こんにちは、田村です。
サイクリングには起点と終点が必要です。
開田高原で「昭ちゃんメモリアルラン」に参加した翌日、
どこを走って帰宅するかは、まったくノープランでした。
すると、昭一さんのご友人であるI先生が、
「高山に抜けるのが定番やな」
と、アドバイスしてくれました。
「美女峠を越えていくのがええ」
「いい峠なんですか?」
「名前がええ」
木曽〜飛騨あたりの土地勘が
まったくない自分としては、
すらすらとルートを教えてくださったI先生の
豊かな経験にあらためて驚きました。
さらにKさんが
「朝日ダムの旧道がええがや」
と、教えてくれました。
何十年もサイクリングを楽しんできた
大先輩の方々。やっぱり脱帽です。
自分もムダに二十年ばかり自転車を
趣味にしてますが、たとえ地元であっても、
こんなに当意即妙的にルートを
提案することはできないと思います。

そんなわけで、走ったルートがこちら。
ガーミンコネクトの地図なので分かりにくいですが、
開田高原から北西に向かい、長峰峠を越えて岐阜県に入り、
国道361号(木曽街道)で高山へ向かいます。

メモリアルランに集まったみなさんに別れを告げ、
9時前にひとりで走り出します。
クルマを木曽福島にデポして参加された方が多く、
高山をめざすのは自分だけのようでした。
60kmほどのサイクリングです。

県境の長峰峠。
休業している茶屋が物悲しいですが、
一昨年に、『シクロツーリストVol.10』の
リポートのためにIさんと走った道でもあり、
なんだか懐かしいです。気温は18℃ほどで、
高原らしくとても清涼で、一足はやい秋を感じます。

峠を下り切ると、野麦峠への分岐です。
以前の訪問では、右折して野麦峠を越えましたが、
今回は直進して、朝日ダム経由で高山をめざします。

このあたりはダムが多く、
次々に現れます。

道の駅で小休止。
道の駅は、コンビニがないような
人里はなれた場所にもあったりするので重宝しますね。
痛風なもんで(汗)、水分補給は大事です。
3、4人のサイクリストと行き違いました。
地元では、このあたりはメジャーなルートなのかも。

赤い橋の向こうには、長いトンネルが待ってます。
ここで右の細道に入り、国道を外れます。

とたんに、サイクリング的には
すばらしい道となります。
分岐地点に「この先行き止まり」と標識があり、
クルマはまったく通りません。
ダムの貯水池に沿った静かな道です。

薄く冠水したトンネルがいくつか。
傷んだ舗装路や散乱した小枝に気を使いますが、
こうした道こそ、タイヤが太めでマッドガードがある
ツーリング車のもっとも得意な状況ではないでしょうか。
なんだかワクワクしてきます。

人造湖とはいえ、とても神秘的に
感じる光景が広がります。しかも独り占め。

ほどなくして車止めが。
国道が平行してますから、
通過する利用者はいないのでしょうね。

わずかに下り基調の道。
一気に走りすぎるのが惜しくなります。

朝日ダムが見えてきました。
まるでサイクリストのために神様が作った道だと
思いながら進んできましたが、電力のために
作られた道なんですね。

国道を逸れて、再び国道に戻るまでの
9km弱の道ですが、自分史上、十指に入る
すてきな道でした。
関東のサイクリストにとって、奥美濃や飛騨は
なかなか走る機会が少ないエリアです。
でも、こんなすてきな道に出会えるのです。
教えていただいたI先生、Kさん、ありがとうございます。
周辺の地図を見ると、走ってみたくなる道が
あちこちに通ってます。また訪ねたいですね。
来春、北陸新幹線が全通したら、富山〜飛騨も
東京からもぐっと近くなるはずです。
まだ見ぬ好ルートに思いを馳せながら、
国道に戻ります。

国道361号を進んで、
美女峠をめざします。
うっかり高山方面の標識に従うと、
美女峠を通らないので注意です。
ほどなくして国道を再び逸れると、
ゆるやかな登り坂のはじまり。ここも木曽街道で、
越中の氷見でとれたブリを、江戸時代はこの街道で運び、
飛騨高山を経由して信州に運んだそうです。
だから、信州の人は、ブリは飛騨で採れるものと
思ったとか……。素朴ですね。

つづら折れの道を進むと美女高原です。
いつの間にか青空が広がり、
マッドガードが日差しを強く反射させます。

近くにあった「走り乃神社」。
なにか古式ゆかしい由緒ありかと思ったら、
2001年にクルマ好きの方々が建てたとか……。

峠に向かうと、旧街道を示す柱あり。

しかし通行止め。
ちょっとスポルティーフでは乗れなそうな
砂利道でもあり、あっさり元の道に戻ります。

期待の(?)美女峠へ。
道のピークにも峠名を掲げた標識などは
見当たりませんでしたが、林間の静かな道でした。
さきほどの美女高原の休憩所に解説があったのですが、
昔、この峠には800歳を越えても
なお若々しい比丘尼が住んでいたそうな。
池の主の大蛇とも言われ、眼もさめんばかりの
美女だった……そうな。
モリサマちゃん的な中二病設定ですが、
美しければ年齢も正体も関係ないと言えば
関係ないですね(笑)。

下りきって国道361号に復帰。
もう田の稲穂が実りつつあります。


13時前に、高山の街に到着。
僕が苦手な(?)メジャーな観光地です。
日曜日ということもあり、人出が多いです。
海外からの方もたくさん。
そんな高山も……

アニメの舞台だった(笑)。
観光案内所で、舞台巡りパンフをいただきました。
しかし、お恥ずかしながら、
この「氷菓」は未視聴。しまった……。
絵を一見して分かるとおり、京アニ作品です。
きっと秀作なのでしょうね。帰ったら見なくては!

「氷菓」オープニングに登場する橋……
だそうです。さすがに見てないアニメの
舞台では心が高ぶりません(泣)。
同じ景色を見ても、感動したり面白がれるかどうかは、
けっきょく、見る人の心持ち次第なんですね。
なんか旅の真理に近づいた!?

とりあえず、アニメ由来の
お土産は買ってみました(笑)。

高山駅です。
名古屋〜富山を結ぶ高山本線は
今年で80周年とのこと。日本海側と太平洋側を結ぶ
偉大なローカル(?)線です。
富山から名古屋まで、あちこち寄りながら
サイクリングしたら楽しいだろうな、と思ったり。

名古屋行き特急の待ち時間で、
飛騨ラーメンの昼食。
一昨年のトーエイオーナーズミーティング後にも
同じ店で同じものを食べたような……。

ホームをのぞくと、国鉄型気動車の代名詞、
キハ40が往年の姿でたたずんでました。

古い車両と女子高生って、妙に
似合うなと思ったり(汗)。

ホームには手洗い場があります。
ススで汚れた蒸気機関車時代の名残でしょうね。

そんなわけで、特急に乗って名古屋に出て、
新幹線で帰京いたしました。
ほんとうにひさしぶりにツーリングらしいツーリングを
堪能することができた二日間でした。
新幹線を使いまくったので、
ほぼ無職休業状態(おいおい……)の自分には
重めの交通費がかかりましたが、
やっぱり輪行は楽しいですね!
ようやく涼しくなってきたことですし、
今年の秋もいろんなところを走りたいものです。

まったく別件ですが、
自分が主催させていただいた
ブルベ(BRM719東京200km小諸)の
認定カードとメダルは、
一昨日に発送いたしました。
参加されたみなさま、あらためて
おつかれさまでした。