こんにちは、田村です。
3月30日〜31日にかけて、
ランドヌ東京が主宰する「フレッシュ」に参加してきました。
チームで走るブルベです。
ブルベのブログ記事を書くなんて何年ぶりでしょう(笑)。

フレッシュは、一般的なブルベとは
だいぶ異なります。
・チームで参加する
・ルートは各チームが作成する
・24時間走り続ける
・距離は360km以上
・ナイスプレイスに集まる
といったところが特徴でしょうか。
「何時にどこどこに集合しよう」といった、
いわゆる集合ランの巨大版です。
今回、僕らのチームが設定したルートは
敦賀〜米原〜日野〜津〜鳥羽
〜伊勢湾フェリー〜
伊良湖〜浜松〜駿河興津
としました。距離は366kmほど。
北陸新幹線の新駅となる敦賀から走りたい!
という、自分の希望だけで作ったルートです。
おもしろそう、と認めてくれた仲間に感謝。

敦賀に前泊するため、
29日に「かがやき」に乗車。
大宮駅からですと3時間弱で敦賀です。
自分ともう一人のメンバーが乗った「かがやき503号」は
17分遅れで大宮駅に入線してきました。
大宮で乗った時点でほぼ満席。
3列シートの真ん中も埋まってました。
途中、富山駅で2、3割の人が降り、
金沢駅で残りの大部分が降りました。
北陸新幹線の実態は、金沢新幹線だなあと実感。
残りの人も福井駅で下車。
東京ディズニーランドのショッピングバッグを提げ、
「で〜」「だ〜」という福井弁のやわらかな
イントネーションを響かせる女性グループが
降りて行きました。
結局、東京・大宮から敦賀駅まで乗り通したのは
僕らくらいのようでした。
遅れは15分。

半月前に開業したばかりで
真新しい敦賀駅新幹線ホーム。

在来線ホームは遠く、
乗り換えに10分かかりました。
在来線とは北陸本線のことでしたが、
新幹線の敦賀駅延伸に伴って、
敦賀駅〜大聖寺駅は
ハピラインふくい線という第三セクターになりました。
ちょっと前まで特急がバンバン走っていたのに
普通列車が1時間に1、2本走るだけの
ローカル線になっています。
関西や名古屋から金沢へ直通する
在来線の特急がなくなりましたので、
その地域にお住いの人には
乗り換えが増えるので不評のようです。
私ともうひとりのメンバーは
せっかく敦賀に前泊するならと
周辺でサイクリングを楽しむことにしてました。
ハピラインふくい線に乗り換えて、
ふた駅目の今庄駅まで輪行を継続。

新しい駅名標。
ずいぶん可愛くなったものです。

可愛すぎる(笑)。

北国街道の宿場町として栄えた今庄。
駅には街道や鉄道の変遷を伝える
資料室が登場していました。
我々がこれから訪問する「旧北陸線」の
案内も充実してます。

街道筋に出ると、
江戸時代を思わせる旅籠や酒蔵などの
伝統的な民家が迎えてくれます。
こちらはおそば屋さん。

ちょうどお昼時だったので、
おそばをいただきました。もっちりして
いかにもな田舎そば。

いざ、旧線ルートへ。
以前は見かけなかった案内が立ち、
迷う心配はありません。
今庄駅〜敦賀駅間には
明治29年(1896)から昭和37年(1962)まで
使われていた旧北陸本線の遺構が
数多く残っています。

今庄駅からゆるい上り基調の県道を5kmほど進むと、
旧大桐駅が登場。機関車の車輪や信号機と共に解説板があり、
伝統ある北陸本線の歴史を伝えます。
このあたりから勾配25‰(パーミル)の
山岳区間となります。25‰は
2.5%に過ぎませんので、自転車には
どうという坂ではありませんが、
貨車を連ねた蒸気機関車にとっては
難所だったそうです。

山中ロックシェッド。
山と渓谷に沿った線路を
落石から守った施設です。

山側に伸びた待避線にも
ロックシェッドが見えます。

砂利道を抜けて
待避線のロックシェッドへ。
レールが屋根を支えています。
行き違いのために退避した列車を
落石から守っていたのでしょう。

旧山中トンネル。
長さ1170mもあり、旧北陸線トンネル群で最長。
明治時代に造られたレンガのトンネルは、
出入り口の造形が荘厳。
城門や旧家のような冠木門式です。
いまは一車線の車道。
この日は午前中まで雨が降っていたので、
トンネルの入り口からおびただしい
落水がありました。

もはや神秘的なトンネル内部。
こんな道を走れるだけで
敦賀に来た甲斐があるというもの。
自分は二度目ですが、驚きは新鮮です。
今庄〜敦賀を走ると、こうしたトンネルを
実に10本も抜けることができます。
旧山中トンネルからは下り基調で楽々。

トンネルとトンネルの間には
敦賀湾が見渡せるポイントもあります。
以前はここまで視界が開けなかったので、
木々の伐採が進んだのかもしれません。

30km弱ほど走って、敦賀に戻ってきました。
現役の北陸トンネルが見えます。延長は実に1万3870m。
ハピライン福井線では15分もかけて抜けます。
狭軌の陸上鉄道トンネルとしては2021年時点でも日本最長である
(Wikipediaより)
これが昭和32年(1957)に開通したことで、
さきほどの明治のトンネルが続く区間は
廃止されたのです。
なお、北陸トンネルでは痛ましい事故もあり、
写真の左手に慰霊碑が立っています。
フレッシュの前祝い。
これでさらに、敦賀に来た目的は果たした感があります(笑)。
なにはともあれ、今回は3人で走ります。
今回、自分が設定したルートには
関門のような存在があります。
伊勢湾フェリーです。
ブルベ中に公共交通機関を使うことには
是非があるようですが、
湾や海峡を渡るルートでの利用は
慣習的に認められている……ようです。
もちろん、乗船距離は走行距離に
カウントされませんので、乗船時間のぶんだけ
不利になる側面があります。
伊勢湾フェリー(鳥羽〜伊良湖)の
所要時間は1時間。つまり、残り23時間で
360km以上の距離を走ることが求められます。
フレッシュを含めてブルベ全般は
平均時速15kmが求められますが、
上記のように1時間マイナスすると、
必要な平均時速が15.6kmと少し高まります。
もうひとつ、大きな課題があります。
最終便に間に合わなかったら終了、です。
敦賀から鳥羽までは、自分が作った
最短に近いルートで距離195km。
伊勢湾フェリーの最終便は17時40分。
敦賀のスタート時間を早めればいいのですが、
それにも限度があるので(前夜祭するしw)
6時スタートとしました。
すると、鳥羽までは平均時速17km以上を
キープしなければなりません。
速い人には余裕の数値ですが、
我々のような凡人には
けっこうな「壁」です。
そこで僕は、
「16時までに松阪を通過できなかったらDNFしましょ」
と提案し、二人も同意してくれました。
松阪は、鳥羽の手前36kmほどです。
フェリー最終便まで残り2時間を切っても
松阪に至らないようでは間に合うはずがないので、
その時点で諦めようじゃないか、という計画です。
敦賀から松阪までは距離160kmほど。
これくらいならボロボロにはならないでしょうし、
16時に撤退の判断を下せれば、
近鉄特急で名古屋に出て新幹線で帰京するもよし、
地元の人気店「一升びん」で松阪牛を食べて
松阪に泊まるもよし……そうしたら、翌日は
名松線に乗って伊勢奥津あたりをポタリングするもよし。
これがプランB。むしろいい!
過去のおもいで、「一升びん」のA-5松阪牛(笑)。こんなことばかり考えるから、
自分のフレッシュはDNFばかりなのです(笑)。
最後にフレッシュを完走できたのは
2017年。実に遠い昔。
あれから年齢と共に体力気力はだだ下がり、
キャンプとか釣りを趣向するようにもなって
ロングライドはご無沙汰気味。
まあ今回のフレッシュも、
新幹線に乗って敦賀に行くことが最大の
目的ですからね(笑)。

30日の朝6時、佐渡先生に見送られて
敦賀駅前をスタート。
国道8号で無難に福井・滋賀の県境を越え、
賤ヶ岳に至ったのは7時20分。
ビワイチでも屈指のビュースポットを
チラ見して先へ。

旧中山道を南下して、豊郷の通過は9時30分。
有名な旧小学校は改修が完了し、端正な姿を
眺めることができました。校内も見たかったですが
割愛して先へ。

日野の旧鎌掛小学校に着いたのは11時20分。
ここも外から見るだけに留めました。
寄り道している割にはストイック(笑)。

伊勢と多賀大社を結んだという
御代参街道で笹尾峠を越えて東海道へ。
この道筋は風情が抜群です。
効率を重視すべきブルベで走るべきルートなのかは
微妙ですが。交通量が少ない県道なので、
土山側の一部はグラベル化してました。

東海道の白眉、関の宿場町に着いたのは13時。
まあ写真くらいは撮りたいですよね。

お店に入って食事する余裕なんてありません。
風は、滋賀県内は追い風でしたが、
三重県の津より南の市街地が続く区間では
向かい風に見舞われる時間帯もあり、かなり疲弊。
ここまで道案内をかねて先頭を引いてきた自分でしたが、
メンバーに交代してもらいました。
そして、15時半には松阪を通過。
自分が心から望んでいた
プランB松阪グルメ旅は捨てざるをえません(笑)。

17時20分、鳥羽港に到着。
ほどなくしてフェリーが入ってきました。
25分過ぎから乗船が始まるので
(自転車など二輪車がクルマより先)
かなりギリギリのタイミングではありましたが、
間に合いました。
間に合ってしまったと言うべきか……。

船内で休憩。
この日はじめて、座って食事しました(笑)。
二人はとっとと目を閉じ、しばし休憩タイム。
自分は、ひさしぶりの伊勢湾フェリーに
心が躍ってしまい、デッキをうろついて
過ぎ行く島々を眺めていたり……。

定刻どおり18時40分に下船し、
伊良湖からサイクリング再開。夜の部です。
渥美半島は東岸よりの国道42号を進んだのですが、
小さなアップダウンが連続して大いに後悔。
とはいえ、夜間の自転車道(太平洋岸自転車道が沿ってる)は
避けたいですし、国道259号だと平坦でも
距離が伸びるので
設置すべきPC(チェックポイント)が増えて面倒……
ブルベのルート作りは独特で難しいのです。
国道42号は過去にも走ったことがあって、
特にしんどい道とは思ってませんでした。
しかし今は、体力が落ちているから、
アップダウンの存在感が強まっているんだろうな……と
現実を噛み締めながら夜道を進みました。
前半は17kmをうわまっていた平均時速も、
みるみる15km台に落ちてきました。

浜松の通過は22時50分。
アホみたいな3ショットと思われそうですが、
PCに指定していたコンビニが
時短営業で閉まっていたので、
レシート代わりの集合写真(いわゆるフォトチェック)です。

国道1号の小夜の中山を越えたのは
深夜2時。島田方面の夜景があざやか。
標高は200mほどで、以前は峠にカウントしないほど
すいすい越えてましたが、今回はつらいつらい。
走行距離が300kmを超えると、
どんな短い坂でもうんざりし、
赤信号にひっかかるたびにイラッとし、
気を抜くと眠くなります。
リーダーのゆんさんと、フレッシュ初完走をめざす
Yさんと一緒でなければ、
絶対に走るのやめてましたね(汗)。

3時35分、宇津ノ谷峠を大正トンネルで通過。
この下のコンビニを22時間チェックとしていたので、
かなりギリギリの進行。
フレッシュには独特のルールが多いのですが、
22時間の時点で存在を証明した地点から、
残り2時間で距離25km以上を走るという
ルールがあります。
最後までさぼるな、ということなのでしょう。
こうるさいフランス人め(笑)。

5時30分過ぎ、どうにかこうにか興津に到着。
フランス人が作ったルールに則りつつ、
誤差があっても360km未満にならないよう、
身延道を北上していきます。

24時間走り続け、興津小島のコンビニを
ゴールとしました。
今回、あえてグラベルバイクを選びました。
タイヤは、ふだん使ってる
シュワルベのGワンオールラウンド35Cのまま。
オンロードの転がりも悪くなく、
乗り心地がよくて体に優しいことを実感。
空気圧は、いつも3気圧でグラベルだと2気圧ほどに
落としたりもしますが、今回はタイヤ上限の
4気圧にして走りました。
ロード系の自転車・細いタイヤに比べると
加速は鈍くなって巡航速度も落ちますが、
お尻とか手のひらとか首とかのストレスが少なく、
全体として体の痛みは皆無でした。
荒れた路肩も安心して通過できますし、
グラベルバイクでロングライドも悪くないなと
確かめることができました。
どんな自転車に乗っていても
これだけ走れば疲れますから、気に入った
自転車を選ぶのがベターなんでしょうね。

リーダーのゆんさんは、なんとクロスバイク。
クロスバイクとしては最上級のモデルで、
エアロバーを付けるなど工夫されてました。
「乗ってて楽しいんだよ」とのこと。
やっぱり、気に入った自転車がいちばん。

駿河健康ランドで仮眠した後、
ランドヌ東京のみなさんに受付してもらいました。
代表のTさんに「どっから輪行したの?」とか
聞かれて、ああ今回は完走したんだなと
実感が湧いてきました(笑)。
お世話になった皆様、ありがとうございました。
こんな感じで、どうにかこうにか
予想外にもフレッシュを完走しました。
やればできる、と思いましたけど、
しばらくはもういいかなあ(笑)。