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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

梅雨空キャンプツーリング 3/3

こんにちは、田村です。

旅も五日目となると、だんだん日常化してきます。
走るだけ、泊まるだけになりがちで
感覚も鈍くなってきますが、今回のコースには
以前から訪れてみたかった名勝旧跡を
ふんだんに盛り込んでいたので、新鮮な日々が続きました。
そして、怒涛のオチが近づいてくるのでした……。

●6月28日 雨晴〜金沢
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氷見線から聞こえる、ガタンゴトンという
今では懐かしさを感じるレールの音で目覚めました。
起きたのは5時過ぎでしたが、雨晴キャンプ場が快適なので、
8時くらいまで長居してしまいました。
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五日目のコースはこんな感じ。
あえて能登半島には向かわず、その付け根を
なぞるように進んで金沢へ。距離は70km弱。
事前の計画ではもっと先へ進むはずでしたが……。
このコースのお目当は、高岡と金沢の
ほぼ中間地点にある倶利伽羅峠。
源平の戦いの古戦場としてあまりにも有名です。
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雨晴を後にして高岡市街へ向かうと、
ほどなくして義経と弁慶の像が目に入りました。
「如意の渡」で、弁慶が義経の身分を欺くために
ぶったたいた、というエピソードですね。
源義経にしろ木曽義仲にしろ、エピソードの
所在地が全国に多々あり、その行動力に驚きます。
もちろん、多くはフィクション、伝説なのでしょうけど、
興味はつきません。
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高岡には素敵な町家が並ぶ通りがありました。
鋳物師の町並みと呼ばれ、加賀藩二代藩主前田利長が
職人を招いて銅の鋳物を作らせたそうです。
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国道8号の脇道を進んでいくと、
自然と旧北陸道の道筋に。往還松と呼ばれる
木立が再現されています。
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石動(いするぎ)の街を抜けると、
倶利伽羅への道を示す案内があちこちにありました。
この日は雨が降ったり止んだり。
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舗装路でも倶利伽羅峠に出れますが、
現地に「義仲進軍の道」という案内があり、
それに従って進んでみました。すると舗装が途切れ……
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いかにもな風情のある古道。
しばらくは乗車できますが、階段区間もあって
押し歩きも強いられました。
こんな道を、万を超える軍勢が通ったら、
さぞ渋滞したのではないでしょうか。
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古道を抜けると、よく整備されて公園になっている
倶利伽羅峠の古戦場に出ました。
木曽義仲が用いたという奇策「火牛の計」を再現(?)した
妙にリアルな像がありました。
こんな牛が突っ込んできたら平家もたまったもんじゃ
ないでしょう(もちろん伝説らしいです)。
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周辺の山並みを見渡せる展望台がありました。
ピークでも標高は200mほどで、さほど高くありませんが、
北陸道を抑える要所だったことがわかります。
このあたりで源氏5万、平氏10万の軍勢が激突し、
火牛と背後に回った別働隊に襲撃された平氏軍は大混乱、
深い谷底へ落ちていったそうです。

勝利した木曽義仲は、京都に進軍して
いったんは天下取った感がありましたが、
その後に源義経との戦いに破れて討ち死に。
その義経も、ご存知のように頼朝に追われて……。
悲劇性のある武将には不思議と心がひかれます。
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倶利伽羅峠を間に置く北陸道は「歴史国道」として
整備されていて、その看板に従って進んでいきます。
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極上のグラベルが現れて、思わず自撮り(笑)。
乗って楽しい区間は数kmだけですが、
歴史ロマン効果で気分が上がります。
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雰囲気の良い切り通しもあり、
また訪れたくなる道です。
ロードバイクでは楽しめず、MTBじゃおおげさ。
グラベル系のツーリング車が
実によく似合う道だなあと思いました。
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倶利伽羅をすぎると、金沢の街まではあっという間。
せっかくなので茶屋町にも寄ってみましたが、
観光地すぎて気後れします。
また、朝が早かったせいか昼過ぎの暑さが体に堪え、
金沢から先へ進む気力が失せました。
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整備中の金沢城。
再建された城門がきれいすぎてCGのよう。

周辺にいくつかキャンプ場の目星はつけていたのですが、
なんとなく面倒になったので、
愛用のホテルα-1系列のホテルへ。
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非常に広く、タブレット端末で操作する
マッサージチェアまである豪華な部屋。
これが4300円で泊まれるとは驚き。
ホテルα-1は古びた部屋が多いのですが、
さすが金沢というべきか、レベルが違う。
ちなみに、金沢市は宿泊税(200円)というのを
取るようになってました。
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コンセントも多く、充電がはかどります。
以前の長期キャンプツーリングでは、
ソーラーパネルの充電器なども併用しましたが、
今回は割愛し、2万4000mAhのモバイルバッテリーを
携行してキャンプ中の充電に利用しました(重いけど)。
スマホやGPSなんてないほうが素朴な旅が
味わえるとは思いますが、なかなか……。

ちなみに、電動変速メカ用の充電器も携行しましたが、
まだ出番なし。今回のマキノ号は、アルテグラDi2の
シフトレバーで、XTRのリアディレーラーを動かすという
変則的なメカを採用しており(いまならGRX一択でしょうが)、
電池がどのくらいモツかいまいち不明なのですが、
ここまでの500kmほどはモツことがわかりました。
(この後ももったので、700kmは大丈夫そう)

●6月29日 金沢〜越前大野
ホテルを7時に出発し、国道157号を南下、
越前へ向かいます。福井県です。
自分にとって、いちばん縁が薄い都道府県が
福井県だったりします。今回の旅の目的のひとつが、
その福井県、特に未体験の内陸部を味わうことでもありました。
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「酷道」として名高い国道157号ですが、
金沢側の起点は香林坊なんですね。都会ずら〜。
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この日のコース。距離110kmほど走って、
越前の小京都と呼ばれる大野をめざしました。
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北陸鉄道の鶴来駅。なんと瀟洒な……。
しばらくぼーっと眺めておりました。
街並みも風情がありました。
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鶴来駅から先は廃線区間ですが、
加賀一宮駅はサイクルステーションとして再整備されていました。
トイレも素晴らしく綺麗。
実は現地で知ったのですが、金名線とのこと。
金沢と名古屋を結ぶという、今になっても果たされない
壮大な路線が計画されていたとか。
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駅舎の裏手から自転車道が伸びてます。
線路と枕木を模したマーキングが楽しい。
手取キャニオンロードという名前です。
このあたりは最近になって整備されたのか、
真新しい装いです。
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いかにも廃線跡のサイクリングロードらしい鉄橋も登場。
気分がいやがおうにも盛り上がります。
天気もどんどんよくなってきました。
自転車道を走ったのは加賀一宮駅〜道の駅 瀬女(せな)の
20kmほどの距離でしたが、もっと手前から、
手取川の堤防も自転車道になっているようです。
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なんとも伸びやかで胸がスカッとするような道。
梅雨の晴れ間に恵まれ、緑が目にしみるほど鮮やか。
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かつての終着駅、白山下駅を模した休憩所。
金名線の解説などもありました。
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道の駅 瀬女。この先、国道157号は手取川ダムにそって進み、
40kmほど無補給区間が続くと思われたので、
補給食として調理パンを買っておきました。美味しかったです。
また、仏式バルブ対応の空気入れも置いてあったので、
利用させていただきました。
自宅を出て一週間もすると、相応に空気圧が下がっていたので、
助かりました。
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道の駅から急上昇すると見えてきた手取川ダム。
堤が巨大すぎて視界に収まりきらないほど。
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湖面も広い広い。
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長さ1000m級のトンネルやスノーシェッドで
ずぼんずぼんと山を貫いていきます。
交通量が少なく、天気も良かったため
白馬〜糸魚川の国道148号のような
恐怖は感じませんでしたが、なかなか気を使う
道ではありました。そういう意味では酷道かも。
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ついに福井県入り。
このあたりは恐竜の化石が出たそうで、
恐竜街道なんて名前がついており、
転々と恐竜の像が立っていました。
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県境からの国道157号は、勝山まで一気呵成の下り坂。
長大な橋で谷間をまたいでいきます。
相当にお金がかかってそうな道です。
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えちぜん鉄道の勝山駅。恐竜がお出迎え。
えちぜん鉄道と言えば、三国港など
海沿いのローカル線というイメージがありましたが、
こんな内陸まで伸びているとは。
福井県の地理がようやく少しわかってきました。
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勝山は商店街の雰囲気がレトロで、模型屋さんもありました。
思わず入りたくなりましたが、なにか買っても持ち帰れないし、
入店して何も買わないのもやらしいので、通り過ぎました。
いま思い返しても惜しい感じがします。
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勝山城の威容。いくらなんでもすごすぎる(笑)。
復元というより、博物館としての建物だそうですが、
平成バブルの香りを感じさせる代物です。

さて、事前のルートではあと30〜40km走って
大野を過ぎて鯖江まで足を伸ばすつもりでしたが、
やはり暑い午後になると走る気力がなえてくるので、
近場でキャンプ場を探しました。
すると、大野の街はずれ、越美北線の勝原駅の近くに
無料かつ予約不要(市の観光課に電話で確認)の
キャンプ場があるようなので、
そちらへ向かうことに。

越前大野の街は翌日ゆっくり拝見することにして、
スーパーで買い出しを済ませつつキャンプ場へ。
道は線路沿いなのに意外とキツいアップダウンがあって
疲れましたが(ビール背負ってるし)、
16時過ぎになんとか到着。
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九頭竜川に面した勝原園地。
トイレが汲み取り式だとか
炊事棟がないとか、そんなことが気にならないほど
最高のロケーションです。
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実にいいです。
到着した頃は川遊びをしている兄ちゃんがいましたが、
ほどなくして帰って行きました。
そこで、自分もマッパになって水浴び。
川面をのぞくと、キラキラと小魚のお腹が反射してました。
釣りのスキルがあればなあ。
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最近はコンビニで少量のお米を売ってるので、
自分のようなぼっちキャンパーは助かります。
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スーパーで買った鶏肉と日本酒を少し入れて炊き込みます。
せっかくのメスティンですから、肉を焼いてるだけじゃ
用途を間違ってます。
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30分ほど浸水させたあと、火にかけます。
いつもながらの固形燃料で、いわゆる自動炊飯ができます。
30gの固形燃料の燃焼時間・火力が、一合ほどの炊飯に
ちょうどいいのです。
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固形燃料が燃え尽きたら、手ぬぐいでくるんで
15分ほど蒸らし。なんだかんだでけっこうな時間がかかりますが、
別に買っておいたツマミでビールを飲んでいれば
あっという間。むしろ幸せな時間。
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ネギを散らして醤油をかければ完成。
レシピ本に載せられるような料理じゃありませんが、
おっさんひとりには十分すぎる質と量です。

夜はホタルが辺りを飛び回り(自分の技術では撮影できなかった)
なんとも満足感の高い夜を過ごしたのでした。


●6月30日 越前大野〜鯖江
5時頃、風にあおられて目が覚めました。
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また天気は下り坂で、小雨交じりの生暖かい風。
タープが風をはらみます。もっと低く、ピンと張れば
よかったのかもしれません。
適当に朝食を済ませ、6時半には走り出しました。
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一週間目となるこの日は、60km走って鯖江へ。
取るに足らないような走行距離ですが、
ここまででもっとも濃厚で印象に残る日となりました。
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キャンプ場の最寄駅である勝原駅に寄ってみました。
ザ・最低限といった駅舎。駅舎があるだけいいともいえますが。
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驚くほど薄いダイヤ。
「乗って残そう越美北線」と看板に書いてありましたが、
乗るのが難しい……。
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ラノベが置いてあるのが微笑ましい。
朝5時台の列車で大野・福井方面へ出て、
18時台の列車で帰ってくる、
なんていう学生さんがいるのでしょうか。
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越前大野駅はリニューアル済み。
観光需要がありそうな駅は、全国的に
格子を用いたデザインが増えました。
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きた〜! と、個人的に胸が高鳴ったのがココ。
大野の住宅街にある公園に、朝倉義景の墓所があるのです。
戦国時代、越前に5代100年に渡って覇を唱えた朝倉氏。
その最後を務めることになった悲運の大名が朝倉義景です。
朝倉氏は、関東でいえば北条氏に近い存在でしょうか。

しかし、ドラマやゲームにおける朝倉義景は、
そりゃもう酷い扱いを受けてることでも有名です。
歌や蹴鞠にうつつをぬかし、上洛の機会をみすみす逃し、
織田信長との合戦で連戦連敗、最後は家臣に背かれて自害……

先の義経や木曽義仲も最後は悲劇に終わりましたが、
見せ場が多く華がある武将でもあります。
それにひきかえ朝倉義景は、
徹頭徹尾、信長の引き立て役を担わされ、
ゲームなんかでは武勇も知略も30点代という
なめられた設定になってます。

そんな彼に僕はけっこう惹かれるものがあり、
ここまで来たわけです。そして、地元ではちゃんと
大切に扱われていることがわかり、なんだか涙ぐむような気持ち。
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墓所の横には「義景清水」なる名水も。
ありがたくボトルに入れていきました。おいしかったですよ。
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大野の街には藩政時代の武家屋敷も残っています。
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大野の街をあとにして、目指すは一乗谷。
雨脚は強くなるばかりですが、ちっとも苦になりません。

思えば今回の旅は、僕にとってやっぱり
「舞台めぐり」なのかもしれません。
いつもはアニメの舞台ばっかり行ってますが、
今回はゲーム「信長の野望」の舞台。
前述のように僕は朝倉氏が好きなので、
勝山城とか一乗谷とか、ゲームのマップでは
なんども見てきたわけです。
画面上で武将のコマを動かすだけだった北陸や越前の地を、
身をもって自転車で走り、ゆかりの史跡を見て回る……
これはこれでツーリングのテーマとしてありでしょう。
ゲームというとオタクっぽいですが、
歴史小説や大河ドラマに置き換えれば、
普遍的な旅のモチベーションなのかなとも思います。
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ついに来た。一乗谷朝倉氏遺跡。
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想像以上に広大な朝倉氏館跡。
土塁や礎石が残るだけですが(あと後代の唐門)
なかなかに見事です。
こうした館や庭園のあとが、小川の左右数kmにわたって続いてます。
戦国時代における城下町の全貌が史跡として
整備されています。率直に言ってすごいです。

信長だろうと秀吉だろうと家康だろうと、
彼らが築いたであろう街並みは
近年の都市化・宅地化で消え去ってますが、
ここ朝倉氏の城下町は保存度、再現度が空前のレベルです。
信長に三日三晩焼き討ちされ、その後も一向一揆などで
荒廃し尽くし、城下町としては忘れ去られ、
長く田畑に埋もれていた越前の都が眼前に復活しているのです。
現代において、朝倉氏は天下とったと
言ってもいいのではないでしょうか。
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復元された街並みも圧巻。

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最盛期には人口が1万人を超えていたとか。
現代の東京に住んでる身としては1万人が多いとは感じませんが、
当時は京都、大阪堺に次ぐ大都市だったそうです。
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案内所の一画には、なぜか柴田勝家など
織田方の武将が……。朝倉義景や彼の部将をイケメン化もしくは
美少女化してほしい。
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模型で再現された一乗谷。こういうの作りたいかも。
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売店では「越前朝倉氏」大河ドラマ実現を求める署名が。
歌と蹴鞠で天下を救うみたいな、アイドルものはどうでしょう(笑)。
売店に隣接した蕎麦屋で早めの昼食をいただいたのですが、
店の親父曰く、休日には大勢の方が一乗谷を訪れるそうです。
地元でも朝倉氏そのものの人気はイマイチのようですが、
観光名所の史跡としては定着してるようです。
「明智光秀だって10年間もココにいたしの〜」
なんて言ってました。
やっぱり大河ドラマになると、武将の人気は高まるわけだ。
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一乗谷ですっかり満足してから、
のんびりと走りだすと、ほどなくして鯖江に到着。
飛び出し坊やがメガネかけてます。
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昼過ぎには鯖江の駅前に到着したのですが、
ふと見るとα-1があるじゃないですか。
史跡を歩いたことで妙に足が疲れたこともあり、
天気も悪く装備も濡れているので、今日も泊まることに(汗)。
しばらく街を見て回って時間を潰してから、
金沢のそれとは違い、α-1らしい古びた
ホテルにチェックインしたのでした。

●7月1日 鯖江〜奥琵琶湖
朝方まで小雨が降ってましたが、
ホテルをあとにする頃には天気が持ち直しました。
今日も北陸道および北国街道に沿って南下します。
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鯖江からどんどん南下し、今庄から
振り返るように北へ向かうコース取り。
これによって、木ノ芽峠と旧北陸本線のトンネル群を
走破するのがこの日のメインテーマです。
走行距離は100kmほど。単に走るだけじゃなく、
見どころを盛り込んだコンテンツ重視のコース設定だと、
自分の足ではこれくらいの距離が精一杯ですね。
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北陸新幹線の延伸工事が盛大に進んでます。
2022年には福井、敦賀まで伸びるそうですから、
北陸の旅がますます身近になりそうです。
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今庄の宿場町。初代福井藩主である結城秀康が
整備した宿場町は、造り酒屋が多かったです。
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続いて現れる板取宿。越前の南端にあたり、
柴田勝家が整備したそうです。
中山道や東海道の一部にある、いかにも観光地然とした
華やかな宿場町も魅力ですが、北陸道・北国街道の
宿場町は飾らない素朴な雰囲気が魅力かもしれません。
ここまでは勾配も緩く、重装備の
キャンプツーリング車でも余裕余裕……
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板取宿をすぎると、すぐに国道をそれて
今庄365スキー場のゲレンデを上がる激坂へ!
そのまま国道を進めば栃ノ木峠もしくは木ノ芽峠トンネルですが、
ここから向かうのは、いつか越えたかった峠の筆頭、
北陸道の木ノ芽峠なのです。
古来からの官道である北陸道の難所と言われた峠で、
近世になって開削された北国街道の峠が栃ノ木峠です(たぶん)。
狭い範囲に街道の歴史が詰まってます。
しかしまあ、ゲレンデに差し掛かったときは、直登の激坂を見て
軽くめまいがしましたが、途中から林道へ入ると
少しは勾配が緩やかになりました。
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廃業した茶屋の向こうに、
写真で見た木ノ芽峠の茅葺屋根が見えてきました。
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石畳と峠の碑と重厚な茅葺屋根の民家が迎えてくれました。
まさに時代絵巻のような情景が広がる木ノ芽峠。
自分が担当した峠のムックなどで、
京都の先輩サイクリスト・北山さんがいつも
紹介してくれた峠です。
念願かなってやっと訪れることができました。
標高こそ600mほどですが、
上りごたえといい風情といい歴史的な位置づけといい、
文句なしに名峠です。
今さら自分が言うのもなんですが、
多くの方に味わってほしい峠です。
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豪壮なお屋敷や、かたわらに立つ看板に書かれた峠の由来などを
眺めていると、ご主人と思われる方が声をかけてくれました。
このお屋敷、史跡ではなく、今もご主人が生活されている
現役の家屋なのです。
「築何年だと思う?」
「え〜、ちょっと想像もつきませんが、100年くらいでしょうか」
「ふふ。550年」
「え〜」
「私で20代目」
「え〜」
「もとは平家で、清盛より37代にあたり……」
「え〜」
「飲み物あんのか? 茶でも飲んでけ」
バカみたいな反応しかできない自分を哀れんだのか、
恐れ多くも国宝級のお屋敷に招き入れてくれました。
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囲炉裏に吊るした鉄瓶で
お茶を入れていただきました。このとなりの部屋には、
明治天皇が立ち寄ったこともあるとか……。
(許可をいただいて撮影しました)

電気が通ったのは20年ほど前だそうで、
いまも湯沸しや暖のほとんどを
薪で行っているそうです。
梁などはススで真っ黒。それがまた迫力。
応仁の乱のころに峠にやってきたという
ご先祖様から伝わる物語をうかがいつつ、
しばしホワーっと忘我の境地……。
建物は近年になって一度解体し、組み直したものの、
茅葺屋根を葺き替える職人さんが
少なくなって困ってるそうです。
お話は戦国時代から幕末、そしてご自身の
半生や昨今の国際情勢にまでおよび、
ずいぶんと長くお邪魔させていただきました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19462605.jpg
「この先へ行ったらええよ」と
教えていただいた道筋で、振り返りながら
お屋敷を後にしました。なんとも貴重な体験で、
なんだから夢のなかのできごとのようでした。
この道筋も、かつての北陸道かもしれません。
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古道から林道へ抜け、今庄へ戻るように下って行くと
レンガ造りのトンネルが待つ県道に出ました。
これも今日のおめあてのひとつ、旧北陸本線のトンネル群です。
現在の北陸本線は少し東の山中を長大なトンネルで貫いてますが、
それができる前の旧線が今は県道になっているのです。
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トンネルの向こうにまたトンネル。
さほど長くないトンネルがいくつも続きます。
クルマも通る道なので少々怖いですが、
一部に待ち合わせ用の信号もあり、幸いにしてクルマと
すれ違うことはありませんでした。
峠と鉄道は、交通における歴史や技術的な
変遷の象徴的な存在といえます。
そして、両者を存分に楽しめる自転車という
乗り物・移動手段の楽しさをあらためて実感します。

手取キャニオンロード、倶利伽羅峠、一乗谷、勝原園地、
そしていくつもの宿場街と木ノ芽峠に旧北陸本線と
素晴らしい情景を満喫してきた北陸の旅。

ぜひ、みんなにも体験してほしい旅路でしたが、
他人の「楽しかった〜」なんていうレポートは
あんまり面白くないですよね(笑)。
待っててください。もう少しでオチますから。
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海岸に出て国道8号を走ると、すぐに敦賀の市街地。
大規模に再開発中で、なんとなく落ち着かず、また例によって
昼過ぎは暑いのでモチベーションが下がって敦賀は素通り。
一目散にキャンプ場を目指します。
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ありがとう福井県。
国道161号で滋賀県に入りました。
当初の予定では、その西の林道へ進むはずでしたが、
早くキャンプ地に着きたいという思いが勝って国道へ。
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海津の交差点で左折すれば、もう琵琶湖です。
ちょうどコンビニがあるので、食材とビールを調達してから、
目星をつけていた奥琵琶湖キャンプ場へ向かいます。
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木立が多くてハンモック向きな奥琵琶湖キャンプ場。
利用料は2000円と少し高めですが、このエリアの他のキャンプ場は
オートキャンプ向けにもっと高額な設定が多いので、
良心的な金額だと思って選びました。
空きがあれば当日飛び込みOK。
しかも、直火もOKです(やりませんでしたが)。
写真のように模範的と思える状況で設営を終え、
コインシャワーを浴びてさっぱりしてからハンモックに戻ると……
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腰かけた瞬間、見事に破けました。
わずか6回目の使用で終了〜。ストレージなどを含めると
5万円近くしたのに、はかないもんです……。
軽量にふった製品を選んだ時点で、こういうこともあろうかと
覚悟はしていましたが、思ったより早い最期……。
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破断部の周辺を見ると、何か所も穴が空いてます。
これでは体重がかかれば、そりゃ裂けるでしょう。

恥ずかしながら喫煙者なので、まず疑われるのはタバコですが、
この前後は確実に吸ってません。
また、ライターを当ててみましたが(どうせダメなので)、
それで開く穴は周囲が黒く溶けて硬くなったので、
やはり熱による損傷ではなさそう。

次に疑ったのは虫除けスプレー。成分が濃いタイプは
衣服などの生地を傷めると聞いたことがあるからです。
これも試しに吹いてみましたが、わずかに生地が変質するように
見えるものの、破けるほどの影響はなさそうでした。

ポケットに入れた鍵やファスナーも損傷の原因にもなりえますが、
鍵は自転車のバッグに入れてますし、ファスナーが着いた
パンツは履いてませんでした。

つらつら思い返すと、設営中にネコを見かけました。
カラスも飛んでました。もしかしたら、自分がシャワーで不在中に
突っついたのかもしれません。
もはや真実は確かめようもありませんが……。

さて、どうしたものか。ビールを飲みながら考えました。
(飲まなければ、移動するという選択肢もあったのだが……)
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「これはツエルトだ」と考え、
地面に下ろして使うことにしました。
最初の回で書いたように、防寒のためにスリーピングマットを
持ってきていたので、地面の凹凸は吸収できます。
タープは健在なので、降雨や夜露も防げます。
寝るまでは、衣類を入れたスタッフバッグを
お尻の下に敷けば快適。
(スリーピングマットに座るとパンクしやすい)
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このキャンプ場はゴミ袋を提供してくれたので、
それを破断部の下に敷きました。
これでなんの問題もありません。そう思うしかありません。
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コンビニで買った鶏めしの元を使って炊き込みご飯。
コンビニが近いなら弁当買えば? とは言わないのがお約束。

せっかくのハンモックが大破し、今宵はともかく
明日以降の夜をどう過ごすかが課題です。
なにせ、この旅は種子島に至る7月15日まで続くのですから……。

まず思いついたのは、自宅からテントを送ってもらうこと。
実は、こういう機材トラブルもあろうかと、
テントをはじめとしたキャンプ道具や工具類、
そしてパソコンを詰めたダンボール箱を
自宅に用意してあります。必要があれば家人に連絡し、
翌日もしくは翌々日に予約した宿へ
発送してもらえるように準備済みなのです。

しかし、そのために特定の宿を取るのも
面倒ではありますし、行程に束縛が生まれます。
しかも、翌日は四国・香川の観音寺へ輪行ワープする
予定を組んでおり(都市圏を回避するため)、
そこのお気に入りキャンプ場で
夜を過ごすのがとても楽しみでした。
琵琶湖は全域にわたって鉄道駅が近いですから、
どこから輪行しても京都から新幹線に乗れば、
岡山経由で午前中に観音寺に着きます。
そうしたら、伊吹島に渡って……などなど、
これからも楽しい予定が目白押しなのです。

ハンモックがないならテントを買えばいいじゃない。

奥琵琶湖から京都はすぐ(鉄道なら)。
駅近にモンベルがあるようなので、電話したら
「ムーンライト」の在庫がちゃんとある。

開店直後に行って、買って、再び輪行すれば
お昼過ぎには観音寺だ! なんの問題もない。
数万円の出費など、この貴重なヒマ期間を
有効に生かすためには惜しくもない。

しかも、ムーンライトって一度は手に入れたかった定番テント。
2020年モデルで軽量化も果たしたそうだから、
愛用のヘリテイジ・ハイレヴォには及ばずとも、
十分にバッグに収まりそう。
新色のベージュがいいなあ。短辺に出入り口があるテントって
使ったことないんだけど、どんな感じだろう。
よし、ムーンライトだ。ムーンライトで旅を続けよう。
解決策があるトラブルはトラブルじゃない。
むしろ有縁結縁、

こうして自分の計画に満足し、
かえってワクワクしながら寝に着いたのでした。
幸いにして、ツエルト化したハンモックでも
十分快適に寝ることができました。

●7月2日 奥琵琶湖〜京都
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朝食を省いてとっとと撤収。
もうムーンライトを買ったつもりですから、
ハンモック一式はキャンプ場のゴミ捨て場へ(できるかぎり分別して)。
使えるタープやストレージは惜しいですが、
これからの長旅を考えると無駄な荷物ですから。
機会あれば、あらためてハンモックも買おう。

で、奥琵琶湖沿いを少しだけ走って
湖西線の最寄駅、永原へ。
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7時15分発の京都行きに乗車。
JR西日本では、こういう国鉄型車両をよく見かけます。
JR東日本は味気ないステンレス車両ばかりなので、
かえってうれしいです。しかも、湖西線は高架なので
眺めがいいのです。
どうせ輪行するつもりでしたし、万事順調。京都で朝食だ。

8時半過ぎには京都駅に到着。
モンベルが入ってるイオンが開くのは10時。
駅を出て、どこかでゆっくり朝食をいただけばちょうどいい。
スイカで駅に入ったので、それを収めた財布をポケットから……

財布がない。どこにもない。

湖西線で落としたようだ……。
心当たりは、ないでもない。
ポケットにはメモ帳も入れていて、
モンベルで買うものなどを車内でリストアップしていたから、
メモ帳を出し入れした際に財布がこぼれ落ちたに違いない。

あわてて列車が着いたホームに戻るも、
すでに列車の姿は見えない。折り返したのだろう。

改札の職員に事情を告げると、
遺失物の連絡先を教えてくれた。
まだ9時前だったのでコールセンターが開いておらず、
24時間対応のチャットとやらで
紛失状況を登録する。
(あとで分かったけど、登録できてなかった)

再び改札に行って
「僕どうすればいいですかね」と聞くと、
とりあえず改札を出ていいです、
あとで財布が戻ったら清算してください、とのこと。
また、改札を出たすぐ横に派出所があるので、
そちらへ行くことも勧められた。

派出所へ行って、紛失状況などを伝え、登録してもらう。
見つかれば連絡をするとのこと。

そうこうするうちに9時を回ったので、
遺失物の対応窓口へ電話。さいわいスマホは持ってる。
首尾よくつながったが、まだ該当する遺失物の
届け出はないとのこと。そして、こちらも
見つかれば電話くれるとのことで、それに期待する。

自分が乗った車両が湖西線を往復してるとすれば、
10時くらいには終着駅に着くのではないか?
そこで見つかればいいが……。
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京都駅前で時が過ぎるのを待つ。
いい加減お腹が減った。しかし、財布には現金はもちろん
カード類も全部入っており(保険証も)、正真正銘の一文無し。

10時を過ぎてもJRおよび警察から連絡がないので、
これからの身の振り方を考える。

幸い、京都にはお世話になっている自転車店が二軒ある。
どちらも京都駅から10km圏内。このくらいなら空腹でも走れる。

まずその一軒の店主の携帯に電話したけれど、不在。
お店自体は午後からオープンなので、ひとまず諦める。
午後までこの状況で待つのはしんどい。
もう一軒は10時オープンなのでお店に電話したところ、
お世話になっている店主が今日は不在だという。
さすがにスタッフしかいない店舗に乗り込んで
「お金貸して〜」なんて言えないよ……。

意を決し、京都在住の先輩サイクリストに電話。
この日は平日だから、
もちろんお仕事中だろうから迷惑なはず。
でも、一縷の望みを託して……。

「わかりました。上司に外出許可を取って向かいます」

男前すぎる。その人こそ、木ノ芽峠をはじめとして
関西圏のリポートに全幅の信頼を置いている北山さんなのです。
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わずか小一時間で救援に現れてくれた北山さん。
本当にありがたく、涙が出そうでした。
そして惜しみなく何万円も貸していただき……
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京都駅で早めのランチまで
ご馳走になってしまいました。

僕は、この歳になってようやく悟りました。
旅において大切なものは、
あれこれの装備や自分の経験などではなく、
頼れる仲間の存在だということを……。
ありがとうございます、ありがとうございます。
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北山さんと分かれて2時間少しのち、
僕はもう東京にいました。
いくら大金を貸して頂いたとはいえ、
(あまりに多かったので、その場で交通費+アルファ以上をご返却)
さすがにクレジットカードやキャッシュカード、健康保険証まで
失って旅を続けられるほど、自分は楽観的ではありません。

こうして、種子島を目指した旅は京都で終わり。
急に帰ってきた自分は、
テレワーク中の妻に「え?」という
驚いた目で迎えられました。


あまりにも竜頭蛇尾、そして自分の甘すぎる失態で
強制終了した旅でしたが、不思議と深い満足感に包まれました。

信越の高原、雨の塩の道、越中の自転車道、
歴史に彩られた北陸路。
そして友情パワー……。

完全な結果論ですが、いま現在、九州をはじめとして
各地が豪雨で大変なことになってます。
進んでいたらどうなったことかわかりません。
被災地の方々には心よりお見舞いもうしあげます。

東京も剣呑な状況になってますし、
旅の続きができるかどうかなんとも分かりませんが、
一週間も旅ができたことに感謝しつつ、
筆をおきます。

ほとんど無駄な長文にお付き合いいただき、
ありがとうございます!



by cyclotourist | 2020-07-06 23:02 | Comments(4)
Commented by はじ~ at 2020-07-07 21:53 x
チラチラとツイッターでは見てまして、ビールがないキャンプの夜、豪華なα-1、ハンモックが破れたことと思いもよらない結末くらいしか印象に残ってませんでしたが、ブログになると合計2回読み返してしまうほど、色々な場所を巡って、よい景色などを体験されていたのを感じ取れました。
が、旅をしていた期間は1週間なのですね!もっと長い時間をかけていたかと思いました。
僕も32Cくらいタイヤをはかせて、ちょっとしたグラベル走ってみたり、久々にキャンプツーリングしたくなってきました。
Commented by cyclotourist at 2020-07-08 19:58
はじ~様
コメントありがとうございます。
32Cくらいだと舗装路も重くないですし、
ゆっくりなら結構荒れたダートも行けるので、
重宝しております。
またキャンプご一緒しましょう〜。
Commented by miyatake at 2020-07-16 16:35 x
楽しく読ませて頂きました。
残念な終わり方がとっても残念でしたが。
また骨折かと、ビビリましたが
杞憂でよかった。
次の旅行記を楽しみにしています。

定期的に書こうね…
Commented by cyclotourist at 2020-07-19 19:13
miyatake様
コメントありがとうございます。
骨折はもう懲り懲りですね……。
ブログ更新は気まぐれなので、
ご了承ください。
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