こんにちは、田村です。
週末の天候は、予報どおり
荒れ模様だったところが多いみたいですね。
登山ほどではないかも知れませんが、
サイクリングの楽しさや難しさも、
天候によって激しく左右されるものです。
そんな土曜日、
AJたまがわさんのブルベ、
「BRM628白馬・木崎湖600km」に参加してきました。
写真は、朝6時前、スタート地点の二子玉川に
集まった参加者たちです。
路面は濡れてますが、この時は雨が
上がっておりました。この時は……。
さて、ブルベに参加される多くの方がめざすのが
「スーパー・ランドナー」の称号です。
その年に、200、300、400、600kmの
各距離を完走認定されると、頂戴できる
たいへん名誉な称号です。
今年の自分はブルベの参加回数が比較的少なく、
しかもDNFに終わったものもあるため、
まだスーパー・ランドナーの資格を満たしておりません。
具体的には、300kmだけ、まだ走ってないのです。
今年は300kmの開催が少ないんですよね。
しかし、スーパー・ランドナーの資格要件は、
より長い距離の完走認定で代替可能です。
たとえば、300kmの替わりに400kmを二回でも
OKなのです。
そんなわけで、今回の600kmを完走することができれば、
今年もスーパー・ランドナーなわけです。
そして、この「白馬・木崎湖600」は、その名のとおり、
信州の美味しいところをコースに含んでいるので、
ぜひ出たいなあと思っていたのです。
コースはこんな感じ。
二子玉川をスタートして、西へ向かいます。
青梅あたりから北向きに走り、
富岡、下仁田を経て内山トンネルを越えて
信州に入ります。内山トンネルは初体験ですね。
佐久からは小諸、上田、長野と進み、そこからは
いよいよ嶺方峠です。白馬に降りたら、仁科三湖へ。
木崎湖を経て、松本へ。
塩尻峠を越えて甲州に入ったら、
笛吹川をかすめながら芦川まで南下。
そして若彦トンネルまで登り、河口湖・山中湖を眺めて
東京へ帰ってくるわけです。
600kmだと、こんな広い地域を巡るのです。
車検を受け、続々と
出発していく参加者たち。
天気予報が悪いので、だいぶDNSの方が
多かったみたいですが、30人くらいは走り出したみたいです。
また、別に0時スタート組みもあり、先発しております。
今回もトーエイのスポルティーフです。
前後のバッグに
悪天候に対応する雨具類を収め、
マッドガードが体や後続者への水跳ねを抑え、
ハブダイナモで長時間の夜間走行も安心……
という目論見です。あくまで目論見です。
30kmも走らないうちに、
本格的に雨が降り出しました(泣)。
当初、小雨だったのでレインジャケットだけ着込んだのですが、
どんどん雨脚は強くなるばかり。
再び停車して、レインパンツやシューズカバーも装着。
すでにウェアやシューズをだいぶ濡らしてしまったのは
失敗でした……。
40kmほど走ったところ、PC1を目前にして
パンク。小さな異物がトレッドとチューブを貫通してました。
仕方ないな、とチューブ交換。
雨天走行中なので手が真っ黒になり、気持ちはブルー。
もう家に帰りたくなりました(汗)。
気を取り直して先へ。
群馬県に入り、国道254号で西へ。
雨はいっこうに止む気配がありませんが、
追い風なのは助かります。
パンクなどあったものの、少しずつ時間にも
余裕が生まれてきて、これなら途中の健康ランドで
眠れるかな……と期待。すでに熱いお風呂と
乾いた服が恋しいです。
世界遺産登録で盛り上がる富岡、
ということでしたが、この日はクルマも人出も少なめ。
140kmほど走り、
下仁田のPC3です。
信州からの帰路、和見峠を越えて下仁田を
走ったことはあるのですが、下仁田から内山峠(トンネル)越えで
信州に入るのは初めてです。
グランボアの新型センタープルブレーキ。
雨の峠の下りで効くか?
実証テストですね。決して缶バッジを
見せたいわけではありません(笑)。
西上州らしい豪壮な
山肌を見つつ、徐々に高度を上げていきます。
標高950mほどの
内山トンネル。
西上州から信州に入る際の峠としては、
もっとも地形的には穏やかですが、
このトンネルが長い上にトラックが割と多いので、
ちょっとサイクリング向けではないですね。
歩道を通りましたが、幅が狭く気を使いました。
旧道を通ればよいのかも知れませんが、
ブルベ中にそんな余裕はありません(泣)。
トンネルを抜けて佐久に入ると、
雨が上がっておりました! 雲は厚いものの、
ほっとして先を目指します。
下りで路面が乾いていると
本当に助かります。
小諸のPCで、シンさんと再会。
いつも元気一杯のランドヌールです。
重装備の自分に比べ、とても軽装。
それでいて、防寒着などはツールボトルや
ハンドル周りのポーチにしっかり収納していて
参考になりました。
小諸から長野までは、下り基調。
追い風も続いており、なかなかのボーナス区間……
と、喜んでいたら、
上田で再びのパンク。
また違う場所を異物が貫通してます。
このチャレンジのタイヤは乗り心地がよくて好きなのですが、
その分、耐パンク性能は無きに等しいですね。
一時期使っていた、グランボアのタイヤもよくパンクしました。
なにはともあれ、
再び手を真っ黒にして、チューブ交換です。
ブルベでは、耐パンク性能に優れたタイヤを
選ぶ人も多いです。
しかし自分は、「結局、パンクは運だから」と割り切って、
ブルベでも乗り心地や軽さを優先して
タイヤを選んできました。
それが今回は裏目に出たということですね。
雨の日はパンクが多くなると言いますが、
さすがに三度目はないでしょうから、
気を取り直して先に進みます。
長野市の手前、坂城町で
おもしろい地名が。
ミッキーではなく、戦国時代に
「寝ず見」をして城を守ったのが由来だとか。
千曲川。このあたりは、ツーリング的には
寄りたいところがたくさんありますね。
しかし、ブルベではコンビニ以外は
寄りません(笑)。
写真は長野市善光寺のPC5。
250kmくらい走ったところです。
19時半になり、すっかり暗くなりました。
これからいよいよ、鬼無里(きなさ)を経て嶺方峠越えです。
折しも雨が再び降り出し、レインウェア類をフル装備。
PCで再び落ち合った、シンさんと一緒に向かいます。
弊誌『シクロツーリストVol.10』の
人気峠アンケートで、堂々三位になった嶺方峠。
鬼無里から白馬に向けて登っていくと、
峠のトンネル越しに北アルプスが眼前に現れるという、
たいへんドラマチックな絶景の峠です。
4、5回訪れたことがある嶺方峠ですが、
ゴールデンウィークあたりだと、
白い北アルプスが輝くように美しいです。
夏は濃い緑が眼にまぶしいくらい。
秋は鬼無里の水田が黄金色に輝き、
訪れるたびに発見があります。
そんな嶺方峠に着いたのは午後10時。
標識しか見えね〜!!!
鬼無里の集落を抜けると灯りは皆無。
いつもは気がつくと登り終わってるような
癒し系の峠ですが、夜に登ると別世界。
コーナーを曲がっても曲がっても、見えるのは
ライトが照らす路面だけ。
雨はますます強く、山肌と空の区別もつきません。
迷路に入って、同じ道を繰り返し走っているような
錯覚に陥りました。心細いこと心細いこと……。
シンさんと一緒で救われました。
なんとか峠から下り降り、
白馬へ。
コンビニの写真ばかりですが、
雨のブルベはこんなものでしょう。
新型ブレーキも、本降りのなかでの
急勾配な下りでは非力でした。
クールストップのシューがリムのうえで滑っているようで、
制動距離が長くなってビビりました。
通過チェックの木崎湖キャンプ場です。
距離は310kmほど、到着は日付が変わる
寸前でした。
今回のブルベでは、ここにスタッフがいらっしゃり、
仮眠所としてコテージまで用意されてました。
すばらしいホスピタリティに感謝です。
アニメの舞台としても有名な
木崎湖ですが……真っ暗闇。
せめて月か星空でも拝みたかったです。
さて、木崎湖で仮眠させていただくという
選択肢もありましたが、もうちょっと走って、
松本の健康ランドへ向かいます。
雨はますます激しくなり、雷が鳴り出す始末。
ピカッと稲妻が光る瞬間だけ、
暗黒のなかに山肌のシルエットが浮かびます。
3時から6時半過ぎまで
滞在した健康ランド。
出る時は雨がすっかり上がっておりました。
コインランドリーで洗濯&乾燥し、
後半戦に備えたのです。
正味2時間ほどは眠れたでしょうか。
あと1時間は眠りたいところでしたが、
そこまでの時間的な余裕を作ることができませんでした。
塩尻峠に向かう国道20号。
塩尻方面を振り向くと見事な青空。
昨日とは一変し、汗が噴き出す陽気です。
よっこいしょと塩尻峠を越え、
諏訪湖へ向かって滑り出すと……
今度は前輪がパンクしました。
まさかの三回目。もう予備のチューブはありませんので、
パッチを貼って穴を塞ぎます。
今回も異物貫通です。幸い小さな穴だったので、
空気の抜けがスローだったので助かりました。
峠の下りで前輪のパンクですから、
おそろしい限りです。
これを理由にして、もう中央線でとっとと
輪行で帰ろうかとも思いましたが、
もう400km近く走ってるのでDNFが
もったいなくもあり、淡々と先へ進むことに。
時おり、スマホでツイッターを見ると、
DNFしたという方の書き込みが眼に入ります。
雨、猛暑、峠……止めるのが正しいよなあ、
とか思ったりして。
止める理由が自分のなかで見つかったら、
無理に走り続ける必要はないのです。
富士見峠を越え、韮崎方面へ
長い長い下り基調の道が続きます。
道の先に富士山が見え、うれしくもあり、
あの麓まで走るのかと思うと気だるくもあり(笑)。
標高1000mほどの若彦トンネル。
昨年、SR600で体験し、
ここまでの登りがトラウマ的に嫌いになりましたが、
今回も大いに苦労しました。暑いのです。
河口湖です。
シンさんのチネリと一緒に。
山中湖の通過チェック。
ここの旭ヶ丘のセブンイレブンは、
となりに休憩所があって素敵です。
山伏峠を越えて道志みちに入ると、
再び雨が……。
下り基調とはいえ、登り返しも多い道です。
こんな道はスポルティーフだと重さを感じますね。
自分のブルベでの夢は、
自転車の乗り換えです。
各PCに前もっていろんな自転車を送っておき、
コース内容や天候によって
乗り分けてみたいです(笑)。
相模原からは市街地走行です。
多摩地区を抜けてゴールの狛江をめざすのですが、
土地勘がないエリアなので落ち着きません。
ゴール受付の二子玉川です。
ようやく戻ってきたのは21時すぎ。
所要39時間の旅でした。
600kmになると、スタッフのみなさんもお疲れのようす。
しかも、0時スタート組みもあったのですから、
ご苦労をお察しいたします。ありがとうございました。
シンさんをはじめ、道中ご一緒させていただいたみなさま、
本当にありがとうございました。
そんなわけで、道中なんども
止めたくなったブルベでしたが、
(走行中はいつもそうではありますが)
辛くも完走することができました。
できれば明るいうちにゴールしたいものですが、
いまの自分には無理でしたね……。
今回、おそらく300kmくらいは
雨天走行になってしまいましたが、
自転車や装備の実力を計るには
よい機会になりました。
なんとなく今ある自転車の使い分けや
さまざまな装備、そして運用に
満足しつつあったのですが、
まだまだですね。ちょっと慢心してたかも。
次の写真はかなり汚く、恥ずかしいですが……
帰宅後、足の裏が
ひりひりするので見たら、
見事にふやけてます。しかも、
クリートに相当する箇所だけ平らなのが面白い(?)。
後半、なんか違和感あると思っていたのですが、
こうして見るとヒドイことになってますね。
シューズを濡らしてはいけないんだなと、
あらためて痛感しました。
来月には、北海道で開催される
1200kmのブルベに参加予定です。
今回の経験をふまえつつ、1200kmに向けた
準備を詰めていきたいと思います。
とりあえず、自転車を掃除して、
バッグなど装備類を干しました。
フレームパイプ内はもちろん、
リムのなかも濡れ濡れなので、干します。
バッグは防水なのですが、
すべての装備品がしっとり……。
しかし、これだけ積んでれば、
走りの軽快さは損なわれますよね。
雨は、それ自体は向かい風よりはマシと思いますが、
こうした装備が増える影響や、体へのダメージが
あなどれないですね。
そんなわけで、あと数日はフィギュアでも作って、
体を休めたいと思います(汗)。