四国の旅も15日目、10月31日となりました。
夜半から明け方まで雨が降っていたようですが、
ホテル泊なので何事もなく、
出発する頃には雨も上がりました。

この日は宇和島から北上し、
個人的に四国ナンバーワンの絶景峠、
法華津峠を越えてから海へ向かって国道378号に出て、
八幡浜を過ぎて伊方町までという行程にしました。
距離は88kmほど。
伊方町の中心市街から4kmほどと近い
室鼻公園は、夏場のハイシーズン以外は
無料で利用できるキャンプできる穴場的スポットです。
四国もここまでやってくると、
佐田岬半島がラスボスとして迫ってきます。

7時にホテルを出て、
まだ曇天の宇和島を後にしました。
街のあちこちから宇和島城の天守閣を
望むことができ、ちょっと登ってみたくなりますが……。

近づいてみると、豪壮な石垣と急傾斜の登り口。

15分も登り道をいくのはしんどいので
(前述のように歩くのが苦手)
不審者と思われないうちに立ち去りました。

国道56号を北上してくと、
すぐに吉田町。少し国道を逸れて街中を進むと
たいへん趣のある通りが延びていました。

ほどなくして法華津峠の入り口。
国道56号の旧道にある峠です。
ここだけは旧道を見送るわけにはいきません。

現国道はいくつものトンネルで
山中を抜けていきます。それを見下ろしながら、
緩い勾配の細道をじわじわと上っていきます。

南に面した宇和島側は、峠のすぐ下まで
みかん畑が続いてます。みかん運搬用の
モノレールが険しい斜面に延びています。

旧道は見晴らしのよい区間が多く、
たびたび現国道やJR予讃線が目に入ります。

沿道に実ったみかんから、よい香りがします。
標高430mまで上る道のりですが、
重装備でもまったく苦になりません。
旧道入口から小一時間でピークに到着。この奥に展望台があります。
どうよ、この絶景! と、まるで自分のモノのように自慢したくなる峠です。青空も広がってきて、山並みと海の共演がまばゆいばかり。海が見える峠はどこも高揚しますが、ここは全国的にもトップクラスに高ぶります。やはり素晴らしい峠です。
四国一周はもちろん、南予でサイクリングするなら、ぜひ訪れて欲しい峠です。
北向き斜面となる卯之町側は、うっそうとした杉林が続きます。以前はこちらから上りましたが、南から上るほうが圧倒的におすすめです。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている
卯之町の街並み。宇和島と大洲を結ぶ宿場として栄えたそうです。豪壮な造り酒屋や町家が軒を連ねています。
高野長英の隠れ家も残っています。
愛媛県内に入るとブルーラインの案内が詳細になり、都市名だけでなく道の駅なども明示するようになります。若干おせっかい気味ですが、安心感はあります。
国道56号を離れ、海沿いの国道378号へ。水平線を覆い隠す大陸のようなシルエットは佐田岬半島。長い……。八幡浜へ向かう国道378号は、きっちり海沿いを進みながらもアップダウンがほとんどなく、快走できる好ルートです。
しかし沿道にお店が少なく、頼みのつなのヤマザキショップも日曜日なのでお休み。道の駅には食事どころがなく、かなりお腹が減りました。
路肩にスミ跡が散見されます。国道から直でイカ釣りをし、がっつり釣れている証拠。なんともうらやましい環境です。竿を出したくなりますが、まだ伊方町まで距離があるのでグッと我慢。
視線を海から山へ向けると全山をみかん畑にしたような光景。棚田ならぬ棚みかんです。
造船所の大きなクレーンが見えてくると八幡浜。たいへん賑わってる道の駅があったので、吸い込まれて食事処へ。
名物の一つ、ちゃんぽんをいただきました。格別にうまい! というわけでもありませんが、空腹に染み渡ります。
八幡浜から「四国一周」のブルーラインは松山を示します。佐田岬は割愛するんですね……。だが俺は向かう!
八幡浜の市街を抜けた先、保内の集落ではハイカラな擬洋風と呼ばれる建築が目を引きました。愛媛初の銀行ができたり、四国初の紡績会社ができたりと、明治の文明開化をリードした街ということです。まったく知らないことばかりだ……。
国道197号の旧道で伊方へ。もはや目的を失った三角形の標識が点在。
伊方町へ進んでいくと、目に入る道や漁港の堤防が非常に高規格です。
役場やなにかしらの庁舎も町レベルを超えた立派さ。もちろん原発がある町だと知ってるので、なんとなく腑に落ちる立派さです。
沿道に墓地があることは別に珍しくないですが、伊方町では軍人として故人を祀った墓石が多いように見受けられました。関東の墓地では軍籍を記した墓石をあまり見ないのでこのあたりは英霊に対する崇敬が篤い土地柄なのかもしれません。
役場がある中心街から4kmほど、標高60mほどまで上って海際に降りる道筋なので若干の労力を要しますが、小さな岬の突端にプールまである立派な公園に着きました。この室鼻公園がキャンプ地です。
樫西園地のような高度感こそありませんが、ここも海に臨んだ格別のロケーション。さっそくテントを設営し、ひと安心です。
目の前は砂利混じりの浜なので、宇和島で買ったキス釣り仕掛けを投げてみます。しかし、一投目で根がかりして仕掛けを喪失し、どうにもなりません。
買い出しのために街へ戻りつつ、いい感じの波止が目に入ったので降り立ってみます。しっかりスミ跡があるので、エギを放り込むことしばし。当たりないなーとエギを波止の近くまで巻き戻していると、ゆらーっと魚影が近づいてきて……
なんか凄いのがかかりました。
全身に装甲をまとったような迫力あるお姿。まさかエギに魚がかかるとは思いませんでした。しかも、釣ったことがない魚です。とりあえず、ツイッターに写真を投稿して自己顕示欲を満たしつつ……
もう一度持ち上げて、あらためて「釣ったぞ」的な写真でも撮るかと余計な行動をしたら、あっさり竿が折れました。やはり安物はダメ……というか、自分の不注意な行動がダメすぎる。自重しろと何度も……。
一匹でバケツが埋まるボリューム。たぶんカサゴではないかと思えたので、キャンプ場で食べることにします……。
そのままではジップロックに入らない大きさなので、波止で頭を落とし、ざっくり3枚開きにして収納。表皮も骨も硬いこと硬いこと……。ずっしり重くなったジップロックをフロントバッグに入れ、最寄りのコンビニでビールなど買ってからキャンプ場に戻りました。
伊方の街明かりが見えます。
さて、キャンプ場に着いてスマホを見ると、たくさんのメッセージが……。ついで電話の着信があり、あわてて出ると、釣りの先輩からでした。
「それ、オニオコゼかもだから、素手で触っちゃダメ」
幸い、魚つかみを使ってさばいていたので事なきを得ましたが、ヒレに毒があるとのことでした。本当に知らないということは恐ろしい事です。心配させてしまった先輩には申し訳ない限りです。ヒレさえ切り落とせば、美味しくいただける高級魚とのことでした。
ヒレをハサミで切り落として慣れない手つきでお刺身に。ずいぶんと肉厚です。
オニオコゼは淡白な白身ながらプリッとした歯ごたえがあり、軽い磯の香りが広がるような独特な味わいを楽しみました。
こうして、かなり際どい体験を教訓として残しつつ、イカに続く海鮮にありつくことができました。
この室鼻公園には連泊する予定。そして、バッグ類をパージした最軽量モードでジェイミス・レネゲードC2の性能を見せてもらいつつ、四国最西端となる佐田岬の往復に挑もうと思います。
続く。