こんにちは、田村です。
今日は注目の一冊を紹介させていただきます。
弊誌にも寄稿いただいている
白鳥和也氏の新著です。
『
自転車部品の美学』(平凡社)
写真では帯を外してありますが、
そのコピーが本書の魅力を象徴しています。いわく…
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人はなぜ部品たちに魅了されるのか。
文学の心で解き明かす
“自転車美”の秘密。
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しびれますね!
ドキドキしてページをめくると、
120に及ぶ名品の数々が気品ある写真で登場し、
それぞれの姿を通して、筆者が感じた魅力や
時代背景、自転車論、道具論、文化論……などなどが
ていねいで真摯な筆致でつづられている
フォトエッセイ集です。
登場する部品は、
カンパ、サンプレ、ユーレーなど
自転車界のきらびやかな大御所もいれば、
キャットアイやBSのランプなど
庶民的なものにまで及んでいます。
60〜70年代勢が主力でしょうか。
個人的には、自分と同時代性がある
初代XTRも取り上げられてるのがうれしいです。
この『自転車部品の美学』は
技術書や解説書、ましてやカタログ本でもなく、
文学的で個人的な筆者の思いで成り立っている本です。
こうした本が自転車というジャンルに存在するのは
その趣味がとても成熟してきたという
証なのだと思います。うれしいです。
ちなみに、装幀がとても端正で、
ハードカバーの本それ自体が
ブツとして魅力的です。