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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

薪ストーブ導入

こんにちは、田村です。
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先日、「薪ストーブ」なるものを導入しました。
雪国の旅館などで見かける暖房器具ですが、
最近は冬キャンで見かけることが多くなったアイテムです。
ほとんどの方がクルマ移動だと思いますが、
なかには自転車キャンプで採用している方もいるようで、
ちょっと気になっていたのです。

寒さは寝袋とマット、そしてウエアで
対応するのが基本とは思いますが、
モノは試しというわけで、自転車に積めそうな
軽量コンパクトな薪ストーブを探してみました。
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Pomolyという、おそらく中国ブランドの
TIMBER Miniというモデルを選びました。
ざっと調べたところ、これが一番小さくなって軽いようなので……。
チタン製で重量は2kg、収納サイズはA4で厚さ4cmくらい。
お値段は4万6000円ほど。
リアル店舗での取扱はないようなので、同ブランドの
サイトでぽちりました。
高額製品をネットで買うのは気が進まない
世代のおっさんですが(スタッフからノウハウ得られませんし)
仕方ありません。
1週間ほどで、しっかりした梱包で
届きました。
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ストーブ本体に加え、巻き煙突なるものと
その根元につけるダンパー、先端につけて火の粉を抑える
スパークアレスターなど一式がセット。
収納袋と軍手まで入ってます。
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0.6mm厚のチタン板を組み合わせる
素朴な構造。
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四隅に長いシャフトを通してナットで
締め上げれば完成。
薪ストーブ自体が初購入なので
よいも悪いもわかりませんが、
実測でちゃんと2000gだったので
軽いのは間違いありません。
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ベランダで火を入れてみました。
奥行きが限られているので、長い薪は
切る必要があります。
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薪が燃えだすと、煙突から
盛大に煙が出ます。長い煙突(3m)が
上昇気流を生み出して、
本体の燃焼室に空気がすーすー吸い込まれるようになり
どんどん薪が燃えていきます。
しかし、池袋の路地裏に建つ狭小住宅で
こんなことしてると通報されそうなので、
早々に薪を取り出してバケツへ。
なにはともあれ使えることがわかりましたので、
翌日にはキャンプ場を目指しました。
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常磐線の石岡駅まで輪行。
めざすキャンプ場は、勝手知ったる大洗です。
道中もキャンプ場も見知った環境でないと、
新しい道具を試すのは不安ですからね〜。
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薪ストーブを収めるために、
フロントにチューブスのエルゴというキャリアを付け
(10年以上前に買ったのをガレージで発掘)
オルトリーブのグラベルパックを吊るしました。
いわゆる「2サイド」と呼ばれるスタイルと
バイクパッキングの折衷です。
このグラベルバイク、レネゲードはキャリア用の
アイレットも豊富なので、いろんな搭載方法を
実践することができます。
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霞ヶ浦を経て大洗へ。
荷物重量は10kg近いですが、
坂がなければどうということはありません。
ルートは100%舗装路としたので、
パニアバッグでも不安定さは
感じませんでした。
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涸沼湖畔の食堂「いきいき」でお昼。
ハゼ丼が定番です。
ハゼが美味しいのは言うまでもないですが、
ご当地野菜の数々も美味。
ボリューム満点です。
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14時過ぎには大洗の街に到着。
ノコギリを忘れたので、豊年屋さんで
「黒森峰」の軍手とともに調達。
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ひさしぶりの訪問でしたが、
やはり「帰ってきた」感のある大洗キャンプ場。
一時は毎週のように訪れてましたからねえ……。
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薪ストーブがあるとはいえ、
それがなくても耐えられるくらいの
防寒着やマットは持参しました。
海水浴のイメージが強い大洗ですが、
北関東ですから東京よりは
ぐんと冷え込みます。
分割式にしたサーマライトのZライトソルは
北海道で申し分のない機能を発揮してくれたので
今回も起用しました。
一方、薪ストーブで調理することを前提に、
バーナー類は割愛しました。
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巻き煙突を展開。
幅20cmほどの短辺で巻いてあるチタンシートを
長辺で巻き直して長さ3mの煙突にするという、
「無茶言うなよ」と突っ込みたくなる仕様ですが、
ぐりぐりやってるうちに巻き直せるから
不思議なものです。
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本体は、ベランダで短時間火入れをしただけで
虹色に変色してます。
美しいか汚いかは、意見が分かれるところでしょう(笑)。
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薪ストーブ用のワンポールテントも
初使用。これもPomoly。インナーテントが付属しますが、
今回は家に置いてきました。
床なんて飾りですよ(冬場で条件がよければ)。
煙突の上部につけるスパークアレスターに
3本のガイラインを接続し、地面にベグで固定してます。
松林にある大洗キャンプ場は
風が弱いので、スムーズに設営できました。
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テント内上部に一酸化炭素チェッカーを吊るしました。
薪ストーブを使うなら必携らしいです。
フロアレス運用なので換気はよいと思いますが、
念のため……。ただし、このチェッカーは
常に「ゼロPPM」でした。
安い製品を買ったからか、
実際に換気がよかったからかは不明……。
こうした保安装置には
もうすこし投資してもよかったかな、とは思いました。
クルマのマフラーに近づけることで
動作確認できるそうですが、クルマ持ってないし(汗)。
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キャンプ場で薪を調達し、点火。
しかし、いまいち薪が湿気っていて元気ないので、
すぐ裏にあるスーパーで買い直しました。
すると、固形燃料一発で盛大に燃えだしました。
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スルメをあぶったり。
津軽鉄道のストーブ列車でこれを
いただいたことがあり、再現したかったのです。
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鍋なんかも天板で余裕です。
外は氷点下4℃くらいまで冷え込みましたが、
なかは10℃近い暖かさ。
こんなアイテムがあるから冬キャンする人も
増えたんだな〜と、半ば悔しさと共に実感しました。

とはいえ、先の北海道のような
極寒&野良キャンでは使えません。
設営にかなり時間と手間を要するので、
氷点下10℃といった環境では凍えてしまいます。
また、薪が調達できないと
テーブルにしかなりません(笑)。
そういう意味では、薪ストープは
好条件で楽しむ遊び道具のひとつであり、
寝袋のような必須アイテムではないな、とも思いました。

天国のように暖かいのは間違いありませんが、
つきっきりで世話をしないといけないので、
自分のように泥酔して寝るような
輩には一抹の不安もあります。
本当に天国へ行きかねない(汗)。

薪ストーブは、
暖かい寝袋やらあれこれを用意した上で、
もう何もキャンプ道具を買う必要がないのだけど
なにか欲しい……みたいな、
「沼」を感じさせるアイテムかもしれません。
ランドナーを持っていて、次はスポルティーフ、
さらにブルベ用に軽快な自転車もほしい、
あと折りたたみ自転車もね……みたいな
自転車の沼と同じですね(汗)。
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せっかくの薪ストーブを活用すべく、
つい先日は長野を訪れました。
自分は大宮駅から北陸新幹線に乗るのですが、
すると1時間弱で長野駅。
なんど乗っても、その速さに感動します。
長野駅前にはほとんど雪がなく、
再装備したスパイクタイヤは
無駄だったかと思いましたが……。
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国道406号を進むと、
場所によってはいい感じに積もってます。
スパイクタイヤは重量も転がりもズッシリきますが、
滑りにくいという安心感が頼もしいです。
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裾花ダムは凍って雪が積もってました。
なかなか新鮮な光景。
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鬼無里の集落を抜けて嶺方峠へ。
今回も当然ながら(?)ソロ。
2年前までは、ここに仲間とよく一緒に来ていたことを
思い出して涙ぐみます。
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標高1100mまでゆっくりゆっくり上り
(荷物が重いし、汗をかかないように)
待望の白沢洞門へ。さて、北アルプスは……
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惜しくも雲がかかってました。
青空が出てるだけよしとしましょう。
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三脚を割愛したので自撮りができないのですが、
通りすがりの方が撮ってくれました。
ありがとうございます。
長野駅を8時過ぎに出発して、
およそ40km走って嶺方峠に着いたのが12時。
かなりゆっくりですが、この装備と路面では
上々でしょう。
やっぱり峠を越えると達成感があります。
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下りはいっそう慎重に……。
途中の分岐で、木崎湖方面へショートカットすべく
県道に入ったところ、途端に
路面の積雪が増えました。
何年か前にも経験したので予期していましたが、
その時はMTBで日帰り。グラベルバイクで
フロント2サイドだと、写真のようにわずかな
わだちでもハンドルを取られてしまい、
かなり難儀しました。万一にも転びたくないので、
部分的に押し歩いたほどです。
薪ストーブのために採用したフロント2サイドですが、
雪道では厳しいことを痛感しました。
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13時半くらいに青木湖のゼーブリックさんに到着。
辛めのネギラーメンがうまいことうまいこと……。
実はここで、関西の自転車仲間と偶然に遭遇。
この世相ですから疎遠になりがちでしたが、
それだけに偶然が必然に感じられて癒されました。
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ほどなくして木崎湖キャンプ場に到着。
この季節は無人だろうなと思ってましたが、
ソロキャンパーやコスプレ撮影の方が
次々といらっしゃっていて驚きました。
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ワンポールテントを張ります。
さすがに竹べらの雪ベクでワンポールを
張るのは無理なので、長めのX字型ペグで。
しかし手や足では凍結した雪や土になかなか差し込めず、
近くの方にハンマーをお借りしました。
新しい装備だと反省に事欠きません……。
ちなみに、翌日にペグを抜くのも大変でして、
沸かしたお湯を注ぎ込んでなんとか……。
これは凍りやすいアルミペグだからだと思われ、
こうした環境では鍛造の鉄ペグが
よかったのかもしれません。
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大洗で一度使っただけで、
すでに10年もののような風格を出してきた
薪ストーブ。
加熱を経た本体はベコンベコンに歪んでおり、
組み立てるのが最初の5倍くらい手間でした。
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なんとか設営を完了し、
薪ストーブが本気を出してきたら
極楽です。なにかと手間がかかるブツですが、
それだけに可愛らしいと言えなくもない……。
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おでんに熱燗……冬キャンの
醍醐味を満喫しました。
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翌朝は氷点下7℃まで冷え込みました。
就寝中は当然ながらストーブに薪を追加できないので、
やはり寝袋が頼れないとヤバイのは
間違いありません。
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ゆっくり撤収して、
大町の山岳博物館へ。小高い立地にあり、
街から1kmしか離れてないのにこの絶景。
博物館は臨時休館中でしたが、
足を伸ばしてよかったです。
しかし、あの山並みに自分の足で登る
人がいるということに驚きます。
薪ストーブ……なんてできる
自転車キャンプはお気楽なものです。
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信濃大町駅から新宿駅へ直行する
「あずさ」で家路へ。
新幹線に比べると3倍くらい遅いですが、
車窓は楽しめます。

こうして、大洗と木崎湖、
二箇所で薪ストーブありのキャンプを体験しました。
「アリ」か「ナシ」か極論すれば、
アリだとは思う道具です。
なにより暖かいですし、使って面白い。

ただし、薪ストーブを使うためのキャンプ、
という様相を呈してくるのは間違いないです。
バッグなどを吟味すれば、峠越えとも両立しますが、
道中の快走感は薄れます。まあ、キャンプという時点で
それはそうなのですが(汗)。
寒さをしのぐだけなら、寝袋と防寒着が
しっかりしていれば問題ないです。
もともと趣味の世界のキャンプに、さらに一段と
欲張りな趣味を突っ込む、という感じかもしれません。

ちょっと前まで、キャンプでも
「いかに軽くするか?」といった
ウルトラライト風を追求していた自分ですが、
いまは「いかに何を持っていくか?」を
考えるのが楽しいですね。




by cyclotourist | 2022-02-16 21:04 | Comments(0)
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