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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

B.B.BASE体験記

こんにちは、田村です。
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昨日(5月20日)、「B.B.BASE」を利用してきました。
JR東日本千葉支社が運行するサイクルトレインです。
関東のサイクリストには大きなトピックとなっている列車なので、
概要をご存知の方も多いと思います。
今年の1月から走っているので、遅まきながらの初体験です。
同列車を利用したサイクリングを簡単にリポートしつつ、
そこで感じたアレコレを振り返ってみたいと思います。

まずは、きっぷを手に入れなければなりません。
実はこれが意外とやっかいで、これまで利用しなかった
理由のひとつでもあります。
B.B.BASEのきっぷは、駅の窓口や自動券売機で
買うことができません。
いわゆる旅行商品として販売されるため、
「えきねっと」か、びゅうプラザで事前に申し込みます。
しかも、4月までは、どのような方法でも5日前に
申し込む必要がありました。
5日前から必ず出発する! と決断するのは、
天候に激しく左右されるのが宿命のサイクリングにとって、
なかなかに高いハードルです。
普通の列車なら、指定券でも利用日を簡単に変更できますが、
旅行商品の場合、10日前から相応の取り消し料がかかります。
また、B.B.BASEが向かう房総エリアは、
ほかにアクセス手段がいくらでもあるので、
あえて何日も前に旅行商品を買う必然性がないですし、
「絶対○日に行く!」と、天候を度外視して
意気込むようなエリアでもありません。

ところが、4月からは、びゅうプラザの窓口に行けば
前日でも(日帰りの場合。泊まり付きの場合は二日前)
B.B.BASEを予約できるようになりました。

そこで、行こうと考えた日(5月20日)の天気がよいと
大むね確信できるようになった三日前になって、
びゅうプラザに出向いて予約してきました。
佐原往復日帰りで6400円です。
この金額の是非については、後述します。
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日帰りとは言え旅行商品。
佐原駅近郊で利用できる1000円分のクーポン券もあり、
きっぷは8枚に及びます。
加えて、行程表や利用案内のプリントなどを
どっさり受け取りました。
これら書類には「ご旅行中は携帯してください」と
書いてあるので、一式をサドルバッグに突っ込んでいきましたが、
けっこうな荷物ではあります。

さて、毎週末に運行されるB.B.BASEですが、
東京側の始発駅はすべて両国駅です。一方の目的地は週ごとに変わります。

内房(館山か和田浦で下車)
外房(勝浦か安房鴨川で下車)
銚子(松尾、干潟、銚子で下車)
佐原(佐原駅で下車)

上記4パターンがあります。
B.B.BASEは一編成しかないので、
行きたいエリアを選びたい場合(普通はそうですが)、
そこを選択できる機会は一ヶ月に一回の週末だけ、
ということになります……。

自分の場合、ぶっちゃけどこを走ってもいいので(汗)、
20日に乗ることを優先し、結果的に佐原行きになりました。
この極めて自由度の低いB.B.BASEの運行によって
可能になるサイクリングの楽しみ方もある……かもと思います。

自分が乗るB.B.BASEは、両国駅を8時12分に出て、
佐原駅には9時42分に到着します。
そして、復路は同じく佐原駅を17時32分に出る
B.B.BASEに乗ることになります。

通常の輪行アクセスでは、往路と復路、つまり入り口と出口の駅を
変えることで多彩なコースを考えることができます。
また、復路は駅に着いた時間に合わせて
きっぷを買う・変更することができます。
B.B.BASEは、そのどちらもできません。
入り口と出口が同じで、時間も動かせません。
片道だけB.B.BASE、という買い方もできますが、
今回はあえて往復ともB.B.BASEに乗ることにして、
その「縛り」を楽しんでみることにしました。

結局、サイクリングの醍醐味は走ること自体にあるので、
B.B.BASEにしろ普通の輪行にしろ、
走りが充実するかどうかが最優先事項です。
そこで、佐原駅を9時42分にスタートして、
17時32分までに戻ることができるプランを考えます。
佐原を起終点とし、実質7時間ちょっとで
走ることができるのが条件です。
こうした「縛り」があるほうが、コースを決めやすいとも
言えますし、時間と行程の進捗を気にしながら
緊張感のあるサイクリングを楽しめる……かも知れません。
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佐原から銚子まで往復することにしました。
往路は利根川の土手に延びる自転車道を利用し、
復路は、犬吠埼から外川へ回り込んで屏風ヶ浦などを見た後、
利根川を離れた内陸部を進むことにします。
この復路は、ほとんど馴染みのないエリアなので、
特に見所がなくても何となく気分が高まります。
距離は102kmとそれなりですが、獲得標高が300m未満なので
地形的にはイージーでクルマも少なそう。
それだけに風向きの影響を顕著に受けるエリアですが、
予測では北風基調の微風だったので、キツイ向かい風にはなるまいと
希望的に考え、このコースをハンディGPSにセット。
そして迎えた当日、いよいよ
B.B.BASEに乗り込むことになりました。
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自宅から両国駅までは10kmほど。
陽射しは朝から強いものの、気温は20℃くらいで
清々しい日和に恵まれました。
写真の駅舎正面ではなく、西側の臨時改札に向かいます。
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通るべき道に案内プリントが貼られており、
迷うことなく進むことができました。
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フェンスで区切られた敷地から、
直接3番ホームに上がります。この番線は定期列車の利用がなく、
幻のホームなんだとか。こうした自転車を転がしていけるホームが
あるからこそ、両国駅がスタート地点になったんだなと実感。
構造が複雑で人混みが絶えない新宿駅や東京駅では
自転車を転がすなんて許されないでしょう。
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発車30分前から入線してるB.B.BASE。
今や廃車が進みつつある209系の通勤電車を改造した車両で、
6両編成です。
見た目の好みは人それぞれなので何とも言えませんが、
個人的には萌えませんね……。
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車内は一新されています。
四席ないし二席ずつのセミコンパートメントが配され、
それぞれのシート裏に、自転車を縦に吊るすラックが設置されています。
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コンセント付きの大きなテーブルが固定されています。
シートはリクライニングせず、やや硬い座り心地。
ヘッドレストは上下します。
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完全にグループでの利用を見込んだシート配置です。
だから娘を誘ったんですが、あえなく断られて(汗)
今日は一人旅です。
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愛機をラックにセット。
よいしょっと持ち上げる必要はあるものの、
簡単かつ確実に固定されます。
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前輪を載せるラックを展開した様子。
機能重視の無骨な造りですが、それだけに丈夫そう。
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ラックにはダンパーが接続されており、スムーズに動作します。
ガチャン、と落ちたりはしません。
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35Cのセミノブタイヤが隙間なく収まりました。
ラックの内側にゴム製でチューブ状の緩衝材があり、
異なるタイヤの太さに対応しています。
タイヤ幅50mmまで搭載可能らしいですが、
ラックがダウンチューブの下まで伸び、タイヤのかなり高い位置まで
抑えるため、マッドガード付きの自転車は
搭載できません。
もちろんタンデムやリカンベント、ファットバイクなんかも
NGですね。
このように、B.B.BASE自らの仕様が、ますます「縛り」を
生んでおります。
このあたりの解決策はすぐに思いつくのですが、
後述します。
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とりあえず、初使用でも迷うことなく確実に
自転車を搭載してくれます。
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運転士、車掌さんとは別に、
3人のクルーが乗り込みます。

さて、定刻通り8時12分に発車。
津田沼と千葉に止まりますが、その両駅から乗り込む場合は
輪行袋に入れる必要があります。
さすがに途中駅から乗り込む方は見当たらず、
両国駅で乗り込んだ13名がすべてでした。
B.B.BASEの定員は99名なので、
乗車率は約13%。
外房や内房コースに比べ、佐原は地味感があって
利用客が少ないのかもと思ってましたが、
ちょっと少な過ぎます……。
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発車ほどなくしてクルーが車内を巡回し、
8時30分から4号車でレクチャーがあると触れ回ります。
4号車は指定席がないフリースペースになっていて、
ロングシートと手すり、モニタなどが設置されています。
お菓子なども販売しています。
ここで佐原市の観光ムービーを流したり、モデルコースの
パンフレットを配布したり、「乗り遅れないように」と
注意を促されたり……。
このレクチャー時間やクルーの接客(?)によって、
自分のB.B.BASEに対する
評価はだだ下がりとなったのですが、
詳細は後述します。
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車窓は平凡ですが、市街地を抜けると
青々とした水田が広がるようになり、輝くような青空と相まって
なんとなく気分が上向いてきます。
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佐原駅到着も定刻通り、9時42分です。
改札口側のホームに付いてくれるので、
楽々と外に出ることができます。
輪行の収納と組み立てが早いことだけが自慢の自分ですが(汗)、
さすがにサイクルトレインは便利だなと実感します。
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この歓迎ムードがうれしい。
わずか13名でスイマセンと恐縮してしまいます。
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江戸時代に栄えた商業都市にふさわしい和風の駅舎。
バイクラックも登場しており、全面的にサイクリスト歓迎ムードです。
輪行袋を広げることなく、ここに自転車と一緒に
立っている現実が不思議に思えます。

いよいよサイクリングの開始。
アームカバーとレッグカバーをしてきましたが、
それでも肌寒さを感じるほど風が強い日でした。
とりあえず駅前のコンビニで水と補給食を確保し、
一路、利根川沿いへ向かいます。
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思いのほか向かい風成分が強くて進まない!
いきなり心が折れそうになりましたが、
最初の5kmほどを過ぎれば進行方向が変わることを思い出し、
(佐原あたりだけ利根川が北に盛り上がってる)
我慢してノロノロ進みます。
目安として、13時までに銚子・犬吠埼あたりに
着きそうもなければ引き返すか輪行しようと決めてました。
サイクルトレイン利用とは言え、輪行袋は持ってます。
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幸い、向かい風から横風に変わりましたが、
それでも抵抗が多少は増えるので、
利根川沿いの距離25kmを走り終える頃には
だいぶ疲弊してしまいました。
オニギリをひとつ食べてから、一般道に出て銚子へ向かいます。
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次第に風向きがよくなり、
君ケ浜越しに犬吠埼を望む頃には平均時速20kmを越え、
12時過ぎには白亜の灯台を望むことができました。
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ああキレイだなと思いつつ一服し、
速やかに次ぎなるスポットに向かいます。
ペースは悪くないものの、やはり列車の時間が決まってると
気が焦ります。
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銚子電鉄の犬吠駅。
ここにもバイクラックが登場してました。
元々へんな駅舎ですが、
訪れるたびに色が変わってる気がします。
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味のバリエーションが増えたぬれ煎餅と、
クリアファイルを購入。二人の女の子は、
地元の高校生が描いたそうです。微妙に萌えます。
今後の展開に期待しつつ、銚子電鉄が誇る
名駅に向かいます。
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終着の外川駅。木造駅舎が素晴らしく渋い。
銚子に来たら訪れずにはいられない癒しスポットです。
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時間が止まったような、どこか懐かしい駅舎。
ベンチで居眠りでもしたくなりましたが、
B.B.BASEが待つ身としてはそうもいきません。
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白い波頭が寄せる外川の集落を抜け、
ぐんぐん先に進みます。このあたりは追い風になったので
35Cのセミノブタイヤを履いたグラベルロードでも
時速30km近いペースで巡航できて爽快そのもの。
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先を急ぎつつも、屏風ヶ浦をパスするのは惜しいので
遊歩道に自転車を進めます。ドーバー海峡に比される海岸美が
しばらく続きます。ドーバー海峡がどれほどキレイなのか
知りませんし、無理に欧米の名所になぞらえる必要も
感じない絶景です。
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ほどなくして海岸線に別れを告げて北上を開始、
広域農道と県道をつないで佐原をめざします。
B.B.BASE関連の某パンフレットに
「香取市の南側には、これといった見所はないが〜」などと
ばっさり書かれていましたが、
進むごとに緩やかな丘陵と田園が交互に現れ、
飽きることがありません。
風車を見ながら風向きに一喜一憂しつつも、
走ることに集中できる好エリアです。
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丘陵に上ると富良野のような色っぽいカーブの畝が畑に連なり、
そこを下ると一面に田植えを終えた水田が広がります。
関東一の米どころです。
こうした農業地域にも、コンビニが点々とあるのが
千葉の有り難いところ。サンクスがファミリーマートに、
セーブオンがローソンに統一されてしまったのは寂しいですが、
今日のようにトッとと走る必要があるサイクリングでは
手軽に補給できるコンビニの存在が欠かせません。
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15時半には佐原に戻ってきました。
銚子エリアの散策でペースが落ちましたが、
それ以外はコンビニに二回寄ったくらいでセッセと走ったおかげで、
予想よりも早く戻ることができました。
B.B.BASEに乗る時間まで、ゆっくり街めぐり。
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局所的に外国人観光客が群れていて辟易としましたが、
ちょっと中心地を外れると静かなものです。
伊能忠敬の記念館や銅像を見たりしても
まだたっぷり時間があります。
そこで、駅前の観光案内所へ顔を出し、
1000円分のフリークーポンを使わせてもらいました。
結局、ここでもぬれ煎餅を手に入れ、
サドルバッグはパンパン。
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観光案内所で教えていただいた銭湯へ。
あまりにも入り口が分かりにくく、前の通りを
二度も往復。それでも見つからず、すぐ近くの商店で
訊ねてようやく見つけることができました。
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ほとんど庭のような路地を抜けます。
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明治初期から続くという柳湯。
ゲーム機が渋い。近頃の世相と無縁の灰皿もうれしい(汗)。
料金300円で、タオルも無料で貸してくれました。
さらに、なぜかお菓子までいただき、
身も心もほっこりして駅に向かいました。
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改札の向こうで、しっかりB.B.BASEが待ってます。
輪行が手間とは思わない自分ですが、
やはり自転車を転がしていけるのは快適。
道が列車の中まで続いているようです。
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両国駅から自宅まで走るので、
泡が出る飲み物が飲めないのは少し残念ですが、
ぬれ煎餅はやっぱり美味い。
シンプルな醤油味が好みに合いますし、
自分は前歯が差し歯なので、シットリした柔らかさが
この上なくうれしいのです。
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復路も定刻通りの運行で、19時29分に両国着。
すでに100km走って、佐原では気だるさも感じましたが、
ぬれ煎餅でだいぶ回復したようで、
自宅までの10kmも気持ちよく走ることができました。

こうして、かなり良質の満足感を得ることができた一日でした。
風は強いものの好天に恵まれ、
自分が計画したコースを、予想した時間内で
ちゃんと走りきることができました。
それだけで嬉しいものです。

その機会を与えてくれたのがB.B.BASEですから、
やはり感謝したいと思います。ありがとう、209系改。
また近いうちに利用したいと思います。

最後に、いちサイクリストとして感じた
B.B.BASEについての印象や改善すべき点などを、
思いつくままに列記してみます。
雑誌の記事などでは書かない辛口ですが、
すべては可能性を信じる愛ゆえに……。


●運行について
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週末のみで一日一往復、出発地は両国限定、行く先は週変わり……。
窓口に行けば前日でも予約できるようになったと言うものの、
思い立った時に好きな駅へ向かうことができる、という
通常の鉄道輪行に慣れた身には、かなりキツイ制限があるB.B.BASE。
一編成しかなく、平日に運行しても
多くの利用者が見込みづらいから仕方ないですね。
これはどうしようもないです。
新幹線や「あずさ」みたいな頻発多需要特急と
比べるのは無理。
だから利用できない、しない、と考えるのも仕方ないでしょう。

自分は開き直って、かつての「北斗星」や「カシオペア」と
同じように、特別な列車だと思うことにしました。
(さすがに「四季島」は乗ったことない。汗)
つまり、その列車に自分を合わせるしかないんです。
B.B.BASEに乗れる日に予約し、
B.B.BASEが発着する駅を基準にコースを考え、
B.B.BASEに乗れるような距離を走る。
今回、自分はそのようにしたわけですが、
制約の強さがかえってサイクリングを
充実させてくれた気がします。
特段、佐原に興味があった訳でもないですが、
周辺を走って、街を見てみると、
新たな発見に満ちていました。
55歳から全国を測量した伊能忠敬って、
理想のアクティブシニアだと感じました。

佐原には失礼ながら、いつもの輪行で選ぶことは
まずない駅ですし、北総というエリア自体、
積極的に訪れることはありませんでした。
実際、信州や北海道に比べたら華を感じないエリアです。
やっぱり、B.B.BASE的な新幹線ができればいいなと思いますよ。
しかし、いつもいつも峠だ地平線だと高望みしていても
キリがないですから。
今あるB.B.BASEを利用して、
より積極的に房総を走りたいなと思いました。

もう少し、現地への到着時間が早いほうが助かりますが、
必然的に両国発も早くなるので、悩ましいですね。
銚子行きなどは、年末年始に「夜行B.B.BASE」とか
運行しても楽しそう。初日の出のメッカですから。

●車両全般について
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通勤電車を改造したB.B.BASE。
中途半端に古いタイプで、国鉄型のようにレトロ感があるわけでなく、
少なくとも外形はカッコよくない。
見た目のデザインは、結局は好みの問題なので
いい悪いじゃないと思いますが、モノトーンのカラーリングが
冷たさを助長するようで、旅情は薄い車両です。
自分のこの印象は、JR九州の観光列車と比べたら……
というものなので、高望みが過ぎるのかもしれません。
向かい合わせのセミコンパートメント席は
グループには楽しいかもしれませんが、一人では微妙。
もっとも、自分が体験した低い乗車率では、
一人でコンパートメントを占有できるので問題ないですが……。
シートは背もたれが固定なので、特急に比べると
落ち着きませんでしたが、乗車時間がさほど長くないので
十分とも言えます。また、総武線・成田線とも線形がいいので
乗り心地は悪くないです。
床は滑り止めが効いていて、クリート付きで歩いても
不安が少ないです。
トイレは使わなかったので、不明です。

●ラックについて
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スペースの有効活用と、確実な固定を両立させた
秀逸なラックだと思います。
ただ、根本的に縦型積載という方法は、
99名の最大乗客数分の自転車を
積み込むための苦肉の手段とも感じます。
また、事実上、ロードバイクとクロスバイクに特化した
仕様になっています。
大抵のミニベロでも問題なさそうですが、
やはりガード付きの自転車(要はツーリング車)が積めないというのは
ツーリングを楽しむためのサイクルトレインとしては
大きな欠陥だと思います。
ガード付きの自転車は、輪行が手間なので、こうしたサイクルトレインを
利用できると本当に助かるのですが……。

これは簡単に解決できるはず。
ガード付きの自転車の場合、車両端やフリースペースに
「そのまま」置いてもらえばいいんです。
車輪を抑えるスタンドや固定ベルトくらいは
あったほうがいいでしょうが、
全国各地のサイクルトレインは、特別なラックなしで
運用してます。
99名全員がガード付きの自転車で来たら?
そんなことはありえないでしょう(笑)。
運用側として心配なら、
「ガード付き自転車の方は予約時に申し出てください」
くらいの一文を設ければ事前に把握できると思います。

●4号車フリースペースについて
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通勤電車のDNA(?)を感じさせるロングシートと
大型ディスプレイが設置されたフリースペース。
現状では、効果的に活用されているとは
思えませんでした。
寝台特急などの場合、自席が個室であることが多いので、
なかまと談笑するスペースとしてフリースペースが
重宝しましたが、各席がセミコンパートメントである
B.B.BASEにとって、わざわざ自席を離れて
より安直なロングシートに座る必要がないです。
そして、情報発信・提供スペースとしても
活用されているといえません。
クルーが佐原市の観光ビデオなどを流してましたが、
そういう映像で時間的に拘束されるのは
不快に感じました。
フリースペースを訪れた乗客が、自発的に
閲覧できる(興味なければ見ないですむ)
パネル展示や冊子の積みおきなどでよいかと思いました。
クルーの手作りでいいんですよ。むしろ、それがいい。
物販は、籠にお菓子などが入っているだけで、
特に力が入ってません。もしかしたら他にも何か
売ってるのかも知れませんが、分かりませんでした。
せめてウォーターサーバーがあるとか……。

この4号車は、前述したようにガード付きの自転車を載せたり、
タンデムやリカンベントなども
載せてくれるスペースにしたらいいと思いました。
実際にそうした自転車の利用者が少ない・いないとしても、
「ちゃんとサイクリストのことを考えてる感」が
いっそう出ると思います。それが乗客の心地よさにつながります。

また、B.B.BASEを降りて向かうであろう各地の駅や
地域の観光案内所と連携を取って、当日現地の天候や風向き、気温などを
貼り出したり、通行止めなどがある区間を示すなど、
B.B.BASE内だからこそ知りたい情報を提供してほしいと思います。
人気店の日替わり定食のメニューとかでもいいでしょう(笑)。
4号車は、クルー次第で今以上に活用できるスペースだと思います。

●料金について
B.B.BASE佐原日帰り往復で6400円。
日帰りの交通費としては高いとも感じますが、
妥当と思える設定です。
普通列車で両国から佐原へ行くと、1600円くらいかかります。
往復で乗車料3200円。
両国から佐原に向かう定期的な特急がないので(たぶん)
正確には分かりませんが、B.B.BASEは事実上特急なので、
特急料金が1500円くらいかかるはず。
これが往復で3000円。
つまり、だいたい6000円になります。
1000円分のフリークーポンが付属することを考えれば、
良心的な価格設定と言えるかも知れません。
交通費の高低も要は価値観なので、
「高い」と思えば利用しなければいいでしょう。

自分も少し高いなとは思いますが、振り替ってみれば、
三島へはたびたび新幹線で往復して8000円も出してます。
それを苦にしないモチベーションが沼津にはあるわけですが(笑)。

●モデルコースについて
B.B.BASE公式ホームページや、一部のパンフレットなどで
走るべきモデルコースが紹介されています。
ただ、数が少ない上、自分としては「?」と
思えるコースもあり、魅力が乏しいです。
本質的には、走るコースは自分で考えるのが当然な訳ですが、
B.B.BASEを利用してアクセスしたくなる
モチベーション作りが必要かとも感じました。
定番なのはスタンプラリーでしょうか。
クルーの方が「JRとして特定の店舗などを紹介するのは難しい」といった
意味のことを言ってましたが、思考停止に近いです。
また、フェイスブックで「B.B.BASEファン」なるものがあって、
そこで誰かしら発信してるとのことですが、
そのような非公式でどなたが書いたか分からない情報を
(もしかしたら関係者がやってるのかもしれませんが)
参考にしたいとは思えませんでした。
フェイスブック、ふだんからほとんど使ってませんし(汗)。

●クルーについて
正直、いちばんの改善要素だと感じました。
とても親切でやる気があるのは痛いほど伝わるのですが、
その振る舞いが洗練されてない。

「本日はどちらへ走る予定ですか?」
「銚子まで往復しようかと」
「最高ですね! 川沿いで自転車道ですか?」
「往きは。帰りは内陸を……」
「往復とも川沿いがいいです」
「……(決めるのは自分ですよ)」
「内陸に見たいのがあるんですか?」
「……(ないけど走りたいだけ。悪いのか?)」

乗る時に声をかけられ、いきなり交わされた会話です。
復路での乗り遅れを心配してのアドバイスだと思いますが、
自分が考えてきたプランを、当日になって変更させるほどの
説得力がありません。自分がどれだけ走れるか?
少なくとも初対面のクルーさんよりも、自分自身のほうが
分かってますから。
また、クルーさんがどれほどサイクリストとして
優れていたとしても、自分がそれを知る由もありません。
歯に衣着せずに言えば、「馬鹿にすんな」。

とにかく、早く佐原に戻って、という発言が多く、
お風呂に入るなりして時間を調節して列車に戻るように、と
何度も乗客に伝えてきます。
そういうガイドツアーや小学生の遠足ならともかく、
こちらは自由に走るつもりでB.B.BASEに乗ったのだから、
ほっといてほしいものです。

自分がクルーに望むものは「ゼロ」です。
出発や到着の案内は、本職の車掌さんが
ちゃんとアナウンスしてくれます。それだけで十分。
もし混むときがあれば、自転車の固定などを
サポートするクルーが必要でしょう。それも
両国駅で対応すれば済むので、
クルーが車両に同乗する必要は
ないのかもしれません。

フリースペースでのレクチャーは、開催前に
各席までクルーが誘いにきました。
若干無理強いです。アナウンス(放送)だけに留めてほしい。
しょうがないから赴いたフリースペースでは、観光ビデオを流し、
パンフを渡し、遅れるな・列車は待てないと言い、
質問ありますか? と聞くだけ。
その観光ビデオが、見だすと実はけっこう面白くて、
「江戸勝り」という自負が佐原にあるとか、
お祭りの様子とか知ることができ、だんだん真剣に
見始めていたら、クルーが「もういいでしょ」と
途中で映像を止めて、自分の話を始める有様。
じゃあ、最初から見せないで欲しいっす。

その後も、各席までクルーが回り、
コースについて質問ありませんか? と聞いて回るクドさ。
自分は軽く眠くなったので眼をつぶって、
近寄るなオーラを出していたつもりですが、
それでも声をかけてくる……。
「隣に座っていいですか?」
「……(やめてよ)」
もう自分からクルーに聞きたいことはないですし、
叩き起こされたような状態なので、
仮に質問があったとしても
そんな気分にもなりませんでした。

こちらはクルーに何も期待してないのだから、サービスはゼロでいい。
少なくとも不快感を与えない接客を
マスターしてほしいところ。
もしかしたら、B.B.BASEクルーの接客がツボに
はまる利用客もいるのかも知れませんが、
自分としては無駄に元気な居酒屋かラーメン屋のお兄ちゃんに
接しているようで楽しくはありませんでした。
ふつう、乗務員やアテンダントが車内を通るときは、静かに歩いて、
出入りするときは黙礼します。
そういう教育に基づく振る舞いもない。

たぶん、他の観光列車のアテンダントさんの
スキルなどを知らないんだと思います。
津軽鉄道のスルメ焼きとか、「ゆふいんの森」の優雅な
アテンダントさんとか、見習ってほしい。
新潟のメイドバーでもいい(笑)。
圧倒的な芸か知識を持っていて、それでいて押し売りせず、
自然と利用客のほうが話を聞きたくなり、
訊ねた時には万全のアドバイスをしてくれる……
そんな接し方が理想だと思うんですよね。
もしくは、ハナから乗らないで、サービスゼロがいい。


B.B.BASEは特別な列車だと思います。
自転車をそのまま車両に持ち込めるという取り組みは、
全国各地の鉄道でちらほらと採用されていますが、
専用の列車を用意して、首都圏からスタートし、
ある程度の長距離を定期的に運行するB.B.BASEは
空前(絶後にならないことを祈りつつ)の存在です。

B.B.BASEに関して、いろいろ辛口コメントを綴りましたが、
基本的にはオススメです。房総サイクリングを楽しむ
アクセスのひとつとして、ずっと存在してほしいと思います。

鉄道全般は、あまりに身近すぎて、
なくなって初めて大切な存在だったことに気付いたりします。
各地のローカル線しかり、ブルートレインしかり、そして
JR九州が走らせていたサイクルトレイン「あそ1962」しかり……。

僕のようにオタク属性がある人の場合、
本気で押すアニメがあったりすると、その二期を期待して
録画していてもブルーレイなどを買うものです。それがオタクの愛です。
房総が好きなサイクリストなら、一度はB.B.BASEを利用して、
その存続を応援すると共に、あらたな房総の魅力を
発見してほしいと思います。



# by cyclotourist | 2018-05-21 17:02 | おしらせ | Comments(8)

Tailfinで2サイド温故知新〜愉快な仲間と信州ツーリング〜 その3

こんにちは、田村です。

信州ツーリング二日目は
木崎湖からぐんぐん南下して
別所温泉キャンプ場をめざします。
距離90kmはまあいいとして、
後半に標高1300mの保福寺峠を越えるので
キャンプツーリングとしては十分にタフなコースです。
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小雨が降ったりやんだりで、ついついコンビニに
吸い込まれてしまいます。
そして、雨天走行を覚悟してレインウェア上下を着込むと
晴れてくるというお約束の展開(笑)。
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明科を過ぎた先で通行止めに遭遇。
迂回路の表示がわかりにくく、土砂崩れ現場まで行って
引き返すことを強いられましたが、
信州はどこを走っても心が躍るので、不思議と
無駄に走った気がしません。
トシさんと自分、二人の関東勢は信州が比較的近いですが、
それでも訪れるたびにワクワクします。
京都からお越しの北山さん、そして四国からの
ジェームス氏のお二人にとっては、いっそう
非日常的なサイクリングなんだと思います。
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善光寺街道の宿場町を通過。
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国道との分岐点にある、保福寺峠手前の
最終コンビニで小休止。シール付きのお菓子で小腹を満たし、
それぞれ推しキャラのシールを交換するという
微笑ましいひと時。
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保福寺の山門には大きな草鞋が下がってます。
ここを過ぎると、ほどなくして峠路のはじまり。
距離10km弱で標高差500m少々を稼ぐ峠なので、
さほど勾配はきつくなく、じわじわと上る印象です。
昨年の夏に越えた時は暑さが堪えましたが、
この日は晴れてきても風は爽やか。しかも、
めずらしく二日酔いじゃないので
峠越えが苦になりません(笑)。
仲間と一緒のキャンプツーリングだと、その二日目は
だいたい二日酔いにやられてるのですが、
前夜はかなり冷えたので、
ビールを飲み過ぎなかったのが幸いでした。
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そこかしこで田植え中。
枯れていたり、青々としていたり、稲穂が揺れていたり、
いつも田んぼが四季を教えてくれます。
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小一時間で峠直下の湧き水ポイントに到着。
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ちょっと開けた峠に到着。
直上に青空は広がったものの、北アルプスが望めるほどには
雲が晴れませんでした。ちょっと残念ですが、
前日の嶺方峠で拝むことができたのでよしとしましょう。
そして、Tailfinのラック&バッグに
6kg弱程度の荷物を積んでも問題なく峠越えが
楽しめることを改めて確認することができました。
フロントバッグなしで、ほぼ100%リア積載でも
不都合はないです。ただこれは、やはりフレーム剛性が
十分に高い、現代的なロードバイクの恩恵が大きいと思います。
さて、お楽しみの下り。
ディスクブレーキのおかげで、へたくそな自分でも
下りを楽しむ余裕が生まれるシーンが増えたのですが……
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別所温泉方面へショートカットできる林道は、
自分としては予想外のダートでした。
いつも舗装路で麓まで下ってたので、知りませんでした……。
MTBベースの「山と旅の自転車」に乗る北山さんと、
生粋のランドナーに乗るジェームス氏は余裕。
ロードでも32Cタイヤを履かせているトシさんも
気負うことなく下っていきますが、
25Cで来ちゃってる自分は緊張する行程。
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それほど荒れてないダートなので、ゆるゆる下りました。
さすがに下りは冷えるので、最近お気に入りの
モンベル・サイクルドライシェルを着込んだ自分(右)。
いわゆるメンブレンが外側に露出している
軽量タイプのレインジャケットで、画期的に
蒸れにくいのが魅力なのですが、各社とも
今のところ黒に近い色しかないのが難点。
これは、「シェイクドライ」という新しい
メンブレンの染色が難しいことが原因です。
詳しくは今月発売のサイクルスポーツ誌に
掲載される予定なので、お楽しみに(笑)。
なにはともあれ、ウェアや自転車は
写真左のトシさんのように、
明るい色のほうが安心感は高いなと思います。
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距離3、4kmでダート林道を抜けると、
別所温泉直上の集落に出ます。
しかし、キャンプ場がある森林公園までは、
ここから無情の上り返し。
最近、見事にブルベを完走されたジェームス氏も
満開(あとは散るだけ)寸前です。
もちろん、自分もヘロヘロ。
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ちょうど17時にキャンプ場の受付に到着。
しいたけ資料館になっていて、さまざまな
きのこ類が説明されてます。しかし、肉が食べたい(笑)。
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別所温泉森林公園キャンプ場。
傾斜地を切り開いたテントサイトは必ずしも
ツェルト向きではありませんでしたが、
ゴールデンウィークに関わらず利用者は
それほど多くなく、なんとか平坦なスペースを見つけ、
立木と倒立させた自転車でツェルトを設営。
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この自転車をポール代わりにする方法は、
昨年の列島縦断ツーリングで頻繁に使いました。
今回はガイライン(張り綱)の上手な使い方を
トシさんに教えてもらい、いっそう自転車を
安定させつつツェルトを張ることができました。

油圧ディスクブレーキの自転車を倒立させることに対して、
心配される向きも多いのですが、経験上、数日ほど
ひっくり返したままでも実用上は問題ないです。
ただ、レバーストローク(引き代)が変わることが多いので、
乗る前にはブレーキレバーを数回にぎにぎします。
すると、自然に正常なストロークに戻ります。
ちなみに、シマノの説明書では倒立は避けるように
書いてあるので、このあたりは自己責任で。
もちろん、すべての行いは自己責任に決まってるのですが(汗)。

さて、設営を終えたら入浴と買い出しという
流れが定番であり、人として欠かせません。
しかし、入浴施設とお店がある別所温泉の中心街は、
キャンプ場から距離3km、標高差200mちょっとの下界です。
下りはともかく、お風呂に入ってから、
がっつりとビールを買い込んで上り返すのは
今の我々、というか自分にはしんどすぎます。
さすがに日も暮れるし。そこで、思いついた方法を
恐る恐る皆に告げました。
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「タクシー呼びませんか?」
「いいね〜」(笑)
大人4人で割ればそう高くないですし、
認めていただいてよかったです。
「あなたは最低です!」と、誰かにビンタされるかと
恐れていたのですが(汗)。
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つつがなく入浴と買出しを済ませ、
復路もタクシーを予約して楽々キャンプ場に帰着。
運転手さんも実は自転車乗りだそうで、
エンペラーに乗ってるということで
タクシー車内は大盛り上がり。買い出しできるお店も
教えていただき、結果的に
最良の選択でした。
あとは、寒さに耐えられる限り
食べて飲んで語り合うだけ。至福の時間が過ぎています。
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100円ショップで買っておいた
網焼き器でナスを焼いてみました。
なかなか美味でしたが、寒いのにガソリンバーナーが
オーバーヒート気味になったりして
冷や汗も。やっぱりガスバーナーが
あらゆる面で最良ですね(汗)。
それを持ってるのに、なぜいつも持ってこないのか?
いつもながら軽く悔やみつつ、しばらくすると、
固形燃料のほうが小さくまとまるし、
ガソリンのほうが楽しいとか
思ってしまうのです。
ちなみに、写真が暗くてまるで分かりませんが、
自分がイスを使うのを見た三人は、
道中の100円ショップで折りたたみのイスを購入し、
二日目の夜ではその快適ぶりを実感してました。
自分のイスはヘリノックスの最軽量モデルで
1万2000円もしたのですが、それに近づく
実用性を発揮できるイスが108円で手に入るというのは
恐ろしい世の中です。
(樹脂製で板状に畳める。背もたれはさすがにない)

この日は珍しく(?)家庭の話が多く飛び出し、
北山さんとジェームス氏が奥さんとのノロケ話(??)を
開陳してくれ、唯一独身のトシさんと、
まるでノロケることがない
自分をうらやましがらせて(???)くれました。
とはいえ、このキャンプ場も標高800mほどあり、
刻々と深々と冷えてきたので、さほど酩酊せずに
各自ツェルトに収まり、シュラフでぬくぬくと
眠りについたのでした。
寝る時は装備で暖をとることができるので、
暑い季節より快適でもあります。
キャンプというと寒さを心配される方が多いですが、
本当に不快でどうしようもないのは
暑さなんですよね……。
寒いとビールが進まないのは惜しいですが(笑)。
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三日目は朝から快晴。朝日の暖かさがありがたい限り。
この最終日も5時くらいからゴソゴソ動き出し、
のんびりと朝食をいただきます。
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夜に食べきれなかったツマミ目的の
肉類を放り込んだ袋麺。当然ながら美味い。
ガソリンと固形燃料のツーバーナー、
そして大中小のクッカーがあると
やっぱり便利ではあります。イスとテーブルもあるし。
しかし、以前こうした充実装備を積んだ時も
峠越えばかりのコースを走ってました。
そして超ウルトラライトの装備を
平地コースで採用しちゃうことが多い気がします。
逆ならいいのに、いつも行き当たりばったりで
計画性が乏しいことを実感(汗)。
これも容量に余裕があるTailfinのせい……でもありつつ、
結局は自分のせい、ということはさすがに分かってます。

剛性が高くて軽量な自転車に乗ると、
理論的には楽なはずなのに、自分が無駄に
がんばりがちになって、重いスチールの
自転車に乗っている時より余計に消耗するという、
ありがちな失敗に通じるものがあります
(自分もブルベでさんざん経験)。
要は使い方、ですね。
せっかく実用化したジェット機を
全力で戦闘機にすることなく、
爆撃機にしようとした大戦時のドイツみたいな
過ちなのかも……いま、そんな本を
読んでるので影響されてます(汗)。
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三日目もとりあえず元気。
清々しい天候と道を四人で進みます。
この時間、この場所を得るために、
みなさんが日々どれだけ苦労してきたことか……
それを思うと、胸が熱くなります。
休日とお金を自由に使うのは、
大変なんです。おとなですから。
自分だってそれくらい分かります(汗)。
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「“信州の鎌倉”って、微妙やね」
「鎌倉って、そんな魅力ないですよ」
「イカちゃんの舞台くらい?」
「喜んでたでしょ〜」
……僕らはどこまでも、おとなじゃない(汗)。
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割りとみんな鉄道好き。
上田電鉄別所線沿いにゆるゆる進み、
軽い丘越えで千曲川沿いに出ます。
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八木沢駅が、かなり無理矢理に
恋愛成就スポットになってました。
「こんなカギ、切ってやりましょうよ」
とか言う人も約一名いましたが、無論しません。
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海野宿に足を延ばして、まっとうな観光も。
おソバもいただいて、早くも満足感を
得てしまった我々。三日目にして心はひとつ、ある意味で絶好調。
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長野まで走るという予定を早々に切り上げ、
上田駅前の居酒屋へ吸い込まれた四人。
遠方からお越しの二人の列車時間が迫るまで、
冷たい飲み物と信州らしいツマミを
たらふくいただいたのでした。

ゴールデンウィークが年に3回くらいあって、
JRの料金が三分の一くらいで、自分の稼ぎと
妻の理解が三倍くらいあればいいな〜……
そんな夢のようなことを思いながら、
夢のような三日間を終えたのでした(汗)。
きっとまた旅に出る、ことは間違いなく。

とりあえず、リア2サイド(ただしTailfinに限る)と
従来の(というのもアレですが)サドルバッグを中心とした
バイクパッキング式との使い分けも見えてきました。
そのあたりは、またあらためて
ブログかなにかでお伝えしたいと思います。



# by cyclotourist | 2018-05-12 00:33 | おしらせ | Comments(0)

Tailfinで2サイド温故知新〜愉快な仲間と信州ツーリング〜 その2

こんにちは、田村です。

Tailfinによる新たな2サイド体制構築によって、
キャンプツーリングへの想いが爆上がりしつつ
迎えたゴールデンウィークですが、
もっとも大きなモチベーション、楽しみは、
遠方から合流してくれる
サイクリング仲間の存在です。

いつもキャンプをご一緒してるトシさんに加え、
今回は京都から北山さん、そして四国から
ジェームス吉田さんというサイクリングの大先輩と共に
信州のキャンプ地を目指すことになったのです。
こうして各地から集まることができるのは、
ゴールデンウィークならではです。
自分はほぼ無職なのでいつでもいいのですが(汗)。
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5月3日の早朝、輪行開始。
あいにくの本降りですが、駅まで走行数分なので問題なし。
快方に向かうという天気予報を信じて出発です。
キャリア付きの自転車はとにかく輪行が
面倒だったのですが、Tailfinなら手間入らず。しかも、
いつもの縦型輪行で、コンパクトなラック本体と
サイドバッグひとつが余裕で収まってしまいます。
もうひとつのサイドバッグは、付属のショルダーベルトを
接続して持ち運びます。
輪行適性に関しては、大型サドルバッグ主用の
バイクパッキングと同じくらい高いですね。
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まず向かったのは東京駅。
8番線で待っていると、時刻表通りに
寝台特急サンライズが粛々と入線してきました。
まさに威風堂々、別格の列車です。
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サンライズから降り立ったジェームス吉田さん。
喜びですでに軽く逝ってるような表情ですが、
寝台特急で始まるツーリングなんて最高の贅沢ですから、
まったく羨ましい限り。
ここで合流したジェームス氏と自分は、北陸長野新幹線で
長野駅をめざします。
一方、北山さんとトシさんは中央本線を利用して
松本方面から信州入り。
2グループに分かれてキャンプ地を目指します。
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三日間の予定コース。
初日は長野駅〜嶺方峠〜木崎湖キャンプ場、
二日目は小熊黒沢林道を走ってから保福寺峠を越えて
別所温泉のキャンプ場へ。
三日目に長野駅に戻ることを予定しておりました。
あくまで予定です(笑)。
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東京駅から乗るので、あえて自由席を選んだところ、
期待通りに座ることができました。
長野駅前で輪行袋をひもときます。
ジェームス氏の愛機は男前なトーエイのランドナー。
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リアガードに施された輪行仕様に興味津々。
ガードを分割することなく、差し込み金具の工夫によって
取り付けの手間を減らしています。
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走行準備を整えた二台。
かたやフロントバッグ+サドルバッグの正統派ランドナー、
かたや新型2サイドバッグのディスクロード。
まるでスタイルの違う二台ですが、同じ行程を走り、
同じようにキャンプする装備を積んだ自転車です。
めざす遊び方は同じでも、それを実現する方法は
人それぞれという好例ではないでしょうか。
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当初、長野駅から戸隠を回って嶺方峠をめざす予定でしたが、
あいにくの怪しい空模様なので国道を進んで
最短経路で嶺方峠をめざすことにしました。
結果的にこの判断は正解で、早めにキャンプ場に着いて
十分によい場所を確保して設営できました。
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とある商店の軒下で一息いれるジェームス氏。
「シクロツーリスト」誌にご執筆いただいていた氏にとって、
この何の変哲もない風景も、ひときわ感慨深いようでした。
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鬼無里の「旅の駅」で早めの昼食をとることに。
バイクラックが設置されてましたが、
リア2サイドだとバランスが取れないことが判明。
まあ、デメリットというほどではないですね。
ここまでは緩い上りが続く道でしたが、
リア2サイドでもイヤな印象はありません。
しっかりした剛性のあるフレームなので
よじれる感覚は皆無ですし、ダンシングしても
十分に扱いやすいです。無論、空荷に比べたら
振りの重さや路面からの衝撃を強く感じはしますが、
今回はフロントバッグがない分、
ハンドリングの軽快感は高いです。
荷物は6kg弱あるのですが、このくらいなら
ツーリングペースで走ることになんの問題もないです。
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大盛りの十割そばをいただきました。
うどん県である讃岐からお越しのジェームス氏ですが、
やはり信州に来たなら……と、そばをご所望でした。
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淡々と進んでいくと、にわかに風景がひなびてきて、
ランドナーが実に似合います。これは羨ましいです。
自分のようなファミコン世代の微妙なおっさんが見ても、
現代的なロードバイクよりもランドナーが
渋い風景に似合うと思えるのは、なぜなんでしょうね。
昔の自転車誌による刷り込みでしょうか。
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峠路のはじまり。
この短い隧道を抜けるシーンも、
たしか80年代のサイスポ誌で表紙を飾ってました。
ジェームス氏、フォトジェニックです。
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会話しながらゆるゆる上っていけるくらいの勾配が
続き、しばらくすると嶺方峠にかかる白沢隧道に。
路面は濡れてますし、いまにも雨が降りそうな曇天ですが、
せっかく四国からお越しのジェームス氏に、
絶景を拝んでいただきたい。祈るような気持ちでトンネルを抜けると……
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しっかりと北アルプスが姿を見せてくれました。
雲はやや多いものの陽射し差し込んで明るくなり、
期待以上の展望が広がりました。
自分としては、この景色そのものよりも、
ジェームス氏の笑顔がうれしかったです。
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白馬側に急降下して、国道から一本東の県道を南下します。
このあたりがまた素敵。追い風にも恵まれ、
極上の時間を過ごすことができました。
ジェームス氏は自分より年上でツーリングの大先輩なのですが、
少年のような笑顔で喜びをストレートに言葉にしてくれ、
一緒にいる自分も心が洗われるようです。
やっぱり信州こそがサイクリストの聖地なんだと実感します。

ちなみに、やや荒れた路面が続く急勾配の下りでも、
Tailfinはまったく不安なし。サイドバッグにありがちな
バタバタした揺れや振動をほとんど感じることなく、
実に優秀。単に荷物が重いだけという印象で、
自分が太っただけ(汗)というくらい、安定感が高いのです。
リア2サイド否定派には、一度でも試してもらいたいですね。
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感覚的にはあっという間、15時過ぎに木崎湖に到着。
湖畔を渡る風が強く、まだ800mほどもある標高とあいまって
夜の寒さが心配になりますが、だいたい夕刻過ぎには
風が穏やかになることが多いのです。
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ほどなくして北山さんとトシさんも到着し、
それぞれのツェルトを張ります。
今回、Tailfinの2サイドなので容量に余裕があるのですが、
よほどの悪天候か日中も滞在するつもりでもないかぎり、
ツェルト比で大きくて重いテントを持つ気にはなりません。
寝ることに関しては、ツェルトで十分に快適なのですから。
ただ、このツェルトの優位性については、
やってみないとわからない=やらない人が多いので、
一般にはなかなか広まりませんね。
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入浴から買い出しまでをつつがなくこなし、
お楽しみの宴会へ。割り勘で買った信州牛がメイン食材。
今回はガソリンバーナーと固形燃料を用意して
なんちゃってツーバーナー状態なので、
焼き物がはかどります。
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大中小およびフライパン付きクッカーを持参したので、
じゃんじゃん調理、というほどでもないツマミ作りですが、
温かい食べ物がふんだんに出来上がります。
じゃがいも(男爵の実、ともいう)を蒸かすための
穴空き板は、アルミ板にリーマーで開口した自作です。
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住むところも仕事も年齢もバラバラの四人ですが、
家族以上に(汗)親密さを感じます。
いつも以上にビールが進みます。話題は尽きず、
風もおさまったのですが、
さすがに夜の冷え込みは厳しく、
酔いよりも寒さが堪えるようになってツェルトに収まります。
21時にはおやすみなさいです。心身ともに健康的。
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いつもはたいてい10時過ぎまで寝てる自分が、
5時には自然と目覚めます。早起きは得だなと思いつつ、
普段は絶対にできません(汗)。
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ダート混じりの道を選んで湖畔を進み、
木崎湖直上に延びる小熊黒沢林道へ向かいます。
キャンプ道具一式は置いたままの空荷なので軽快、軽快。
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鹿島槍スキー場までの勾配は険しいものの、
控えめに言って最高な道を進みます。
まだ肌寒いこの季節は、上りには最適です。
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さっきまでいた木崎湖を見下ろすビューポイント。
ピーカンもいいですが、低い雲も悪くないです。
去年も2回見た風景ですが、何度見ても胸がスッとします。
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木崎湖に戻って撤収してから走行再開。
撤収、つまり荷物の再収容に関しては、
Tailfinサイドバッグは大型サドルバッグよりも格段に
手早く行うことができます。
サドルバッグの場合、荷物を入れる順序やカタチの組み合わせに
気を使う必要がありますが、サドルバッグは
さほど悩まずに放り込むことができます。また、
ワンタッチでラックにつくので、サドルバッグのように
ベルトをぎゅうぎゅう締め上がる手間も入りません。
革ベルトはもちろん、中途半端な引っかけ機構が
付いてる他社すべてのサイドバッグとは比較にならない便利さです。
これはいいものだ……高いけど(汗)。

さて、この日は四人揃って
明科を経て、標高1300mの保福寺峠へ向かいます。
沿道にはちょうど田植えをしている光景が広がります。
あいかわらず雲は低く、小雨がぱらつくなか、
我々の二泊目となるキャンプ場への
旅がはじまったのです。

というわけで、続きはまた。

追伸
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模型の祭典、今夏のワンダーフェスティバルに
出展するフィギュアの本申請を済ませることができ、
胸を撫で下ろしております。
写真は、ここのところ一押しの
ダーリンインザフランキスというアニメのキャラです。
裸っぽく見えますが、ちゃんとスーツ着てます(汗)。
フィギュア作りも、自分の中で自転車と並ぶような
趣味になって数年が経ちますが、二十年以上やってる
自転車に比べると、まだまだ伸び代があるようで、
また違った充実感があるものです。



# by cyclotourist | 2018-05-08 22:46 | おしらせ | Comments(5)

Tailfinで2サイド温故知新〜愉快な仲間と信州ツーリング〜 その1

こんにちは、田村です。

ゴールデンウィーク、みなさまは
どのように過ごされましたでしょうか。
当方はかねてから二泊三日のツーリングを計画しており、
すてきなサイクリストたちと信州を満喫してきました。
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旅に目的なんか必要なく、ただの遊びではあるのですが、
あえて言えば、今回の目的は「Tailfin」(テールフィン)を試すこと。
カーボンのラックにサイドバッグを吊るす、
新しいバッグシステムです。

先日のフレッシュをご一緒したブルベの先輩が
Tailfinを使っていて、それを間近で拝見したところ、
ラックのモダンな外形と、ダボ穴などを
いっさい必要としない画期的な着脱方法に
衝撃を受けました。
WebなどでTailfinの存在は知ってましたが、画像だけだと
どうも怪しいというか、思いつきだけの非実用品かな〜と
あまり気に留めていなかったのですが、
現物を拝見して、その完成度の高さに驚きまして、
自分も購入を決意した次第です。

リア2サイドについての温故知新

自転車の後部にキャリアを付け、
後輪の左右にバッグを吊るして荷物を収める方法は、
キャンプツーリングの
もっともプリミティブなスタイルだと言えます。
メリットとしては、比較的に安価なキャリアを
使うことができ、ダボ穴(アイレット)さえあれば
どんな自転車にも採用しやすいことでしょうか。
クロスバイクや比較的安価な
ツーリング車に乗る若者系サイクリストは、
だいたいこのリア2サイドスタイルですね。
自分が十代後半にキャンプツーリングをやり始めた頃も、
このスタイルで荷を積むことが多かったです。

一方で、リアに荷重が集中するこのスタイルは、
重量バランスがよろしくなく、特に上りで
後ろに引っ張られるような印象があるため、
玄人筋には避けられてきた傾向もあります。
ランドナー系のツーリング車では
フロントフォークの左右にバッグを吊るす、
フロント2サイドのほうが一般的だったように思います。
これは、スチール系フレームの剛性が低いことも一因でしょう。
フロント2サイドなら、フレーム全体がよじれるような
ことはありませんから。しかし、ハンドリングは
格段に悪くなり、軽快感は失せます。

いずれのスタイルでも、フロントバッグを併用しつつ、
リア2サイドならキャリアの天板にも荷物を積み上げ、
フロント2サイドならサドルバッグも装備するのが
一般的だったように思います。

さて、大型サドルバッグを中心としたバイクパッキング式の
キャンプツーリングに移行していた自分ですが、
このTailfinがあれば、再びリア2サイドに戻るのも
悪くないかと思い、メーカーのWebサイトから購入しました。
イギリスのベンチャー企業のようですが、
日本に代理店などはなく、今のところ直販しか利用できません。
待つこと二週間程度で届いたのですが、
インボイスに不備があって税関で止められたりして、
余計な手間もかかりました。
ラックとふたつのサイドバッグの価格は、日本円で6万円弱。
かなり高価な製品ですが、
ダボ穴がないロードバイクでも完璧に
装着できる性能を期待して、意を決した次第。
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自転車用品としては珍しいほど
洗練されたパッケージに入ってます。
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カーボン製のリアラック。
樹脂製の短いフェンダーが付属します。
従来のリアキャリアのような天板や左右の枠がないため、
非常にコンパクトです。
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ラックの下端はアルミ製。
自転車に固定するためのクランプがあり、
バネで抑えられているピンを引くと
開きます。ガタ付きなどが一切なく、
非常に精度が高い造りです。
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左右に軸が延びた、
専用のクイックシャフトが付属します。
これが、本製品の肝だと思います。
購入時には、クイック用かスルーアクスル用かを選びます。
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こんな感じに、エンドの左右に軸が突き出し、
ラックを固定するための台座となります。
フレーム形状やダボ穴など小物の有無に
まったく左右されません。
VIVAには、エンドに挟んでダボ穴を追加できるパーツがありますが、
それに比べてもTailfinのシャフト交換式は圧倒的にスマートで、
これ以上ないほど強度的にも優れます。
なんでこの方法を我々日本人は
思いつかなかったんだろう……と
悔しくなるほど優秀です。
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ラックを装着。
クイック延長軸の外径とクランプの内径が
絶妙に揃っているので、吸い付くように固定できます。
ラックの上部に見える、前後方向に伸びてる短い棒が
バッグの取り付け部です。
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ラック本体から前方に延びたアームを
シートポストに固定します。こちらはバンド式で
少々ゴツい見た目ですが、機能は問題なし。
ラックの下部左右と、このアームの計三カ所で
自転車に固定する訳ですが、まったく工具不要で
慣れると10秒ほどで着脱できます。
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専用の防水バッグ。容量は22リットル。
開閉はロールアップタイプで、オルトリーブなどでも
おなじみの方法。
自分が選んだのは軽量タイプですが、
丈夫さに重きをおいたタイプもあります。
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取り付け金具やショルダーベルトが付属。
Tailfin以外のキャリアに付けるためのアダプタ(シム)も
用意されています。
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カムが付いたレバーによって、
ラックをくわえる一対のクランプが開閉します。
ここも非常に精度が高く、スムーズに動きつつガタもなし。
新しい製品なのに、長年多くのユーザーに使われて
改良されてきたかのような高い完成度です。
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ラックに装着した状態。
今までのサイドバッグは馬鹿じゃないのか? と
軽く目眩がするほど簡単で完璧に装着できます。
帆布で革ベルト式の古色蒼然なサイドバッグはもちろん、
オルトリーブなどの現代的なバッグに比べても
はるかに優秀です。
考え方からして違います。
これまでは、キャリアとバッグを別々のメーカーが作り、
それを当たり前のこととして受け入れてきましたが、
そんなんじゃダメなんだと実感しました。
汎用的であることはシャフトの台座で提供しつつ、
専用のラックとバッグの組み合わせで
完璧なフィッティングを実現しているのです。
目からウロコが落ちます。

惜しむらくは、期待したほど軽くないこと。
カーボン製のラックは300gほどとさすがの軽さなのですが、
バッグが意外と重く、取り付け金具込みで800gに達します。
内部の樹脂製プレートがごついのです。
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バッグには、ポケット付きのライナーが付属。
これを外すと120gほどの軽量化になります。
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ますます真っ黒になった我が愛機。
ラックとバッグふたつで重量は1700g。
これで公称容量は計44リットル。
容量1リットルあたり38g、ということですね。

ちなみに、これまで愛用してきた
オルトリーブの大型サドルバッグ、シートパックだと
重量456gで容量16,5リットル。
容量1リットルあたり27gになります。
こちらの場合、フロントバッグを追加して
容量を補う必要がありますが、それを加味しても
重量比では大型サドルバッグ式のほうが有利です。
シートパック+フロントのアクセサリーパックで
3万円なので、価格的にも優れてます。
つまり、Tailfinは高価で重い製品、という見方も
できます(汗)。
使い勝手に関しては、後述していきましょう。
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キャンプ道具をセレクトしました。
ツェルトと軽量シュラフ、軽量マットを軸にしつつ、
折りたたみのイスとテーブルを加えて
自分的には快適志向を高めました。
今回は二泊三日ですが、食料と燃料は現地で調達するので、
経験的には一ヶ月以上の
旅を続けることも可能です。
さすがに2サイドバッグの容量は圧倒的で、
これらを入れてもスペースがあり余ります。
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よって、普段はあまり使わない
大きめのクッカーとガソリンバーナーを追加。
これらがあるとキャンプ場での宴会を
充実させやすいのですが、無駄と言えば無駄。
あっという間に1kgくらい増えてしまいます。
バッグの容量に余裕があると、ついいろんなものを
持ちたくなるんですよね……。
サドルバッグは容量が限られているからこそ、
道具の軽量化・コンパクト化を
追求できるとも言えます。
とりあえず、今回はTailfinに6kg近い荷物を
突っ込んで旅立つことになりました。

妙に長くなってしまったので、
続きはまたあらためて。

追伸
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あいかわらずフィギュアも作ってます(汗)。
明日(5月8日)が、次回ワンフェスの申請締め切り日なので、
それをクリアしたら、またブログの続きを書きたいと思います。



# by cyclotourist | 2018-05-07 11:04 | 製作中 | Comments(2)

沼津をめざして

こんにちは、田村です。

先のフレッシュでは
ロングライドにおけるさまざまな課題を痛感しました。
総じて、まとまった距離を走りきるための
経験値が今の自分には枯渇してるな……ということでした。
長い時間を自転車で過ごす感覚と言っていいかもしれません。
いろんなことを経験してきたはずなのに、
その記憶が体力と共に薄れており、
経験として身に付いてないことを実感しました。

最近はキャンプツーリングばかりしていて、
それがとても楽しいのでハマっているわけですが、
たまには長い距離(自分比で)を走っていないと、
経験や感覚なんてものはすぐに消えてしまうものだな〜と。
もちろん、気力や体力も怪しいのですが、
数年前の自分が600kmだろうと1000kmだろうと
走っていたのが夢のようで、
実際のところ記憶があいまいです。

そんなわけで、ちょっと長い距離を走ろうと思いました。
が、自分は純粋なトレーニングとして自転車に
乗ろうとは思えません。だから、距離の長短に関わりなく、
目的地がなくては走ることができません。
ツーリングにしないと楽しめないのです。
そこでどこへ行くかと考えた時、
浮かんだのが沼津。
沼津になにがあるんだと問われると
なにもないとも言えるし、すべてがあるとも言え……。
まあ、ほどほどに遠くて、非日常感が味わえれば
どこでもいいんです。
目的地が魅力的であることはプラスαみたいなもので、
自転車に乗って、普段はあまり走らない道さえ
走っていれば楽しいので……。

その沼津には、ここ最近は何度も何度も行っているのですが、
すべてが輪行を組み込んた行程でした。
片道だけでも自走で沼津へ行けば、
それなりの距離になるだろうと思いつきました。
そこでコースを検討。
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自宅がある池袋からだと、
いちばん距離が短くなるのは、湘南に出て
東海道を西進するコースです。
距離は130kmほどで、まとまった上りは箱根のみ。
その箱根を終盤に越えるのが億劫ではあります。また、
何度も走ってる道ばかりで自分としては新鮮みがありません。
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御殿場周りにすれば、箱根を回避できます。
距離は少し増えて140kmほど。
湘南も通らないですみます。しかし、
それで面白いかと思えるかというと微妙。
峠から逃げているのが見え見えなコースです。
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いっそのこと道志みちに出て、山中湖経由にすれば、
後半は下りになります。
距離は170kmに増えますが、それなりに変化があって
飽きない道中になりそうです。
山中湖の前後にある峠の標高は1000mを超えますが、
箱根のように激坂で一気に越えるわけじゃないので、
心理的に楽、かも。

こうやって机上で計画してる時は
どれだけ距離や上りが増えても疲れないので(笑)
いつも楽観的すぎるほど楽観的な
コースを作ってしまいます。そうでないと、
いろんなところに行けないですし。
そして先の日曜日、前日に
風向き予測がさほど悪くないことを確認してから、
山中湖経由コースで沼津をめざすことにしました。
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せっかくなので、神田明神に参詣してから沼津に向かいます。
この時点で9時なので、ロングライドのスタートとしては
遅い時間になってしまいました。
距離も少し増えて、予定どおり沼津・内浦まで走ると
180kmくらいになりそうです。
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国道20号を延々西へ。
ようやく多摩川に出ると少しほっとします。
いわゆる多摩サイですが、日曜なので歩行者が多いです。
自転車の速度を落とすための凹凸も目立ち、
もうあんまり自転車向きの道ではない印象も。
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延々と市街地の幹線道を走ります。
写真は多摩エリアを貫く尾根環。
ロード乗りがとても多い道路で、このあたりでは
走りやすい道ではあるのですが、面白みはないです。
適度にアップダウンがあるので練習には
いいんですかね……。
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橋本を過ぎて津久井湖に差しかかると、
ようやくサイクリングをしてる実感が湧きます。
実に60kmもツマンナイ道を走って、ようやくです。
だから、輪行がいいんですよね……。
しかし、今日は自走がテーマなので割り切って走りました。
風が弱く、追い風に恵まれた区間もあったのが救い。
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12時過ぎて道志みちへ。
ところどころ国道を離れ、旧道的な道筋を進みます。
国道も景色は悪くないのですが、
うるさいオートバイが多いのが気になるのです。
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じわじわ標高を上げながら、神奈川県を抜けて
山梨県に入ります。
ちなみにこの日の自転車はキャノンデール・CAAD12ディスク。
アップダウンの多いコースは
もうディスクブレーキじゃないと走る気がしません。
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道志の道の駅あたりに差しかかると、
桜が満開でした。しかし、これだけオートバイが並ぶ
道の駅と言うのも珍しいでしょうね。
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サイクルラックはがらんとしたもの。
それなりにたくさんのサイクリストを見かけましたが、
オートバイに比べるとおそらく桁違いで少ないですね。

余談ですが、少し前の自分は
原付免許でも取ろうかなと思ってまして、
殊勝にも免許の教科書を読んだりもしました。
しかし、妻に「免許とってバイク買うんだ」と伝えたところ、
「どうせ事故る、また入院とかほんと迷惑だから止めて」と
逆鱗に触れてしまい……。それを振り切ってまで
実行に移す勇気と理由がないことに気付いたので
オートバイデューはあっさり諦めました(汗)。

閑話休題
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サイクルウェアに身を包んだマスコット。
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道の駅でうどんなど食べていたら、
あっという間に15時になってしまいました。
平均時速が上がらないので思ったより時間が
押してしまいます。そもそもスタートが遅すぎ……。
しかしもう100km走ってきてるので、
引き返したり、駅へショートカットするのも
惜しい気がするので、淡々と山伏峠に向かいます。
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まれに10%くらいの勾配も現れますが、
基本的には淡々と進むことができます。
標高が1000mになるとさすがに涼しく、気温は8度に。
家を出る時にウェアの選択に迷ったのですが、
結果的に秋冬用のジャージとインナーを着ておいて
正解でした。
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峠を越えて少し下れば山中湖。
16時になって斜光ですが、富士と湖の競演は
さすがにスピリチュアルでいい眺めです。
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籠坂峠を越えて、待望の静岡県へ。
上り返しのない下りが40kmも続きます。
レインジャケットを着込んでひたすら下り、
下り区間は終始強めの向かい風となり、
あまりペースは上がりませんでした。それでも下りなので
足を休ませることはできますが、肩が凝ります。
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沼津駅に着いたのは18時すぎ。
北口にあったサンシャイン!!の大きなバナーが
なくなっていたのが残念ですが、南口は
全面的にサンシャイン!!押しの光景が濃厚で
元気が出てきます。
沼津に着く前は、もう沼津駅から輪行で帰ろうかなと
思っていましたが、不思議と回復したので
当初の目的どおり内浦まで足を延ばします。
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華やかな沼津の駅前通りを抜けて南下。
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19時過ぎに内浦に到着。
当然ながら真っ暗で、景観もグルメもなにもないですが、
心は満ち足りました。
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小さな峠を越えて伊豆長岡駅へ。
駅のラッピングが以前とは変更されていて、
9人のキャラクターのバストアップが配されていたのが
ディフォルメされた集合イラストに変わってます。
これはこれで可愛らしい。
ここで愛機を輪行袋に詰め、三島経由で帰宅。
自転車で10時間かかった距離も、
駿豆線プラス新幹線なら2時間少々……。
鉄道とお金(4320円)の力は偉大ですな。

当初の目的どおり、特に体調の不安を覚えずに
180kmを走ることができたのはうれしいところ。
だが、しかし、
東京の北部に住んでいる自分としては、
輪行して自由にスタート地点を選んだほうが
楽しいサイクリングを味わうことができるな〜、と
当たり前のことを実感した一日でもありました。



# by cyclotourist | 2018-04-10 17:50 | 製作中 | Comments(5)