ向かいます。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10315384.jpg
三崎港へ進む九四フェリーが遠望できました。
以前の佐田岬訪問では、
これを利用して九州から三崎に上陸したので、
わずかな往復区間だけで佐田岬に至ることができました。
今回のようにガッツリ往復するのは、
あんまり賢くないような気もします(汗)。
三崎の周辺にもキャンプ場があるのですが、
事前に電話したところ閉鎖中とのことで、
それも室鼻公園を利用した理由です。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10420669.jpg
三崎から先の県道もアップダウンは多いのですが、
メロディーラインのように直線的な造りではないので、
個人的には走りやすく感じます。
景色の変化にも富むので好印象です。
クルマやオートバイだと、メロディーラインのように
ガーッと飛ばせる道が好都合なのかもしれませんが、
自転車はくねくねした細道のほうが楽しいです。
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佐田岬が見えてきました。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10421566.jpg
クルマやオートバイは岬から1.8kmほど手前の
駐車場までしか進めませんが、
自転車なら奥まで進んでいくことができます。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10462651.jpg
遊歩道ですが舗装されているので、
乗車できる区間がほとんどです。
ただし、鋭角的なカーブが多く、
歩いてる方も少なくないので、無理せずに
押し歩いたほうがよいでしょう。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_10474652.jpg
灯台の手前には開けたスペースがあり、
小さな堤防もあります。
昔はここにキャンプ場があったらしいです。
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ついに佐田岬に到着。
九州が目の前。これで四国最西端にも
立ち寄ったことにもなりました。
その小さな自己満足のために一日を
費やすわけです。
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展望台に設置されていた
「愛のモニュメント ラブリング」。
こういうのを絶景の地に設ける感覚が
自分には理解できません。
仮にパートナーと訪れたとしても
(そんなこと自分には金輪際ありませんが)
なんか照れくさいだけのような気がします。
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豊後水道に突き出した佐田岬は
海防上の要地でもあり、旧軍が作った
探照灯の格納庫などが残っています。
呉から出撃した連合艦隊を見守ったことでしょう。
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佐田岬の沖合を往復していた
US-2。望遠レンズがないのでちっこいですが、
日本が誇る飛行艇を見ることができて得した気分。
愛のモニュメントには何も共感できない自分ですが、
史跡とか軍用機には心がくすぐられます。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11025111.jpg
佐田岬からの復路は、わずかな距離ですが
農免農道へ。風車が林立してます。
ようやく紅葉もはじまってきたようです。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11035798.jpg
初見では絶対に読めない地名、「よぼこり」。
伊豆もそうですが、半島には難読地名が多いです。
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復路は多少走りやすくなるメロディーラインを
淡々と進み、伊方の道の駅に戻ってきました。
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館内には「サイクルオアシス」なるスペースがあって、
サイクルウェアとロードバイク、パンフレットなどが
置いてありました。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11070211.jpg
展望デッキに出ると、伊方原発が
ちらりと見えました。
原子炉が3基あって、すべて停止中。
そのうち2基は廃止措置に入っており、40年かけて解体するとか。
一度でも原発ができた町は、末長く原発の町です……。
道の駅の裏手に原発の資料館もあるので
ちょっと覗いてみたかったですが、
すでに16時近かったので、キャンプ地をめざしました。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11131422.jpg
メロディーラインを挟んで
対岸にある伊方の町に戻ってきました。
スーパーに立ち寄ってから、
キャンプ地へ。
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軽装でも十分に走りごたえがありました。
荷物を下ろすと、しばらくは
圧倒的な軽快感がうれしいものです。
それに浮かれて脚を使いすぎるのは要注意ですが、
ここぞというタイミングで連泊して
周回もしくは往復コースを設定するのは
なかなか賢い選択だと自画自賛するのでした。
さっきはフェリーのほうが……とか書いてて、
我ながら矛盾してます(汗)。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11145600.jpg
八幡浜のおでんを買ってきました。
やはり牛すじは追加したいところ。
四国の旅 16日目 佐田岬往復_d0211129_11150543.jpg
汁が同梱されてませんでしたが、
手持ちの「鍋キューブ」で煮込み、
おいしくいただきました。

四国一周において、もっとも手強いといえる
佐田岬を往復しましたので、
この日は深い安堵に包まれました。
フロントのインナーギヤを使うのも
今日が最後でしょう。それくらい、
この先の海沿いルートは平坦が続きます。
何度も訪れたエリアなので、土地勘もあります。

と、安堵しつつも、また大変なことをやらかさないよう
自重して行動しなければなりません。
走行中はもちろんですが、キャンプや釣りの最中も
こぼさない、倒さない、溶かさない、折らない、転ばない……
一挙手一投足に気を配るんだぞ、と
自分に言い聞かせた夜でした。

続く。


# by cyclotourist | 2021-11-15 11:34 | おしらせ | Comments(0)

四国の旅 15日目 宇和島〜伊方

四国の旅も15日目、10月31日となりました。
夜半から明け方まで雨が降っていたようですが、
ホテル泊なので何事もなく、
出発する頃には雨も上がりました。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_16551395.png
この日は宇和島から北上し、
個人的に四国ナンバーワンの絶景峠、
法華津峠を越えてから海へ向かって国道378号に出て、
八幡浜を過ぎて伊方町までという行程にしました。
距離は88kmほど。

伊方町の中心市街から4kmほどと近い
室鼻公園は、夏場のハイシーズン以外は
無料で利用できるキャンプできる穴場的スポットです。
四国もここまでやってくると、
佐田岬半島がラスボスとして迫ってきます。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17014314.jpg
7時にホテルを出て、
まだ曇天の宇和島を後にしました。
街のあちこちから宇和島城の天守閣を
望むことができ、ちょっと登ってみたくなりますが……。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17014510.jpg
近づいてみると、豪壮な石垣と急傾斜の登り口。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17014880.jpg
15分も登り道をいくのはしんどいので
(前述のように歩くのが苦手)
不審者と思われないうちに立ち去りました。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17015138.jpg
国道56号を北上してくと、
すぐに吉田町。少し国道を逸れて街中を進むと
たいへん趣のある通りが延びていました。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17015594.jpg
ほどなくして法華津峠の入り口。
国道56号の旧道にある峠です。
ここだけは旧道を見送るわけにはいきません。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17020839.jpg
現国道はいくつものトンネルで
山中を抜けていきます。それを見下ろしながら、
緩い勾配の細道をじわじわと上っていきます。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17021209.jpg
南に面した宇和島側は、峠のすぐ下まで
みかん畑が続いてます。みかん運搬用の
モノレールが険しい斜面に延びています。
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旧道は見晴らしのよい区間が多く、
たびたび現国道やJR予讃線が目に入ります。
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沿道に実ったみかんから、よい香りがします。
標高430mまで上る道のりですが、
重装備でもまったく苦になりません。
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旧道入口から小一時間でピークに到着。
この奥に展望台があります。
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どうよ、この絶景! と、まるで
自分のモノのように自慢したくなる峠です。
青空も広がってきて、山並みと海の共演が
まばゆいばかり。海が見える峠はどこも高揚しますが、
ここは全国的にもトップクラスに高ぶります。
やはり素晴らしい峠です。
四国一周はもちろん、南予でサイクリングするなら、
ぜひ訪れて欲しい峠です。
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北向き斜面となる卯之町側は、
うっそうとした杉林が続きます。
以前はこちらから上りましたが、
南から上るほうが圧倒的におすすめです。
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国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている
卯之町の街並み。
宇和島と大洲を結ぶ宿場として栄えたそうです。
豪壮な造り酒屋や町家が軒を連ねています。
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高野長英の隠れ家も残っています。
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愛媛県内に入るとブルーラインの
案内が詳細になり、都市名だけでなく
道の駅なども明示するようになります。
若干おせっかい気味ですが、安心感はあります。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17222239.jpg
国道56号を離れ、海沿いの国道378号へ。
水平線を覆い隠す大陸のようなシルエットは
佐田岬半島。長い……。
八幡浜へ向かう国道378号は、
きっちり海沿いを進みながらもアップダウンがほとんどなく、
快走できる好ルートです。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_17241669.jpg
しかし沿道にお店が少なく、
頼みのつなのヤマザキショップも日曜日なのでお休み。
道の駅には食事どころがなく、
かなりお腹が減りました。
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路肩にスミ跡が散見されます。
国道から直でイカ釣りをし、がっつり釣れている証拠。
なんともうらやましい環境です。
竿を出したくなりますが、
まだ伊方町まで距離があるのでグッと我慢。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18134356.jpg
視線を海から山へ向けると
全山をみかん畑にしたような光景。
棚田ならぬ棚みかんです。
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造船所の大きなクレーンが見えてくると
八幡浜。たいへん賑わってる道の駅があったので、
吸い込まれて食事処へ。
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名物の一つ、ちゃんぽんをいただきました。
格別にうまい! というわけでもありませんが、
空腹に染み渡ります。
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八幡浜から「四国一周」のブルーラインは
松山を示します。佐田岬は割愛するんですね……。
だが俺は向かう!
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八幡浜の市街を抜けた先、保内の集落では
ハイカラな擬洋風と呼ばれる建築が目を引きました。
愛媛初の銀行ができたり、四国初の紡績会社ができたりと、
明治の文明開化をリードした街ということです。
まったく知らないことばかりだ……。
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国道197号の旧道で伊方へ。
もはや目的を失った三角形の標識が点在。
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伊方町へ進んでいくと、目に入る
道や漁港の堤防が非常に高規格です。
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役場やなにかしらの庁舎も
町レベルを超えた立派さ。
もちろん原発がある町だと知ってるので、
なんとなく腑に落ちる立派さです。
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沿道に墓地があることは別に珍しくないですが、
伊方町では軍人として故人を祀った
墓石が多いように見受けられました。
関東の墓地では軍籍を記した墓石をあまり見ないので
このあたりは英霊に対する崇敬が
篤い土地柄なのかもしれません。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18294420.jpg
役場がある中心街から4kmほど、
標高60mほどまで上って海際に降りる
道筋なので若干の労力を要しますが、
小さな岬の突端にプールまである
立派な公園に着きました。
この室鼻公園がキャンプ地です。
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樫西園地のような高度感こそありませんが、
ここも海に臨んだ格別のロケーション。
さっそくテントを設営し、ひと安心です。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18313204.jpg
目の前は砂利混じりの浜なので、
宇和島で買ったキス釣り仕掛けを投げてみます。
しかし、一投目で根がかりして仕掛けを喪失し、
どうにもなりません。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18332348.jpg
買い出しのために街へ戻りつつ、
いい感じの波止が目に入ったので
降り立ってみます。
しっかりスミ跡があるので、エギを放り込むことしばし。
当たりないなーとエギを
波止の近くまで巻き戻していると、
ゆらーっと魚影が近づいてきて……
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なんか凄いのがかかりました。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18362251.jpg
全身に装甲をまとったような迫力あるお姿。
まさかエギに魚がかかるとは思いませんでした。
しかも、釣ったことがない魚です。
とりあえず、ツイッターに写真を投稿して
自己顕示欲を満たしつつ……
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18372208.jpg
もう一度持ち上げて、あらためて
「釣ったぞ」的な写真でも撮るかと
余計な行動をしたら、あっさり竿が折れました。
やはり安物はダメ……というか、自分の
不注意な行動がダメすぎる。自重しろと何度も……。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18382524.jpg
一匹でバケツが埋まるボリューム。
たぶんカサゴではないかと思えたので、
キャンプ場で食べることにします……。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18390276.jpg
そのままではジップロックに入らない大きさなので、
波止で頭を落とし、ざっくり3枚開きにして収納。
表皮も骨も硬いこと硬いこと……。
ずっしり重くなったジップロックをフロントバッグに入れ、
最寄りのコンビニでビールなど買ってから
キャンプ場に戻りました。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18483287.jpg
伊方の街明かりが見えます。

さて、キャンプ場に着いてスマホを見ると、
たくさんのメッセージが……。ついで電話の着信があり、
あわてて出ると、釣りの先輩からでした。

「それ、オニオコゼかもだから、素手で触っちゃダメ」

幸い、魚つかみを使ってさばいていたので
事なきを得ましたが、ヒレに毒があるとのことでした。
本当に知らないということは恐ろしい事です。
心配させてしまった先輩には
申し訳ない限りです。
ヒレさえ切り落とせば、
美味しくいただける高級魚とのことでした。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18493069.jpg
ヒレをハサミで切り落として
慣れない手つきでお刺身に。ずいぶんと肉厚です。
四国の旅 15日目 宇和島〜伊方_d0211129_18521409.jpg
オニオコゼは淡白な白身ながらプリッとした歯ごたえがあり、
軽い磯の香りが広がるような
独特な味わいを楽しみました。

こうして、かなり際どい体験を教訓として残しつつ、
イカに続く海鮮にありつくことができました。

この室鼻公園には連泊する予定。
そして、バッグ類をパージした最軽量モードで
ジェイミス・レネゲードC2の性能を見せてもらいつつ、
四国最西端となる佐田岬の往復に挑もうと思います。

続く。


# by cyclotourist | 2021-11-14 19:09 | おしらせ | Comments(0)

四国の旅 14日目 大月〜宇和島

四国の旅も14日目、10月30日となりました。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_14530952.png
この日は樫西園地から宇和島へ、
ほぼ国道321号と56号だけで、
半ば脇目もふらずに淡々と走りました。
走行距離は84kmほど。

当初の予定では、宿毛と宇和島の間にある
須ノ川公園(予約不要)でキャンプして
行程を刻み、外泊や由良など
小さな半島にも足を延ばす予定でしたが、
熟慮の結果、とっとと宇和島へ行って
ホテルに泊まることにしました。

・イカ釣りのあと不注意で竿を折ってしまい、
 釣りができない
・宇和島なら品揃え豊富な釣り具店がありそう
・数年前に訪れたエリアなので、マストな
 紫電改は見学済み
・電源が心細い
・室戸や樫西で連泊して行程が押してる

などが理由です。
実際のところ、至上の命題だった
アオリイカを釣り上げたことで、
釣り場への執着が薄くなり、
早く観音寺へ行きたいな〜とも思うようになったのです。
特にお尻を決めた旅ではないのですが、
日数がかさむほどそれなりにお金が消えていきますし、
体力も無限ではありません。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15023131.jpg
昨晩の唐揚げで使った油は、
熱いうちに油処理剤を投入しておいたので、
すっかり固まってます。このようにして
燃えるゴミとして処分します。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15033341.jpg
撤収作業中に猫が寄ってきましたが、
僕は猫に愛着がありません。
(といいつつ写真撮ってる)
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頼むから何かくわえて逃げたりしないでね。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15050452.jpg
新品のチェーンなので
かなり油膜が持ちましたが、早めに注油しておきます。
期間があるていど長い旅では、
シャンプーなどを入れるミニボトルに
オイルを入れて携行してます。
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実に素晴らしいキャンプ地だった樫西園地。
再訪を誓って、名残惜しくも出発。
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このあたりは沿道に田畑が多く、
かなり石高がありそうです。
国道321号に出たら、淡々と北上。
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四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15084833.jpg
宿毛市街に入る手前に、
実に渋い模型店がありました。
店主不在のようで入りはしませんでしたが、
ウインドーから見えるダンバインの充実ぶりに
驚きました。
やたらビルバインが多く、30年前に
誤発注して今に至るのか……などと
妄想がふくらみました。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15110510.jpg
まるで新幹線がやってきそうなほど立派な宿毛駅。
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だいぶ本格的なレンタサイクルを
実施しているようでした。
個人的にはレンタサイクルを利用することはありませんが
スポーツ自転車の入り口としては
ありなのかもしれません。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15111277.jpg
宿毛からは国道56号となり、
あっという間に愛媛県に入ります。
ありがとう高知県、よろしく愛媛県。
旧道礼賛は封印中なので、
トンネルのおかげで坂が少ない
国道を淡々と進みます。
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四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15140109.jpg
ジョイフルも四国らしさを感じさせる要素です。
(本拠地は九州のようです)
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いくつかのトンネルには、
路線改良前の細いトンネルが残っていて
歩行者自転車道として活用されてました。
ありがたい限りです。
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愛南町の須ノ川公園。
予想どおり素敵なキャンプ地でしたが、
名残惜しくも素通り。
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愛媛県に入ると、外洋に面した高知県とは
漁港の風情が異なる印象。
伊根の舟屋のような集落もあり、
なかなかそそられますが、
いまは竿が折れているので
見送るしかありません。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15183631.jpg
素敵な地名。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15193404.jpg
15時過ぎには宇和島の市街に到着。
高知県に一週間以上も滞在した身には
目もくらむような大都会です。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15201728.jpg
予想どおり釣り具店もあり、
新しい竿やエギ、メタルジグを補充。
携行用のテレスコロッドとして
シマノのホリデーパックが欲しいのですが、
二軒回ってもなかったので、
適当なテレスコロッドを購入。
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宇和島駅。大正3年、宇和島で最初に走ったという
ドイツ製機関車の復元模型が展示してありました。
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駅前のビジネスホテルにチェックイン。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15231841.jpg
室戸のビジネス旅館のような味わいは皆無ですが、
便利極まりないシングルルーム。
買い出しから戻って部屋着に着替えたら、
館内の洗濯機で全ウェアを洗濯。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15232082.jpg
充電祭り。
出力3.4Aと比較的高出力(普通?)な
充電器をコンセントに差しこみ、
手持ちのあらゆる機器に電力を流し込みます。
ライトなど容量が少ないものを優先し、
満充電まで時間を要するモバイルバッテリーは
就寝前につなぎます。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15232697.jpg
買った釣り具。
キス釣りにも挑戦しようかなと
仕掛けとワーム(疑似餌。しかしキス用じゃなかったらしい)も
買ってみました。そのほかサビキ釣りの仕掛けなどを
おまけとしていただき、
釣り道具が再び揃いました。
竿は柔らかく、大物を釣り上げられそうもないですが、
そうそう大物がかかることはないでしょう。

こうして、まるで自宅を出たときと同じように、
あれこれの状態を完全に整えたのでした。
居住性に優れたテントを携行していても、
たまにホテルを利用すると
もろもろの課題を一気に解消できます。
四国の旅 14日目 大月〜宇和島_d0211129_15294394.jpg
つい飲み過ぎちゃうホテル泊……。

続く。

# by cyclotourist | 2021-11-14 15:37 | おしらせ | Comments(0)

四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月

四国の旅も13日目、10月29日となりました。
この日は大月町の樫西園地に連泊として、
柏島を周遊してまいりました。
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距離は54km、標高差100mくらいの
アップダウンがぽこぽこ現れましたが、
キャンプ道具を置いての走行なので
苦になることもありません。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_11152805.png
まさに四国の片隅。東京からもっとも遠いといわれる地域です。
このあたりは自分も初訪問なので、
すべての道が新鮮でした。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_11175697.jpg
買っておいたカップ麺で朝食。
四国でよく見るタイプ。以前は
昔のペヤングのように樹脂製のフタでしたが、
ぺりぺりと剥がす一般的な包装に変わってました。
それでも印刷によって周囲にフタのような
凹凸を表現しているところにこだわりを感じました。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_11200570.jpg
柏島へは長いトンネルが通じていて
旧道へ行くかどうか迷いましたが、
幸い(?)旧道に通行止のポールがあったので、
ありがたくトンネルを通過させていただきます。

しかし、こうして仕事もせずに旅をしていると、
洗濯どうするか、充電どうするか、旧道へ
行くかどうかくらいしか考えることがなく
まったく気楽なものです。
仕事とか口座残高とかは、あえて考えないように(汗)。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_11243188.jpg
2001年に竣工した大堂トンネル。
全長1923mもあります。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12154164.jpg
トンネルを抜けるとほどなくして
柏島が見えてきました。
四国本土とは橋でつながっています。
周囲4kmほどの島です。
群青色の海に
養殖のいけすがたくさん設置されています。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12191027.jpg
自転車ナビラインは島に入った途端に
Uターンを指示しますが、
とりあえず奥まで行ってみます。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12254642.jpg
漁港をのぞくと、
海の透明度に驚きます。
まさにエメラルドブルー。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12194975.jpg
高知県内のあちこちで業績を見かけてきた
土佐藩の家老、野中兼山が柏島にも深く関わっており、
彼が築かせたという石堤が島の三方を囲っています。
これによって集落を波浪から守り、
漁業に適した潮流を実現したといいます。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12233542.jpg
物悲しい廃校。
周辺にはダイビングセンターが目立ちます。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12264038.jpg
漁村らしい狭い路地裏をはいかい。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12173259.jpg
突き当たりに真っ赤な灯台がありました。
灯台は陸地上にあり、長い堤防はありません。
海際は大岩がゴロゴロしており、
自分のしたい釣りには適してない様子でした。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12285707.jpg
四国本土とつながる橋の周辺に戻ります。
小さな船着場があり、足場の良さそうな堤防もありました。
それにしても海の透明度が高く、
行き交う漁船の船底が見え、海底に影がくっきり落ちるので
まるで宙に浮いているように見えます。
無風で凪いでいたら、もっと透明だったでしょう。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12282453.jpg
堤防や海際の道の各所にスミ跡があり、
かなり有望に思えます……自分の観測など
あてにならないことは骨身に沁みてますが、
期待するなというほうが無理と言える
絶好の環境です。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12314085.jpg
これだけ透明度が高いと、
浅瀬ではイカや魚の有無が一目瞭然。
偏光グラスを着用して海をのぞきこむと、
なにやら黒っぽい影がうごめいており、
ターゲットが存在することは明らか。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12364394.jpg
ここまでの釣れない釣りでいくつものエギを喪失し、
いよいよ最後の一個となってます。
まさに背水の陣。

船着場の周辺は水深がかなり浅く、
底は岩場なのでエギが引っかからないよう、
慎重に扱います。引っかかりそうな岩にエギが近づいたら
着底させず、問題なさそうなところまで
引いて着底。それを繰り返していると、
エギを引いたときに周辺の黒い影が
ピクッと反応し、着底させるまでに
スーッと寄ってくるのが手に取るように見えます。
確実にイカがエギに反応している様子がわかり、
胸が高まります。

着底させ、ちょっと気を抜いたときに、
大きめの黒い影がエギと一体化しました。
引くとズッシリと重みが伝わり、
竿がギューっとしなります。
間違いなくイカが抱きついてます。

夢にまで見た状況に
半ば頭が真っ白になりつつも
慎重にリールを巻き、イカをたぐりよせ、
最後は思い切り竿を振り上げて、
ギューンと空中にイカを持ち上げ……
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12480014.jpg
ついに釣り上げました。念願のアオリイカです。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12451210.jpg
震える手で自撮り。
連日の堤防歩きで赤鬼のような形相だ……。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12454535.jpg
500〜600gはあるでしょうか。
堂々たる巨体です。
四国の旅13日目にしてついに
夢をかなえました。

周辺にはまだイカがうごめいているので
戦果拡張を狙いましたが、
さすがにイカも警戒しだしたようで、
寄ってはくるものの抱きつきませんでした。
さきほどのような大きなイカはもういないようで、
小さなイカにはエギが大きすぎたようです。
ほどほどで竿をしまい、キャンプ場への
帰路につきます。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12525650.jpg
ありがとう、柏島。
ありがとう、野中兼山。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12563895.jpg
道の駅で地元産の野菜を売っていたので、
ナスを購入。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_12572013.jpg
いよいよ電源が危うくなっていたので、
最後の手段としてコンビニで乾電池を購入。
乾電池用のUSB給電機器にセットし、
優先度の高いガーミンを充電しました。
その後、スマホも充電しましたが、
それだけでほぼ枯渇……。
資源的にも予算的にもあまりにもったいないのですが、
紙の地図をもたない身としては
いたしかたありません。
空になった電池は、翌日に再び訪れた
同じコンビニで回収してもらいました。

数年前の日本縦断の際は、
充電用にソーラーパネルも携行したのですが、
かさばって重い割には発電量が乏しいのが難点でした。
(晴天8時間で3000mAhくらい)

今回は2万4000mAhと比較的大容量の
モバイルバッテリーとコンセントを持参し、
折りを見て充電することで各種機器に
給電していたのですが、
ガーミン、スマホ、デジカメ、ヘッドライト、
自転車側の前後ライトなど(すべてUSB充電対応で統一)
充電対象が多いと、なかなか追いつきません。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_13010347.jpg
なにはともあれ15時過ぎにはキャンプ場に戻りました。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_13090627.jpg
シメたイカは、ジップロックに収めた上で
保冷袋に入れて持ち帰りました。
本来なら氷で冷やしておきたいですが
今回は自販機で買った冷えた缶コーヒーを一緒に入れて
おきました。この季節で数時間なら
それで傷むこともありません。

ジップロックも保冷袋もナイフもまな板も、
ここまでおよそ900kmの行程で
単なる荷物に過ぎませんでしたが、
ようやく出番がやってきました。
ちなみに、ご存命中のアオリイカは
先の写真のように褐色ですが、
シメると色が抜けて透明感が出ます。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_13121634.jpg
長辺25cmのまな板に
ようやく収まる大きさ。この季節としては
なかなか良型ではないでしょうか。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_13151071.jpg
イカは捌くのか簡単で、お魚と違って
生臭さが少ないのも魅力。
軟骨と内臓を取り出し、両面の薄皮をはぎ、
アオリイカ特有の大きなエンペラ(ひれ)と
ゲソをとりわければ完了。
水で洗うと身が白くなります。
四国の旅 13日目 大月〜柏島〜大月_d0211129_13175064.jpg
一人前としては
十分すぎる量のイカ刺しとなりました。
お醤油を垂らし、口に運ぶと
思わずため息が出ます。
しっかりした歯ごたえのあと、
ねっとりしたうまみが口いっぱいに広がり、
箸とビールが止まりません。
スーパーや居酒屋でいただくイカ刺しとは
次元が異なる美味しさです。
釣り人の特権としかいいようがありません。
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エンペラやゲソ、身の切れ端などは、
さきほど買ったナスと一緒に唐揚げに。
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ジップロックに入れ、
からあげ粉をまぶします。
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揚げます。
大きめのクッカーがようやく本領発揮。
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家から持ってきたキッチンペーパーもようやく出番。
これがまたうまいのなんの……。
釣れてくれたアオリイカに
全身全霊で感謝しつつ、
夢のような晩酌を味わいました。
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ついに本懐を遂げました。
この日も涙ぐむほど美しい夕映えでした。

イカが釣れたら死んでもいいくらいに思ってましたが、
もう少し生きさせてもらうことにして、
四国の旅を続けましょう。


# by cyclotourist | 2021-11-14 13:39 | おしらせ | Comments(0)