こんにちは、田村です。
ひと休みしていたかに見える
「大鳳」づくりですが、コツコツと続けておりました。
せっかくなら完成させたいですからね。
「続きを見たい」という少数意見を尊重して、
最後の製作リポートです!
前回のブログ更新で、ほぼカタチができたところまで
お伝えしましたが、そこからが長かったのです……。
サーフェイサーで表面を整えます。
ごく薄いパテのようなものですが、
これを吹くと、表面の傷や凹凸がはっきりします。
傷や凹みを見つけては、
パテを塗りこみ……
削っては再びサーフェイサーを吹き……
これを各部で繰り返していきます。
根気勝負の地味な作業です。
本づくりで言えば、校正のようなもの?
模型づくりはこの工程で飽きることが多いのではないでしょうか。
ここで「完成しない病」に罹患する可能性が高いのですが、
今回はヒマなうえに超ひさしぶりの模型作りということもあり、
なんとか続けることができました。
表面仕上げがひと段落したら、
各部のヒモを作ります。
こういうチマチマしたものを作るのは、
けっこう楽しいものです。
眼の解像力が落ちているので、
細かいところが見えづらいのですが……。
負けを認めて、老眼鏡でも買うかな(泣)。
各部の仕上げが完成、
したことにします。きりがないので。
なんだか市販のキットみたいになって
うれしいものです。
仮組みしてみます。
瞳のディティールを彫り込む自信がなかったので、
塗装に頼ることにします。
だいたいにおいて、
実際の塗装より、脳内塗装のほうが理想的ですから。
この段階のほうが完成度が高いものです(汗)。
しかし、勇気を出して塗装することにします。
筆でキレイに塗る技量は皆無なので、
エアブラシを使います。エアブラシを使うのは、
たぶん7、8年ぶり。
案の定、家中を捜してもエアブラシが見つかりません(泣)。
捨てた記憶はないのですが、どこにしまったかの
記憶もありません。
引っ越した時に、どこかにしまいこんだと思うのですが……。
しかたないので、エアブラシ一式を
新調しました(汗)。
塗料も揃えました。
実は、エアブラシでラッカー系の塗料を使うのは
初めてです。幼少時からアクリル系の塗料ばかり
使っていたのですが、今回は強い塗膜がほしかったので、
ラッカー系を使ってみることにしました。
ご存知の方も多いと思いますが、模型用の塗料は
いわゆるラッカー系、アクリル系、エナメル系に大別されます。
それぞれ溶剤が異なります。
ラッカー系はシンナーを使うので臭気がきついですが、
乾燥が早くて塗膜も丈夫だと言われます。
いわゆるアクリル系は、水性のものが多く、
エアブラシや筆を水で洗うことができるのが
魅力です。臭気もさほど気になりません。
エナメル系は乾燥が遅いのですが、
発色がよいと言われます。また、ラッカー系やアクリル系の
うえに塗った時に、下地を傷めず、
失敗してもエナメル系の塗料だけを
溶剤で落とすことができます。
フィギュアを塗るにあたって、
絶望的に不安だったのが、瞳の塗装です。
そこで、肌をラッカー系で塗り、
瞳はエナメルで塗ろうと考えました。
何度失敗しても、瞳だけを拭き取って
塗り直そうという狙いです。
で、各部を塗りはじめたのですが……
噴霧と臭気が屋内に充満して
死んでしまいそうになりました。
ダンボール箱で囲み、臭気を窓から出そうとしたのですが、
風でかえって屋内に吹き込む始末。
さりとて、換気扇がある台所やお風呂場で
塗装する訳にもいかず……。
仕方ないので、塗装ブースも買ってきました。
ファンを内蔵していて、噴霧を吸い取ってくれます。
ラッカー系の塗装には欠かせないですね。
高い授業料ですが、やむを得ません。
瞳を描く練習中。
大鳳が表紙のアニメ誌とにらめっこしつつ、
本体や装備品の塗装の合間に、
なんどもなんども練習しました。
最初は紙にシャーペンで描き、
なんとなく瞳の構成を理解したら、
プラバンにエナメル塗料で筆塗りの練習です。
最近のキャラは、瞳の塗りや構成が凝ってますね。
瞳を塗る前に、二晩くらい続けて
「ストライクウィッチーズ」を観ました。
このアニメのキャラクターは、大鳳と
デザイナーが同じなんですね。瞳の描き込みなどが
とても参考になりました。
やたらパンチラが多く、ちょっと恥ずかしいアニメなのですが、
お話はけっこうよいです。娘も気に入ってしまいました(汗)。
白く塗った顔に
瞳を描き込みました。
三回くらい塗り直して、なんとかそれっぽくなった……
ことにします。指が震えて、ラインがびびりまくりですが、
それも手塗りの味わいと言うことで……。
ちなみに、ラッカーで塗った白地の上には、
さらにラッカーのクリアーを吹き重ね、
エナメルの塗料が染み込まないようにしました。
ものの本によると、白目をマスキングして、
肌色を塗ってから瞳を描くそうです。
しかし、自分は黒目を先に描きたかったので、
(そうでないと白目のカタチを決められない……)
白地のうえに描き込みました。
こうしたフィギュアの塗装は
「サフレス」という、素材の色(レジンの白)や透明感を
活かした塗装方法が、現在の主流らしいです。
サーフェーサー(サフ)を塗らないので、サフレスです。
昔はなかった塗装方法なので試してみたかったですが、
今回のように、複製せずに原型をそのまま塗装する場合は、
サフレスしようがないので、フツーに塗っていきました。
瞳が乾いたら、白目のカタチに切った
マスキングテープを貼ります。
そして肌色を吹きます。
GSIクレオス(昔は「グンゼ」でしたよね)の塗料に
「キャラクターフレッシュ」という色があったので、
安直にそのまま使ってます。
色を塗る順番を考えたり、
マスキングなどの準備作業は意外と楽しいですね。
瞳のマスキングテープをはがす
緊張の一瞬。
幸い、瞳は無事でした。
今度は肌をマスキングして、
本体各部を塗ることにします。
大鳳(改)のカラーリングは、
大戦末期の空母に多かったといわれる
緑系の迷彩がモチーフになってます。
こういう地味な色は、塗りムラが目立ちにくいので
楽だろうなとタカをくくっていたのですが、
なかなかそれっぽい色になりません。
緑なのか、グレーなのか、色味が意外と
複雑なのです。自分の眼が信じられなくなり……
イラスト画像をパソコンで開き、
Photoshop(が買えないのでエレメンツ)の
カラーピッカーで色情報を確認します。
光の三原色のRGBだと、塗料で調色できないので、
計ったRGBの数値を、色の三原色(+スミ)であるCMYKに変換して
各部の色を数値で把握します。
すると、緑っぽく見える色も、ほとんどスミ(K)が
主成分だと判明。ほんと、自分の眼は当てになりませんね。
CMYK数値を参考に、塗料を調色して吹いていきます。
ご存知のように、本の印刷もCMYKなので、
CMYKの数値なら、自分でも色味が分りやすいのです。
装備している船体とボウガンに白線を引くための
マスキングです。
マスキングテープをはがすと、
意図どおりの白線が登場。
マスキングが成功した時の快感は、
峠を越えた時に似ている気がします(笑)。
本体よりひと足さきに、
装備品の塗装が完了しました。
これだけ見ると、とてもフィギュアを
作っているようには見えませんね。
全体に色が地味なので、赤い部分は
ちょっと明るめにしてみましたが、
浮きすぎた気がしますね……。
本体の主要部も塗装完了。
細部を筆塗り。軽くスミ入れも。
よく見えないし、指が震えるしで
思ったように筆が運べません(泣)。
別々に塗装していた、
顔と髪を組み合わせてみます。
瞳と前髪の位置関係がイマイチで、
あんまり似てない……。眉もゴツいですね。
しかし、描き直しても、よくなる自信がないので
これはこれでいいやと思い込みます。
口角には少しだけ線を描き込み、
無理矢理に微笑んでるように見せかけます。
娘には「少し似てる」と再び言われました(悲)。
エアブラシを使いたがってしょうがない娘。
なんだか自分よりうまいかも……。
足の細いラインは、
細く切ったテープを貼って再現しました。
両サイドには薄めた黒を軽く吹いて、
イラストのようにタイツっぽく……
したつもりです。
各部の塗装が完了。
エポキシ接着剤でくっつけます。
わずか5分で固まります。こうした接着剤やパテ類は
だいぶ進化して種類が増えてますね。
ハリケーンバウに輝く菊の紋章や胸の錨、
各部の高角砲は、プラモデルの大鳳のものを流用しました。
これで完成です。
「第一機動部隊、旗艦大鳳、出撃します!」
「この装備、いいわね!」
「対空火器も最新式よ。ガンガンかかってらっしゃい!」
「私のハリケーンバウ、そんなに気になるの?」
「さぁ、大鳳でるわよ!」
「いい風ね」
こんなわけで、
どうにか完成いたしました。
全長約20cm、重量約300gとなりました。
台座は、東急ハンズで買ってきた
10cm径5mm厚のアクリル円板です。
けっきょく、イラストのカッコ良さ、可愛さには
遠く及ばない残念なデキになってしまいましたが、
出戻り中年モデラーとしては
それなりに満足しております。
場違いなブログ更新を続けてしまい、恐縮でした。
応援していただいた心広いみなさまには
あらためてお礼申し上げます。
つぎはこっそり(?)瑞鶴でも作ろうかな〜。