四国の旅も12日目、10月28日となりました。
この日は中村の四万十川キャンプ場から
大月町の樫西園地というキャンプ地まで
95kmほどの行程をこなしました。
足摺岬へ周回する県道をのぞけば、
ほぼ全行程が国道321号となりました。
やや距離は長めですが、足摺岬の前後以外は
記憶に残るような坂はなく、
道中で釣りをしても十分明るい時間に
樫西園地に着くことができました。

四万十川キャンプ場はけっこう冷え込み、
4時には目が覚めてしまいました。
5時過ぎまで寝袋にくるまって
時間をつぶしてましたが、
空が明るくなってきたら湯を沸かして
カフェオレを淹れ、かるく暖をとって
出発です。
朝の外気温は10℃。今回の寝袋は
額面上は気温10℃まで対応する超軽量タイプなのですが、
テント内でダウンジャケットを着て寝袋に入っても
寒さを感じたので、寝袋の保温力表記というのは
なかなかアテになりません。
夜露がすごい。まるで大雨が降ったよう。シートパック以外は自転車に付けたままなので、やはり防水性に優れたバッグは必須です。
中村市街へ通じる渡川大橋。せっかくなので街もうろついてみます。
「酷道」として人気の国道439号の終点がありました。これもいつか通しで走ってみたいですね。(部分的にしか走ってない)
土佐くろしお鉄道の中村駅。大きな駅舎の外観は変わってませんが、なかはリニューアルされてモダンになってました。
イートインスペースが使えるコンビニがあったので、朝食がてら充電させていただきます。コロナのせいでイートインスペースを使用停止しているコンビニが多く、充電する機会がぐっと少なくなってしまいました。
いつまでも充電しているわけにもいかないので、ほどほどにして国道321号を進みだします。足摺サニーロードという愛称は……だじゃれだ!
このエリアの幹線にもかかわらず、かなりヤレた国道標識が目立ちました。これが錆びて茶色になると「焼きおにぎり」と呼ばれるそうですが、なかなか目撃できないです。
足摺岬が近づくと、断崖を掘り抜いた細道が現れます。伊豆諸島の大島にそっくりな光景で、南国なんだなと実感。朝は寒かったですが、日が昇ると暑いくらいです。
四国最南端となる足摺岬。ダイナミックな大海原と断崖が迎えてくれます。
ジョン万次郎です。足摺で生まれた漁師でしたが、出漁中に遭難して無人島に漂着。半年後にアメリカの船に救われ、かの地で勉強して帰国、幕府や新政府の通詞として活躍したお方です。ここでは「激動期の日本を陰で支えた……」と大いに顕彰しております。
大河ドラマかあ……無人島生活は見てみたい気がしますが、ジョン万次郎より長宗我部元親が先ではないでしょうか。
足摺岬周辺の道はだいぶ改良が進んでいて、アップダウンが減った印象です。トンネルや谷をまたぐ橋が多く、伊豆あたりよりもだいぶインフラ整備が進んでる印象。
万次郎の生家が復元されている中浜の集落に降りてみました。
「現代社会の礎」とあります。
こじんまりした生家です。風が強い漁村らしく、細道がくねくね続いて軒を寄せ合うような雰囲気が独特です。
激坂で県道にもどります。カーブ注意の標識が実際の線形通りでリアル。
国道321号にもどると、非常に大きな堤防があるあしずり港と対面。護衛艦だって停泊できそうな規模で、水深もかなりあります。ここには食堂もあり、またも充電の機会到来。しかも「ちょっと釣りしてくるので、その間も充電いいですか」と厚かましいお願いをさせていただきました。さいわい心優しいスタッフに快諾いただき、一挙両得の気分で竿を振るうこと小一時間……。
しかし、やっぱり釣れませんでした。釣れない度に心が少しずつ削られていくようで、なんだか釣りが苦痛に感じられてきます。
古くは岡村孝子が「夢をあきらめないで」と歌い、最近では上原歩夢ちゃんが「あきらめなければ夢は逃げない」とはげましてくれてますが、もうダメっぽい……。
道の駅には、これ見よがしにイカがいっぱい干してあるし……。そうだよな、イカを食べたければ買えばいいんだよとやさぐれる自分を抑えつつ、淡々と進んでいきます。
国道321号沿いに、スノーピーク提供のキャンプ場がありました。おそらく抜群にキレイで便利なのでしょうが、個人的にはそういうのいいから……とやさぐれているので感じます。
とある橋で「いい堤防あるなあ」と眺めていたら、お散歩中と思われる初老の紳士が話しかけてきました。どこから来たの、といったお約束の会話のあと、何か釣れるんですかとうかがったら、とても詳しく説明してくれました。
湾内ではキス、干潮時に渡れるテトラならグレ……漁師さんなのですか? と聞いたら、長く東京や横浜で働いてからUターンしたそうで、今は悠々自適な様子です。なんとなく教師だったのかな、という品のよさを感じましたが、そのうちに「あそこは伊勢海老がおる。たまにこっそり取る」って、漁師さん以外が取ったら密漁じゃん(汗)。
サニーロードはどこまでも気持ちがよい道です。
16時前には樫西園地に到着。国道から逸れた海を見下ろす高台にあり、息を呑むような抜群のロケーションです。
管轄する大月町には事前に電話していて、自由にキャンプしていいことを確認してましたが、実際に来てみると本当にいいの? 本当に無料なの? と驚くほどのすばらしい立地で、冷水ながらシャワーまであります。一方で炊事棟はなく、トイレの外に蛇口が一つあるだけといった感じでしたが、まったく問題ありません。
しかも貸切。到着した時はデイキャンプの方がいらっしゃいましたが、ほどなくして帰られたので、海が見える平坦の一等地に張ることができました。あえて難をあげれば、こうした平地スペースが限られているので、ソロキャンでも数張りが限度かもしれません。
しかも直下の漁港には、いい感じの堤防がありました。やはり堤防を目の当たりにすると「今度こそ釣れそうだ」と思えるので、また竿を振るうことしばし……。
しかし、やはり釣れません。だよね……という感じで、もはや気落ちする気力もありません。
最寄りのコンビニまでは片道7kmほどあり、メンドクセーなと内心やさぐれていると……
漁港の入り口にお店がありました。あまり期待せずに「こんちは〜」と入ってみると……
お酒から食料品、文房具まで多彩に揃ったよろず屋さんでした。あまりに完璧なので、お願いして写真を撮らせてもらったほどです。
樫西園地にもどると、ちょうど夕暮れ。こんな景色に出会えるからキャンプはやめられないんです。ここでキャンプするために四国を訪れる価値があるといっても過言ではありません。
クルマだろうと宿泊まりだろうとここに来れば見える光景ではありますが、自転車で来て、ここにテントを張って夜を過ごすということで心の高揚が大きくなるのは間違いありません。ここ数年だけでもおそらく50カ所以上でキャンプしてると思いますが、ここのすばらしさは群を抜いてます。圧巻です。
さきほどのよろず屋さんで、自分が必要とする高級食材はすべて手に入りました。
缶詰は湯煎すると風味が立っておいしいです。
四国の左下といったこのエリアで、初見でこんなにすばらしいキャンプ場を利用できるのは奇跡のような幸運です。予定では翌日は宿毛へ進む予定でしたが、樫西園地に連泊することにして、明日は柏島の周遊と釣りにあてようと決めました。
続く。