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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

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ひとりビワイチ

こんにちは、田村です。
先月末、思い立って「ビワイチ」してきました。
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一周ほぼ200km。
湖畔沿いの道はだいたい経験済みですが、
そう言えば一日でしっかり一周したことはなかったです。

とある先日、とある関西の方とお会いした時に
「近畿でサイクリングするんなら、やっぱりビワイチが定番や」と
当然のように言われました。
自分としては、渋い先輩のご指導もあり、
近畿エリアなら北山や若狭方面、
もしくは京都アニメーション諸作品の舞台(笑)が
ハイライトなのかと思ってましたが、
一般的にはビワイチが人気らしいです。
ロングライド志向の人が多い証なんでしょう。
「そうですか〜、ビワイチですか〜」と答えた自分でしたが、
経験が浅いのでピンと来ませんでした。
そこで、ちょうどヒマで天気がよさそうな日を
見計らって、パパッと体験してみることにしました。
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東京駅6時発の「のぞみ」に乗って、
名古屋で「ひかり」に乗り換え。
すると8時ちょうどくらいに米原に到着。
新幹線の速さ、恐るべし。この前は夜行バスに乗ったばかりだったので、
よけいに新幹線の速さを実感します。
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琵琶湖側の出口で輪行袋を開きました。
今回から、オーストリッチの新型軽量輪行袋である
ウルトラSL-100を使うことにしました。
さすがに小さく軽くなり、少しでも荷物を減らしたい時は
嬉しいモノです。生地は極薄なので
取り扱い注意ですが、今のところ無傷です。
そして、8時10分くらいにはスタート。
米原からは、21時過ぎまで東京へ向う新幹線があるので、
あまり寄り道などをしなければ、
まあなんとか日帰りできるだろうと予測。
ちなみに、輪行袋を立てかけたベンチは、
座面を外すとカマドになるという
工夫が施されたもので、イベントや災害時の
利用を考慮してるようです。
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コイツを見ると、滋賀県に来たなあと実感します。
コンビニに寄って補給食と飲料を調達してから、
湖畔に出ます。
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すぐにこんな風景が広がります。
はじめのうちは、お〜と思いますが、
景観も勾配も変化しないので、すぐに飽きます(汗)。
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ところどころにビワイチのマークがあります。
自転車走行帯の表示もほとんど完璧で、
GPSがなくても迷う心配はないでしょう。
ちなみに、自転車走行帯は湖側にしかなく、
「ビワイチ」は反時計回り一択です。
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20kmほど進むと、道が湖畔から離れ、
風景に変化が出てきます。
日曜と言うこともあり、前後にサイクリストを
よく見かけました。
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賤ヶ岳のふもとから、
国道のトンネルを回避するための山道へ。
標高アップは100mほどですが、
なかなかの見晴らしが広がります。
スタートから30km地点ほど。いま思えば、
ここが景観のハイライトでした。
奥びわ湖パークウェイは一方通行のようで、
反時計回りのビワイチでは通ることができません。
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渋いマキノの街並。
湖北の道には消雪装置があり、
冬の雪深さを思わせます。
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コンビニが点々とあるので、
補給に困ることはありません。
どこもサイクルラックがあり、利用者も多いです。
ロードで練習系の人もいれば、クロスバイクや小径車で
のんびり進む人も多いです。
コンビニがあるのは助かるのですが、
手頃なご当地グルメが見当たらないのが
琵琶湖の寂しいところかもしれません。
鮒ずしとかブラックバスには、さすがに
食指が動きませんし……。
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湖上に建つ、白鬚神社の鳥居。
ほかにめぼしいスポットもなく、
淡々と南下していきます。
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湖西線沿いに進みます。
立派な高架線で、まるで新幹線のよう。
以前、湖西線に乗った時は、琵琶湖を望む車窓に
釘付けになったものですが、自転車からだと
湖南エリアはまるで展望が広がりません。
いい加減飽きてくるのですが、寄り道すると
終電に間に合わないかも……という焦りもあり、
淡々と進みます。まあ、そういう時間的な
制約があるブルベ的な走りを採らないと、
一日で200kmを走るなんておぼつきません。
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14時過ぎには大津へ。
坂がないので、自分でも平均時速20kmほどをキープできます。
万一時間が押すようなら琵琶湖大橋か近江大橋を渡り、
湖南をショートカットすることも考えてましたが、
キチンと一周できそうです。
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瀬田の唐橋を渡りました。
このあたりに来ると、
下がっていたモチベーションが高まります。
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好きなアニメの舞台があるから(笑)。
道中、寄り道らしい寄り道は
ここくらい。むしろ、ここに寄りたいから
ビワイチする気になった、と断言できます(汗)。
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東岸を北上していくと、草津あたりから
湖岸公園に沿った自転車道が続きます。
一般道はクルマが多いエリアなので助かります。
こういう一周コースの場合、どこかで向かい風に
遭遇するものですが、この日は風が穏やかで助かりました。
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守山には「自転車の聖地」なる碑ができたそうで、
よし見てやろう、と思ってましたが、
それがある公園は倒木があったようで立ち入り禁止……。
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碑そのものは、車道沿いの歩道から
遠望できました。守山市長キモ入りで建立したそうですが、
ちょっとヘン……かな?  しまなみ海道にも
自転車の聖地を謳う碑がありますが、
やらしい(名古屋弁で「恥ずかしい」という意味らしい)
感じがしないでもありません。
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近江八幡で夕暮れ。
見事な夕焼けですが、やっぱりナイトラン突入か……と
少し気が重くなりました。
もちろん、近江八幡の街並など見てる余裕はありません。
本当に日が短くなったものです。
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18時過ぎには米原駅に到着。
ちょうど10時間ほどでビワイチ完了。
結果的に、自分としては望外の好ペースで
走ることができました。

やっぱり、一日で200kmも走ると
「俺、がんばった」と自画自賛したくなります。
達成感があるのは間違いないです。
これだけ走りやすい200kmコースは貴重ではあります。
一方で、「走るだけだった」という
一抹の寂しさがあるのも事実。
ずいぶんな交通費をかけてやってきたのに、
マキノの美林や彦根城、近江八幡の街並みなど
まったく見ていません。食事はすべてコンビニ……。
「中二病」の舞台を見たことだけが救いです。
やっぱり、湖北で見かけたキャンプ場で夜を過ごしたり、
一周にこだわらず、敦賀や宇治へ足を延ばすほうが
変化のあるサイクリングが楽しめたとも思えます。
走行距離と旅情を両立させるのは
自分にはなかなか難しいのです。

後日、ビワイチが定番やで、と話した
関西の方と再会したのですが、
「ビワイチしたんか? 達成感“しか”ないやろ」と
言われました。
まさにそのとおり。みんな知ってるんやな(笑)。


# by cyclotourist | 2018-11-13 17:46 | おしらせ | Comments(3)

高速バスで輪行

こんにちは、田村です。先週の頭まで没頭していたのが、八重洲出版から発売されるムック「輪行がよくわかる本」です。その名の通りの内容なのですが、あらためて輪行について一冊にまとめてみると、自分の経験がいかに限られているか、痛感させられることが多々ありました。そのひとつが「バス輪行」です。基本的にダメ、とまとめてしまえば記事としては楽で無難なのですが、そんな本は自分でも買いたいと思えませんから、この機会にバス輪行について調べたり、体験してみました。すると、やっぱり基本的にはダメなのですが(笑)、ごく一部の路線バスでサイクルラックを導入していたり、鉄道の代行バスはOKだったり、空港へ向うリムジンバスもOKであることが多いなど、例外もあることが分かってきました。実際には、現地で車掌さんに頼んだら載せてくれた、なんて路線バスも多いかとは思いますが、そういう例外的な個別の運用に関しては事例としては紹介しにくいです。昔はずいぶんしたものですが……。また、輪行で利用価値が高いと思えるのは、長距離を移動する高速・夜行バスですが、こちらも公式に輪行がOKな運行会社は皆無に近いです。わずかな例外が、ブルーライナーという運行会社。ホームページで、輪行OKであることをPRしてみます。そこで、利用してみることにしました。
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新宿の「バスタ」から出る、名古屋行きの夜行バスを選んでみました。今回、バスで輪行すること自体が目的。目的地に目的はないと言って過言ではないので、とにかく安い便を選んだ結果です。輪行する場合、ネットから予約はできず、電話で予約するのが少々面倒でしたが、運賃は2500円と激安。これに輪行袋積み込み料として+1500円が必要。計4000円ですから、新幹線の半額以下。もっとも、夜行バスの料金は時価みたいなものなので、休前日などは値段が跳ね上がるようです。
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0時25分発のアミー号というのに乗り込みます。
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バスタを利用するのは初めてでしたが、ずいぶん賑わってます。
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ご自身で積んでくださいと言われたので、自分で突っ込みました。輪行袋はバス1台につき2個までOKです。当然ながら、輪行袋に収めないと積んでくれません。輪行袋を載せて身を引く際に、ドアに頭をぶつけました。いかんせん勝手が分かりません。
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4列シートの車内はほぼ満席。前面も含め、カーテンで完全に遮光されているので、もう寝るしかない状況。シートピッチは新幹線よりは狭いけど、格安航空会社よりは広いくらい。となりにも人が座りましたが、さほど気になりません。寝台特急だと、車内で酒盛りというのがお約束ですが、「飲酒はご遠慮ください」とアナウンスがありました。パーソナルスペースが狭いからやむを得ないですね。なにはともあれ、定刻どおり出発。
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酔ってないと寝付きがわるい体質なので、しばらくアニメなど見て眠気を待ちます。当然イヤホンをしてるのですが、耳栓としても有効です。
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1時間くらい走って、海老名SAで最初の休憩。夜のSAは夜行バスばかり。トイレがないバスなので、どうなることかと不安もありましたが、これ以降もちょくちょくSAに寄ったので問題ないです。止まるたびにどうしても目が覚めてしまうので眠りが浅いものの、2〜3時間は眠ることができたでしょうか。
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定刻どおり5時半に名古屋へ着きました。金山なので、鉄道駅が近いのがメリット。たった4000円で、こんな早朝から行動できるという事実に胸が高まります。少し眠いのは否めませんが(笑)。
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目的地に目的はないと言いつつ、まったくサイクリングしないのでは何のための輪行か空しくなってしまうので、知多半島と伊良湖あたりを少し走ってみることにました。
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名古屋市街を走るなんて避けたいので、名鉄の金山駅から輪行を続けます。
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名鉄のネットワークすごい。路線のイメージがわかず、自分が地方からやってきたお上りさんのように思えます。名古屋でこれですから、初めて東京へ来た人はかなり戸惑うんだろうなあ……。
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ありきたりの通勤電車なのでしょうが、田舎者(笑)には何もかも新鮮。
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かなり飛ばしますね。こんなメーターを付けてるくらいだから、俊足が自慢なのかもしれません。
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内海駅で降車。なんということはない高架駅ですが、初めて降りる駅はどこだってワクワクします。
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7時すぎには走行開始。夜行バスのおかげで持て余すくらい時間があります。
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海岸線を小一時間も走ると、知多半島先端の師崎につきました。ここの岬はSKE48のPVに出たそうですが、三次元の女性に興味がない自分は一瞥しただけで船乗り場へ。
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昭和感あるきっぷ売り場と待合室。まだお店などが開いてないこともあり、しみじみとした場末感が漂っています。
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師崎から伊良湖へ渡ります。直行する便はなくて、篠島で乗り継ぎます。次の便に乗っても、篠島でずいぶん待ちますよ、ときっぷ売り場で教えてもらいましたが、それはそれで問題ないので乗船。
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小さな高速船なので、自転車は再び輪行袋に収めます。
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乗務員に聞いた上で、適当なスペースに輪行袋を置きました。
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ちょっと心配になるくらい利用客は少ないです。
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平たい日間賀島を眺めなら、およそ10分の船旅。
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篠島に上陸。
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師崎とは一転して、妙にモダンな乗り場。こちらにも軽食やお土産を扱うお店がありましたが、一時間以上も待ち時間があるので、せっかくなので街へ繰り出すことにします。観光案内所で食事処を尋ねたところ、この時間(9時過ぎ)でもやってる店があるとのこと。自転車に乗るまでもない近さなので、輪行袋を放置して歩いて向います。
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大漁旗を掲げた漁船たち。船首に描かれた独特の文様が篠島にもやう漁船の特徴だそうです。
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ヘルメットを被らず、スクーターで行き交う人々。以前、日間賀島を訪れた際も同じ光景を見ました。このあたりの道路交通法はちょっと変わってるのかも知れませんね(汗)。
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篠島はシラスの水揚げが日本一とのこと。せっかくなので釜揚げシラス丼をいただきました。ほくほくした食感が心地よく、醤油をかけなくても淡い塩味があってとても美味でした。たまたま寄っただけの島でしたが、このシラス丼目当てでも訪れる価値がありますね。
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伊良湖への便も小さな高速船。乗客はついに自分一人だけ……。
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こうした船内でもハンディGPSがあると速度などが分かって面白いです。
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伊良湖へも10分ほどで到着。師崎〜篠島よりも揺れが激しく、外洋が近いことを実感させてくれました。
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ちょっと走れば伊良湖岬灯台。灯台がある岬っていいですよね。先端に着いた、って実感があります。もっとも、この日は交通機関で移動してばかりですが。
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自転車道へ進んでいきます。少し内陸に入る区間は、ほどよく寂れていてよい雰囲気です。
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しかし、海岸線に出ると砂が自転車道を覆っていて、走りにくいばかり。早々に一般道にシフトします。
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三河田原駅からとっとと輪行。まだ13時過ぎでしたが、この先は市街地が続きますし、もういいかなあと。やっぱり眠いのでダルいのが正直なところ。結局、自転車で走ったのは50kmに満たないくらいでした。
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豊橋から新幹線、というのもさすがにもったない時間なので、新所原から天竜浜名湖鉄道に乗ることにしました。古い駅舎が多いことで知られるローカル線です。
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駅舎に食堂があったり、カフェが入っていたりします。
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天竜二俣駅に到着。ここで車両を増結するので、10分くらい止まります。
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列車から出て、駅舎を見学。構内には転車台も残ってます。
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掛川まで乗り通すのがもったいなくなって、遠州森という駅で降りてみました。時間に余裕があるのはいいものです。
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渋い……。昭和10年に建てられた駅舎が、ほとんど改変されることなく残ってます。
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ここで「貸し出し用の輪行バッグ」という世にも稀なモノを見せていただきました。いくつかの駅に備えており、保証金1000円で貸してくれるそうです。同線内で返せば保証金は戻ってきます。自転車をそののまま積める「サイクルトレイン」を実施しているローカル線はかなり増えましたが、輪行袋を貸すというのは寡聞にして初めて知りました。しかし、天竜浜名湖鉄道の区間だけ輪行できることにどんなメリットがあるんでしょう……。遠来の人はそもそも輪行でしょうし、地元の人が輪行袋に入れてまで自転車を列車に載せたいと思うのか……。スポーツ車じゃないと実質的に輪行できませんし。実際、借りる人はほとんどいないみたいです。サイクリスト向けに何かしたい、という思いは伝わりますが、誰か「意味ないよ」って止めなかったんですかね。もっとも、「THR」とロゴがプリントされたホイールバッグは結構カッコいいなと思いました。貸すんじゃなくて、売ればいいのかも(笑)。天竜浜名湖鉄道は、元は国鉄の二俣線なので、「JNR」でもいいかも。そのロゴが入った輪行袋なんてあったら、絶対に買っちゃいますね。
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湘南カラーの列車も走ってます。自分もこれに乗って掛川へ。
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そして新幹線に乗り換えて帰京。さすがに復路までバスは体力・気力的に無理。結果として、夜行バス輪行は有益だなと思いました。安いこと以上に、現地着が早いのがいい。プランニングの幅が広がります。しかし、やはり眠りの質が落ちるのは如何ともしがたく、せっかくの早着を活かせるほどサイクリングする体力・気力が自分にはありませんでした(汗)。お金がないのはよくあることなので、そんな時でも遠くへ行きたい時はまた利用するかもしれませんが、もう走らなくていい復路で利用するのがいいのかな……と思いました。
# by cyclotourist | 2018-10-30 14:24 | おしらせ | Comments(3)

福島・相馬ツーリング

こんにちは、田村です。JR東日本の新幹線や特急になると、「トランヴェール」という車内誌があります。沢木耕太郎のエッセイがあったりして、機会があれば読んでます。先日の津軽行きでも読んだのですが、そのなかで「相馬のホッキ飯」を紹介している記事がありました。福島の浜通りは、ご存知のように原発事故の影響が大きいエリアですが、復興も着実に進んでいると聞きます。季節もいいですし、せっかくならホッキ飯を食べに相馬に行ってみるとかと思った次第。グルメがツーリングのきっかけになることは、かつてほとんどない自分ですが(汗)、たまにはいいでしょう。そこでかなり衝動的に、10月8日に日帰りで訪れてきました。仕事が忙しい時期ではあったのですが、レイアウトのアガリを待つタイミングがあったので、思いきって実行した次第です。
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東北新幹線の福島駅からスタート。相馬へ行きたいなら、常磐線を利用すればいいのですが、あとで詳述するように常磐線には不通区間があり、それにも増して、時間を節約したい往路では新幹線スタートが有利です。地図を見てみると、福島駅から相馬駅まで軽い峠越えとダム湖経由といった行程の内容重視で道を選んでも距離80kmほどで着くことがわかりました。
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停車駅の多い「やまびこ」でも東京駅から2時間弱で福島に着きます。左手の車窓に吾妻連山が見えます。あそこに通じる磐梯吾妻スカイラインはかなり上りがツラかった記憶があり、それに比べれば、浜通りを目指すのは気が楽です。もっとも、磐梯吾妻スカイラインは、今年の9月から火山活動の影響で通行止めのようです。
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改装中でぱっとしない福島駅で降りて、とっとと自転車を組み立てます。9時にはスタートできました。
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阿武隈川を越えると市街地はすぐにひと段落し、走るのが楽しくなるような里山にさしかかります。東北といえば津軽や下北に飛びついてしまう自分ですが、言うまでもなく福島もれっきとした東北です。空気が東京とはまるで違います。爽やか。
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あたりは稲刈りの真っ最中。新潟のサイクリング仲間から、10月の頭には新米を譲ってもらってましたから、やはり東北は収穫が少し遅いのでしょうか。
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どこかで補給食を買いたいなと思っていたら、伊達市に入った途端、真新しい道の駅がありました。
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伊達氏といえば政宗しか知らない自分ですが、ここ伊達市が発祥の地とのことで、アニメともタイアップして大々的にアピール中。ダテは仙台だけじゃない。
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道の駅のトイレ、お洒落すぎて落ち着かない……。
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道の駅に美味しそうなパン屋さんがあったので、カレーパンとクリームパンを購入。これで道中の補給に心配なし。実際、とても美味しかったです。
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相馬へ向う国道を緩く上り、ピークの手前にある県道分岐に入ります。
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佐須峠で飯舘村へ。村民の避難・帰還などでニュースに上る地域です。そのあたりの事情に必ずしも明るくない自分としては、単にツーリングに相応しい道だなあと思いましたが……。
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たいへん牧歌的な風景ながら、耕作してない土地が多いように感じました。
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真野ダムへ向う道は通行止め?案内板をよく見ると、休日は通行できるとのこと。休日に訪れてよかったです。事前調査不足ですね……。
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谷間には、シートで覆われた物が見えます。除染によるものでしょうか。
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線量計が随所にあります。数値の意味するところは分かりません……。道の勾配は緩やかで、ツーリングには最適な地形ですが、やはり非常時にある場所であることを意識せざるを得ません。
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真野川の渓谷。紅葉が始まれば、とても美しいだろうなと思わせます。
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とても静かな真野ダム。キャンプ場も見かけましたが、釣り人が何組かボートを出しているだけで、人影はまばら。二人、サイクリストと行き交いました。
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ダム湖からは緩やかな下りで爽快に南相馬へ。関東では賑やかな印象がある常磐線も、ここでは長閑なローカル線です。
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直線が続く線形のよさが、この土地が本来持っているポテンシャルを象徴しているような気がします。平野、貴重ですからね。
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相馬に入ると、田んぼも実ってます。
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松川浦に出ると、まっさらな道が続きます。名の由来となった松林はないですが、あらたに育ているようで、左手には松を育てているであろう養生の囲いが続いています。大昔、ここも走っているはずなのですが、当時は何も意識してなかったのか、記憶ないですね……。
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灯台がある小さな岬をトンネルで通過。
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再び通行できるようになった、松川浦大橋。長さ520mで、ちょっと「プチしまなみ海道」といった印象。橋梁の下にきれいな公園が整備されており、そこで見上げてから通過してみます。
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橋の上からは、漁港のようすがよく見えました。人として思うところはありもしますが、13時過ぎてお腹も減ってきたので、お目当てのホッキ飯へ向います。
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くだんの「トランヴェール」で紹介されていたお店へ。こういうグルメ志向のツーリングって、今までの自分にはあんまりなかったですが、嫌いじゃないんですよ。誰だって美味しいモノは好きですから。案内待ちの列がありましたが、素直に待ちます。ツーリングにおける芸風が変わったかもしれません(汗)。30分くらい待ったでしょうか。
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せっかくなので、ホッキ飯に刺身、天ぷらが付いた「ホッキ三昧」をいただきました。さすがに美味いです。味付けは濃くなく、ほくほくした食感を楽しみました。なんとかビールは我慢しましたよ。
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相馬駅へ。15時すぎだったので、もう少し走りたい気もしましたが、かなり満ち足りたので、欲張らず輪行。
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常磐線で帰るわけですが、相馬の少し南、浪江駅〜富岡駅の間は原発事故の影響でバス代行です。一般的に代行バスには輪行袋を積んでくれると聞いてましたが、念のため、相馬駅の駅員の方に、「バス、自転車積めますか?」と確認したところ、大丈夫とのこと。
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浪江駅。周辺の街並は閑散としており、なんとも言いようがありません。
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観光に用いられるような、大型バスが待っていました。
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自分で床下スペースに入れました。そして、富岡駅まで30分ほどバス移動。おもに国道6号を通るのですが、帰宅困難区域にあたります。自分の勝手なイメージでは、もっと人家まばらなエリアだと思ってたのですが、沿道にはコンビニあり、「しまむら」あり、他にもたくさんの商店や人家がありました。それがぼうぼうに生えた草に飲み込まれるような状況にあります。こんな有様が日本に現実としてあることにかなりの衝撃を受けました。クルマはかなり多く行き交ってますが、沿道には工事関係者しか見かけませんでした。ちなみに、クルマも止まっては行けないらしく、徒歩や自転車は通行禁止。バスでも窓を開けないで、写真は遠慮して、と言われました。写真を撮っちゃいけない理由は……分かりませんが、興味本位でバシバシ撮る人が多いのでしょうか。自分としては、この風景は一見すべきだと思いました。なお、原発はバスから見えませんが、その方向には沢山のクレーンが建ってました。
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富岡駅へ。売店もあり、明るい雰囲気ではありましたが、なんとも言えない思いで輪行袋を担いでホームへ。
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ホームには、ちょっと前まで常磐線を走っていた古いタイプの特急車両が。留置されてるのかな、と思ったら、これが、いわき駅まで普通列車として使われているのです。
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シートは一列置きに向きが変わっていて、4席ごとのボックスシートのように。ガラガラで、妙な雰囲気ですが快適ではありました。
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いわき駅から、「本物」の特急に乗り換え上野駅まで。そうして帰宅したのでした。福島〜相馬のゆるい峠越えは、ツーリングにふさわしい情緒に満ちていました。相馬沿岸の新しい道も、爽快です。松川浦大橋もスゴイし、ホッキ飯も美味いです。走ればいろいろと思うところがあるエリアですが、とにかく走ってみれば? と人に勧めたいなと思いました。結局、サイクリストって、どっかを訪ねて、走るのが趣味なんですからね。
# by cyclotourist | 2018-10-27 22:08 | おしらせ | Comments(3)

津軽・下北ツーリング[下北編]

こんにちは、田村です。
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旅の二日めにして最終日は、大湊スタート&ゴール。往路は恐山経由で大間崎へ復路は大畑経由で大湊に戻ることにしました。これで距離は120kmくらい。当初、野辺地〜大湊も片道は走ろうかと思ってましたが、すると距離180kmになってしまいます。これでも最終の新幹線には間に合いそうでしたが、あんまり欲張ってセカセカ走るのもしんどいので、大いに大湊線を活用することにしました。しかし、津軽半島も下北半島も広いですね。今回はつまみ食い状態ですが、一周すると津軽半島が200kmくらい、下北半島が320kmくらいになります。時間さえあれば、どんなに長距離でもいいのですが……。ちなみに、伊豆半島は220kmくらいです。海岸線が屈曲しているので、かなり距離がでます。
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6時には「ザ・ビジネス旅館」といった趣きの朝食の支度ができていたので、とっとと頂きます。
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始発に乗るため、6時20分には宿を後にしました。駅前なので、自転車は輪行袋に入れたまま。よく、ディスクロードを倒立させるとマズい、という話を聞きますし、実際にシマノの取り説にも倒立は想定してない、と書いてありますが、ひと晩くらい、縦型の輪行袋に入れたまま放置しても問題はありません。ただ、油圧経路のどこかにあるエアが出てくるようで、ブレーキレバーのストロークが変わったりはします。これは、乗車前に何回かレバーを「にぎにぎ」すると戻ります。
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駅前には、江戸時代に建てられたという常夜灯がありました。野辺地は南部藩の商港として栄えたそうです。
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青森〜野辺地は第三セクターでしたが、野辺地〜大湊は今もJRです。6時30分くらいの始発に乗り込みます。
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陸奥湾を望む車窓が見事。案外、車道を自転車で走るよりよかったかもしれません。各駅で学生さんたちを拾いながら、列車は1時間少々かけて大湊をめざします。
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思いのほかモダンな大湊駅。さすがにディスクロードの輪行にも慣れきったので、収納で6分、組み立てに4分もあれば大丈夫。エンド金具を使わずに済む横型の輪行袋ならもっと短時間で収納できそうですが、鉄道メインだと縦型の輪行袋じゃないと置き場所に困りますからね。
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駅を後にして、まずはコンビニで補給食などを調達。まだサンクスがありました。ここも来月にはファミリーマートになるみたい。北海道が近いから、セイコーマートに進出してほしいと思わないでもありません。
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街を離れ、恐山へ向って急上昇。恐山に寄らなければ、平坦基調で大間崎まで行くことができるのですが、まあせっかくですから。
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道沿いには、お地蔵様や恐山までの距離(丁)を示す石碑がたくさんあります。意外とキツい上りでしたが、情緒があります。
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標高400mくらいまで上って、宇曽利山湖に到着。すると、途端に硫黄の匂いが……。湖水は透明と言えるほど澄んでます。硫黄かなにかの影響で、生物がいない感じ。
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せっかくなので参拝します。骨折以来、徒歩を要する観光が苦手になってしまったのですが、ここまできて境内に入らないのも流石にもったいないです。恐山は、実に二十数年振りの訪問。
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キレイと言えばキレイですが、火山性の風景って、どこか禍々しい印象も受けます。これだけ好天でも若干ビビりますから、曇天や荒天だとかなり肝が冷えそうです。
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重罪地獄……。堕ちたくないものです。
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恐山を後にして、薬研経由で海岸線をめざします。このあたりの景観もなかなかで、紅葉の時期だったらさぞ見事でしょう。
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空も海も青い。平日も動ける自営業だと、天気予報次第で行程を組めるので、当然ながら晴天率が高いのです。自営業なんて他にメリットないですけど(汗)。
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大間崎へ向っていくと、明らかに鉄道とわかる遺構がちらほら現れます。あとで分かったのですが、これは大間を目指して途中まで作られた未成線だそうです。
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大間崎が近づくと、北海道が見えてきました。大間から彼の地へ渡ったらどんなにか素晴らしいことかと思いますが、この日に帰宅しないと本が出なくなりそうなので、へんなことは考えないことにします。
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13時頃に大間崎に到着。マグロのモニュメントが人気で、となりに本州最北端の碑があるにも関わらず、訪れる人はみんなマグロに触れて喜んでました。自分もこうして写真撮ってるので、人のことは言えません。なんにせよ、周辺はどこまでも明るく、竜飛以上に最果て感はありません。天気次第で印象なんて一変するものですが、伊豆や房総よりも都会的です。
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あたりにはマグロ丼を売りにする食事処が何軒も。大間崎の到着が14時になるようだったらお店には入らずに戻ろうと思ってましたが、風が穏やかだったので時間に余裕ができました。そこで、なんとなくお客さんが多そうな写真の店に入ってみました。
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青森って、アンコウも揚がるんですね。しかし、ここでアンコウを頼んでは大洗に申し訳ないので、素直にマグロ丼を。
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流石に美味しい……。舌がとろけるようなマグロでした。ただしお値段も相当で、3400円。財布もとろけそうですよ。
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復路はさすがに恐山には寄らず、海岸線を大畑まで走って素直に大湊をめざします。小さなアップダウンもありますが、いいペースで走ることができる道が続きます。
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大畑の下北交通バス乗り場。一見して、元は鉄道駅です。2001年まで、大湊からここまでは鉄路が延びてました。ということは、自分の下北半島初訪問時は現役だった訳だ……光陰矢の如し。
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ホームやレールがしっかり残っています。ちょうど、下北交通の方が出てきて、保存車両があって、折にふれて運転することなどを教えてくれました。今回、大間崎へ行くことだけを念頭に置いてましたが、こんな廃線めぐりも楽しそうです。大湊へ向けて走っていると、橋梁や路盤がかなり残っていることが分かりました。
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16時半ごろ大湊駅に帰着。大湊基地も眺めてみたかったですが、今回は諦めて輪行で家路につきます。
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いつかまた、今度はキャンプツーリングで訪れたいと思いながら、自転車を輪行袋に。
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列車を待つ間、駅ノートをめくっていたら可愛いイラストが。自分もこういうのを描けるようになりたいと思いつつ四半世紀……思ってるだけじゃダメですな。ツーリングは、行きたいと思ったところはかなり行けておりますが、いくつもの趣味があるとモチベーションの配分が悩ましいところ。
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家路への行程も旅ではあります。やっぱり下北半島もいいですね。今回は割愛してしまった仏ヶ浦側も走ってみたいですし、また訪れることになる予感。その時は、大間から北海道へ渡りたいなあ。
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大湊線から。朝もよかったけど、夕暮れも抜群。どこまでが下北半島でどこから津軽半島なのかよく分かりませんでしたが、海の向こうに陸地があるのでとても大きな湖のようでもありました。野辺地から再び青い森鉄道に乗って八戸へ。そして、新幹線で帰ったのでした。鉄道は、飛行機ほど速くないですし、割引きっぷを利用できる機会も少ないですが、やっぱり輪行の手段としてはベストだなあと実感。当たり前のことなのですが。なんにせよ、本州の最北エリアを一泊二日でも満足度高く楽しむことができました。新幹線とローカル線、どちらもないと実現できない行程であり、特に後者には今後もがんばって欲しいなあと強く思ったツーリングでした。*ブログ書いてるとき、改行を適宜入れてるのですが、 なぜか反映されません……なんなんですかね〜。
# by cyclotourist | 2018-10-25 21:14 | おしらせ | Comments(0)

津軽・下北ツーリング[津軽編]

こんにちは、田村です。すっかり涼しい……を通り越して寒さを感じる日も多くなりましたね。あいかわらずブログ環境が不調なのですが、なんか今は投稿できるようなので、たまにはツーリングレポートを。
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10月3日から一泊二日で突発的に津軽と下北のツーリングへ行ってまいりました。常に行きたいエリアの筆頭ではあるのですが、きっかけはひょんなことから……。つい先日まで、八重洲出版さんから出る輪行ムックの編集をしていたのですが、そこで使いたかった津軽・下北の写真がなかったんですよね。もちろん、数カット(しかも小さく)の写真のために交通費なんか出していただける訳もないので、自腹です。となると、「遊び」になるので、楽しいです(笑)。ちょうど仕事が忙しい頃合いで、どっか行きて〜と欲求が不満してたので、仕事をほっぽらかして行ってまいりました。どこか矛盾した理由ですが、そんなのでも「いや〜、仕事で必要でね。だから行ってくるわ」と妻子に訴えることができるだけでいいんです。ま、遊びだってバレてますけど(汗)。
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東京駅6時32分発の「はやぶさ」。これの速さは、少なくとも関東以北のサイクリストにとって、東北を決定的に身近にしましたね。どの新幹線もそうですが、宇都宮以北で時速320km以上出す(らしい)この列車はすごいです。もう久しぶりの津軽を目指す訳なので、本当にワクワクしましたよ。
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どうせ遊び、自腹なんだからと、「グランクラス」を奮発しました。以前、一回だけ仕事で乗ったことがあるのですが、やっぱり自分のカネで乗るのはいいもんです。かの内田百閒が、「阿呆列車」でいつも一等車ばかりに乗っていて、でもお金なんかないとか書いていて、たぶん印税の前借りでもしてんのかなと思ってました。そこで、自分はカードできっぷを買いました(ゲンナマ貴重ですし)。これも原稿料の前借りみたいなもんですね(笑)。
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かなり素敵な軽食が提供されます。ビールもいただけますが、往路の輪行なんでコーヒーにしましたよ。
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輪行袋を置ける場所も広々。
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盛岡駅で、併結の「こまち」を切り離し。「はやぶさ」は後から出るので、連結部のカバーが締まっていく様子を眺めてから戻りました。
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で、10時7分に「奥津軽いまべつ駅」に到着。本州なのにJR北海道の駅なんですね。しかし、かつての寝台特急ならいざしらず、こんな時間に乗り換えなしで津軽の奥に着くという事実に驚きました。今別ですよ。今別。
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なんとも可愛らしい改札。新幹線の駅としては、奥津軽いまべつ駅はもっとも乗降客が少ないそうです。そこに「はやぶさ」が止まるというのが偉い。「のぞみ」だったら(というのもヘンですが)絶対に止まらないでしょうね。
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駅前は何もありません。何もないのですが、居合わせたオッサンに「自転車で回ってるの? 最近は大変だろうね」とか、へんな言葉をかけられました。まあ、アレですよね、アレ。でもさあ、明らかに新幹線から降りてきて、こんな軽装で、今時のディスクロードに乗ってるのに(そんなの分からんか)、同情的な言葉とはいえ、アレと同じ要素を感じ取られたと言うのが釈然としませんでした。
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今別の市街には、さっそく太宰の紀行文「津軽」ゆかりの物件がありました。最近はアニメの舞台ばかり走ってますが、津軽と言えば「津軽」。太宰って、今風に言えば“萌える”んですよね。初めて津軽を走った時は、全部、太宰の「津軽」に出てきたところを巡ったものでした。二十歳前後で、東京から自走だった……(遠い目)。それからも何度か走りましたが、「最果て感」がいつもありました。
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竜飛めざして、海岸線を進んでいきます。好天に恵まれそうな日を狙ったわりにはやや雲がありますが、上々の天気です。風向きもよく、行程がはかどります。
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三厩にある、源義経がどうこうしたという奇岩。彼はいろんなところに行ってますね〜。昔は岩がよく見えましたが、今は木が茂って全景がよくわかりませんでした。この三厩にもファミリーマートがあったりして、最果て感は確実に薄れてますね。
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沿道の風景は初訪問時とあまり変わってませんが、天気がよいこともあり、あくまで平和。なんかすごい大変な思いで竜飛を目指した記憶もおぼろげながらあったんですが、楽々です。
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お昼には竜飛に着きました。「この先に道はない」という太宰の文学碑。
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竜飛名物、階段国道です。側溝のフタの上に自転車を乗せて押していきます。
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階段国道の途中で振り返ると、竜飛の様子がよくわかります。太宰が見た(大東亜戦争中です)のとたぶんそんなに変わらないのかとも思えるこじんまりした漁村を望むことができます。
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ツーリングとしてはここからがハイライト。竜飛崎から折り返すようにして日本海側に出る龍泊ラインへ向かいます。ちなみに、現地でも「龍」と「竜」の使い分けがいろいろあって、校正さんによく突っ込まれるところです。
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ピークはせいぜい500mなのですが、ゼロから始まる上りなので、けっこう大変。それに見合う眺望が広がるのがココの魅力。竜飛の灯台の向こうに北海道が広がります。いま、自分がいる場所もいいし、見える北海道も憧れの土地。よくわかりませんが、両手に花の気持ち。
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龍泊ラインは、南下する方向が絶景。仕事と妻子のお叱りでモヤモヤしていた胸の内がスッキリと晴れていく光景が広がります。
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これも日本海に見えましょうが、十三湖の北岸なんですよ。気分がいいから、足が回って行程がとっとと進みます。
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十三湖の北岸は初めて走りましたが、これまでと一変して牧場風景が広がる区間もあり、かなり新鮮。しじみだけじゃない、って感じ。
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平野に降りると、黄金の稲穂。遠く岩木山を眺めながら。海、山、平野のコントラストが鮮やかです。だから津軽はいいんだよ! と一人膝を打ちながら走って行きます。十三湖から金木まで、10km以上も直線が続く農道を見つけて、ひた走ります。
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金木のシンボル、太宰の生家である斜陽館。太宰は、こんな豪邸で生まれ育って、それは大勢のお百姓さんのアガリだよなって自覚してるような坊ちゃんでしたが、今の津軽を見たらどう思うんでしょうかね。案外、栄えてるな〜と驚くかも。実際、国道沿いには大きなスーパーが林立して、ここは埼玉デス、と言われたら信じそうなくらい。
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金木には16時前に着きましたが、ここまで80kmほど走って十分お疲れなので、とっとと輪行いたします。限られた日程で欲張りな行程を楽しむには、ローカル線での輪行もかかせません。
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「鈴虫列車」に乗りました。りーんりーんと、かなり大きく響くので、スピーカーなのかなと思いましたが、運転台の後ろに虫箱がありました。
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五所川原でJR線へ。続いて川部で乗り換えて青森へ。岩木山からの夕陽がまぶしく車内を照らします。車内は学生さんで7割方うまってましたが、みなさんスマホ見てるか、寝てますね。もったいないだろと思いますが、「地元」ってそういうものですよね。
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青森で青い森鉄道に乗り換え、野辺地へ。東北本線の主要駅も第三セクターに乗らねば行けなくなりました。もっとも、路線があるだけありがたいことです。野辺地に着いたのは20時。金木から100kmを4時間ですから、オレが走ったほうが速かったかもな(うそです)。
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駅前旅館に投宿。自分以外は、ガテン系の方が利用してたみたい。十分な快適空間です。
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遅めに着くことを伝えてましたが、夕食OKだそうなので、いただきました。すべてがツマミのような献立。おかげで、ビール代がかさみましたが、もちろんシアワセでございます。最近、キャンプばかりで、それも仲間と一緒という恵まれたツーリングが多かったですが、ひとり旅も悪くないなとあらためて思いました。寂しさとワクワクって、比例します。翌日も輪行を駆使して下北半島を走ったのですが、あらためてリポートします。ブログに投稿できれば、たぶん(汗)。
# by cyclotourist | 2018-10-24 23:42 | おしらせ | Comments(0)