こんにちは、田村です。
大阪〜東京ランから、もう一週間が経ちました。
昨日のことのようでもあり、
遠い昔のことのようでもあり……。
最近めっきり記憶力が怪しくなっているので、
忘れないうちに書いてしまうことにします。
大阪から20時間以上の時を経て、
どうにかこうにか三島に着いたところまで
書きましたね。
座り込みたくなる気持ちをグッとこらえ、
箱根の登り口にあるローソンを後にしたのが
8時40分でした。
いよいよ箱根越え。三島から国道1号で登ると、
およそ距離15kmで標高差800mの上昇です。
広い二車線の道を
淡々と走っていきます。
はっきり言って、三島側の道は退屈です。
「凍結のおそれ」なんて交通情報も出てましたが、
すでに日は高く、日差しは強く、無風とあいまって
ぽかぽか陽気です。
さほど勾配がきつくないので、
インナーロー(今回は34×25T)であれば
なんとか進んで行けます。
もちろん、悲しいほど遅いです。
すると……眠くなるんですよね。
ドリンクとかガムが効くのは始めだけで、
二度、三度と押し寄せる眠気に
抗うのは難しいものがあります。
男子たるもの峠で足を着いてどうする! という気持ちも
なくはありませんが、道半ばであっさり着地。
GPSの電池を交換したりして、
理由を周囲にアピール。誰も見ちゃいませんが。
幸い、スタート前夜に十分寝たせいか、
しばらくすると眠気が去ってくれました。
箱根峠着、10時ちょうど。
所要1時間20分は当初の予定どおり。
まあ、ここまで遅れると予定もなにも
あったものではないのですが、
心が折れなくてほっとしました。
もうくったくたに疲れましたが、
体のどこにも痛みが感じられないのが救いです。
もっともそれは、頑張ることができてない証かも
知れません……。
気温は7℃と表示されてました。
下りに備えてレインジャケットを再び着込みましたが、
なくても耐えられそうな穏やかな陽気です。
ザ・観光地、芦ノ湖です。
蒼い湖面と朱の鳥居、そして白い富士山。
わざわざ大阪から見に来た
甲斐があるというものです(笑)。
芦ノ湖からは、国道1号の旧道を下ります。
七曲がりや女殺しなど物騒な名の激坂が待つ
つづら折れの道ですが、距離が短いのが魅力です。
勾配10%の道を、ブレーキ引きっぱなしの
びびり走法で下っていきます。
リムの加熱が心配になったので、
畑宿で一時停止。
幸い、触れるくらいの熱さでした。
カッコつけてセミディープのカーボンホイールを
使っているのですが、
いろんな環境を走るロングライドでは、
やっぱりロープロファイルの
アルミリムが安心な気がします。
下りきったら小田原です。ここまでの走行距離は435kmほど。
もう東京まで100kmを切りました。
走ってきた道のりを思えば、
鎧袖一触の距離……なわけないでしょ〜。
小田原のコンビニで
カルビ弁当を食べました。
なぜかお肉が美味しそうに見えたからです。
もうこの期に及んだら、ゼリーやバーで済ますか、
逆に時間を気にせずちゃんとしたお店に入ればいいだろと
思うのですが。すっかりコンビニ依存症です。
大磯からは国道134号へ。しばし1号とお別れです。
サイクリストのメッカといえるシーサイドロードを
何人かのロード乗りに抜かれつつ、淡々と走ります。
やはり追い風は微かでしかなく、
思うようにスピードが出ませんが、
もうあとは時間が解決してくれます。
たいがいの物事はそんなもんですが……。
茅ヶ崎を過ぎ、辻堂のあたりから県道30号に入り、
三浦半島をショートカットして(当たり前か)
横浜方面へ向かいます。
この道が最短距離になるようなのですが、
交通量が多く、意外とアップダウンもあったりして
悩ましい区間でした。
御殿場経由の国道246で東京入りという
選択肢もあったかなあと思いつつ、
悔やんでもしょうがないので
クルマと歩行者に気をつけて
先へ進みます。
戸塚を過ぎ、保土ヶ谷を過ぎ、横浜を過ぎたら
第一京浜へ。鶴見を過ぎ、川崎を過ぎ……
14時すぎ、ようやく東京都です。
やっぱりホッとしますね。
不思議と元気が沸いてくるようで、
ペースも上がります。
ここに来て追い風も吹いてきた気がします(笑)。
そして大森では嬉しいサプライズも。
某氏が沿道に立っていてくれたのです。
撮影:某氏。
「おつかれです〜。あと少し、気をつけてね」と
励ましていただきました。
こんな中途半端な時間での帰京にも関わらず、
お迎えしていただけるとは……。
ありがたい限りです。
このうえなく幸せな気分で、
日本橋までの残り10kmを走ることができました。
日本橋が見えてきました。
あと信号ひとつ……。
日本橋着、15時54分。
28時間の旅が終わりました。
日本橋では、日頃からお世話になっている
3人のサイクリストが待っていてくれました。
もう憎いほど粋ですね。泣かせますね。
某奇特大学生は花束をくれちゃったりして、
うれしいやら恥ずかしいやら……。
ツイッターやミクシィ、ブログを通して
応援していただいたすべての皆様に
感謝いたします。
ノートラブルで走ってくれた
マキノ号とGOKISOにも感謝です。
また、走行ルートの計画にあたっては、
サイト
cannonball!!wikiや、
ばるさんのブログおよび同人誌『ロングライダース』各巻の
記事をたいへん参考にさせていただきました。
あらためてお礼申し上げます。
結局、24時間を大幅に越えてしまい、
「キャノンボール」は夢のまた夢。
ただの大阪〜東京ランになってしまいました。
それでも、日本橋に着いた時の達成感や
ほっとした気持ちは、実に心地よいものでした。
本当は「悔しい!」って
気分になるべきかも知れませんが、
根が「のび太」みたいなものですから、
自分に甘いんですよね……。
さんざん、追い風が弱いなどと他力本願の
弱音ばかり書いてきましたが、すくなくとも
向かい風ではなく、晴天にも恵まれたのが
完走できた理由だと思います。
風情なし、グルメなし、睡眠も温泉もなし。
それだけに「自転車で走る」という、サイクリングの
本質的な楽しさを存分に味わうことが
できたと思います。
長時間の夜間走行は危険なしとは言えませんし、
24時間以内の完走をめざすとなると、
異次元の脚力が求められると思います。
「みんなもやろうよ!」と手放しで勧められる
タイプのサイクリングではありませんが、
一度は体験する価値がある……ような気がします。
来る『ランドヌールVol.5』で
記事にするべきかどうか、思案中です。
二度め? う〜ん、う〜ん……。
やっぱり走りたいような気がします(笑)。
次こそ、追い風満帆で24時間達成をめざしたいですね!
(↑あくまで他力本願)
おまけ
「ルートラボ」に登録したGPSデータです。
http://yahoo.jp/b6A5sG
http://yahoo.jp/32039E
情けない走りっぷりが如実に記録されてます。
迷走したり、間違えて自転車進入禁止(であろう)の
バイパスに数百m入ってたり、交通状況によって
┣路の二段階右折ができなかった箇所もあります。
もうしわけありません。大阪〜東京を走る際は、
ご自身でルート設定してくださいね。