こんにちは、田村です。
あらためて自分ごときが言うまでもなく、
現在のスポーツ自転車シーンの中心軸は、
ロードバイクであることは間違いないでしょう。
僕のサイクリングはツーリングが主ですし、
ツーリング車が大好きなわけではありますが、
やはり主流の車種というのは勢いがあるもので、
ユーザーの多さとメーカーの開発意欲がマッチして、
ロードはどんどん新しいモノが出てきます。
僕が自転車にめざめた80年代後半から90年代、
今のロードのように人気を集めていたのがMTBでしたね。
だから、ツーリングを含めてなにもかもを
MTBが担っていたような気がします。
もちろん、自分もMTBに乗っていて、
たまにはレースにも出ましたが、
ほとんどはツーリング、しかもキャンプなんかも
MTBで楽しんでいたわけです。
「違うだろ」と分かったのは後の話で、
当時はそれしか見かけないショップが多かったですから、
昔の自分を責めるわけにも……。
身近なショップでは、ランドナーはもちろん、ロードも
あんまり見かけなかった気がします。
時は巡って今世紀、遅まきながら
ランドナーなど伝統的なツーリング車にもめざめた自分ですが、
基本的には新しいモノ好きというか、
道具で楽をしたい派なので、
ツーリング車でもなるべく新しいメカを使い、
便利そうな装備は盛り込んだ自転車に乗ってきました。
そして、舗装路のロングライドであれば、
やっぱりロードが楽なシーンが多いのも間違いないので、
最近はロードに乗る機会が多いわけです。
そして実感として思うのは、
現在の多くのロード乗りにとって、
ロードは「ロードレーサー」ではなく、
「ロードバイク」なんだ な、と。
これは自分が勝手に思ったり、見た範囲での印象や
もちろん言葉遊びではなく、
いろんなお店さんや関係者にうかがっても、
ロードに乗ってレースに真剣に取り組んでるのは、
ほんのごく一部なのですね。
ツールを走ってるようなハイエンドモデルに乗っていても、
楽しんでいるのはサイクリング、ツーリングという方が
ほとんどです。
ロングライドやブルベといっても、
基本はレースではないですから、
広義のサイクリングだと思います。
で、そうした用途なら、
ランドナーやスポルティーフと呼ばれる伝統的な
車種・モデルがあるわけです。
僕もそう思ってますし、実践しているつもりですが、
今や、そうした車種(用途)もカバーしているのが
ロードバイクなんですね。
荷物が少なくて済む環境が整ってますし、
狙って行かない限り、ダートも少ないですから。
そして、多くのメーカーが、
必ずしもレースが主目的ではない(レースができないわけじゃない)
ロードバイクをラインナップしていますよね。
エンデュランスとか、コンフォートロードと謳ってます。
ジャイアントは「デファイ」、トレックは「ドマーネ」、
キャノンデールは「シナプス」、スペシャは「ルーベ」など、
そういったモデル名ですね。
そんなロードバイクの現在進行形のトレンドが、
「エアロ」と「ディスクブレーキ」です。
軽量化と高剛性化が一段落して(もう十分に達成して)、
違う付加価値を設けているわけです。
「エアロ」は、昔も流行りましたが、
今はフツーのロードがエアロになっているモデルが
多くなりました。空気抵抗を減らすエアロ形状によって、
昔は失うものが多かったわけですが、
今はもう、エアロでも軽いし乗りやすい......
モデルが多いみたいです。
僕の用途では、エアロの効果を実感できないでしょうから
(そもそも遅いし、マジメに走ってないので) 気になるのは、
ディスクのほうです。
つまり、「ディスクロード」です。
楽に、確実に制動力を発揮できて、
雨の影響も少なく、リムやシューの損耗も
少ないって……まさにツーリング向きでは
ないのだろうか? と。
この前、担当させていただいた
八重洲出版さんの
ロードインプレ本でも 実感したのですが、
ディスクロードに対しては、
たいへん前向きな肯定派と
慎重な懐疑派に分かれるようです。
肯定される方は「疲れにくいから」をメリットとし、
懐疑的な方は「別に速くならない」という理由を挙げます。
つまり、用途の違いなんですよね。
ツーリングやロングライド志向(に理解を示す)の方は肯定的で、
レースに真摯に取り組んでいる方ほど、
ディスクの必要性を感じてない......のかも知れません。
いずれにしろ、こうした新しい装備・コンセプトの
モデルが続々と登場しているのが
昨今のロードバイクであり、
そのシーン・スタイル・市場なのだと 思います。
これってやっぱり、ツーリング車に比べると
ロードは非常に恵まれた環境にあると思います。
ツーリング車には根強い人気があり、
熱心なメーカーも少なくはありませんが、
ロードのように日進月歩の新しい技術が
投入されたりはしませんし、ユーザーの絶対的な数も 多くはないので、
メーカー完成車として
選べるツーリング車は限られているのが現状です。
(現状というか、ずっと前から......)
だからこそ、ハンドメイドのオーダー車の出番になるわけですが、
値段や納期も性能に含めるとしたら
(フツーの人は含めますよね)
メーカー車に対抗しづらいのが事実だと思います。
僕自身、オーダーでディスクのツーリング車が
欲しいと思っていて
(実際、ちょっと前までは持ってたのですが...)、
昨年にはオーダー一歩手前まで行ったのですが、
ディスク対応でガードも付くカーボンフォークがないとか
(スチールのフォークなら作ってもらえるのですが、重い……)
ビルダー側が必ずしもディスクに前向きでないとか、
自分がお支払いできる予算に収まらないとか......
いろんな事情で見送ってきました。
と、だらだら書いてスイマセン、という感じですが、
先に担当した本で試乗させていただいたディスクロード、
フォーカスのカヨ・ディスク・アルテグラの印象がとてもよくて、
これは自分の用途でも「買いだ」と思ったわけです。
しかし、同モデルはカーボンフレームで、
だから軽くて感じがよかったのですが、
47万円というけっこうなお値段は、
いまの半ニートな自分には手が出せないな......と、
思い悩んでいたのです。
買っちまったら離婚されるのは間違いないですし(汗)、
いくら魅力を感じるディスクロードでも、
その自転車が 自分の主力になるかは、
正直なところ分かりませんし。
でも、乗らずに「ディスクは必要ない」と
分かったふりをできるほど 自分に確たるポリシーはありませんし、
諦めるのは惜しいです。
ディスクによって、苦手な下りの怖さが減ったり、
長い下りでの手の疲労が減ることは
おおいに期待できると思っています。
これは以前乗っていたディスクのツーリング車でも実感しました。
それは機械式のディスクだったので、
油圧なら、もっとイイんじゃないかと考えてしまいます。
しかも、重量面では
(すぐ重量の軽さに引かれるのは、我ながら青いのですが)
今時のメーカー車は本当に優秀ですから。
要は、最新スペックで手頃な価格の
ディスクロードがほしいなあ......と。
それが、自分にとって、
今欲しいスポルティーフ的な自転車なのです。
理想と妥協と物欲が混沌とした、
ある意味で現実的な自転車選び、とも言えましょうか(汗)。
こうして選び、決めて、
納品してもらった自転車がコチラ。

キャノンデールの
CAAD12 DISC 105です。
その名のとおり、油圧ディスクの105を採用した
アルミフレームモデルです。価格は26万円。
去年あたりから、アルミがフレーム素材として
見直されている傾向があり、各社があらためて
新しいアルミフレームモデルを投入していますね。
基本的にはカーボンに次ぐ手頃な価格帯の
モデルという位置づけですが、
非常に優秀なアルミモデルが増えているのです。
なかでも、CAAD12は玄人筋の
評価も高く、そのディスクモデルということで
決めました。
もともと、T1000を持ってるくらいなので、
キャノンデールのアルミには憧れがある自分です。
このCAAD12 DISCが、
自分にとっての新しいツーリング車、
新しいスポルティーフに
なるのではないか……と思っているわけです。
今時は珍しい、ほぼホリゾンタルなフレームです。
自分はホリゾンタルフレームが
大好きというわけではありませんが、
こうしたスタイルで、この仕様、価格(大事)の
モデルは他には探すのが難しいと思います。
他社のアルミモデルは、よくもわるくも、
カーボンと見まがうような
複雑に曲がりくねったフレームが多いのです。
もっとも、このCAAD12も、非常に
凝ったパイプ形状なのですが、
ぱっと見はシンプルな印象を受けます。
もちろん、マッドガードもキャリアもない
アメリカンブランドの自転車を
「スポルティーフ的な」とか言うと
諸先輩にぶっ飛ばされそうですが、
自分がそれを期待しているのだから、許してください。
さて、写真の背景で分かりそうですが(?)、
納車していただいたのは、ご存知
ベロクラフトさんです。
注文させていただいたのは、
同店のグループであるCWSさんなわけですが、
いつもお世話になっている大槻店長に
またお世話になりたく、お願いしたわけです。
ここでお世辞っぽいことを言う気もないのですが(汗)、
自分の自転車趣味において、
先生であり、主治医であり、コンサルでもある
頼れるプロのひとりが、大槻さんなのです。
で、またも大変なお手数をおかけしました。
「え、完成車だから、できてますよね?」とか言ってしまった
自分の浅はかさを悔やむばかり。
そもそも、自分は52cmサイズを希望したのですが、
それだとシートポストがでませんよ、と
アドバイスいただいたのも大槻さん。
キャノンデールは、サイズ表記以上に
シートチューブが長いんですよね......。
というわけで、50cmサイズにしました。
これでも、シート長(BB中心〜シートクランプ上部)は
55cm近くあるのですよ。
身長171cmでサドル高さが68cmしかない
自分としては、ホリゾンタルだと……(汗)。
そして、完成車であっても(だからこそ)
長過ぎるホースやケーブル類の調整を
行っていただきました。

フロントフォークです。
コラムまでカーボンで、ポストマウントの台座やエンドは
アルミ(継ぎ目が見えない!)。
細身ながら独特の湾曲を見せます。
重量は実測406g。十分に軽いですね。

オイルホースを抜いて、作業開始。
油圧ディスクのこうした作業を拝見するのは
初めてなので、なにもかも興味深いです。
入っていたオイルがぽとぽと出てきますが、
思ったより量は少ないんですね。

専用のカッターでホースを 切ります。
5cmくらいは短くなりました。
念のために書いておくと、
自分がやってるわけではありません。
大槻さんにしていただいてるのを、
自分は見ているだけです(汗)。

切ったホースに、
あらためて接続金具を圧入。
こうした作業にも、シマノの専用工具が用意されています。
ちなみに、油圧のホースはライナーが樹脂なので、
ワイヤーのアウターより、かなり軽量です。

再びキャリパーを
仮付けします。

ブラケットにある
注油口を開き、
ジョウロをセットします。

キャリパー側にリザーバーを装着。
これが、オイルを通したときの受け皿になります。
経験的にも技術的にも道具的にも
自分ではまったくできる気がしません(汗)。


リザーバーまでオイルが
通ったところで、
キャリパーの栓を締めます。
また念のためですが、こうした作業の
理解度が低い自分ですので、ここに書いてる
説明が正しいかどうかは微妙です(汗)。
詳しくは、大槻さんに訪ねるか、
シマノの説明を読んでください(大汗)。
本に書くならちゃんと調べますが、
ブログなので勘弁してください……。

ジョウロの栓を
キュポキュポしたり、レバーを握ったりして、
エアを抜いていきます。
心なしか、フィギュアの複製に 似てるような(汗)。
フィギュアと違って、ある意味、ブレーキは 人命に関わるので、
プロにやっていただきたい工程だと思いました。
オイルが劣化するので、
一年くらいで 交換したほうがよいとか。
ツーリングだと、出先でメンテができる・できないを
過度に気にする向きがあると思いますが、
ちゃんと組んでいただけば、STIにしろ 油圧ディスクだろうと、
トラブルはほとんどないと自分は思っております。
(落車とか、事故系は除きますよ)
以前、トラブル対応の理由でWレバーを
選ぶ......という意見をうかがったこともありますが、
ちょっと首肯できませんでした。
もちろん、Wレバーを使うこと自体を
否定するわけではありませんよ。念のため。
好みは自由です。好みこそ大切だと思います。

リアは、フラットマウントという
規格のディスクブレーキです。
フレーム側が長穴になっていて、
クリアランスなどの微調整ができるように
なっているんですね。
パッドの大きさがフロントより小さいです。
ちなみに、パッドのエッジに軽くヤスリを
当ててくれました。

リアのブレーキに
オイルを通すために、自転車を
縦にしてます。ホースが内蔵なので、
いろいろ大変とのこと。これ、背が低い方は
作業がいっそう面倒ですね……。
こうして、オイルディスクのホースと、
シフトワイヤーをフレームに合った長さに
調整していただき、かなりすっきりした
見た目と実用性を確保していただきました。
メーカー完成車だから、と、軽く考えていた
自分の想像を圧倒する技術と手間を
かけていただきました。
こうした作業を目の当たりにすると、
通販で自転車を買うのはありえない、というか、
逆にもったいないなと、あらためて思いました。
ちょっと余談ですが、自転車って、
「自分で組める」と思って、実践してる方が
とても多いと思います。それはそれで
ひとつの見識であり、趣味だと思いますが、
せいぜい数台〜10台くらい組んだだけで
「分かってる」と言うのは、おこがましいと思います。
プロは、ひと月でそれくらい余裕で組んでるわけですから、
スキルは雲泥の差だと思っております。
もちろん、趣味だから「好き」を大事にすれば
いいのは間違いないですし、
いじることでの満足感は愛おしいものですが、
本来の性能を発揮するためには、
なんでもプロに頼むのがいいと思いますよ。
自転車はもちろん、
フィギュア作りでソレを痛感している
今日この頃の自分ではあります(汗)。フィギュアは
しょぼくてもまあいい(?)のですが、
自転車の場合、それで走れないとか、
トラブルが起きると旅が台無しですからね。

キャノンデールなので、
BBはBB30Aという独自規格。
ヘッドの上下異径やブレーキ台座など、
あらためてメーカー車の
技術的な高まりを実感しました。

こうして完成。
メーカー車であっても、
自分の一台になったと感無量。
思いのほか、大槻さんの手を
煩わせてしまったことを実感しました。
そして 「自分だけの一台」という満足感が生まれます。
重量は8.6kg(ペダルなし)。
余分なピラー(すっごい切れるのがなんとも短足で......)を
切っていただいたおかげで100gも減った状態ですが、
メーカーカタログ値どおりでした。
シマノ105、そして決して高級品ではない
ホイールとタイヤを装備していることを考えると、
十分に軽いのではないでしょうか。
もっとも、油圧ディスクにこだわらなければ、 もっと安い価格で
105仕様のフルカーボンフレーム完成車も
珍しくないのが最近のロードのすごいところですが......。
なにはともあれ、
こうして、ワタクシの新たな翼が完成いたしました。
実際に走ってどうなのか、
自分のスポルティーフ的な用途に合うのか否か、
アルミフレームの乗り味はいかがなものか、
カーボンとの優劣は、そしてディスクの実用性や
輪行との相性は如何......。
要は、ツーリングしてどうなのか、ですよね。
もちろん走りましたよ〜。
走らずにいられるわけがありません(笑)。
納車された翌日、
さっそく100kmほど伊豆を走ってまいりましたので、
近々リポートしたいと思います。
やっぱり新車は楽しいな〜。
我ながらワクワクします。