こんにちは、田村です。
週末は新潟県の中部から福島県の喜多方にかけての
ツーリングを楽しんできました。
先輩サイクリスト、
Tさんと一緒に
一泊二日の旅でした。
起点の小出駅に輪行でアプローチ。
上越線の駅です。魚沼市の北辺、初めて降りた駅でした。
駅名の揮毫は地元出身のハリウッド俳優、
渡辺謙とのことです。
小出から少し北に向かうと長岡市。
近年の市町村合併で、栃尾市も寺泊町も与板町も山古志村も、
みんな長岡市になりました。
2004年の中越地震で
大きな被害を受けた山古志。
いまもその傷跡を随所に見かけ、新しい家々や
最新スタイルの橋が目立ちます。
でも、里山のお手本のような、険しくも美しい
田園風景は今も昔も変わりがないように思えました。
Tさんならではの、裏道・細道をつないだコースプランに沿って、
右に左に曲がり、小さな峠越えを繰り返しつつ、
若かりし上杉謙信が過ごした地、栃尾の街を過ぎ、
だんだんと北上していきます。
国道289号線に面した道の駅しただ(下田)で昼食。天ぷらざるそばを選択。
地元産のそば粉を使っているそうです。
1100円なり。「小諸そば」依存症の僕には高く思えましたが、
舌の肥えたTさんは「こりゃあうまい」と絶賛。
突然ですが、今年下半期の僕のテーマは
「グルメ」になることです。
どこへ行ってもコンビニで満足、
温泉に興味がないので宿にも無頓着。
そんなはためには荒涼としたツーリングばかりしてきた
僕ですが(本人は楽しいんですよ、それでも)、
やはり一般常識からいって「どこか間違ってるのかも…」と
ようやく気付いた次第なのです。
さて、食事後も北上を続け、国道290号線に出ます。
この道は「越後やまなみライン」として売り出し中らしいです。
しばらく国道らしからぬ素朴な沿線風景を楽しみつつ、
加茂川と出会ったら左折、信越本線がとおる
加茂の街をめざします。
なんでも、昔は加茂川沿いに
蒲原鉄道というローカル線が走ってたとか。
幼少時に同鉄道を“撮り鉄”してたという
Tさんの思い出をたどるコースです。
ちなみに、Tさんは今も立派な鉄ちゃんです。
加茂の街の入り口あたりに
あった信号。すてきな地名ですね。
加茂駅に向かってゆるゆると商店街を走っていくと、
ただならぬオーラを発揮する自転車店を発見。
ちょうど予備チューブを忘れていたので
(と思ってたけど、バッグの底にあった)
買い求めようと店内に入ってみます。
壁には若かりし頃の今上天皇と皇后様の写真が!
浩宮様となかむつまじくサイクリング中です。
1960年代でしょう。当時は、こうした写真が
自転車店に配られたそうです。
商品棚には見慣れたネコのマークが……
ネコはネコでも、本家本物ソービッツです!
シマノ600とかEXとかも散乱し、往時は
スポーツ車に力を入れていたんだなあと思います。
もっとも、今は700Cのチューブすらない状態で、
失礼ながらほとんど開店休業状態でした。
かすかに残る蒲原鉄道の遺構をしのびつつ、
国道290号線に戻って、五泉市の村松をめざします。
なぜ村松をめざすのか?
それは……11月上旬発売の『シクロツーリストVol.8』にて
明らかにされる予定です。
蒲原鉄道の保存車両で遊ぶ。
国道290号線沿いのゲレンデに3両あり、中にも入れます。
保存状態のよさに喜色満面。
鉄道路線が廃止された後も、
バスの停留所や蒲原鉄道の社屋として
「村松駅」は健在。
旧ロゴのJALと今はなきJAS看板に萌えます。今では
だいぶ見かけることが少なくなりましたね。
こんな真っ赤な夕陽が見られるのも、
平地が広がる米どころならでは。
走行距離も100kmを超え、心身がビールを欲してきます。
磐越西線の馬下(まおろし)駅にほど近い宿にて。
二人で一泊4,800円と、驚異的にリーズナブルな
保養センターです。
もっとも、ビールがぶ飲みしすぎて
酒代が宿泊代を超えましたが、それもまたよし。
だってグルメな旅だから(笑)。
翌朝は朝からどんより小雨模様。
阿賀野川に沿って東行し、喜多方を目指すものの、
僕の心ははやくも「大人の選択」モード。
なぜ喜多方へ行くのか?
もちろん、ラーメンを食べに行くのです。
ちなみに、半月前にブルベで行ったばかり(笑)。
宿は食堂が始まる時間より早く出発したため、
国道49号線沿いにあったコンビニで朝食。
もうコンビニには寄らないって決めたのに……。
ウインドウにならぶ
女性誌のカバーを違う目的で品定め。
「貴兄はどの娘がタイプですか?」
と、話を振ってみる。
「そんな中学生みたいなこと言わないでよ田村さ〜ん。え〜、う〜ん、この娘かなあ。直感というか、眼にね、可能性を感じますね。ちょっと前の○○アナ(名前失念しました)に似てますね!」
僕(アニメ大好き)とTさん(アナウンサー大好き)の
女性に対する趣味はかなり違いそうでした。
どうでもいいですね、こんなことは(笑)。
阿賀野川には、磐越西線と国道49号線が
つかず離れずで沿っています。
「今年は雨が少なくてね。大根の育ちが悪くて悪くて」
今日の雨模様がなんとくうれしそうなご夫人。
こっちは青空が恋しいですが、お天道様は
とおりすがりのサイクリストの都合より
地元の方の生活を優先したのでしょう。当然です。
しだいに豪雨になり、
たまらず日出谷駅で雨宿り。
「平均時速15kmで4時間走れば喜多方に着きますから。雨もきっと止みますよ。そうしたら、列車の時間まで最低3杯はラーメン食べられますよ」
妙に前向きなTさん。思い出ある良コースを
多くの方に体験してほしい! そんな情熱を感じます。
単純にラーメンを食べたいだけかも知れませんが(笑)。
あと、僕に対して、
「ブルベやるくらいなんだから雨なんか平気でしょ」
というプレッシャーを感じさせます。
僕だって雨の中を走るのは好きじゃないですよ!!
なんとか県境を越えて福島県に入るものの、
いっこうに雨は降り止まず。
ついに自走での喜多方行きをあきらめ、
徳沢駅から輪行することに意見が一致。
結局、本日の走行距離は40kmほど。削れたシューで汚れた
自転車を輪行すると手も真っ黒になりますが、
雨天走行から解放される喜びには代えられません。
8分で輪行準備して、2時間に一本の
普通列車に間に合わせました。
自転車なら4時間かかるところ、
最新のディーゼルカーに乗って30分で喜多方着。
快適すぎて、濡れたカメラが曇りました。
「さあ、食べましょう。まずは“松”にしましょう」
雨が降ってるし、いちばん駅に近いところでいいですよ、
とは口が避けても言えません。僕もグルメを目指すのですから、
どこまでもお共を決意。
これが喜多方ラーメンの人気です。「こんな列、いつもの三分の一ですよ。“坂内”もいいですけど、今日は“松”で」
一軒目「松 食堂」のラーメン。
二軒目「あべ食堂」のチャーシューメン。
三軒目「老舗上海」のラーメン。
次の店に向かう道すがらの眼鏡店で
今野真一さんと再会。
なんでも契約するから僕を助けてよ〜。
四軒目「源来軒」のチャーシューメン。
我が人生初の、ラーメン屋4軒ハシゴでした。
グルメは体力勝負ですね。
どこも美味しかった……気がします。
ちなみに、Tさんは四軒ともスープまで
飲み干してました。ありえね〜〜〜〜!
お会計が1100円以上になるともらえるバッジ。
二人の会計をまとめることで四軒すべてでゲット、
ちょっと欲しかったけど、スープまで飲んだ
Tさんに譲りました。
喜多方からは、「SLばんえつ物語号」で新潟へ。
“ウイークエンドパス”を用意したので、指定席料金だけでOK。
ビールって別腹なんですね。
そして新潟から新幹線で帰宅。
SLと新幹線のコントラストを楽しみながら、
心は次なる旅へと向かうのでした。