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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

1年ぶり

こんにちは、田村です。
気がつけば、ほぼ一年もブログを
放置してしまいました。

最近はX(Twitter)でつぶやけば
備忘録やら自己承認欲求やらの用途が満たされるので
ついついブログから手が遠ざかってました。
けれども、やっぱり備忘録としてはブログも
役立ちそうなので、放置中の一年間を
振り返ってみます。

日付     ルート        内容     走行距離
2022.12.12 群馬県・新桐生〜大胡 上毛電鉄ポタ 42.7km
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小径車とサイクルトレインを活用して、
鉄分補給の小旅行。


日付   ルート         内容     走行距離
2022.1.5 香川県・観音寺周遊   キャンプ   23.6km
2022.1.6 香川県・坂出〜丸亀   自販機めぐり 46km
2022.1.7 香川県・観音寺周遊   キャンプ   28km
2022.1.8 香川県・観音寺〜宅間  キャンプ   40.8km
2022.1.9 伊吹島、児島      風の道    25.8km
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新年早々、観音寺でキャンプ4泊w
一宮公園のキャンプ場が最高なんですよね。
途中からは四国の先輩に合流いただき、
昼も夜も大充実。仁尾のうどん屋さんで味わった中華そばが
感動的においしくて、以後のサイクリングにおいて
中華そば・ラーメンを味わうのが定番になるほど。


日付    ルート          内容     走行距離
2023.1.21 群馬県・館林〜佐野〜古河 三県境界   37.2km
2022.1.28 静岡県・沼津〜吉原    岳南電車めぐり36.4km
2022.1.30 都内           保存車両めぐり80.6km
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佐野ラーメン食べて……
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群馬、栃木、埼玉の各県が接する
渡良瀬遊水地あたりを周遊。
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静岡県東部に延びる岳南電車は、
駅舎と車両がレトロで見ごたえあり。
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都内の保存車両を訪れたり。
数が多いので、事前のルート作成がおもしろく、
実際に走ってもスタンプラリー感覚で楽しめました。


日付    ルート         内容    走行距離
2022.2.4 長野県・長野〜木崎湖  冬の嶺方峠 64.8km
2022.2.5 長野県・木崎湖周遊   雪中行軍  17.1km
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大阪の先輩サイクリストに誘われて、
信州の「雪中行軍」へ。スパイクタイヤを履いて、
適切なルートを選び、天候に恵まれれば
積雪期のサイクリングも楽しいものです。


日付    ルート          内容     走行距離
2022.2.14 静岡県・静岡〜焼津〜清水 東海道・廃線跡 75km
2022.2.15 静岡県・新所原〜二俣  天浜線めぐり  58.9km
2022.2.20 静岡県・静岡〜焼津〜清水 廃線跡復習  80.2km
2022.2.21 静岡県・新所原〜掛川   天浜線復習  84km
2023.2.25 京都府・京都〜大津    京阪京津線  29.7km
2023.2.26 滋賀県・米原〜日野    近江鉄道めぐり 49km
2023.2.27 千葉県・上総大久保〜養老渓谷 大福山林道 34km
2023.3.7 静岡県・修善寺〜戸田峠〜沼津 西伊豆周遊 55km
2023.3.9 茨城県・岩瀬〜土浦〜新鉾田 廃線めぐり 99.8km
2023.3.10 岡山県・武部〜誕生寺  津山線めぐり 19.8km
2023.3.11 岡山県・津山〜西片上  片鉄ロマン街道 63.7km
2023.3.12 香川県・高松周遊    ことでん    59.4km
2023.3.13 高知県・奈半利〜後免  高知安芸自転車道 62km
2023.3.14 大阪府・堺〜大阪市   阪堺電車めぐり 25.7km
2023.3.18 岡山県・茶屋町〜児島  下津井電鉄   36.5km
2023.3.19 京都府・大江〜天橋立  加悦鉄道    41.2km
2023.3.20 三重県・上野市〜関   関西本線    48.1km
2023.3.22 新潟県・市振〜直江津  久比岐自転車道 66.3km
2023.3.24 長野県・姨捨〜篠ノ井  篠ノ井線    37.9km
2023.3.25 福井県・福井市〜三国  えちぜん鉄道  45.7km
2023.3.28 千葉県・銚子      銚子電鉄ポタ  16.8km
2023.3.29 群馬県・上神梅〜日光  わたらせ渓谷鉄道 62km
2023.3.31 島根県・出雲〜松江   一畑電車    58.8km
2023.4.1 広島県・大崎上島〜川尻  とびしま海道 73.3km
2023.4.2 大分県・中津〜日田   メイプル耶馬CR 59.5km
2023.4.3 大分県・玖珠〜阿蘇    宮原線     65km
2023.4.4 長崎県・島原       島原鉄道    89km
2023.4.16 長野県・姨捨〜明科    篠ノ井線   37.1km
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2月から4月は、怒涛の取材サイクリング。
八重洲出版から刊行された「鉄道と自転車の旅」を
ぜひご覧くださいw
あちこち走りすぎて採算度外視ですわwww
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天竜二俣駅のラーメン。
寒い季節でもあり、心身にしみる美味しさでした。
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関西エリアでは、京都や大阪の大先輩に
魅力的なルートの数々を案内してもらいました。
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長崎・島原鉄道では、廃線区間を
自転車道に仕立て直す工事が進行中。
風光明媚で史跡にもめぐまれた島原は
昨年に続いての訪問。すぐにでもまた行きたいw
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信州の篠ノ井線旧線区間を再生した遊歩道も極上。
走行OKなのは地元観光教会さんに確認済みですが、
くれぐれもハイカーに迷惑をかけない行動を
心がけたいものです。

仕事は遊びのように楽しく、
遊びは仕事のように真剣に……という
自分のポリシー(笑)を思う存分に楽しめた日々でした。
「鉄道と自転車の旅」に掲載したルートは、
いずれも個人的にかなりオススメです。


日付    ルート     内容    走行距離
2023.4.21 栃木県・宇都宮 宇都宮LRT 39.4km
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仕事が終わっても鉄道&自転車の旅w
試運転中の宇都宮LRTを見に行ったりしました。


日付    ルート         内容   走行距離
2023.5.2 静岡県・三島〜長岡    内浦ポタリング 43km
2023.5.3 静岡県・修善寺〜小浦   天城越え   71.6km
2023.5.4 静岡県・小浦〜下田〜小浦 南伊豆周遊  53.1km
2023.5.5 静岡県・小浦〜下田    下田周遊  32.2km
2023.5.10 静岡県・下田      下田周遊  11.6km

ゴールデンウィークは、京都と四国から
先輩をお迎えして伊豆三昧。
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伊豆箱根鉄道駿豆線の
サイクルトレインを利用させていただきました。
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天城越え。
今回は「伊豆の踊子」がテーマ。
四国の先輩は文学に造詣が深いのです。
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南伊豆の小浦に投宿。
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豪快な舟盛り。
金目鯛を思う存分にいただきました。
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下田でおでかけワクワク状態の先輩方w
せっかく釣り具を持参したのに
釣果ゼロだったのは残念でしたが、
すばらしいゴールデンウィークでした。
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翌週、釣り的にリベンジするがため、
一人で再び下田へ。
JR東日本が誇るクルーズトレイン
「サフィール踊り子」で輪行。
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全車グリーンでシートはゆったり。
今や大変めずらしい「サシ」(食堂車)も
楽しめるサフィール踊り子。
設備的には期待以上のすばらしさでしたが、
乗り合わせたインバウンドの方々が騒がしく、
落ち着かない車中だったのが残念。
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リクセン&カウルのヴァリオラックに
クーラーボックスを積んで
釣る気あふれるダホンK3で堤防へ。
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せっせとエギ(イカ釣り用のルアー)を放り込むも
手応えなし。結局、坊主で帰りましたww


日付    ルート         内容   走行距離
2023.5.12 埼玉県・寄居〜東松山   北条氏のお城 41.6km
2023.5.16 東京都・池袋〜忍城〜池袋 忍城訪問 127.5km
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たまには地元もサイクリング。
関東における戦国期の山城らしい杉山城。
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めずらしく自走往復で忍城へ。


日付    ルート   内容     走行距離
2023.5.21 都内   東京観光試走1 93.6km
2023.5.24 大阪市内 大阪観光    64.1km
2023.5.26 都内   東京観光試走2 57.8km

「サイクルスポーツ」誌の記事のため
都内と大阪の街なかサイクリングなども。


日付    ルート          内容   走行距離
2023.6.1 東京都・奥多摩〜武蔵五日市 風張林道 59km
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たまには峠も。
和田峠と風張峠は、都内における
二大峠でしょう。
以前はサイクリングといえば峠、と思っていた自分ですが、
最近はあんまり峠を走ってませんね……。
史跡とか釣りとか、プラスαの要素が楽しめる
ルートばかり選ぶようになってきました。
これが歳というものかもしれませんw


日付    ルート           内容   走行距離
2023.6.18 福島県・郡山〜会津若松   母成峠 93.1km
2023.6.19 福島県・会津若松〜喜多方  日中線 83.5km
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戊辰戦争における古戦場、母成峠を越え、
猪苗代湖をかすめて会津若松へ。
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磐梯急行電鉄の駅跡。
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喜多方の北、日中線の手塩駅。すてきな駅舎が健在。
廃線跡サイクリングのトリコになってますw
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喜多方ラーメンにハズレなし!


日付    ルート          内容  走行距離
2023.6.23 愛知県・新城〜設楽〜新城 田口線 75.4km
2023.6.24 三重県・伊勢〜志摩    剣峠  66.2km
2023.6.25 三重県・鵜方〜大王崎   大王崎  42.7km
2023.6.26 静岡県・沼津     沼津・修善寺周遊 47.5km

3泊4日で西へ行って戻る行程。
伊勢志摩を先輩とご一緒するサイクリングを軸としつつ、
限りある交通費を有効に活用しようということで、
往路・復路ともに途中下車を盛り込んで
走るルートを増やしたのです。
ヒコーキと違って、
途中下車できるのが長距離きっぷのメリット。
(ただしヒマ人に限るw)
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豊橋駅で新幹線を降り、飯田線で本長篠駅まで輪行し、
ちょっと走って豊橋鉄道田口線の廃線跡へ。
鉄道雑誌で知ってから、いつかは訪れたいと
胸に秘めていた三河大草駅跡。
鉄道は近代文明の象徴なのに、
苔むしたホームが古代文明の遺跡のようでした。

この廃線跡は、走れるトンネルが多くて(市道になってる)
とても魅力的なのですが、終点の田口駅付近は
設楽ダムの工事に伴って通行止め。
ダムに沈む前に見たかったのですが、かないませんでした。
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津で一泊して、翌朝は宇治山田駅へ。
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先輩と合流して剣峠へ。
東海屈指の名峠。ダイナミックな切り通しと
その向こうの展望台から望む熊野灘が絶景。超オススメ。
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峠を下った先の五ヶ所浦には飾らない食堂があり、
とてもうまい中華そばにありつくことができました。
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鵜方駅前のビジネスホテルに投宿。
一泊2000円と驚きの安さ。
安い宿を見つけることにかけては天才的な先輩w
物価高と増税と低収入にあえぐ身には
ありがたい宿でしたww
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3日目は大王崎など岬めぐり。
大王埼灯台手前の土産物屋さん通りが
とても味わい深い。
十何年ぶりかに訪れても、まるで変わらない
風情が迎えてくれました。
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濃い汁とフワフワの太麺が
伊勢うどんの魅力。
この日は静岡県の三島に泊まりました。
東京へのきっぷを持ってるので、交通費は実質タダw
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最終日は、駿豆線の新しいラッピング電車を見つつ、
とりとめもなくサイクリング。
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韮山の反射炉。ちゃんと見るのは初めて。
原理構造は薪ストーブと同じですねw


日付    ルート         内容  走行距離
2023.7.14 岐阜県・北濃〜美濃太田 長良川鉄道 84km
2023.7.15 香川県・小豆島     小豆島  45.2km
2023.7.16 香川県・小豆島     小豆島  33.5km
2023.7.17 香川県・小豆島     小豆島  36.4km
2023.7.18 香川県・観音寺  荘内半島周遊  51.9km

7月に入ると、いまだ脳裏に刻まれてる
猛暑が続きました。
そんな中、来るべきお仕事に備えて
東海エリアを下見しつつ、小豆島へ。
これも途中下車によるきっぷの有効活用です。
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美濃太田駅と北濃駅を結ぶ長良川鉄道。
終点まで乗り通してから走り出すと、
ずっと下り基調なのがうれしいところ。
昭和初期の木造駅舎が次々と現れます。
そして、美濃太田駅まで走ったら、
神戸へ輪行ワープ。
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関西のサイクリストには有名な
「ジャンボフェリー」で小豆島へ。
深夜便なので宿代が浮くぜ! と浮ついて乗り込んだものの
連休前とあって船内はどこもかしこも人また人。
個室が取れるはずもなく、なんとか確保した
椅子でうつらうつら夜を過ごしました。
こんな状況だったので印象は悪かったですが、
空いてる時に乗って記憶を上書きしたいものです。
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小豆島で関西の先輩と合流し、
「14インチ・オーナーズ・ミーティング」開催ww
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小豆島の形は左(西)を向いた犬に例えられますが、
その前足あたりに入り込むと、激坂ばかりで
軽く死ねました。暑いですし。
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ふるさと村でキャンプ。
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小豆島の2日目には四国の先輩も合流し、
威風堂々の連合艦隊w
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ところどころで竿を出したものの、
ルアーじゃ何も釣れないので、サビキ用品を現地調達し、
豆アジなど釣ってご満悦。
先輩が器用にさばいてくれた豆アジを
持参した干し網へ。走行風によって旨みが凝縮w
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キャンプ場で美味しくいただきました。
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さらに翌朝、キャンプ場近くの道の駅に出てみると、
ご神体のようなエルスが止まってました。
思わず見入っていると、ほどなくして持ち主が現れ、
挨拶させていただくと、お会いしたことがある大先輩でした。
こういうことがあるから旅って面白いのです。

みなさんが家路へ向かうところ、
自分は高松行きのフェリーに乗船。
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これに乗りたかったのですww
そして丸亀で一泊して観音寺へ。
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丸亀で早朝から開いてるうどん屋さんを見つけ、
牛すじうどん。過去トップクラスの美味しさでした。
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観音寺に帰ってきたw
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仁尾の長兵衛さんで中華そば。
やっぱりうまい。ここが日本一かもしれない。
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これまでは見送ってきた紫雲出山に上ったりして、
つかの間の香川ライフを満喫。
仕事さえあれば観音寺に住みたいくらい。


さて、7月半ば以降は再び怒涛の
お仕事サイクリング。

日付    ルート          内容  走行距離
2023.7.19 岐阜県・樽見〜大垣    樽見鉄道 59.4km
2023.7.22 岐阜県・岐阜市〜長島   長良川CR 69.7km
2023.7.23 岐阜県・美濃加茂〜長島  木曽川CR 80km
2023.7.24 三重県・桑名〜岐阜県・養老 養老鉄道 35.2km
2023.7.30 愛知県・蒲郡 蒲郡・三河湾スカイライン 59.6km
2023.7.31 愛知県・三河田原〜伊良湖岬 渥美半島 85.5km
2023.8.6 愛知県・河和〜師崎・日間賀島 知多半島 64.3km
2023.8.7 愛知県・知立〜岡崎      岡崎 57.3km
2023.8.11 愛知県・前後〜大高〜前後  桶狭間 33.8km
2023.8.12 三重県・伊勢奥津〜伊勢本街道 多気宿 52.5km
2023.8.13 三重県・栃原〜飯高〜多気  珍布峠 65.3km
2023.8.18 岐阜県・関ヶ原〜海津    関ヶ原下見 52.9km
2023.8.19 三重県・伊勢〜志摩     剣峠 75.5km
2023.8.20 三重県・鵜方〜大王崎〜御座白浜 岬周遊 51.2km
2023.8.21 三重県・名張〜赤目〜曽爾村  滝と渓谷 54.6km
2023.8.25 静岡県・浜松〜気賀〜舞阪  浜松・浜名湖 63km
2023.8.26 三重県・伊賀上野〜一身田  伊賀街道 62.1km
2023.8.27 三重県・桑名〜楚原     三岐鉄道 21km
2023.9.2 愛知県・名古屋市〜飛島村  名古屋港 66.3km
2023.9.3 愛知県・熱田〜二川 東海道の宿場めぐり 81.6km
2023.9.4 岡山県・吉井〜和気 片鉄ロマン街道一部 20.2km
2023.9.6 長野県・信濃川上〜山梨県・塩山 大弛峠 63.1km
2023.9.13 岐阜県・岐阜市  ゆみやみさんルート 57km
2023.9.14 岐阜県・北濃〜美濃市  長良川鉄道 64.5km
2023.9.15 静岡県・浜松〜気賀〜舞阪 浜松・浜名湖 53.1km
2023.9.16 大阪府・枚方〜柘植  伊賀越え初日 93.2
2023.9.17 三重県・柘植〜白浜  伊賀越え2日目 47.4km
2023.9.22 岐阜県・本巣〜谷汲  谷汲周遊   52.4km
2023.9.23 三重県・鳥羽〜賢島  パールロード 60.4km
2023.9.24 愛知県・本長篠〜設楽〜田峯 田口鉄道 69.9km
2023.9.30 岐阜県・中津川〜馬籠〜苗木城 中山道 33.3km
2023.10.1 岐阜県・恵那〜明智  明知鉄道  40.8km
2023.10.2 愛知県・猿投〜松平郷〜足助 松平氏発祥地 60km
2023.10.7 岐阜県・関ヶ原〜二ノ瀬越 島津の退き口 70.4km
2023.10.11 愛知県・新城〜長篠〜新城 長篠の戦い 38.8km
2023.10.12 岐阜県・高山〜美女峠〜久々野 美女峠 49.2km
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こうして「東海サイクリング」ができました。
八重洲出版さんから好評発売中です。
個人的には、過去イチ充実した内容だと自負してます。
もっとも、今回も取材費を使いすぎて
「これ仕事になってるのか?」と
自問自答せざるをえない有様ですが、
自業自得なのは言うまでもありません。
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「東海サイクリング」の取材シーズンに、
1日だけ信州へ行ってきました。
某誌編集部より「大弛峠」の写真提供と
執筆を求められたのですが、
過去写真と過去の記憶で記事にするのは心苦しいので、
日帰り輪行で走ってきました。
信州側の荒れたダート8kmは健在です。
その信州側から上りましたが、きついところは
押してしまえばどうということはありませんよww


日付    ルート          内容  走行距離
2023.10.21 都心〜下町     BROMPTON ride 43km
2023.10.29 茨城県・土浦〜大洗 BIKE&CAMPの後 81.9m
2023.11.3 静岡県・三島〜土肥  西伊豆キャンプ 60m
2023.11.4 静岡県・土肥〜宇久須 西伊豆キャンプ 24.6m
2023.11.5 静岡県・土肥〜清水  三保ポタリング 25.9m
2023.11.8 茨城県・土浦〜百里 ラーメンショップ 62.3m

佳境を抜け出してからも、
時に趣味、時に仕事で走っております。
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土浦で開催されたBIKE&CAMPというイベントに参加した後、
ひさしぶりに霞ヶ浦沿いを走りました。
サイクリングロードがすっかり有名になりましたが、
それを外れた里山には鹿島鉄道の廃線跡があります。
湖畔もいいけど、やっぱりこっちが好きだなw
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大洗に帰ってきた(2年ぶり)。
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おそらく20泊はした大洗キャンプ場。
運営が変わったそうで、予約や受付のシステムが
驚くほど近代化されてましたが、
居心地のよさに変わりはありません。

この時のK3には、タカギサイクルワークスという
ガレージビルダーさんによるアーチ型キャリアを装着。
ドライバッグやダッフルバッグにキャンプ道具を収めて
どすんと載せるスタイル。
ブレーキ台座に固定しているので、
着脱式のアダプタを用いる
リクセン&カウルのヴァリオラックより
安定感が増した印象です。
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飽きずに西伊豆へ行ったりw
京都からお越しの先輩は、シングルスピードの
14インチ車でキャンプ装備ですよ。
アップダウンばかりの西伊豆の海岸線において
「変速機なんて飾りですよ」と豪語してましたが、
2日目以降は「やっぱり変速必要やな」と
おっしゃってましたw
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RIDE & FISH!

そんなこんなで、ブログを更新してなかった
ここ1年の間も、まあまあ楽しく過ごしておりました。
ふりかえってみると、仕事がらみのサイクリングが
圧倒的に多いですね。
公私混同が信条なので、仕事がらみでも
基本的には楽しいのですが、
もっと趣味に時間を使いたいものですww



# by cyclotourist | 2023-11-10 14:21 | おしらせ | Comments(0)

「オールロードバイク・レボリューション」

こんにちは、田村です。
「オールロードバイク・レボリューション」_d0211129_08265314.jpg
縁あって、
書籍「オールロードバイク・レボリューション」
(山と渓谷社)をいただきました。

かの、ヤン・ハイネさんの著書です。

シアトル在住のヤンさんは、
超マニアックな雑誌「Bicycle Quarterly」の編集者であり、
自転車ツーリングに関する研究家。
伝説のハンドメイド自転車である
「ルネ・エルス」のブランドを継承し、
さまざまなパーツ・タイヤを
展開していることでも(一部で)有名です。

今を去ること10年前、
ヤンさんに原稿をお願いし、
「シクロツーリスト」(長らく休刊中w)の6号に
掲載させていただきました。
その記事のタイトルは
「フランスにおけるブルベとランドナーの歴史」。
日本ではほとんど知られていなかった
事象が詳解されており、
たいへんに蒙を啓かれた気がしたものです。

当時の筆者(田村)は、
ランドナーに対して「レトロなツーリング車」くらいの
印象しか持ってませんでしたが、
本来は長距離サイクリングの競技に
向けて考案された軽量車であることを知り、
感銘を受けました。

しばらく後に来日したヤンさんを
東叡社へ案内する機会にも恵まれ、
アスリートと学者があわさったような
タフな風貌に接しました。

そんなヤンさんの著書が
「オールロードバイク・レボリューション」です。

近年珍しいほど立派な上製本。
約300ページ。
価格は3500円+税。
見本誌をいただくまでもなく
買おうと思ってましたが、
趣味の本としてはかなり高価。
しかも、イラストこそ多いものの、
写真は一点もなく全モノクロ。
青いインキで刷られ、
かなりハイブローな構成。
「優れた文章に写真はいらない」という
明快なコンセプトと自信が感じられます。
(写真ばかりの拙著と好対照w)

「舗装路からグラベルへ
1台で駆け抜ける
速く快適な自転車の科学」

というサブタイトルがついてます。
最後の一行だけでもいい気がしますが、
伝えたいことがあまりある内容が
滲み出てくる感があります。

うっかりすると
「オールドバイク・レボリューション」と
空見しそうですが、
内容は現代的です。

読んでいくと、やはり面白いです。
「なるほど」と思える内容が半分、
「!」と驚くような記述が3割、
「?」と理解が及ばない理論が2割、
といった印象です。

人によっては、ぜんぶが「なるほど」でしょうし、
ぜんぶ「!?」という人もいるでしょう。
太いタイヤの自転車(MTB除く)への
愛に満ちた一冊です。
すべてヤンさんの
実体験と研究に基づく内容なので、
説得力があります。
そして「勉強になる」本でありながら、
自転車が好きなら
上質なエンターテイメントを
読んでいるような心地よさもあり、
分厚い本ですがあっという間に読み終えました。

以下、印象に残った記述を
抜粋させていただきます。
「↑」以下は自分(田村)による感想です。


快適さはパフォーマンスなのだ。(13p)
「パフォーマンス/性能」とは、
ヤンさんによって「速さ」のようです。
自分は「遠くへ行けること」だと思いますが、
結果的に同じ性能に収斂されるようです。


オールロードバイクは、しばしば「グラベルバイク」として売られているが、未舗装路を走るためだけのものではない。(19p)
そりゃそうですね。
だから、この本では
「オールロードバイク」という
名称を採用して汎用性を強調しているようです。
自分の中では、
オールロードバイク、グラベルバイク、ツーリングバイクは
すべて同義です。


(自転車購入の際に)32mm以下の幅のタイヤは検討しないほうがいいだろう。(19ページ)
ヤンさん、断言してます。
同意ですが、経験と勇気が足りない自分には
書けない一文。


ほかの品質を損ねてまで軽量さを追求することは、たいていは、より速くより楽しめる自転車にはならない結果を招く。(65p)
真理ですね。
軽さという呪縛から逃れるための
本であると思えます。


ライダーのパワーによって生じたフレームのしなりは、バネのようにエネルギーを蓄え、それが解放されるときに駆動系のパーツ群に戻される。(70p)
旧知のビルダーさんは、
同じことを主張する人もいますし、
そうじゃないと否定する人もいます。
僕は後者に近い意見ですが、ヤンさんが述べる
感覚的な効果もあるとは思います。


フレームのしなりとペダリングがうまく同調しないライダーもいるため、そうしたライダーたちには、フレーム剛性はパフォーマンスに影響しない可能性もある。(81p)
ヤンさん、やはり冷静かつ客観的です。


「プレーン=滑走する」(82p)
こういう表現ができるのがすばらしい。
優れたサイクリストは優れた詩人の
素質もあるようです。うらやましい。
このあたりからフレームジオメトリー、
とくにトレイルに関する記述が分厚くなりますが
それに対して感想を述べられるほどの
知識が自分にはありません……。


チューブレスタイヤにすることでリム打ちパンクの危険性は低くなるが、チューブ使用の場合に比してタイヤの転がり抵抗低減につながるわけではない。(172p)
実感として同意できますが、
なかなか言えないことです。


パンク修理に時間を取られても(一日に何度かパンクしても)、速いタイヤを用いたほうが、目的地に速く到達するだろう。(183p)
かなりの卓見ですが、
メンタルとフィジカルの双方が強くないと
同様の体験は難しいと思いました。
我々は、パンクしやすいタイヤを
忌避する傾向が刷り込まれてます。

ハイエンドモデルのホイールを用いることによる走行性能への恩恵は、過大評価されがちだ。(190p)
激しく同意。
自分の場合は、
ハイエンドモデルのホイールが買えない、
という負け惜しみもありますがw


フレームは、自転車全体の重量の小さな割合を占めるだけであり、さらにライダーの体重を加えれば、フレームの重量はたいした問題ではない。(196p)
極論ですが、厳然たる事実です。


多くのライダーにとって、ダブル変速レバーは、人間工学的にとても理にかなっている。(233p)
このあたりに、ヤンさんの
レトロ自転車への憧憬が
現れていると思いますが、
本書では、その方面への
記述はかなり抑制的です。
往年のエルスとか、最近のヤンさんの
愛車とかを写真で紹介するページがあっても
いいかと思いましたが、
そういう即物的な構成をしないという
編集意図なのでしょう。
そういうのは「Bicycle Quarterly」を
読めばいいですし。


自転車後部へ荷物を積載するよりも前部への積載がよりよい選択だ。(253p)
ある程度以上の剛性がある
モダンな自転車なら、筆者は
後ろ積載メインでいいと思います。


より重い荷物で長距離を走るには、ローライダーパニアバッグが望ましい。(254p)
斜めの枠付きキャリア
(既製品ならニットー・キャンピー)
にサイドバッグを
懸吊するスタイルを指します。
自分はかなり否定的で、
マイナス面が大きいと思ってます。
意見の違いを含めて読書です。


(バイクパッキングに言及した後に)荷物量が多い場合の砂利道や舗装路のツーリングでは、伝統的なパニアバッグ装備が推奨できるだろう。(257p)
自分はバイクパッキングの有効性に
惚れているので、荷物量に関わらず
バイクパッキング式に軍配を上げます。
(見た目の好みはその人次第)
キャリアやバッグに関しての直接な言及は
3章内の8ページしかなく、
すこし物足りなく感じました。
ヤンさんは、基本的にファストラン志向
なのだと思います。


設計と装着方法が適切なフェンダーは、自転車の走行性能を目立って損なうようなことはない。(263p)
そのとおりですね。
先日、本所工研を取材する機会に
恵まれました。同社では
「マッドガード」と呼称しているので、
自分も今後はそれで統一しようと思いました。


今日のダイナモ発電式ライトの機能は熟成されていて、快速走行にも最適である。(264p)
そう思って、そういう一台も
作ってもらいましたが、
乗らなくなりました。ボルト優秀ですし。


シミーは、多くの変化しうる要素が互いに絡み合っているために、解決が難しい問題である。(270p)
(「シミー」とは、ハンドルバーの小刻みな激しい振動である。)
自分や多くの先輩サイクリストは
4サイドバッグ装備で
フレーム全体を襲うシミー現象に
悩まされましたが、ヤンさんが言うところの
シミー現象は発生条件が異なるようです。


グラベルロードを速く走りたいライダーであれば、太いタイヤを履いたロードバイクであるオールロードバイクを欲するだろう。(278p)
ここまで読み進んで、
「オールロードバイク」の定義が
はっきりしました。
やはりロードバイクベースなのです。


夢に描いた究極の自転車を具現化するなら、カスタムバイクをオーダーする以外に方法がほぼない。(289p)
激しく同意。しかし、
その夢が次々と現れるのが
悩ましいところ。


ビルダーが「それは依頼主に適していない」と考える自転車作りのプランを、そのビルダーに強いてはいけない。(290p)
激しく同意。しかし、
そうでないサイクリストが多いんでしょうね。
オーダーメイドは用途と色以外は
「おまかせ」が
いちばんいいと思います。


以上、ヤンさんの本の
ご紹介でした。
ぜひご一読くださいませ。


# by cyclotourist | 2022-12-11 08:42 | Comments(0)

長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅

こんにちは、田村です。

長崎サイクリングもあっという間に
五日目に突入。
橘湾を挟んで島原半島と対をなすような
長崎半島をめぐりました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_06135878.png
愛野から茂木、野母崎を経て
造船の町である香焼まで。距離は約90km。
しかし、ずいぶんと疲弊した1日でした。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_06153785.jpg
愛野から東、長崎市街へ向かう国道251号は、
ところどころが直線的に改良されており、
自転車的には意味がないと思える坂が連続。
朝の通勤時間ということもあって交通量が多く、
たまらず海寄りの県道へ退避。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_06173921.jpg
途端にアップダウンが増えるものの、
静かで見晴らしいがよい道が続きます。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_06194352.jpg
川下という集落にさしかかると
「従軍之碑」がありました。
九州や四国では、こうした碑が目立つところに
建っているのをよく見かけます。
なんとはなしに銘板を見たら、
日露戦争での死者1名に対して、
「大東亜戦争」においては死者100名以上……。
刻まれた名前は、半分くらい名字が「川下」さん。
小さな入り江を囲む小さな集落だけで
こんな大勢の人が戦死されたのかと思うと、
畏くも暗澹たる気持ちにさせられます。
この日は雲があつく、どんより曇ってます。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_06575672.jpg
二日目に通った日見峠下の国道をかすめ、
長崎半島の東岸を南下。
外周部が平坦だった島原半島とは一変して、
小刻みなアップダウンが連続。
こういうのが、けっこうきつい。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08100686.png
あとでログを見るとこんな感じの標高プロフィール。
最高でも標高は250mなので、たいしたことはないのですが、
峠のようなメリハリがないので、「また上りか」と萎えました。
要は気の持ちようなんですけどね……。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07351847.jpg
急斜面のだんだん畑。まるで城郭。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07374043.jpg
天草への航路がある茂木港。
長崎港が表玄関だとしたら、
茂木港は勝手口といった感じでしょうか。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07390626.jpg
上っては下り、下っては上り……。
沿岸部はすみずみまで農地化され、
琵琶などが多いようです。
集落の家々がとても立派。しかし人影はなく、
どこまでも静か。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07405090.jpg
先端の野母崎が近づくと、標高250mまで上昇。
そのピークの少し手前に、自転車道の入り口がありました。
こんな高い地点にあり、しかも半島の
尾根筋を縫う手強そうな自転車道を作るとは、
男前すぎておそれいります。
長崎県唯一の大規模自転車道らしいですが、
どうしてここに通そうと思ったのか……。

この日はどうも元気がでません。
五日目でいい加減疲労がたまっているのかも
しれませんが、お目当てとなるような
テーマ性が希薄だったのも理由だった気がします。
全線にわたって景観は悪くないものの、
これといった見所もありません。
天気がどんより曇りなのも、
心身が冴えない理由かもしれません……。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07463023.jpg
やっと野母崎が見えてきました。
もうこれで十分。先端には展望公園があるらしいですが、
そこまで足を延ばす気力がわかず、
国道に入ってUターンするように
長崎半島の西岸を北上していきます。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07474781.jpg
このあたりは恐竜の化石が出るそうです。
新し目の博物館がありましたが、
外観を拝んだだけで素通り。すでに14時をまわりつつも
まだ宿を決めてないこともあって
落ち着きません。
コンビニで休憩するたびに
スマホで宿を検索するも、空きが見当たりません。
あれだけホテルが多い長崎市街ですら、
ネットはもちろん、電話しても「満室です」という
答えばかり。うーむ。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07513789.jpg
軍艦島(端島)が見えてきました。
このへんにあると地図で知ってましたが、
実際に見えると興味深いものです。
炭鉱が華やかし頃は、この小さな島に
5000人以上が暮らしていたとか。
戦艦「土佐」に似ていることから
軍艦島と呼ばれたそうです。右側(北側)が
わりと平らに見えるので、戦艦というよりは
航空機の格納庫を備えた航空巡洋艦「最上」や
近年の護衛艦のようにも見えます。
広さは東京ドームの1.4倍だそうです。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_07585674.jpg
夫婦岩から望む軍艦島。

さて、いい加減に宿を決めなければ
路頭に迷ってしまいます。
長崎市街はあきらめて、その手前あたりで探すと、
香焼という造船の街に何件か民宿がみつかりました。
そのうち一件に、ようやく空きがありました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08003380.jpg
三菱重工の大きな工場を抜けていくと
いかにもガテン系の民宿が現れました。
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部屋からの眺め。
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館内の共用スペース。エアロバイクが鎮座。
見かけた宿泊者の多くが
ツナギを着た外国人。工員なのでしょう。

部屋にも浴室にもタオルがなかったので、
宿の方に尋ねたら、民宿だからタオルないんですよ、
といわれて軽く戸惑いましたが、
手持ちの手ぬぐいで入浴を済ませ、
とっとと寝ました。

翌朝は6時30分から食堂で朝食。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08061144.jpg
うーむ。
席に着いたら焼き魚くらい出るのかと思いましたが、
正真正銘これだけ。海苔も納豆もありません。
朝食付き5500円でしたが、これなら仮に同じ値段でも
朝食なしにしてコンビニで好きなものを
食べればよかったと思われました。
いちおう平らげて、とっとと出発。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08135896.jpg
香焼から伸びる伊王島大橋。
今回、キリがないので離島には足を延ばすまいと
思っていましたが、橋の姿が美しいので
半ばまで進んでから引き返しました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08160667.jpg
三菱の造船所を眺めつつ北上。
ほどなくして、初日にも渡った女神大橋が見えてきます。
今日は、初日とは逆に東側から女神大橋を渡り、
長崎市街には入らず西彼杵半島を経て
佐世保をめざす予定。
昨日、宿探しに苦労したので、
すでに佐世保駅前のホテルを取っておきました。
西彼杵半島の西岸を走るので、
佐世保までの距離は100km。まあ大丈夫でしょう、と
淡々とペダルを回していくと……
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08190492.jpg
女神大橋の下ですっころんでしまいました。
国道の交通量が多く、ちょうど広めの歩道があったので、
そちらへ移ろうとしたら、わずかな段差に前輪を取られて横転。
ちゃんと段差の存在は意識してたのですが、
急に前輪がグリップを失った感じ。
なんにせよ、倒れたのが歩道側で幸い。
車道側に倒れていたら、こうしてブログなど
書けなかったでしょう。
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歩道で呼吸を整え、自転車の確認。
左側に倒れたので変速機などにダメージはなく、
めだった傷もありません。
ほっと安心すると、体が痛い。
特に左手。転倒時に手のひらをついたと思われ、
だんだん腫れてきます。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08243665.jpg
なんとか女神大橋を渡ったものの、
次第にハンドルを握るのすら苦痛になるほど
左手が痛んできました。
特に変速操作などすると泣きそうなほど痛く、
なかば押し歩くことに。
これでは佐世保まで走るなど到底無理。
幸い、女神大橋から長崎の中心市街は近く、
長崎駅も徒歩圏内。
今日は輪行しよう……そう決めて進んでいくと
大きな斎場のとなりに整形外科がありました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08273764.jpg
整形外科に飛び込んで「自転車で転びまして……」と
伝えたら、ほどなくして診てもらえました。
触診で「いた」と声をあげたら、
レントゲン撮影。角度を変えて5枚くらい。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08292222.jpg
「8割がた捻挫だと思いますが、
舟状骨が折れてるかもしれません。そこが折れてても
初診でわかるのは3割以下なんですよ」
と、妙に数値的な解説をしてくれた医師。
手の骨は複雑らしいです。
痛みを抑えるため、手のひら側を
ギプス状に固めてくれました。

「自転車で来てる? どうするの?」
「鉄道に乗ろうかと」
「ああ、分解できるのね。そういえば新幹線もあるね」
「はい、それに乗ってきました。速いですね」
「痛みが続いたら家の近くで見てもらってください」
「はい、ありがとうございました……」

長崎に来てから、人とまとまった会話を
したのはこれが初めてでした。
いずれにしろ、サイクリングは強制終了。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08352161.jpg
長崎駅まで押し歩き、輪行支度。
いつもの3倍は時間がかかりました。
そして、佐世保行きの快速列車に乗りました。
もういっそのこと東京に帰ろうかとも思いましたが、
医師の手当のおかげで痛みがうすらいだことと、
せっかく取った佐世保の宿がもったいないので、
あと1日だけ旅を続けることにしました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08412404.jpg
佐世保へ向かうJR大村線は海沿いを走り、
車窓がすばらしいです。
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長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_11030322.jpg
2時間ほどで佐世保駅に到着。
JRの駅としては日本最西端。
到着が14時を過ぎており、さすがにお腹が減ってきました。
駅前のビジネスホテルに輪行袋をあずけ、
まずは腹ごしらえ。
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佐世保バーガー。
こうなったらサイクリングとは別の
楽しみを見出すしかありません。
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海上自衛隊の佐世保史料館。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08455784.jpg
7階から基地方面を遠望。
建物にさえぎられて部分的にしか見えませんが、
米軍の強襲揚陸艦「アメリカ」がいました。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08471633.jpg
展示は模型や解説パネルが中心で、
現物は制服や備品など小物が多いです。
潜水艦まるごと一隻展示している
呉のような派手さはありませんが、幕末から日清日露、そして
太平洋戦争、今日に至る海自の役割まで、通史的に
学ぶことができる施設です。入館は無料。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08504233.jpg
米軍基地の入り口。
いい加減に返せといいたくなりますが、
いまの国際・国内状況では無理なんでしょうね。
道行く外国人はたいていガタイがよく、
誰一人マスクをつけてません。
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日本一長いアーケードと呼ばれる佐世保の商店街。
一般的には大阪の天神橋筋が最長といわれますが、
基準によっては佐世保がいちばんらしいです。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_08531082.jpg
「時雨」がいました。
呉の「雪風」と並び称される
幸運の駆逐艦(の「艦これ」)。
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佐世保で取れたホテルは
慣れ親しんだ東横イン。どこでもまるで設備が同じで、
既視感しかありません。
作ったタイミングで設備が変わりそうなものですが、
統一しているのがすごいなと思います。
ちなみに、残室1の状態で予約できたので、館内は満員の様子。
洗濯機なども埋まっていて、
空くタイミングを狙って何度も部屋と往復……。

コロナがいいとは思いませんが、どこへ行っても
乗り物や宿や観光スポットがガラガラな状況は、
自分のような気ままな旅には最適でした。
それに慣れてしまったので、反動需要と
旅行支援が相まった昨今の状況は気が休まりません。
明日はおうちへ帰りましょう……。
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迎えた六日目。
ホテルの朝食は6時30分から長蛇の列。
そんなのは無視して、松浦鉄道に乗り込みます。
これも乗ってみたかったローカル線です。
佐世保から平戸、松浦、伊万里、有田と、
北松浦半島をぐるっとめぐる路線。
もとは国鉄だけになかなか長大。
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二つ目の佐世保中央駅と、その次の中佐世保駅の距離は
たった200m。日本一短い駅間距離だそうです。
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学生さんが多く、席が埋まって立っている人も。
しかし、江迎鹿町駅と末橘駅で全員が降り、
その後は自分一人の貸切。
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乗った列車の終着は、たびら平戸口駅。
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日本最西端の駅を初訪問。
これで最北、最東、最南を含め、
日本における四隅の駅を訪れたことになりました。
写真の看板にも注釈がありますが、
沖縄本島の「ゆいレール」はモノレールなので、
一般的な鉄道とは別扱い。
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国鉄時代そのままと思わせる
年季の入った駅舎。
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駅猫。
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駅舎内にある「鉄道博物館」と「鉄道むすめ」。
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松浦鉄道のあゆみを紹介。
10分ほどで見学終了し、あとは小一時間列車待ち。
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伊万里行きに乗車。
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近代的な伊万里駅。佐賀県です。
ここは以前のサイクリングで訪れたことがあります。
次の有田行きは30分後。
同じ松浦鉄道に乗り継ぐのに、妙に時間がありますが、
自転車に乗れずヒマなので、どんとこいです。
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観光センターを兼ねた駅舎には食堂もあり、
あたたかい肉うどんをいただきました。
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伊万里駅は行き止まりの頭端式ホーム。
すべての列車が止まります。3編成が揃うとなかなか壮観。
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長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_11321978.jpg
「ゾンビランドサガ」のおつまみセットを買って
有田行きに乗車。
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有田駅でJR九州の博多行き特急に乗り換え。
長崎サイクリング 長崎半島と鉄道の旅_d0211129_11343790.jpg
博多駅で新幹線に乗り換え。
うっかりすると熊本へ行きたくなりますが、
ちゃんと東海道・山陽新幹線に乗りましたよ。

こうして、行きも帰りも新幹線で完結。
ケガをしてしまい、長崎一周という壮大な夢は
夢のままに終わりましたが、またいつか……。

後記
幸い、左手の骨に異常はないようで、
すくすく快復しております。



# by cyclotourist | 2022-11-22 11:54 | 製作中 | Comments(0)

長崎サイクリング 廃線めぐり

こんにちは、田村です。

サイクリングにおいて、
もっとも重要なのはプランニング、
つまり行程計画だと思っています。
そして、プランニングを決めるのは
「テーマ」だと思います。
「趣味性」と言ってもいいかもしれません。

長崎を走りたい、というだけでは漠然としすぎていて
プランニングしようもありません。
単に景色がいいとか、美味しいものがあるとか、
そういうのはオマケだと思ってます。

今回、幸いにも日によって
多様なテーマを盛り込むことができたと思います。

初日は新幹線の体験と港町めぐり、
二日目は旧街道と鉄道旅情、
三日目は峠といった具合に
好みのテーマで走ってきました。
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そして四日目のテーマは「廃線」です。
加えて、以前から訪れてみたかった
古城にも寄ることにしました。
かなりマニアックな趣味ですが、
サイクリングと相性がいいのは経験的に
間違いありません(個人の印象です)。

島原半島にはふたつの廃線があります。

島原鉄道の南目線(島原港駅〜加津佐駅)と
小浜鉄道(肥前小浜駅〜愛野駅)です。

前者の廃線は平成20年(2008年)であり、割と最近です。
後者ははるか昔、昭和13年に廃線となったそうです。
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四日目はこんな感じで島原半島をぐるりと周遊。
なかばアドリブで、距離はちょうど100kmになりました。
なかなかに広い半島です。
海沿いを進む限り目立った坂はなく、
距離を稼ぎやすいのがうれしい。
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宿を出て南へ向かうと、
ほどなくして眉山を背景にした島原港があらわれます。
フェリーなどは新しくできた島原外港に就航しており、
こちらは漁港です。
「島原大変」で眉山から押し寄せた土砂によって
広がった陸地に設けられたそうです。
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島原港がある地域の町名は「新地」。
土砂によって生まれた陸地に作られた
新しい町、ということですね。
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新地という地名は全国的にありますが、
歓楽街と同じ意味であることが多いです。
島原港の新地にも、なんとなくそれっぽい
建物が散見されました。
古くからの港町に多いアレですよ。
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島原港の最寄駅となるのは、島原船津駅。
車両基地があり、終点のひとつ手前です。
終点の島原港駅は南の外港に近く、
先にリポートしたように、パチンコ屋が隣接した
殺風景な駅です。
もともとは終点でないのですから、
いたしかたないでしょう。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18131694.jpg
国道251号を南下していくと見落としがちですが、
ちょっと逸れて横道に入ると、
点々と島原鉄道の廃線遺構が現れます。
近代的な鉄橋や高架が多く、あまり古びてません。

島原鉄道は平成の雲仙普賢岳噴火で大きな被害を受けて、
国や自治体から支援を受けつつ1997年に復旧したものの、
前述したように2008年に南目線を廃止。

つまり、25年前に作り直された区間が多く、
それが古びる間もなく、わずか14年ほど前に
廃線になったのです。
だから遺構が妙に生々しく、レールこそないものの、
かなり原形をとどめています。
全国的にも珍しい廃線と言えるのではないでしょうか。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18312171.jpg
路線の復旧とともに改修された河川の土手は、
土砂の勢いを弱めるようジグザグになってます。
そして立派な鉄橋が架かっています。

そして今、この廃線区間が
自転車歩行者道として生まれ変わろうとしているのです。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18323501.jpg
事前に報道を読んでいたので知っていましたが、
現地で目の当たりにすると感動を覚えます。
乗ったことはない南目線ですが、
それがサイクリストのための立派な道として
蘇るわけです。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18340022.jpg
多くの区間で、来年の2月には完成するようです。
その前に訪れることができたのは
廃線好きとしては貴重だったかもしれません。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18342361.jpg
すでにほぼ完成している区間も現れましたが、
まだ立ち入り禁止でした。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18350174.jpg
ほとんどの駅が残っています。
現役区間と同じような量産型の駅舎が
次々と現れます。
サイクリングの休憩スポットとして
活用されるのでしょうか。現状は
単に放置されている様子。
それはそれで自然体であり、廃線旅情があって
味わい深いとも思います。
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基本的に単線ですが、
列車が行き違いできる駅(だった遺構)も多いです。
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国道より高いところに線路が通じていた区間もあり、
車道を行くよりもビュースポットが増えそうです。
ただ、現状の車道(おもに国道251号)も
島原市街を抜けると交通量は激減し、
とても走りやすいです。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18401182.jpg
駅舎が渋い……。やはりこのまま残してほしい。
「サイクリストの聖地」なんて
看板を掲げないでほしい……とも思いますが、
サイクリストの聖地を名乗る資格はありそうな
ルートになるのも間違いなさそう。
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沿線で大きめの街が有家。
駅も立派です。駅舎はいまもバスの待合所として
利用されていました。
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線路の跡は、車道より海側へ行ったかと思えば、
山側へ移ってきたりして、変化があります。
地形はいたって平坦。
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有家を過ぎると、ほどなくして日野江城が見えてきました。
戦国時代、このあたりを領地にしていた
有馬氏の居城です。
標高70mほどの小山を生かした平山城。
有馬氏は佐賀に攻め込んだこともあったそうで、
島原の「国力」はあなどれません。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_18462684.jpg
立派な石垣が残ってます。
発掘調査によると直線的な石積みの階段もあったそうで
(調査後に埋め戻されてる)
そこにはたくさんの仏塔が使われていたそうです。
その時の領主が有馬晴信。
二日目に訪れた沖田畷で戦ったのも有馬晴信でした。
紆余曲折を経てキリシタン大名になった晴信は、
領地の寺社をぶっこわしたと伝わってます。
そして仏塔を日野江城の石材として使ったという……。

ちなみに、さらに紆余曲折を経た有馬晴信は、
流罪になって天寿をまっとうしてません。
(くわしくはググって)
戦国時代に限らず、宗教がからむと極端な
行動に走るヒトが多くてこわいですね……。
こんなに立派なお城があって、周りに平地もあるのに
あらためて島原城を築いた
松倉重政の意図も気になるところです。
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日野江城の最寄りだった北有馬駅。
駅舎やホームはそのままに
自転車歩行者道の整備が進んでる様子に
廃線好きとしてほっとします。
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すでに崩壊寸前の原城駅。
これは取り壊すしかないんだろうな……。
「島原の乱」の舞台となった原城の最寄り駅でした。
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世界遺産になった原城。
廃城になったお城の多くは自然の野山に戻ったり、
畑や住宅地になって原形をとどめないことが多いですが、
世界遺産になっただけに復元整備の状況が極上。

日野江城の支城として築かれた原城ですが、
ひとめ見ただけでも本城を上回る規模に思えます。
海に面した小さな半島(島原自体が半島ですが)を
まるごと城塞にした感があります。
これだけ壮大だからこそ、3万を超える一揆勢を
収容できたのでしょう。
それを10万もの幕府軍が包囲したというのですから
なんとも規模の大きな戦いです。
(くわしくはググって)

ただし、どうしても気分が暗くなる城跡ではあります。
一揆勢は皆殺し、という結末を知っているので、
「歴史」と割り切ることができない
悲壮さが漂います。
これが名だたる戦国武将同士が戦った
沖田畷とかだったりすると、「信長の野望」を
プレイする延長で気楽に訪れるわけですが、
何百年たっても島原の乱は重いんですよ。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_19091125.jpg
そんな重さを木っ端微塵にしてくれる
「聖地巡礼ガイド」なるものがありました。
看板のQRコードを読み込むと
人気(一部で)アニメのキャラが、
軽妙に島原を紹介する動画が再生できます。
なんとも平和な時代です……。
なお、邪神ちゃんがQRコードをさらすなと言ってたので、
写真を切ってますw
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_19150149.jpg
原城あたりの廃線区間は
自転車歩行者道がほとんど仕上がってます。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_19153909.jpg
廃線もいいのですが、もっと海寄りの
細道もあったりするので、アドリブで走ると楽しいです。
南へ行くほど海の透明度が上がってきます。
写真中央に伸びている岬が原城です。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_19174221.jpg
島原半島の南端にある港町、口之津。
かつて南蛮船が寄港したそうです。
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半島の南端に至るも街が続き、
全体的にレトロながら都会感すらあります。
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終点の加津佐駅後は、海水浴場に面してました。
なにか催しがあるのか、テントがたくさん。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_19352245.jpg
終点にFamily Mart。
サイクリストにとって便利な
ルートに仕上がりそうです。

そして、お楽しみは続くのです。
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「ツーリングマップル」もおすすめの
棚畑展望台。山が丸ごと、だんだん畑になってます。
平坦な海沿いルートを捨てて、県道で標高200mまで
上る必要はありますが、一見の価値がある光景です。
というか、こんな畑を見たことがありません。
多くがジャガイモ畑だそうです。
平地に比べれば苦労が多いことと思いますが、
畑の総面積はかなり広いのではないでしょうか。
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自販機まで絵になる……気がします。
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再び国道に降りて半島の西側を北上していくと、
すぐに小浜温泉が現れました。
すでに日が傾きだしたので、
たまには温泉地に泊まるのもいいかな〜と思いましたが、
10件電話して全部満室……旅行支援オソルベシ。
観光案内所で「あそこが一番大きくて部屋多い」と
聞いたホテルに電話してもダメ。

観光案内所の前にあったベンチに腰を下ろし、
スマホと格闘することしばし。
愛野駅の近くにある旅館に電話したところ、
予約できました。

次なる廃線跡は
小浜温泉の2kmほど北から愛野まで伸びてます。
いい加減に日も傾いてきたので、
お楽しみは明日にしようと思ったのですが、
小浜温泉で宿が取れなかったのですから、
走ってしまうしかないね。
長崎サイクリング 廃線めぐり_d0211129_20122015.jpg
終点だった肥後小浜駅の跡であることを示す石碑。
路線図も描かれています。
はるか昔の廃線なのに大切に思っている人が
いることを物語ります。
愛野まで距離約20km、出発進行!
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島原鉄道のように生々しい遺構はありませんが、
いかにも鉄道っぽい道筋が伸びてます。
鉄道は基本的に勾配が苦手なので、
土手を盛ったり山肌を削ったりして
なるべく平坦な路盤を作ります。
その恩恵に浸りながら快走。
山側の国道を見ると、ぐいぐい上っていて
しんどそう。廃線ばんざい!
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この細さ、間違いなく鉄道のトンネルです。
海沿いに敷かれた小浜鉄道は難工事の末に
3つのトンネルをうがち、いくつも切り通しを
設けてレールを敷いたとか。
そして昭和のはじめごろに開業したものの、
早くも昭和13年(1938)には廃業。
時代と背景は異なりますが、
島原鉄道南目線が復旧後に
わずか15年で廃止されたことに通じるものがあります。
せっかく作ったのに……と思いますが、
いまもこうして走れるのでサイクリスト的には
御の字です。なお、小浜鉄道の跡は
一般道であり、民家の軒下をかすめるような
細道も多いです。
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いい細道。車道として作られたら急坂になったでしょうが、
ほぼ真っ平ら。
緑のトンネルとよばれ、
地元で愛されているようです。
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いったん作られた鉄道は
完全に消えることはありません。
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しかし、千々石の海沿いで通行止め。
暮れなずむ細道に別れを告げ、
国道で愛野の旅館をめざしました。
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二日ぶりの愛野駅。
きゅっとくびれた島原半島の
付け根に戻ってきました。
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ほぼ駅前の旅館、春日屋さん。
いい感じです。日が落ちきる前に
たどりつけてなにより。
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お部屋は、予想外に洋風。
なんにしても出来過ぎの寝床を確保することができ、
適量のビールをいただいてから
とっとと寝たのでした。

ここまで平穏無事と言っていい
癒しのサイクリングを満喫してきたのですが、
翌5日目は、本気を出してきた
長崎の地形に翻弄されるのでした……。

続きはそのうち。


# by cyclotourist | 2022-11-21 20:49 | 製作中 | Comments(0)

長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編

こんにちは、田村です。
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長崎サイクリングの三日目は、長崎のみならず九州を
代表する峠と言っても過言ではない
仁田峠をめざしました。
ひさしぶりに1000m級の峠を越えます。
三省堂の「日本山名事典」によると標高1060m、
「ツーリングマップル」によると標高1020mです。
サイクリストにとっては阿蘇の峠ほど有名ではないようですが、
オートバイの峠に関する本や
長崎観光の本では必ず仁田峠が紹介されています。
雲仙の観光では外せない人気スポットです。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13032200.png
島原をスタート&ゴールにした
ほぼ周回ルート。距離は約56km。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13120521.jpg
7時前に宿を出発。
本来ならもっと早く走り出したいのですが、
7時くらいにならないと明るくなりません。
また、なんとなく島原が気に入ったので
連泊しようと思ったのですが、
すでに満室でした。同じ宿に連泊できれば、
着替えや輪行袋などを置いて走り出せるのですが、
やむをえません。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13142539.jpg
国道57号を南下していくと
雲仙の前峰である眉山が眼前に迫ります。
「島原大変肥後迷惑」では、この眉山が
崩れて土砂が有明海まで流れたそうです。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13170878.jpg
南から西へ回り込むように進んでいくと
眉山の向こうから平成新山が姿を現します。
その名のとおり、平成3年からの噴火活動で
出現した溶岩ドームです。
200年前の眉山と異なり、まだ歴史になりきってない
生々しさを感じさせる山容です。
雲にまぎれてますが、山頂からは
今もうっすらと噴煙が上がっています。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13204861.jpg
国道を片道1.5kmほど外れて、
裾野の傾斜地に建つ旧大野木場小学校へ。
火砕流の熱風で焼失した被災校舎です。
土石流自体は北に位置する川へ流れたそうですが、
熱風は直進して校舎を直撃したそうです。
おそろしいとしか言いようがありませんが、
当時、すでにこの学校がある地域は
警戒区域に指定されており無人だったそうです。
「誰も被害に遭うことはありませんでした」と
現地の解説板にあり、安堵。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13265854.jpg
裾野に広がる段々畑。
伊豆や三浦半島より広々としており、
収穫も多そうです。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13294028.jpg
市街地を抜けてもコンビニが存在していて、
補給に困るような田舎ではありません。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13303504.jpg
少しずつ標高を上げていくと、
島原湾を望む展望スポットも現れました。
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雲仙市に入るあたりが標高500m。
思ったほど冷え込まず、ひと安心。
紅葉があたりを彩るようになりました。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13321814.jpg
市街から20kmほど進み、標高を700mまで
上げたところで仁田峠循環自動車道へ。
この道は反時計回りの一方通行。
環境保全金として100円を払って進みます。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13341820.jpg
勾配はおおむね10%以下で、
距離はあるもののキツくはありません。
11時前に半島南部を見渡すことができる
展望台に到着。胸が清々するような
広い視界と爽やかな風がご褒美。
ややクルマが多いものの、一方通行なので
対向車の飛び出しを恐れる必要なく
リラックスして上ることができました。
ここから峠はすぐそこで、
勾配もいっそう穏やかになります。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13383227.jpg
仁田峠に到着。
妙見岳に登るロープウェイの駅があります。
人がそこそこ訪れていたこともあり、
ロープウェイは見送りました。
自転車で行けるところだけで十分です。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13400103.jpg
お土産品の売店があります。
食事がしたい頃合いでしたが、そういう店は
なかったので、レインジャケットを着て
長指グローブをはめ、とっとと下ります。
峠の気温は10℃ほどでした。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13415889.jpg
あっという間に国道389号へ合流。
こちらは上りに使った国道57号より
線形が直線的で路面状況もよく、うっかりすると
相当なスピードが出てしまいます。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_13435757.jpg
北側の斜面も一面の段々畑。
島原半島で水田はあまり見かけません。
単に刈り取ったあとで目立たないのかもしれませんが。
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下界に降りたら、せっかくなので
大三東駅を再訪。昨日より空が青い。
この駅はいろんなCMに登場してるようですから、
婦女子にもずいぶん人気があるようです。
ただし、ほとんどの人がクルマかオートバイで
訪れています。
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国道沿いにうどん屋さんがあったので
吸い込まれました。
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うどんのちゃんぽん。
個人的には中華麺よりイケると感じました。
一緒に出された塩を降るといっそう美味しく、
峠から下ってきた身に沁みわたります。

さて、旅立つ前の机上プランだと
この日は半島の南部へ足を延ばすつもりでしたが、
島原をもっとゆっくり味わいたいので
やっぱりもう一泊することにしました。
幸い、島原駅に近いホテルを確保できました。
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武家屋敷を再訪。
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街角の資料館にも入ってみました。
受付で老婦に入場料300円をお渡しすると、
やおら腰を上げて展示室にお出ましになり、
丁重な解説がはじまりました。
展示品のすべてをまるで私物のように知り尽くしており、
島原の乱から島原大変、そして先の戦争に
出征した兵隊さん関係の史料などについて
とうとうと語ってくれました。
もしかしたら、ご自身の旧家を資料室にしたのかもと
思いましたが、解説が熱心かつ雄弁で止まることなく、
口を挟むタイミングを逃してしまいました。
「当時の人が今の日本を見たらどう思うでしょうか」
などと重い質問をされたりして、
ただ単に遊びで島原を訪れている自分は
「あ、うーんどうなんですかね。情けないですかね?」と
ばかっぽい答えしか返せませんでした。
いつまでも解説が終わる気配がないので、
「ぼちぼち列車が……」とお伝えして
おいとましました。別にうそじゃありません。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15383797.jpg
資料館には、わずかながら島原鉄道に関する
展示もありました。開業当時に走らせた機関車は
新橋・横浜を走った一号機関車を
国鉄から譲り受けたそうです。この機関車は、
今では大宮の鉄道博物館に展示されています。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15361031.jpg
さて、実のところ時間はたっぷりあるので
(そのために島原にもう一泊するのです)
島原駅の駐輪場に自転車を止め、
列車に乗ることにしました。
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地元高校の美術部による
大きなイラスト。
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なんていうことはないディーゼルカーですが、
初めて乗るローカル線にわくわく。
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線形はいいのにガッタンガッタン揺れます。
ほどなくして大三東駅に到着。
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三度目の訪問。
奇しくも昨日の訪問と同じ時間になり、
臨時列車と行き交いました。
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猫が描かれたベンチと神代みさきさんが共演。
すてきな駅じゃないですか。
海が近い駅としては、JR予讃線の下灘駅が有名ですが、
大三東駅のほうが近いです。
ちなみに、自分が知る限り「日本で一番海が近い駅」は
JR鶴見線の海芝浦駅だと思います。
ホームが堤防そのものだった気がします。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15481959.jpg
30分ほどしたら、島原行きがやってきたので乗車。
本当に少しだけですが運賃を払って乗車でき、
「タダ見」じゃなくなりました。
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島原駅で自転車を回収。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15520805.jpg
閉じたシャッターが多い商店街をなんとなく散歩。
ほとんど人通りがなく寂しいなあと思っていたら、
ユーミンの「恋人がサンタクロース」が
スピーカーから流れてきました。
クリスマスはにぎわうのでしょうか……。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15581210.jpg
お城の天守閣が見える
島原ステーションホテルへ。
全国旅行支援の対象になるとのことで、
ワクチン接種証明書の写真を見せたら、
どんと割引されて3000円のクーポンまでいただきました。
しかも、自転車はロビーに置かせてくれました。
長崎サイクリング 仁田峠・島原鉄道編_d0211129_15592213.jpg
たまたま空いてたんだと思いますが、
広すぎる部屋にびっくり。
なんだか申し訳ない気持ちになりつつ、
適量のビールを飲んでとっとと寝たのでした。

三日目にして、まだ長崎県の右下あたりを
うろついてるリポートですが、
続きはまたあらためて。



# by cyclotourist | 2022-11-21 16:10 | おしらせ | Comments(0)