こんにちは、田村です。
関西遠征、はや4日目です。
大津に宿を取っているので、輪行を駆使すれば
関西の全域へリーズナブルにアクセスできる……
というお気楽かつケチな考えで目指したのは、
高野龍神スカイラインです。
そのピークが笹ノ茶屋峠。標高は1000m少々。
関西では随分と高いほうなので、
いつかは訪れたいと考えておりました。
JR和歌山線の笠田という駅に降り立ちました。
しかし、大津からは意外と時間がかかり、
到着したのは10時すぎ。いま思えば、この時点で
走行計画は破綻していたのです……。
笠田駅から田辺まで距離120km。獲得標高は2500m。これくらいなら一日で走れる……と思ったのですが、結果として走れませんでした(汗)。紀ノ川を渡ると、高野山を擁す山塊が間近に迫ります。この日も暑かった……。
高野山へ伸びる国道480号を進んでいくと、小さな峠に100円ショップがありました。峠の茶屋やドライブインは珍しくないですが、峠の100円ショップは初めて見たよ。もっとも、一般的な100円ショップとは異なり、端材などを売ってる材木店でした。さすが紀伊の国、木の国です。志賀高野山トンネルを避けるために旧道に入ると、木陰の多くて気持ちよい峠が待ってました。
高野山へ向けてぐんぐん標高を上げます。東京スカイツリーと同じ高さ……それを知ってどうなるというのか。標高800mくらいの山あいにたくさんの寺社が建つ高野山。20年前にも自転車で訪れたことがあり、きつかったというおぼろげな記憶があったけれど、
やっぱりきつかった(汗)。
ここまできて、やっと高野龍神スカイラインがはじまるわけで……
高野龍神スカイラインを進むのは初めて。
もとは有料道路だったそうで、かなり高規格で
幅員が広いです。
走りやすいといえば走りやすく、
展望が広がる区間も多いのですが……暑い。
連日の峠越えで疲れも残ってるようで、
思いのほかペースが上がりません。
小さなアップダウンがあり、
名前のある峠が散発的に登場します。
まあそれはいいのですが……
沿道は山と空だけ。
こういう景色が好きで峠を走るわけですが、
いつまでも続くと飽きるのは避けられません。
人家皆無の大味な山肌がずっと続きます。
木陰が少ないのもツラいところ。
よそ様のエリアにある道をどうこう言うのは気が引けますが、
高野龍神スカイラインが自転車に向いているかは微妙ですね。
スピードが出せるオートバイなんかだと
爽快さが上回るのかもしれませんが……。
なにはともあれ、
ピークである笹ノ茶屋峠からの展望に期待をかけ、
のそのそと進んでいきました。
15時半を回った頃、ごまさんスカイタワーに到着。
笹ノ茶屋峠は手前のはず……見落としました。
せっかく上った道を引き返すこと数kmの地点に、
笹ノ茶屋峠はありました。
西(写真右手)から上がってくる林道とのT字路でした。
つまり、林道のピークではあるけれど、
高野龍神スカイラインを進んでいくと、
ピークでもなんでもないのです……。
写真のように辺りを見渡せる
小さな展望スペースがあったものの、
上りでは反対車線だったので見落としたわけです。
昔は峠名の由来になるような茶屋があったのだろうか……。
なんだか拍子抜けする峠でしたが、
林道は棚田で有名な「あらぎ島」へ向かうので、そちらから上ったほうが峠らしさを楽しめたかもしれません。高野龍神スカイラインのピークは、さきほどのスカイタワーでした。有料のエレベーターで展望スペースに上るとこれ以上はないほど広い景色が広がりますが、
どこまでも緑の山だけで変化に乏しい……
そして時刻は16時を回ってしまいました。
日が暮れても走り続ければ、
予定どおり田辺に出られるでしょうが、
そこからの輪行移動を考えると、
危うい気配が濃厚です。
実はこの日も大津の同じホテルを取っており、
田辺から輪行で戻ったら、
翌日は帰京がてら東海道筋の峠を
走りたいと思っていたのでした。
身の振り方に迷いながら下っていくと、
ひさしぶりに人家が現れました。
龍神温泉です。ちょうどカフェを兼ねた観光案内所があったので
入ってみると、自転車好きの気さくなお兄さんが迎えてくれました。
「これから田辺? まだ遠いし峠もあるよ」
ですよね〜。
よしんば田辺に着いても、大津まで移動できる
列車に間に合わなければ途方に暮れてしまいます。
じゃあ、ここで泊まればいいんじゃないか?
もう疲れたしなあ。
そこで、お兄さんに相談したら、手際よく
龍神温泉の宿を手配してくださいました。
大津のホテルがムダになってしまいましたが、
いた仕方ないところ。
思ったより立派な温泉ホテルで、
お値段もそれなりに張りましたが、
快適な一夜を過ごすことができました。
先に着いたサイクリストもいて、
地元では有名な宿なのかも知れません。あんまり温泉に興味がない自分には○○に真珠のような宿でした。翌朝、気持ちよくリスタート。ところが、田辺へ向けて
予定コースを走り出すと通行止めが出現。
たまたまですが、昨日は行程を打ち切って正解でした。
こういうのを不幸中の幸いと言うのでしょうかね。
単なるリサーチ不足ではあるのですが。
龍神温泉に泊まったことで時間に余裕もあるので、
まったくアドリブで南部(みなべ)を目指すことにしました。
国道ばかり行くのも味気ないので、ふと入口があった
林道滝浦線というのに入ってみると、
これがなかなかに爽快な道筋でした。
高野龍神スカイラインよりよっぽど楽しかったw昨日たくわえた標高をぜんぶ吐き出すように走って
南部の海岸線に到達。良くも悪くもカンカン照りで、
標高がなくなると暑い暑い……。
さすがに海岸線を走る根性もなく、
南部駅からとっとと輪行して
帰京いたしました。
こうした有様で、いまいち締まらない結果に
終わった関西遠征でしたが、
まあ無事に帰宅できたので御の字です。
計画が破綻したのは、
夏は暑いし疲れる……
という自明の理を慢心故に
忘れてしまったのが理由ですね。
おかげで、今の季節は
峠越えがまったく苦になりませんよ。
↑
また慢心してるw