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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

下北・函館ツーリング

こんにちは、田村です。

先の残念なツーリングから
志半ばで帰宅した後も、虎視眈々と
次なる機会を狙っておりました。

しかし、当初の目的地だった九州は
広域がずっと雨に見舞われたことはご承知のとおりです。
わざわざ雨が降り続く地域に出かけるのは酔狂すぎますし、
たいへんな災害に見舞われた地域を、その直後に
物見遊山で訪れるのも後ろめたい思いがあります。

また、種子島でロケットの打ち上げを見るという当初の目的も、
結果的に果たせない状況になりました。
鹿児島でも感染が拡大したことにより、
島内のロケット打ち上げ見学場所がすべて
閉鎖されたのです……。
財布をなくしたことで旅が強制終了したのは
不幸中の幸いとしか言いようがありません。
すべて結果論ではありますが。

さて、このような状況でも
どこかへ行きたいという思いは高まるばかり。
ちょうど仕事がなく、それでいて
わずかながらも自由に使えるお金が手元にあるという
千載一遇の機会に恵まれているのです。

悶々かつウキウキもしながら天気予報を見ていましたが、
やはり北海道は晴れ間に恵まれる日が多そうです。
とはいえ、今年は年初に道北を訪れましたし、
昨夏には道東を走りました。もちろん、北海道は
なんど走ってもよいものですが、
最近は知らない道、初見の道を走ることが
ことのほか楽しく感じられます。
日本には素敵な道がまだまだあるんだな……と
実感できることに喜びを覚えます。

道北や道央、そして道東ばかりに目が行きますが、
道南というエリアを忘れてました。
むろん、函館を中心とした道南を走ったことが
ないわけではありませんが、どちらかといえば
他の地域へのアプローチにすぎないような、
道南にちょっと失礼な走り方をしてきた気がします。

というわけで、我ながら衝動的に
道南へ出かけようと思いました。
すると、3年くらい前に訪れた下北半島で、
心残りがあったことを思い出しました。
下北半島の北端、つまり本州の最北端である大間へ
至った時、北海道が間近に見えました。
渡りたいなあと思いつつ、その時は
自由になる時間が少なく、マグロ丼を食べた後に
家路に着いたのでした。

その積年(でもないか)の想いを
果たそうと思いました。
下北・函館ツーリング_d0211129_19162041.png
こんな画像を上げるまでもなく、
下北半島と北海道は至近距離です。
下北半島も道南も走ったことがないエリアばかりですし、
両者をいっぺんに楽しんでみようと
三泊四日で計画しました。

道南&下北という骨子が決まれば、
行程を決めるモチベーションが続々と湧いてきました。

・やっぱりキャンプしたい
・大間からフェリーで函館へ上陸したい
・未知のダート、グラベル林道を走りたい
・函館で理亞ちゃんの部屋を訪ねたい

これだけモチベーションがあれば、
瞬く間に行程計画は決まりました。
下北・函館ツーリング_d0211129_19212929.jpg
前回の北陸でダート(今風に言えばグラベル)を走った際、
やっぱり楽しいなあと実感したので、
今回はグラベルバイクたるメルクス・ストラスブール71を起用。
買ってから早くも3年経つモデルであり、
メーカー完成車ゆえに「型落ち」感はぬぐえず、
後継機が欲しくもあるのですが、トラブル知らずの優秀機です。
フレームのカラーリングが、オルトリーブの
バイクパッキング用バッグと妙に合うのも気に入ってます。
最近になってタイヤを
シュワルベのジーワンウルトラバイト(35C)に
替えたらますます好調。
下北・函館ツーリング_d0211129_19255330.jpg
グラベルでの走行感を優先して、
今回はバックパックを併用しました。
これもオルトリーブで、前述のバイクパッキング用の
バッグとデザインが揃ったエートラックBPです。
ベロクラフトの大槻さんがいち早く使ってるのを見て、
「カッコイイ!」と一目惚れして購入(影響されやすいw)。

容量は25リットル。これに寝袋や着替えなど、
容積の割に軽い荷物を収めることにし、
自転車側のバッグはサドルバッグと
トップチューブバッグのみとしました。
フロントバッグなどをつけたりして自転車が重くなると、
グラベルでの振動が増えて軽快感が薄れるからです。

これまで自分はバックパック・リュック否定派で
(大昔、それしか知らなかった頃のトラウマかも)
山サイか王滝でもなければ荷物を背負うことはなかったのですが、
エートラックBPがカッコいいので試してみることにしました。
結局、カッコイイ道具が好きなんです。
下北・函館ツーリング_d0211129_19352674.png
キャンプ道具その他の重量を品目ごとにエクセルへ入力し、
なにをバックパックに入れ、なにをサドルバッグに
入れるか検討しました。その結果、
荷物総量5.7kgのうち、約4割の重さを背負うことにしました。
以前はキャンプでも荷物総量を3kg台まで
絞り込むことが多かったものの、
最近は快適志向が強まって(堕落とも言う)
そこまで削れません……。

重量比で4割程度の荷物を入れてもバックパックは
がばがばに空いてるので、食材などの買い出しなどで
一時的に増える荷物にも対応できそうです。
それこそサドルバッグなしで、
キャンプ道具全部をバックパックに入れることも
できる容量ですが、すでに腰痛経験者なので、
あまり重い荷を背負うのは怖いのですよ……。

で、背負う荷物は2kg台に抑えたのですが、
バックパック自体の重量が1kg以上あるのが
悩ましいところ。ちゃんとした背面パッドがある
バックパックはけっこう重いんだなと実感しました。
なにはともあれ、今回はサドルバッグ+バックパックで
旅立つことにしました。

●7月15日 七戸十和田〜大湊(むつ市街)
下北・函館ツーリング_d0211129_20133431.png
ぐだぐだな前振りが長くなりましたが、
初日はこんなコースを走りました。
東北新幹線の七戸十和田駅をスタート、
小川原湖を経て太平洋岸に出て六ケ所村を北上しつつ、
途中で気まぐれのように半島を横断、陸奥湾へ乗り換えて、
下北半島の中心市街である大湊に出ました。
距離は110km、獲得標高は900m弱なので
スペック的には平坦基調ですが、半島の横断に
グラベル林道を選んだのがミソです。
下北・函館ツーリング_d0211129_20171106.jpg
大宮から新幹線に乗車。
はやぶさ1号で一路北へ。
時速300kmで梅雨空を振り切るつもり。
下北・函館ツーリング_d0211129_20185662.jpg
七戸十和田駅に着いても
天気はどんより曇り空……。最近は
天気予報の確度が低くなっている気がしてなりません。
なんだよもう、と思いもしましたが、ここまできたら
走るしかありませんし、走れる喜びに包まれます。
輪行を解除して走り出したのは10時ちょっと前。
この時間に青森県から走り出せるのですから、
新幹線は偉大(高いけど)。思いついたら即乗れるのも
性に合ってます(高いけど)。
下北・函館ツーリング_d0211129_20214020.jpg
駅前すぐから伸びる国道4号。
距離標に東京からの遠さを実感。
松並木が残っていたりして、街道らしさがあります。
頭上からはジェット機の轟音が響きます。
F-35が見れるかも! と思いましたが、雲が低く
機影は見つかりませんでした。
まあ、市街地の上をガンガン飛ぶなんて、
どうせ(?)米軍のF-16でしょうね……。
下北・函館ツーリング_d0211129_20255471.jpg
ほどなくして雨が降り出し、
着るつもりはなかったレインウェアを着ながら走行。
小川原湖に至る頃にはけっこうな本降り。
増槽が落ちたりしないよなあと、思わず曇天を見上げる(汗)。
湖畔に面したキャンプ場があり、早くも泊まりたく
なりつつも、淡々と先へ。
下北・函館ツーリング_d0211129_20334148.jpg
湖畔に沿った道を北上。
晴れていたら爽快なんだろうなと思いつつ……。
下北・函館ツーリング_d0211129_20343847.jpg
下北半島には恐山があるせいか、
最果てとか秘境のイメージを抱くかもしれませんが、
少なくとも国道を進む限り、人家が途切れることはなく、
特に六ケ所村からは原発関連の施設や
自衛隊の基地があったりして、
都会的とまでは言わなくても、わりと人工的です。
原燃PRセンターもあったりします。
下北・函館ツーリング_d0211129_20422890.jpg
バイパス的な国道を逸れ、
集落を抜ける道を選ぶと旅情が感じられます。
地元の人からしたら何ということはない風景なんでしょうが、
不思議と心がときめきます。
ようやく雨が上がった
太平洋岸を北上していきます。
下北・函館ツーリング_d0211129_21050335.jpg
コンビニも点々とあります。
東通村に入ったところのコンビニで十分な補給食を
確保してから、いよいよ太平洋と国道に別れを告げ、
半島のくびれを横断するような老部川林道へ。
国道からの分岐地点に、15時までに着かなかったら
林道は割愛しようと思ってましたが
(こういう時間的な目安は大切)、
なんとか14時過ぎに着いたので、
おめあての林道へ進むことにしました。

下北・函館ツーリング_d0211129_21103733.jpg
国道を逸れるとすぐにダート。
クマ注意の看板に身が引き締まりつつ、
走りやすい砂利のダートに頬が緩みます。
ロードでは楽しめない、MTBではイージーすぎるといった、
まさにグラベルバイクの独壇場といった路面です。
下北・函館ツーリング_d0211129_21124892.jpg
沿道は林業最前線。
重機がうなりをあげる区間もあり、
これならクマもそうそう出ないだろうと……祈ります。
下北・函館ツーリング_d0211129_21145567.jpg
進んでいくほど砂利の目が粗くなるものの、
35Cのジーワンウルトラバイトなら、
まだまだ余裕があります。空気圧は3.5ほど。
もっと空気圧を落としたいところですが、
全体としては舗装路のほうが長いので、
空気圧の選定は悩ましいところです。
(できれば携帯ポンプを使いたくない)
下北・函館ツーリング_d0211129_21190441.jpg
年初の寒中ツーリングを機に導入した
サーモスですが、この季節は保冷効果に感謝。
そして、キャップが付いてるので、ダートでも
飲み口が汚れないのがいいですね。
逆に、もう一本のプラボトルは
中身がぬるまるし飲み口が汚れるしで、
飲む気がしなくなり、ダブルボトルの
意味がなくなりました。サーモス2本にすべきだったか?
下北・函館ツーリング_d0211129_21215689.jpg
9kmほど進むと、幅員が極端に狭くなり、
生い茂る緑に包まれてきました。
あきらかに廃道化しつつある状況です。
下北・函館ツーリング_d0211129_21233489.jpg
錆びついた道路標識が、
ここが車道であったことを主張。
下北・函館ツーリング_d0211129_21241630.jpg
路盤が緑に包まれ、さすがに乗車を諦めて
押し歩きに移行。初見の林道ゆえに、
本当に抜けることができるのか……と不安になりますが、
廃道区間は1km未満だったと思われ、
ほどなくして標高300mほどのピークに出ました。
すると、再び乗車できる路面が現れました。
下北・函館ツーリング_d0211129_21262827.jpg
乗車できることの有り難みといったら……。
距離5kmほど、下りばかりの快感を味わいつつ陸奥湾へ。
こちら側は有畑林道という名称のようで、
太平洋側より砂利が大きめ。そこそこのスピードで下っていると
強めの振動で二の腕がプルプルするような有様でしたが、
マッサージのようで気持ちよくもありました(笑)。
標高がさほどないために視界は
広がらない林道でしたが、ほどほどの荒れ具合が楽しく、
なによりも、短いながらも「半島を横断」できるので
満足感が高い林道でした。
とはいえ、たった(?)15kmほどの林道区間の通過に
2時間もかかり、一般道とは桁違いに
遅くなることもあらためて実感。
あまり林道を欲張ると、行程と体力が破綻するな、
とも思いました。

昨今、注目が高まっているグラベルバイクですが、
「どこ走ればいいの?」と聞かれることが多いです。
その問いかけには、まわりは舗装路ばかりなのに、
太いタイヤの自転車なんて必要なの? という
素朴な疑問があるように感じます。
タイヤが細いロードバイクに慣れた人は、
特にそう考えるでしょう。

これにはふた通りの答え方があるように思います。

ひとつは、ダート・グラベルにこだわる必要はない、という答え。
タイヤが太ければ舗装路だろうと安心感が高いですし
乗り心地が格段によくなるので、
荷物を積んだツーリングには最適ですよ、
荒れた路肩なども安心なので、通勤などの普段使いにも
グラベルバイクは向いてますよ、という答え。
これが正解なのかな、と思います。
要は、ドロップハンドルのクロスバイクというか、
ランドナーに代表されるツーリング車としての性格です。

グラベルバイクのタイヤは、
太いとはいってもせいぜい30〜40mm幅で
トレッドパターンも比較的おとなしいタイヤが多いので、
舗装路もスムーズに走ることができます。
生粋のロードバイクに比べて、
明らかに劣るのは漕ぎ出しの加速感だけで、
いったんマイペースに乗れば、
径が大きい分(太いタイヤは径も大きくなる)
巡航も楽だったりします。
だから、ツーリングのように加減速が穏やかなシーンでは
不満を覚えることがないです。
(レース用途は僕にはわかりません)
舗装路に特化したロードバイクと、
悪路だけに特化したMTBのいいとこ取りをしたのが
グラベルバイク、と言われる所以ですね。

もうひとつの答え方は、
「グラベルがないだと? いっぱいあるだろ!」と
斜め上から強気に出るパターン。
都市部に住んでいれば、そりゃ身近に
グラベル林道なんてないでしょう。
でもそれは、峠だって旧街道だって一周コースだって同じ。
みんな、輪行やカーサイを駆使して、
走りたい要素がある道へ時間とお金をかけて赴くわけです。

「ツーリングマップル」を見れば、
ダート・グラベル林道の所在は
一目でわかります(赤い破線)。
それが実際に走れるのか、自転車向きなのか、
危険ではないのか、「通行禁止」という標識が現れたら
どのように向き合うか……といった不確定要素は常にありますが、
そんなの「やってみなくちゃわからない」という
アニメのヒロインのような考え方で挑むべきだろうと
個人的には考えております。
行ってみて、ダメだこりゃ、と思える状況に遭遇したら、
引き返して別のルートへ転進すれば
いいだけです。そうした事態に対応できるように、
時間と補給食は用意しましょう。

自分にとってのツーリングは、
「どこかへ行く」というシンプルな行動です。
その林道だけを走るというよりも、
ある街から別のある街への移動経路を望みます。
そうしたコースに適当なボリュームのグラベル林道を組み込むのが
今回のツーリングのテーマでもありました。
下北・函館ツーリング_d0211129_08333064.jpg
老部川林道、有畑林道ともに分岐が多く、
なかには「ピタピタ沢林道」なんて面白い名の支線も。
下北・函館ツーリング_d0211129_08373716.jpg
無事に林道を抜け出し、陸奥湾に沿った国道を北上。
JR大湊線とも並行しており、真っ平らな道が続きます。
ちなみに、陸奥湾沿いの国道279号からは
ほとんど海が見えません。海の展望を眺めるなら、
大湊線に乗るのがおすすめです。
下北・函館ツーリング_d0211129_08410908.jpg
追い風にも恵まれ、林道を出たあとは
平均時速20km超で快走。それでも
大湊市街に着いたのは18時になってしまいました。
青森県に多いマエダストアで食材を購入し、
市街地からほど近いキャンプ場へ。
下北・函館ツーリング_d0211129_08432012.jpg
むつ矢立温泉。こちらの目の前に
キャンプ場があります。利用料はわずか300円。
一般的なキャンプ場は、17時で受付終了という場合が多いですが、
こちらは入浴施設の終了時刻である22時まで受け付けてくれます。
これを確かめていたので、林道で大幅に時間が押しても、
このキャンプ場なら問題なかろうと見込んでいたのです。
実際に到着は19時近くになってしまいました。
結果的に問題はありませんでしたが、
本来なら16時くらいにはキャンプ場に着きたいところです。
下北・函館ツーリング_d0211129_08482004.jpg
綺麗に刈り込まれた芝のテントサイト。貸切です。
受付のご婦人に、クマが出るかもしれないから
バンガローを利用したら……と強めに勧められましたが、
(バンガローも1500円と激安)
せっかくテントを持ってきてますから、
「自分の責任で過ごしますので……」と申しつたえて
設営させていただきました。
キャンプ場自体にクマが出たことはないそうですが、
周辺の山にいることは確かなようなので、油断は禁物。
なにをどうすればクマに出会わずに済むのか
確たる知識も経験もありませんが、
茂みから離れたサイトの中央にテントを張り、入浴。
(お湯が熱かった)
さっぱりしてから
キャンプとしては遅めの夕食に取り掛かりました。
下北・函館ツーリング_d0211129_08532386.jpg
このバックパックは、背中側に広い開口部があり、
ファスナーで全開します。だから物の出し入れが簡単。
ショルダーベルトや背面パッドがしっかりしているので、
必要な量のビールや食材などを放り込んで重みが増しても、
体へのストレスが少なかったです。
これまでは、エコバッグみたいなポケッタブルな
リュックを買い出しの時だけ広げて利用していたのですが、
それを背負って走った時の疲労感に比べると
段違いに楽でした。
今回のキャンプ場は
スーパーと2kmほどしか離れてませんでしたが、
買い出しの便を考えても
バックパックの採用はメリットがあるな、と思いました。
また、ついつい軽さ重視で道具を選んでしまいますが、
バックパックに関しては、本体が多少重くても
実際に荷物を入れて背負った時の快適さや
出し入れなどの機能面を重視したほうがいいのかもしれません。
この日は日中も気温が20度止まりで、涼しかったことも
幸いでした。暑かったりすると、やはりバックパックは
しんどいですからね。
下北・函館ツーリング_d0211129_09513757.jpg
ホタテが安かったので購入。バターを絡めながら炒め、
醤油を垂らすだけで激うま。これとビールだけで
ほとんど満腹になりました。
今回はチタン製の軽量クッカーを採用したので
どのみちたいした調理はできません。
下北・函館ツーリング_d0211129_09591104.jpg
雲が厚く夜空に星は見えませんでしたが、
適度な疲労と心地よい酔いのおかげで、
21時には寝付きました。

●7月16日 大湊〜大間崎
朝食は袋麺で軽く済まし、6時半には
キャンプ場を後にしました。
6時から営業している入浴施設に
ゴミを捨てることができ、なにからなにまで
便利なキャンプ場でした。また訪れたい。
下北・函館ツーリング_d0211129_10043663.png
二日目は、ちょっと複雑なコース取りになりました。
大湊から下北半島東端の尻屋崎を訪れてから西へ転じて大畑へ。
大畑からはグラベル林道へ(太い赤線部分)。
当初、破線の林道を通って津軽海峡へ出る予定でしたが、
現地の状況をかんがみて南方へ転進。
いったん大畑に戻ってから大間崎を目指すことになりました。
距離は140kmで、そのうちグラベル林道は
20kmほどを走ることになりました。
だいぶ欲張りな行程ですが、朝早くから走り出せるのが
二日目以降のメリット。
なお、一般的には恐山がこのエリアの
必見スポットですが、前回の訪問時に寄ったので、
今回はパスします。
下北・函館ツーリング_d0211129_10074642.jpg
アップダウンが少ない県道を快走して
尻屋崎へ。ここも初めて訪れるので期待が高まります。
いかにも「みちのくひとり旅」といった
渋い旅情が味わえそうですが……
下北・函館ツーリング_d0211129_10083784.jpg
尻屋崎の手前で現れる巨大な工場。
三菱マテリアルの青森工場です。下北半島は、
やはり単純な田舎ではありません。
下北・函館ツーリング_d0211129_10102261.jpg
頭上に架かったセメントの搬出路(?)に
「ようこそ尻屋崎へ」と書かれてるのが
なんともシュール。
下北・函館ツーリング_d0211129_10135899.jpg
さらに尻屋崎が近づくと、
沿道に馬が登場。このあたりで放牧されている
「寒立馬」という固有種です。
宮崎県の都井岬を思わせる光景。
下北・函館ツーリング_d0211129_10152933.jpg
尻屋崎への道にはゲートがあり、夜間は通行止め。
ボタンを押すと、バーが上がります。
下北・函館ツーリング_d0211129_10162105.jpg
草原の向こうに白い灯台が建つ尻屋崎。
なんとも清々しい光景ですが、青空に恵まれなかったのが残念。
まばらですが観光客も訪れていました。
昨今、どこへ行っても騒がしい中国語が耳に入ったものですが、
そうした人々がいないと観光地も静かで落ち着きます。
観光をなりわいとした方は、落ち着いても
いられない状況なのでしょうが……。
下北・函館ツーリング_d0211129_10193234.jpg
ポニーのように足が短い寒立馬ですが、
体つきはかなり大きくてボリューミー。間近に迫ると
ちょっとビビりました。
(人には慣れてておとなしいらしいです)
下北・函館ツーリング_d0211129_10210454.jpg
ほとんど平坦な道を進んで大畑へ。
かつて大湊へ伸びた鉄道の駅舎が
バスターミナルになってます。ここだけ見ると
寂れた感じですが……
下北・函館ツーリング_d0211129_10220786.jpg
大きなマエダストアがあり、
物資の補給に困ることはありません。
ここには広いイートインもあり、お弁当を
落ち着いていただくことができました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10232724.jpg
やっぱり下北半島って都会だよなと思いつつ国道を逸れると、
いきなりグラベルがはじまります。佐藤ケ平林道です。
さっきのマエダストアから1kmも離れておらず、
景観のギャップに驚きます。
下北・函館ツーリング_d0211129_10255750.jpg
序盤は急登でしたが、次第に勾配は弱まりつつ、
じわじわと標高500mほどまで上がっていきます。
昨日の林道より砂利がガレ気味ですが、
落ち着いて乗車できる程度です。この林道も
サイクリスト的には「当たり」です。
下北・函館ツーリング_d0211129_10272483.jpg
色鮮やかな菖蒲が転々と咲いてました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10284294.jpg
ウェットな路面では、重機による轍に
ハンドルを取られそうになりますが、
幸いにもハンドル周りに荷物がないので、
望んだラインをトレースしやすい印象でした。
やはり、こうした道ではバックパックが
有利なのは間違いないです。
腰と肩への不安も、なんとか許容範囲。
下北・函館ツーリング_d0211129_10302603.jpg
森林が消えて草原が現れる区間も。
送電線を立てた際に伐採したのでしょうか。
海岸沿いから山腹へ伸びる林道なので、
海が望めるかもと思いましたが、
ほとんど見えませんでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_10314594.jpg
ピークに至ると、当初の予定方向へ伸びる林道には
ロープが貼られていました。
こうした時、突如として
ワタシはニホンゴがニガテなので
モジがヨメマセン……なんてこともあるのですが(汗)、
ここでは進まないほうがいいなと
なにか直感的に思われました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10354494.jpg
幸いにも分岐する林道がありました。
ハンディGPSの地図を見ると、ほどなくして県道まで
降りられそうだったので進んでみることに。
下北・函館ツーリング_d0211129_10372293.jpg
急カーブを繰り返してぐんぐん降下。
下北・函館ツーリング_d0211129_10382153.jpg
粒が大小変わっていく砂利道、乾いた土、濡れた土(泥)が
入れ替わり現れて飽きることがありません。
僕は下りが得意ではないですが、それでも自転車を
操ることが純粋に楽しくなるような道。
た〜のし〜、なんて独り言と笑顔がこぼれますが、
浮かれるとロクなことがないのは骨身に染みているので、
あくまで安全第一。
下北・函館ツーリング_d0211129_10452331.jpg
5kmほど下ると奥薬研のキャンプ場に出て、
その先で県道に合流。無事に抜けることができました。
初めての道筋で、しかも途中からアドリブになっただけに
不安も大きかったですが、下界へ抜けた時に得られる
達成感も大きい……。これだからグラベルはやめられない。

西へ行けば未走の佐井村、東へ戻れば大畑ですが、
佐井村への県道で通行止めがあるようだったので、
おとなしく大畑に戻ってから
海岸線を走り直すことにました。
そのため、前掲の地図にあるように周回区間が
生じたのでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_10473561.jpg
国道279号で淡々と大間崎をめざします。
わずかに上る区間があり、そのピークには
木野部峠あります。名のある車道の峠としては
本州最北ではないかと思います。
峠にはバス停があるだけで
視界は広がりませんが、少し手前のハーモニー橋
(地元の小学生が命名したとか)
からは、大畑方面の長い海岸線を
一望することができます。
霞みながらも、さっきまでいた尻屋崎まで見えます。
下北・函館ツーリング_d0211129_13092601.jpg
大畑から淡々と40kmほど走れば、
本州が途切れる最北端の地、大間崎です。
到着は17時を回りましたが、この日のキャンプ場は
無人で無料、出入り自由です。
どことなくユーモラスなマグロ像からすぐの場所にあります。
下北・函館ツーリング_d0211129_13114499.jpg
大間崎テントサイト。残念ながら海は見えず、
住宅や食堂に囲まれた公園のようなキャンプ場ですが、
トイレも炊事棟も現代的できれい。
無料で自由に利用できることに感謝です。
写真のようなテーブルとベンチが何箇所にもあり、
荷物の積み下ろしや設営がはかどります。
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下北・函館ツーリング_d0211129_13140169.jpg
数km圏内に入浴施設とマエダストアがあり、
利便性は完璧。やっぱり下北半島は都会的だ。
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入浴と買い出しを終えてキャンプ場へ戻る頃には、
暮れなずむ頃合いに。大間港に浮かぶ大型船が目に入りました。
明日、自分が利用するつもりの津軽海峡フェリーに
違いありません。胸が高鳴る……。
下北・函館ツーリング_d0211129_13182243.jpg
暮れなずむマグロ。
下北・函館ツーリング_d0211129_13194595.jpg
マエダストアで調達してきた食材。
気温15度ほどと涼しいこともあり、
モツ鍋に挑戦します。
下北・函館ツーリング_d0211129_13190145.jpg
なかなか美味しくできました。
モツ鍋は大好きなのですが、
自宅では禁止されてます。妻子が、
「あんたが作ったモツ鍋を食べるとお腹を壊す」とか
失礼なことを言うのですよ……。
だから自分一人で思う存分に食べてやるのです。
下北・函館ツーリング_d0211129_13220476.jpg
クッカーが小さいので少量ずつしか作れないのですが、
作っては食べ、作っては食べと手を動かし続けるのは
意外と楽しかったりします。
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トイレついでに夜のマグロを見に行ったら、
ライトアップされてました。
そして津軽海峡の向こうにまたたくのは北海道の街あかり。

●7月17日 大間崎〜函館〜恵山
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5時に起床し、ささっと朝食を済ませて速やかに撤収。
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7時発の津軽海峡フェリーに乗るべく港へ。
自転車は自分一人だけでした。車だけでなく
徒歩で乗船する人がけっこう多かったのが印象的。
チケット売り場で周辺の人の会話を耳にしましたが、
病院へ行くために利用する人が多いみたい。
(通院割引があるみたい)
たしかに、大湊や青森市街へ出るよりも、
函館のほうがよほど近い。このフェリーでたった1時間半。
運賃は、大人一人+自転車で4000円でした。
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車両甲板に進入し、壁際にロープで固定してもらいました。
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まだ船歴が浅いモダンなフェリー。
車両甲板から客室へはエスカレーターです。
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船内の大部分は雑魚寝部屋。
乗客に対してかなり広く、密になる心配はありませんでした。
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やっぱり船旅はいいものです。
みるみる函館山が近づいてきました。
北海道は遠い、というイメージあるものだから、
1時間半で渡れることに驚きます。
比べるのもおかしいですが、大洗発のフェリーだと
北海道まで一昼夜かかりますから……。
遠さ・近さの感覚は、自分の立ち位置次第で
ずいぶん変わるんだなあと思いました。
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接岸し、すべての車両が出払ってから自転車の発艦。
でけでけで〜ん、
いよいよHAKODATEです。
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三日目の走行ログ。
フェリーの航海中、
GPSは車両甲板の自転車に付けたままだったので、
ログが途切れて直線になってますね。
実際は函館山の西を回り込んで入港してます。
(当たり前)
函館へ上陸後、ちらっと市街を拝んでから、
またしてもグラベル林道で半島を縦断し、
恵山にあるキャンプ場をめざしました。
走行距離は80km、そのうち25kmほどが
グラベル走行となりました。
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レンガ倉庫群を抜けて……
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西波止場の黒澤公園をチラ見して……
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八幡坂へ。このエリアには、函館山へ向かう坂が
何本もありますが、八幡坂が白眉でしょう。
むしろ、この坂を眺めるために函館を
訪れる価値があると言えるでしょう。
自転車では息が切れる激坂ですが、
ちっとも苦になりません。
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坂の突き当たりには高校があります。
海があって坂の上に学校があるという立地は
伊豆の内浦あたりに似てるかもしれません。
(似てないw)
坂の上にはもうひとつ重要なスポットがあるのですが、
今日はあくまでグラベル林道が狙いなので先へ進みます。
え、もったいない……と思われるかもしれませんが、
明日、再び函館に戻ってくる予定なので構わないのです。
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函館で大人気のラッキーピエロ(ハンバーガー屋)と
ハセガワストア(コンビニ)。
2店が並ぶと、なかなか強烈なインパクトがあります。
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時刻は9時を回ったところですが、早くも小腹が空いてきたので、
ハセガワストア名物の「やきとり弁当」をいただきました。
旅の三日目にして、ようやくご当地グルメ(笑)。
これ、豚肉です。函館でやきとりといえば豚肉をさすとか。
本当かよと思いますが、店内にその旨の説明がありました。
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だんだん行動が支離滅裂になってきましたが、
函館の観光エリアを後にして、有名な修道院の方向へ進みます。
路面電車が縦横に走ってますが、心配なくらい
路盤が傷んでます。車道の路肩も荒れた箇所が多く、
交通量が多いことと相まって気を使う市街地です。
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修道院前の分岐。ここから修道院へ向かって右折……は
しないで、左の小道に入ります。
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途端に素敵なグラベルがはじまり、道なりに進めば
大船松倉林道に入ります。亀田半島を南北に縦断し、
断続的ながら25kmもグラベルが続く林道です。
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やっぱりあった、熊に注意の看板。
本州とは意味の重さが違います。
ベルを鳴らしつつ、スマホからはアニソンを流しながら
(周囲に誰もいないので)
慎重に進んでいきます。
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距離は長いものの勾配は穏やか。
ピークまでは交通量もあるようで
(自分は一台の車もすれ違いませんでしたが)
路面がしっかりしており、グラベルながら走りやすい林道です。
ちなみに、動物はタヌキを2匹見かけただけ。
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標高500mほどでピークに達すると、
そこから先の太平洋側は
標識や路盤の作りがまるで変わってきます。
管轄が異なるのでしょうか。
太平洋側へ下り始めると部分的に舗装も現れ、
多くの標識が立っているので、
交通量が多かった時期もあるようですが
今では道全体が緑に飲み込まれつつあります。
勾配はきつくなり、
あっという間に標高が下がります。
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標高をあらかた吐き出して太平洋岸が近づくと、
通行止めのゲートが現れました。
なんと、走ってきた林道の内側に向いてます。
函館市街側の入り口にゲートがなく、
林道の終わりが近くなってから
現れるゲートって意味あるのでしょうか……。
さすがに20km以上も戻るわけにはいかないので、
ここはゲートをくぐらせていただきました。

こうして大船松倉林道なるグラベルを走破しました。
個人的には素晴らしい林道ベスト10に入りますが、
北海道で熊が出そうな林道に一人で入り、それなりに長い時間
(自分の場合で通過に2時間半以上かかってます)
を過ごすのは避けたほうがよいのは言うまでもありません。

だったら紹介するなというツッコミもあろうかと思いますが、
ブログなんて個人の備忘録ですので、
大目に見てやってください。
参考にするもしないもあなた次第。
MTB乗りの方は、ツッコミやいろいろなトラブルを
避けるために走ったコースを明確にしないことが多いですが、
ツーリングリポートにおいて自分の行動軌跡を隠すのも、
どうかと思いますので、
とりあえず紹介しておくまで、です。
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何事もなく舗装路に接続し、沿岸の国道278号に出ました。
グラベル林道をさまよってきた身からすると、
素朴な漁村すら都会的に思えます。
三日連続でグラベル林道をコースに盛り込んでましたが、
この先は舗装路のみ。
さすがにホッとしつつ、淡々とキャンプ場をめざします。
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集落を抜ける国造を恵山へ向かって走っていくと、
巨大な昆布を干した光景が次々と目に入ってきます。
昆布って元はこんなに大きいんだ! と
都会育ちのオヤジは驚くばかり。
こういった昆布干しの小屋が何十件も現れ、
家族総出のような感じで干したり取り込んだりしている様子を
見ながら進んでいきました。
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昆布干しの集落が途切れ出すと、
防護壁に包まれた断崖絶壁が国道に迫ってきます。
道自体は平坦で走りやすいのですが、
国道開削前はとんでもない難所だったのでは
ないでしょうか。
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落石よけと思われる覆道の長いこと長いこと。
トンネルと合わせて2kmを超える区間もありました。
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道の駅 なとわ・えさんに着いたのは16時過ぎ。
ここにキャンプ場が併設されており、
わずか300円で利用できます。受付は17時で終了なので、
間に合ってなにより。コインシャワーも利用できました。
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なんとも開放的なテントサイト。
芝生、海、空、以上! といったシンプルな
風景が思う存分に味わえるキャンプ場です。
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陸地側を振り返ると、立派な炊事棟の向こうに
ローソンが見えます(笑)。
圧倒的な開放感と都会的な利便性の双方が備わった
理想的なキャンプ場なのでした。
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道の駅の売店で買った昆布と鮭とばに加え、
ローソンで冷凍ホルモン鍋と麺を調達しました。
もうこれだけで酒飲みのおっさんは幸せ。
ちなみに、すぐ近くにホームセンターもあり、
キャンプ道具一式を買うことも可能です(笑)。
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適当な長さに切った昆布をさっと湯がいて
醤油をかけるだけでご馳走に変身。
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アルミ鍋に入っているから、火にかけるだけで
仕上がるホルモン鍋。ローソンの冷凍だなにある
隠れた人気商品です。
僕は京都の先輩(神)に教えてもらったのですが、
濃いめの味とビールの相性が抜群。
明日は旅の最終日、走行距離も短い予定なので
もう飲んじゃうぞ〜と宴会モードに突入。
ここまでも毎晩飲んでますが(汗)、
最後の晩餐ともなれば浮かれるってもんです。
ソロキャンプは、ウィズ・コロナ(変な言葉だと思いますが)の
当世における新しい生活としても
評価できるのではないでしょうか(適当)。
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締めの麺を投入して満腹、満腹。
こんな生活を永遠に送りたいなとも思いますが、
実践できるほどの勇気と能力はありません(汗)。
そう言えば、大洗にはプロのキャンパーが
いたなあ……Zzzz

●7月18日 恵山〜函館
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どどーん、どどーんと波音が響くキャンプ場でしたが、
完全に熟睡。目覚めも爽やかでしたが、
どんより曇り空。梅雨空から逃げるために計画した旅でしたが、
なかなか思うような晴天には恵まれませんでした。
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最終日は函館まで戻るだけなので、走行距離は50km弱。
18時台の新幹線でも東京に帰りつけるので、
かなりのんびりできます。
とはいえ、キャンプ場で朝っぱらから飲むわけにもいかないので、
7時半には走り出しました。


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昨日の続きといった感じで国道278号を進みます。
荒々しい海岸風景が続き、越後七浦や笹川流れといった
日本海沿いの景勝地を思わせます。
道南というより、津軽海峡北岸といったほうが
実際のイメージに近いです。
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本州連絡橋も夢じゃない、と思わせる近さ。
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戸井に残る未成線のアーチ橋。
戦時中、津軽海峡防護の一環として作られつつ、
完成に至らなかった鉄道の遺構です。
国道よりかなり高いので、もし完成していたら
車窓が良い観光路線として人気を博したかも……。
こうしたアーチ橋が沿道に何箇所もあり、
そのいくつかは津波が押し寄せた際の避難場所として
指定されていました。
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釜谷富士。標高は200mほどですが、
形はまさに富士山。こういうのを郷土富士と呼ぶそうで、
全国にいっぱいありますね。サイクリングのテーマにもなりそう。
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函館空港まで進んでくると、前方に函館山が見えてきます。
そんな沿岸部に、きれいな方形をした志苔館という
武士の居館跡が現れます。
室町時代、このあたりに進出した和人が
拠点とした要塞のような小高い立地の館。
アイヌの蜂起によって攻め落とされたそうです。
普段は意識することがない民族の違いというものを
静かに教えてくれる道南の史跡です。
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意識高い系の史跡めぐりから、ベタな観光地へ。
ご存知、五稜郭タワーです。
訪れるのは20数年振り。とても綺麗にリニューアルされてますね。
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眼下に広がる魔法陣。
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展望室には、下が見えるガラス窓もあったりして足がすくむ……
誰かにしがみつきたいところです。
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再び八幡坂へ。上からは青函連絡船が浮かぶ
港の様子が遠望できます。
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茶房 菊泉さんへ。大正10年に建てられた
酒問屋の別宅跡だそうで、重厚なただずまいを見せます。
各種の甘味や「くじら汁」を味わえる
本格的な喫茶店です。ひとり旅のおっさんが入るには
あまりに敷居が高い(誤用)店構えとメニュー……。

自分自身の場違い感に戸惑いながらも
思い切ってお店に入ると、きさくな感じの店員さんが、
「ああ、はい。理亜ちゃんの部屋は奥ですよ〜」と
迎えてくれました。
みなまで言わなくてオッケーだよ、分かってるから、
といった感じで、奥まった部屋に案内してくれました。
オタクなのにちゃんと歓迎されて、にわかに涙ぐむ私。
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理亜ちゃんの部屋、キター。
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くじら汁(野菜スープ)と赤飯のセットを注文。
おめでたい感じがたまりません。
お腹と胸がいっぱいになりました。

もう思い残すことはない。
天気が良ければロープウェイで函館山に上ろうかとも
考えてましたが、見上げた山頂は雲の中。
すでにやりたいことはやりきった感に包まれていたので、
函館駅へ向かいました。
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都会ずら〜。
ここで自転車を輪行袋にしまいました。
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後輪はセンターノブがだいぶ減りました。
よいタイヤほど磨耗性は低い傾向にありますから、
しかたないですね。

こうして、旅のモチベーションをすべて現実の経験として、
往路と同じように新幹線で家路についたのでした。

自転車はもちろん、すべての装備はほぼ完璧でした。
行程が欲張りだった感は否めませんが、
ほぼ計画通りに遂行できました(だから懲りない)。
そして財布を無くすこともなく(汗)、無事に帰宅。
天気だけは期待ほどよくなかったですが、
自分としては100点満点の旅となりました。

こんなひとり旅も、言ってしまえば不要不急の物見遊山だから、
本当は控えたほうがいいんですかね……。
それとも「仕事です」って臆面もなく言えば許されるのか。

不要不急の物見遊山が仕事の糧にもなってる自分としては
もどかしい限り。
早く優しい世界が戻って欲しいものです。

追伸
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帰宅後の儀式に必要な道具たち。
台所用中性洗剤、ワコーズのパーツディグリーザー、
それを入れる容器と刷毛(チェーンを擦る)、スポンジ、ブラシ、
チェーンをかませるローラーと
水を引いてくるホースです。
これらの道具で自転車をきれいにしてはじめて
旅がちゃんと終わった感じがします。
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ドロドロにしてごめん。
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洗車すれば元どおり。
ちなみに、オルトリーブのバッグも水洗いしてます。
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テントや寝袋など、キャンプ道具も干し直します。
しっかり乾いたらテントやマットは収納し、
寝袋は袋に入れないで広げたままガレージに保管してます。
(長期間収納すると、ロフトが潰れる気がするので)

これで次の旅もいつでもはじめられます!




by cyclotourist | 2020-07-22 19:02 | 製作中 | Comments(0)
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