人気ブログランキング |
ブログトップ

シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

下北・函館ツーリング

こんにちは、田村です。

先の残念なツーリングから
志半ばで帰宅した後も、虎視眈々と
次なる機会を狙っておりました。

しかし、当初の目的地だった九州は
広域がずっと雨に見舞われたことはご承知のとおりです。
わざわざ雨が降り続く地域に出かけるのは酔狂すぎますし、
たいへんな災害に見舞われた地域を、その直後に
物見遊山で訪れるのも後ろめたい思いがあります。

また、種子島でロケットの打ち上げを見るという当初の目的も、
結果的に果たせない状況になりました。
鹿児島でも感染が拡大したことにより、
島内のロケット打ち上げ見学場所がすべて
閉鎖されたのです……。
財布をなくしたことで旅が強制終了したのは
不幸中の幸いとしか言いようがありません。
すべて結果論ではありますが。

さて、このような状況でも
どこかへ行きたいという思いは高まるばかり。
ちょうど仕事がなく、それでいて
わずかながらも自由に使えるお金が手元にあるという
千載一遇の機会に恵まれているのです。

悶々かつウキウキもしながら天気予報を見ていましたが、
やはり北海道は晴れ間に恵まれる日が多そうです。
とはいえ、今年は年初に道北を訪れましたし、
昨夏には道東を走りました。もちろん、北海道は
なんど走ってもよいものですが、
最近は知らない道、初見の道を走ることが
ことのほか楽しく感じられます。
日本には素敵な道がまだまだあるんだな……と
実感できることに喜びを覚えます。

道北や道央、そして道東ばかりに目が行きますが、
道南というエリアを忘れてました。
むろん、函館を中心とした道南を走ったことが
ないわけではありませんが、どちらかといえば
他の地域へのアプローチにすぎないような、
道南にちょっと失礼な走り方をしてきた気がします。

というわけで、我ながら衝動的に
道南へ出かけようと思いました。
すると、3年くらい前に訪れた下北半島で、
心残りがあったことを思い出しました。
下北半島の北端、つまり本州の最北端である大間へ
至った時、北海道が間近に見えました。
渡りたいなあと思いつつ、その時は
自由になる時間が少なく、マグロ丼を食べた後に
家路に着いたのでした。

その積年(でもないか)の想いを
果たそうと思いました。
下北・函館ツーリング_d0211129_19162041.png
こんな画像を上げるまでもなく、
下北半島と北海道は至近距離です。
下北半島も道南も走ったことがないエリアばかりですし、
両者をいっぺんに楽しんでみようと
三泊四日で計画しました。

道南&下北という骨子が決まれば、
行程を決めるモチベーションが続々と湧いてきました。

・やっぱりキャンプしたい
・大間からフェリーで函館へ上陸したい
・未知のダート、グラベル林道を走りたい
・函館で理亞ちゃんの部屋を訪ねたい

これだけモチベーションがあれば、
瞬く間に行程計画は決まりました。
下北・函館ツーリング_d0211129_19212929.jpg
前回の北陸でダート(今風に言えばグラベル)を走った際、
やっぱり楽しいなあと実感したので、
今回はグラベルバイクたるメルクス・ストラスブール71を起用。
買ってから早くも3年経つモデルであり、
メーカー完成車ゆえに「型落ち」感はぬぐえず、
後継機が欲しくもあるのですが、トラブル知らずの優秀機です。
フレームのカラーリングが、オルトリーブの
バイクパッキング用バッグと妙に合うのも気に入ってます。
最近になってタイヤを
シュワルベのジーワンウルトラバイト(35C)に
替えたらますます好調。
下北・函館ツーリング_d0211129_19255330.jpg
グラベルでの走行感を優先して、
今回はバックパックを併用しました。
これもオルトリーブで、前述のバイクパッキング用の
バッグとデザインが揃ったエートラックBPです。
ベロクラフトの大槻さんがいち早く使ってるのを見て、
「カッコイイ!」と一目惚れして購入(影響されやすいw)。

容量は25リットル。これに寝袋や着替えなど、
容積の割に軽い荷物を収めることにし、
自転車側のバッグはサドルバッグと
トップチューブバッグのみとしました。
フロントバッグなどをつけたりして自転車が重くなると、
グラベルでの振動が増えて軽快感が薄れるからです。

これまで自分はバックパック・リュック否定派で
(大昔、それしか知らなかった頃のトラウマかも)
山サイか王滝でもなければ荷物を背負うことはなかったのですが、
エートラックBPがカッコいいので試してみることにしました。
結局、カッコイイ道具が好きなんです。
下北・函館ツーリング_d0211129_19352674.png
キャンプ道具その他の重量を品目ごとにエクセルへ入力し、
なにをバックパックに入れ、なにをサドルバッグに
入れるか検討しました。その結果、
荷物総量5.7kgのうち、約4割の重さを背負うことにしました。
以前はキャンプでも荷物総量を3kg台まで
絞り込むことが多かったものの、
最近は快適志向が強まって(堕落とも言う)
そこまで削れません……。

重量比で4割程度の荷物を入れてもバックパックは
がばがばに空いてるので、食材などの買い出しなどで
一時的に増える荷物にも対応できそうです。
それこそサドルバッグなしで、
キャンプ道具全部をバックパックに入れることも
できる容量ですが、すでに腰痛経験者なので、
あまり重い荷を背負うのは怖いのですよ……。

で、背負う荷物は2kg台に抑えたのですが、
バックパック自体の重量が1kg以上あるのが
悩ましいところ。ちゃんとした背面パッドがある
バックパックはけっこう重いんだなと実感しました。
なにはともあれ、今回はサドルバッグ+バックパックで
旅立つことにしました。

●7月15日 七戸十和田〜大湊(むつ市街)
下北・函館ツーリング_d0211129_20133431.png
ぐだぐだな前振りが長くなりましたが、
初日はこんなコースを走りました。
東北新幹線の七戸十和田駅をスタート、
小川原湖を経て太平洋岸に出て六ケ所村を北上しつつ、
途中で気まぐれのように半島を横断、陸奥湾へ乗り換えて、
下北半島の中心市街である大湊に出ました。
距離は110km、獲得標高は900m弱なので
スペック的には平坦基調ですが、半島の横断に
グラベル林道を選んだのがミソです。
下北・函館ツーリング_d0211129_20171106.jpg
大宮から新幹線に乗車。
はやぶさ1号で一路北へ。
時速300kmで梅雨空を振り切るつもり。
下北・函館ツーリング_d0211129_20185662.jpg
七戸十和田駅に着いても
天気はどんより曇り空……。最近は
天気予報の確度が低くなっている気がしてなりません。
なんだよもう、と思いもしましたが、ここまできたら
走るしかありませんし、走れる喜びに包まれます。
輪行を解除して走り出したのは10時ちょっと前。
この時間に青森県から走り出せるのですから、
新幹線は偉大(高いけど)。思いついたら即乗れるのも
性に合ってます(高いけど)。
下北・函館ツーリング_d0211129_20214020.jpg
駅前すぐから伸びる国道4号。
距離標に東京からの遠さを実感。
松並木が残っていたりして、街道らしさがあります。
頭上からはジェット機の轟音が響きます。
F-35が見れるかも! と思いましたが、雲が低く
機影は見つかりませんでした。
まあ、市街地の上をガンガン飛ぶなんて、
どうせ(?)米軍のF-16でしょうね……。
下北・函館ツーリング_d0211129_20255471.jpg
ほどなくして雨が降り出し、
着るつもりはなかったレインウェアを着ながら走行。
小川原湖に至る頃にはけっこうな本降り。
増槽が落ちたりしないよなあと、思わず曇天を見上げる(汗)。
湖畔に面したキャンプ場があり、早くも泊まりたく
なりつつも、淡々と先へ。
下北・函館ツーリング_d0211129_20334148.jpg
湖畔に沿った道を北上。
晴れていたら爽快なんだろうなと思いつつ……。
下北・函館ツーリング_d0211129_20343847.jpg
下北半島には恐山があるせいか、
最果てとか秘境のイメージを抱くかもしれませんが、
少なくとも国道を進む限り、人家が途切れることはなく、
特に六ケ所村からは原発関連の施設や
自衛隊の基地があったりして、
都会的とまでは言わなくても、わりと人工的です。
原燃PRセンターもあったりします。
下北・函館ツーリング_d0211129_20422890.jpg
バイパス的な国道を逸れ、
集落を抜ける道を選ぶと旅情が感じられます。
地元の人からしたら何ということはない風景なんでしょうが、
不思議と心がときめきます。
ようやく雨が上がった
太平洋岸を北上していきます。
下北・函館ツーリング_d0211129_21050335.jpg
コンビニも点々とあります。
東通村に入ったところのコンビニで十分な補給食を
確保してから、いよいよ太平洋と国道に別れを告げ、
半島のくびれを横断するような老部川林道へ。
国道からの分岐地点に、15時までに着かなかったら
林道は割愛しようと思ってましたが
(こういう時間的な目安は大切)、
なんとか14時過ぎに着いたので、
おめあての林道へ進むことにしました。

下北・函館ツーリング_d0211129_21103733.jpg
国道を逸れるとすぐにダート。
クマ注意の看板に身が引き締まりつつ、
走りやすい砂利のダートに頬が緩みます。
ロードでは楽しめない、MTBではイージーすぎるといった、
まさにグラベルバイクの独壇場といった路面です。
下北・函館ツーリング_d0211129_21124892.jpg
沿道は林業最前線。
重機がうなりをあげる区間もあり、
これならクマもそうそう出ないだろうと……祈ります。
下北・函館ツーリング_d0211129_21145567.jpg
進んでいくほど砂利の目が粗くなるものの、
35Cのジーワンウルトラバイトなら、
まだまだ余裕があります。空気圧は3.5ほど。
もっと空気圧を落としたいところですが、
全体としては舗装路のほうが長いので、
空気圧の選定は悩ましいところです。
(できれば携帯ポンプを使いたくない)
下北・函館ツーリング_d0211129_21190441.jpg
年初の寒中ツーリングを機に導入した
サーモスですが、この季節は保冷効果に感謝。
そして、キャップが付いてるので、ダートでも
飲み口が汚れないのがいいですね。
逆に、もう一本のプラボトルは
中身がぬるまるし飲み口が汚れるしで、
飲む気がしなくなり、ダブルボトルの
意味がなくなりました。サーモス2本にすべきだったか?
下北・函館ツーリング_d0211129_21215689.jpg
9kmほど進むと、幅員が極端に狭くなり、
生い茂る緑に包まれてきました。
あきらかに廃道化しつつある状況です。
下北・函館ツーリング_d0211129_21233489.jpg
錆びついた道路標識が、
ここが車道であったことを主張。
下北・函館ツーリング_d0211129_21241630.jpg
路盤が緑に包まれ、さすがに乗車を諦めて
押し歩きに移行。初見の林道ゆえに、
本当に抜けることができるのか……と不安になりますが、
廃道区間は1km未満だったと思われ、
ほどなくして標高300mほどのピークに出ました。
すると、再び乗車できる路面が現れました。
下北・函館ツーリング_d0211129_21262827.jpg
乗車できることの有り難みといったら……。
距離5kmほど、下りばかりの快感を味わいつつ陸奥湾へ。
こちら側は有畑林道という名称のようで、
太平洋側より砂利が大きめ。そこそこのスピードで下っていると
強めの振動で二の腕がプルプルするような有様でしたが、
マッサージのようで気持ちよくもありました(笑)。
標高がさほどないために視界は
広がらない林道でしたが、ほどほどの荒れ具合が楽しく、
なによりも、短いながらも「半島を横断」できるので
満足感が高い林道でした。
とはいえ、たった(?)15kmほどの林道区間の通過に
2時間もかかり、一般道とは桁違いに
遅くなることもあらためて実感。
あまり林道を欲張ると、行程と体力が破綻するな、
とも思いました。

昨今、注目が高まっているグラベルバイクですが、
「どこ走ればいいの?」と聞かれることが多いです。
その問いかけには、まわりは舗装路ばかりなのに、
太いタイヤの自転車なんて必要なの? という
素朴な疑問があるように感じます。
タイヤが細いロードバイクに慣れた人は、
特にそう考えるでしょう。

これにはふた通りの答え方があるように思います。

ひとつは、ダート・グラベルにこだわる必要はない、という答え。
タイヤが太ければ舗装路だろうと安心感が高いですし
乗り心地が格段によくなるので、
荷物を積んだツーリングには最適ですよ、
荒れた路肩なども安心なので、通勤などの普段使いにも
グラベルバイクは向いてますよ、という答え。
これが正解なのかな、と思います。
要は、ドロップハンドルのクロスバイクというか、
ランドナーに代表されるツーリング車としての性格です。

グラベルバイクのタイヤは、
太いとはいってもせいぜい30〜40mm幅で
トレッドパターンも比較的おとなしいタイヤが多いので、
舗装路もスムーズに走ることができます。
生粋のロードバイクに比べて、
明らかに劣るのは漕ぎ出しの加速感だけで、
いったんマイペースに乗れば、
径が大きい分(太いタイヤは径も大きくなる)
巡航も楽だったりします。
だから、ツーリングのように加減速が穏やかなシーンでは
不満を覚えることがないです。
(レース用途は僕にはわかりません)
舗装路に特化したロードバイクと、
悪路だけに特化したMTBのいいとこ取りをしたのが
グラベルバイク、と言われる所以ですね。

もうひとつの答え方は、
「グラベルがないだと? いっぱいあるだろ!」と
斜め上から強気に出るパターン。
都市部に住んでいれば、そりゃ身近に
グラベル林道なんてないでしょう。
でもそれは、峠だって旧街道だって一周コースだって同じ。
みんな、輪行やカーサイを駆使して、
走りたい要素がある道へ時間とお金をかけて赴くわけです。

「ツーリングマップル」を見れば、
ダート・グラベル林道の所在は
一目でわかります(赤い破線)。
それが実際に走れるのか、自転車向きなのか、
危険ではないのか、「通行禁止」という標識が現れたら
どのように向き合うか……といった不確定要素は常にありますが、
そんなの「やってみなくちゃわからない」という
アニメのヒロインのような考え方で挑むべきだろうと
個人的には考えております。
行ってみて、ダメだこりゃ、と思える状況に遭遇したら、
引き返して別のルートへ転進すれば
いいだけです。そうした事態に対応できるように、
時間と補給食は用意しましょう。

自分にとってのツーリングは、
「どこかへ行く」というシンプルな行動です。
その林道だけを走るというよりも、
ある街から別のある街への移動経路を望みます。
そうしたコースに適当なボリュームのグラベル林道を組み込むのが
今回のツーリングのテーマでもありました。
下北・函館ツーリング_d0211129_08333064.jpg
老部川林道、有畑林道ともに分岐が多く、
なかには「ピタピタ沢林道」なんて面白い名の支線も。
下北・函館ツーリング_d0211129_08373716.jpg
無事に林道を抜け出し、陸奥湾に沿った国道を北上。
JR大湊線とも並行しており、真っ平らな道が続きます。
ちなみに、陸奥湾沿いの国道279号からは
ほとんど海が見えません。海の展望を眺めるなら、
大湊線に乗るのがおすすめです。
下北・函館ツーリング_d0211129_08410908.jpg
追い風にも恵まれ、林道を出たあとは
平均時速20km超で快走。それでも
大湊市街に着いたのは18時になってしまいました。
青森県に多いマエダストアで食材を購入し、
市街地からほど近いキャンプ場へ。
下北・函館ツーリング_d0211129_08432012.jpg
むつ矢立温泉。こちらの目の前に
キャンプ場があります。利用料はわずか300円。
一般的なキャンプ場は、17時で受付終了という場合が多いですが、
こちらは入浴施設の終了時刻である22時まで受け付けてくれます。
これを確かめていたので、林道で大幅に時間が押しても、
このキャンプ場なら問題なかろうと見込んでいたのです。
実際に到着は19時近くになってしまいました。
結果的に問題はありませんでしたが、
本来なら16時くらいにはキャンプ場に着きたいところです。
下北・函館ツーリング_d0211129_08482004.jpg
綺麗に刈り込まれた芝のテントサイト。貸切です。
受付のご婦人に、クマが出るかもしれないから
バンガローを利用したら……と強めに勧められましたが、
(バンガローも1500円と激安)
せっかくテントを持ってきてますから、
「自分の責任で過ごしますので……」と申しつたえて
設営させていただきました。
キャンプ場自体にクマが出たことはないそうですが、
周辺の山にいることは確かなようなので、油断は禁物。
なにをどうすればクマに出会わずに済むのか
確たる知識も経験もありませんが、
茂みから離れたサイトの中央にテントを張り、入浴。
(お湯が熱かった)
さっぱりしてから
キャンプとしては遅めの夕食に取り掛かりました。
下北・函館ツーリング_d0211129_08532386.jpg
このバックパックは、背中側に広い開口部があり、
ファスナーで全開します。だから物の出し入れが簡単。
ショルダーベルトや背面パッドがしっかりしているので、
必要な量のビールや食材などを放り込んで重みが増しても、
体へのストレスが少なかったです。
これまでは、エコバッグみたいなポケッタブルな
リュックを買い出しの時だけ広げて利用していたのですが、
それを背負って走った時の疲労感に比べると
段違いに楽でした。
今回のキャンプ場は
スーパーと2kmほどしか離れてませんでしたが、
買い出しの便を考えても
バックパックの採用はメリットがあるな、と思いました。
また、ついつい軽さ重視で道具を選んでしまいますが、
バックパックに関しては、本体が多少重くても
実際に荷物を入れて背負った時の快適さや
出し入れなどの機能面を重視したほうがいいのかもしれません。
この日は日中も気温が20度止まりで、涼しかったことも
幸いでした。暑かったりすると、やはりバックパックは
しんどいですからね。
下北・函館ツーリング_d0211129_09513757.jpg
ホタテが安かったので購入。バターを絡めながら炒め、
醤油を垂らすだけで激うま。これとビールだけで
ほとんど満腹になりました。
今回はチタン製の軽量クッカーを採用したので
どのみちたいした調理はできません。
下北・函館ツーリング_d0211129_09591104.jpg
雲が厚く夜空に星は見えませんでしたが、
適度な疲労と心地よい酔いのおかげで、
21時には寝付きました。

●7月16日 大湊〜大間崎
朝食は袋麺で軽く済まし、6時半には
キャンプ場を後にしました。
6時から営業している入浴施設に
ゴミを捨てることができ、なにからなにまで
便利なキャンプ場でした。また訪れたい。
下北・函館ツーリング_d0211129_10043663.png
二日目は、ちょっと複雑なコース取りになりました。
大湊から下北半島東端の尻屋崎を訪れてから西へ転じて大畑へ。
大畑からはグラベル林道へ(太い赤線部分)。
当初、破線の林道を通って津軽海峡へ出る予定でしたが、
現地の状況をかんがみて南方へ転進。
いったん大畑に戻ってから大間崎を目指すことになりました。
距離は140kmで、そのうちグラベル林道は
20kmほどを走ることになりました。
だいぶ欲張りな行程ですが、朝早くから走り出せるのが
二日目以降のメリット。
なお、一般的には恐山がこのエリアの
必見スポットですが、前回の訪問時に寄ったので、
今回はパスします。
下北・函館ツーリング_d0211129_10074642.jpg
アップダウンが少ない県道を快走して
尻屋崎へ。ここも初めて訪れるので期待が高まります。
いかにも「みちのくひとり旅」といった
渋い旅情が味わえそうですが……
下北・函館ツーリング_d0211129_10083784.jpg
尻屋崎の手前で現れる巨大な工場。
三菱マテリアルの青森工場です。下北半島は、
やはり単純な田舎ではありません。
下北・函館ツーリング_d0211129_10102261.jpg
頭上に架かったセメントの搬出路(?)に
「ようこそ尻屋崎へ」と書かれてるのが
なんともシュール。
下北・函館ツーリング_d0211129_10135899.jpg
さらに尻屋崎が近づくと、
沿道に馬が登場。このあたりで放牧されている
「寒立馬」という固有種です。
宮崎県の都井岬を思わせる光景。
下北・函館ツーリング_d0211129_10152933.jpg
尻屋崎への道にはゲートがあり、夜間は通行止め。
ボタンを押すと、バーが上がります。
下北・函館ツーリング_d0211129_10162105.jpg
草原の向こうに白い灯台が建つ尻屋崎。
なんとも清々しい光景ですが、青空に恵まれなかったのが残念。
まばらですが観光客も訪れていました。
昨今、どこへ行っても騒がしい中国語が耳に入ったものですが、
そうした人々がいないと観光地も静かで落ち着きます。
観光をなりわいとした方は、落ち着いても
いられない状況なのでしょうが……。
下北・函館ツーリング_d0211129_10193234.jpg
ポニーのように足が短い寒立馬ですが、
体つきはかなり大きくてボリューミー。間近に迫ると
ちょっとビビりました。
(人には慣れてておとなしいらしいです)
下北・函館ツーリング_d0211129_10210454.jpg
ほとんど平坦な道を進んで大畑へ。
かつて大湊へ伸びた鉄道の駅舎が
バスターミナルになってます。ここだけ見ると
寂れた感じですが……
下北・函館ツーリング_d0211129_10220786.jpg
大きなマエダストアがあり、
物資の補給に困ることはありません。
ここには広いイートインもあり、お弁当を
落ち着いていただくことができました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10232724.jpg
やっぱり下北半島って都会だよなと思いつつ国道を逸れると、
いきなりグラベルがはじまります。佐藤ケ平林道です。
さっきのマエダストアから1kmも離れておらず、
景観のギャップに驚きます。
下北・函館ツーリング_d0211129_10255750.jpg
序盤は急登でしたが、次第に勾配は弱まりつつ、
じわじわと標高500mほどまで上がっていきます。
昨日の林道より砂利がガレ気味ですが、
落ち着いて乗車できる程度です。この林道も
サイクリスト的には「当たり」です。
下北・函館ツーリング_d0211129_10272483.jpg
色鮮やかな菖蒲が転々と咲いてました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10284294.jpg
ウェットな路面では、重機による轍に
ハンドルを取られそうになりますが、
幸いにもハンドル周りに荷物がないので、
望んだラインをトレースしやすい印象でした。
やはり、こうした道ではバックパックが
有利なのは間違いないです。
腰と肩への不安も、なんとか許容範囲。
下北・函館ツーリング_d0211129_10302603.jpg
森林が消えて草原が現れる区間も。
送電線を立てた際に伐採したのでしょうか。
海岸沿いから山腹へ伸びる林道なので、
海が望めるかもと思いましたが、
ほとんど見えませんでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_10314594.jpg
ピークに至ると、当初の予定方向へ伸びる林道には
ロープが貼られていました。
こうした時、突如として
ワタシはニホンゴがニガテなので
モジがヨメマセン……なんてこともあるのですが(汗)、
ここでは進まないほうがいいなと
なにか直感的に思われました。
下北・函館ツーリング_d0211129_10354494.jpg
幸いにも分岐する林道がありました。
ハンディGPSの地図を見ると、ほどなくして県道まで
降りられそうだったので進んでみることに。
下北・函館ツーリング_d0211129_10372293.jpg
急カーブを繰り返してぐんぐん降下。
下北・函館ツーリング_d0211129_10382153.jpg
粒が大小変わっていく砂利道、乾いた土、濡れた土(泥)が
入れ替わり現れて飽きることがありません。
僕は下りが得意ではないですが、それでも自転車を
操ることが純粋に楽しくなるような道。
た〜のし〜、なんて独り言と笑顔がこぼれますが、
浮かれるとロクなことがないのは骨身に染みているので、
あくまで安全第一。
下北・函館ツーリング_d0211129_10452331.jpg
5kmほど下ると奥薬研のキャンプ場に出て、
その先で県道に合流。無事に抜けることができました。
初めての道筋で、しかも途中からアドリブになっただけに
不安も大きかったですが、下界へ抜けた時に得られる
達成感も大きい……。これだからグラベルはやめられない。

西へ行けば未走の佐井村、東へ戻れば大畑ですが、
佐井村への県道で通行止めがあるようだったので、
おとなしく大畑に戻ってから
海岸線を走り直すことにました。
そのため、前掲の地図にあるように周回区間が
生じたのでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_10473561.jpg
国道279号で淡々と大間崎をめざします。
わずかに上る区間があり、そのピークには
木野部峠あります。名のある車道の峠としては
本州最北ではないかと思います。
峠にはバス停があるだけで
視界は広がりませんが、少し手前のハーモニー橋
(地元の小学生が命名したとか)
からは、大畑方面の長い海岸線を
一望することができます。
霞みながらも、さっきまでいた尻屋崎まで見えます。
下北・函館ツーリング_d0211129_13092601.jpg
大畑から淡々と40kmほど走れば、
本州が途切れる最北端の地、大間崎です。
到着は17時を回りましたが、この日のキャンプ場は
無人で無料、出入り自由です。
どことなくユーモラスなマグロ像からすぐの場所にあります。
下北・函館ツーリング_d0211129_13114499.jpg
大間崎テントサイト。残念ながら海は見えず、
住宅や食堂に囲まれた公園のようなキャンプ場ですが、
トイレも炊事棟も現代的できれい。
無料で自由に利用できることに感謝です。
写真のようなテーブルとベンチが何箇所にもあり、
荷物の積み下ろしや設営がはかどります。
下北・函館ツーリング_d0211129_13134003.jpg
下北・函館ツーリング_d0211129_13140169.jpg
数km圏内に入浴施設とマエダストアがあり、
利便性は完璧。やっぱり下北半島は都会的だ。
下北・函館ツーリング_d0211129_13145486.jpg
入浴と買い出しを終えてキャンプ場へ戻る頃には、
暮れなずむ頃合いに。大間港に浮かぶ大型船が目に入りました。
明日、自分が利用するつもりの津軽海峡フェリーに
違いありません。胸が高鳴る……。
下北・函館ツーリング_d0211129_13182243.jpg
暮れなずむマグロ。
下北・函館ツーリング_d0211129_13194595.jpg
マエダストアで調達してきた食材。
気温15度ほどと涼しいこともあり、
モツ鍋に挑戦します。
下北・函館ツーリング_d0211129_13190145.jpg
なかなか美味しくできました。
モツ鍋は大好きなのですが、
自宅では禁止されてます。妻子が、
「あんたが作ったモツ鍋を食べるとお腹を壊す」とか
失礼なことを言うのですよ……。
だから自分一人で思う存分に食べてやるのです。
下北・函館ツーリング_d0211129_13220476.jpg
クッカーが小さいので少量ずつしか作れないのですが、
作っては食べ、作っては食べと手を動かし続けるのは
意外と楽しかったりします。
下北・函館ツーリング_d0211129_13235075.jpg
トイレついでに夜のマグロを見に行ったら、
ライトアップされてました。
そして津軽海峡の向こうにまたたくのは北海道の街あかり。

●7月17日 大間崎〜函館〜恵山
下北・函館ツーリング_d0211129_13282704.jpg
5時に起床し、ささっと朝食を済ませて速やかに撤収。
下北・函館ツーリング_d0211129_13293284.jpg
7時発の津軽海峡フェリーに乗るべく港へ。
自転車は自分一人だけでした。車だけでなく
徒歩で乗船する人がけっこう多かったのが印象的。
チケット売り場で周辺の人の会話を耳にしましたが、
病院へ行くために利用する人が多いみたい。
(通院割引があるみたい)
たしかに、大湊や青森市街へ出るよりも、
函館のほうがよほど近い。このフェリーでたった1時間半。
運賃は、大人一人+自転車で4000円でした。
下北・函館ツーリング_d0211129_13324806.jpg
車両甲板に進入し、壁際にロープで固定してもらいました。
下北・函館ツーリング_d0211129_13333558.jpg
まだ船歴が浅いモダンなフェリー。
車両甲板から客室へはエスカレーターです。
下北・函館ツーリング_d0211129_13344762.jpg
船内の大部分は雑魚寝部屋。
乗客に対してかなり広く、密になる心配はありませんでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_13360791.jpg
やっぱり船旅はいいものです。
みるみる函館山が近づいてきました。
北海道は遠い、というイメージあるものだから、
1時間半で渡れることに驚きます。
比べるのもおかしいですが、大洗発のフェリーだと
北海道まで一昼夜かかりますから……。
遠さ・近さの感覚は、自分の立ち位置次第で
ずいぶん変わるんだなあと思いました。
下北・函館ツーリング_d0211129_13401460.jpg
接岸し、すべての車両が出払ってから自転車の発艦。
でけでけで〜ん、
いよいよHAKODATEです。
下北・函館ツーリング_d0211129_13420949.png
三日目の走行ログ。
フェリーの航海中、
GPSは車両甲板の自転車に付けたままだったので、
ログが途切れて直線になってますね。
実際は函館山の西を回り込んで入港してます。
(当たり前)
函館へ上陸後、ちらっと市街を拝んでから、
またしてもグラベル林道で半島を縦断し、
恵山にあるキャンプ場をめざしました。
走行距離は80km、そのうち25kmほどが
グラベル走行となりました。
下北・函館ツーリング_d0211129_13484409.jpg
レンガ倉庫群を抜けて……
下北・函館ツーリング_d0211129_13492116.jpg
西波止場の黒澤公園をチラ見して……
下北・函館ツーリング_d0211129_13513189.jpg
八幡坂へ。このエリアには、函館山へ向かう坂が
何本もありますが、八幡坂が白眉でしょう。
むしろ、この坂を眺めるために函館を
訪れる価値があると言えるでしょう。
自転車では息が切れる激坂ですが、
ちっとも苦になりません。
下北・函館ツーリング_d0211129_13520625.jpg
坂の突き当たりには高校があります。
海があって坂の上に学校があるという立地は
伊豆の内浦あたりに似てるかもしれません。
(似てないw)
坂の上にはもうひとつ重要なスポットがあるのですが、
今日はあくまでグラベル林道が狙いなので先へ進みます。
え、もったいない……と思われるかもしれませんが、
明日、再び函館に戻ってくる予定なので構わないのです。
下北・函館ツーリング_d0211129_15571579.jpg
函館で大人気のラッキーピエロ(ハンバーガー屋)と
ハセガワストア(コンビニ)。
2店が並ぶと、なかなか強烈なインパクトがあります。
下北・函館ツーリング_d0211129_15575924.jpg
時刻は9時を回ったところですが、早くも小腹が空いてきたので、
ハセガワストア名物の「やきとり弁当」をいただきました。
旅の三日目にして、ようやくご当地グルメ(笑)。
これ、豚肉です。函館でやきとりといえば豚肉をさすとか。
本当かよと思いますが、店内にその旨の説明がありました。
下北・函館ツーリング_d0211129_16002924.jpg
だんだん行動が支離滅裂になってきましたが、
函館の観光エリアを後にして、有名な修道院の方向へ進みます。
路面電車が縦横に走ってますが、心配なくらい
路盤が傷んでます。車道の路肩も荒れた箇所が多く、
交通量が多いことと相まって気を使う市街地です。
下北・函館ツーリング_d0211129_16042537.jpg
修道院前の分岐。ここから修道院へ向かって右折……は
しないで、左の小道に入ります。
下北・函館ツーリング_d0211129_16061326.jpg
途端に素敵なグラベルがはじまり、道なりに進めば
大船松倉林道に入ります。亀田半島を南北に縦断し、
断続的ながら25kmもグラベルが続く林道です。
下北・函館ツーリング_d0211129_16082619.jpg
やっぱりあった、熊に注意の看板。
本州とは意味の重さが違います。
ベルを鳴らしつつ、スマホからはアニソンを流しながら
(周囲に誰もいないので)
慎重に進んでいきます。
下北・函館ツーリング_d0211129_16094206.jpg
距離は長いものの勾配は穏やか。
ピークまでは交通量もあるようで
(自分は一台の車もすれ違いませんでしたが)
路面がしっかりしており、グラベルながら走りやすい林道です。
ちなみに、動物はタヌキを2匹見かけただけ。
下北・函館ツーリング_d0211129_16134445.jpg
標高500mほどでピークに達すると、
そこから先の太平洋側は
標識や路盤の作りがまるで変わってきます。
管轄が異なるのでしょうか。
太平洋側へ下り始めると部分的に舗装も現れ、
多くの標識が立っているので、
交通量が多かった時期もあるようですが
今では道全体が緑に飲み込まれつつあります。
勾配はきつくなり、
あっという間に標高が下がります。
下北・函館ツーリング_d0211129_16173212.jpg
標高をあらかた吐き出して太平洋岸が近づくと、
通行止めのゲートが現れました。
なんと、走ってきた林道の内側に向いてます。
函館市街側の入り口にゲートがなく、
林道の終わりが近くなってから
現れるゲートって意味あるのでしょうか……。
さすがに20km以上も戻るわけにはいかないので、
ここはゲートをくぐらせていただきました。

こうして大船松倉林道なるグラベルを走破しました。
個人的には素晴らしい林道ベスト10に入りますが、
北海道で熊が出そうな林道に一人で入り、それなりに長い時間
(自分の場合で通過に2時間半以上かかってます)
を過ごすのは避けたほうがよいのは言うまでもありません。

だったら紹介するなというツッコミもあろうかと思いますが、
ブログなんて個人の備忘録ですので、
大目に見てやってください。
参考にするもしないもあなた次第。
MTB乗りの方は、ツッコミやいろいろなトラブルを
避けるために走ったコースを明確にしないことが多いですが、
ツーリングリポートにおいて自分の行動軌跡を隠すのも、
どうかと思いますので、
とりあえず紹介しておくまで、です。
下北・函館ツーリング_d0211129_16220408.jpg
何事もなく舗装路に接続し、沿岸の国道278号に出ました。
グラベル林道をさまよってきた身からすると、
素朴な漁村すら都会的に思えます。
三日連続でグラベル林道をコースに盛り込んでましたが、
この先は舗装路のみ。
さすがにホッとしつつ、淡々とキャンプ場をめざします。
下北・函館ツーリング_d0211129_16472178.jpg
集落を抜ける国造を恵山へ向かって走っていくと、
巨大な昆布を干した光景が次々と目に入ってきます。
昆布って元はこんなに大きいんだ! と
都会育ちのオヤジは驚くばかり。
こういった昆布干しの小屋が何十件も現れ、
家族総出のような感じで干したり取り込んだりしている様子を
見ながら進んでいきました。
下北・函館ツーリング_d0211129_16530706.jpg
昆布干しの集落が途切れ出すと、
防護壁に包まれた断崖絶壁が国道に迫ってきます。
道自体は平坦で走りやすいのですが、
国道開削前はとんでもない難所だったのでは
ないでしょうか。
下北・函館ツーリング_d0211129_16595836.jpg
落石よけと思われる覆道の長いこと長いこと。
トンネルと合わせて2kmを超える区間もありました。
下北・函館ツーリング_d0211129_17022330.jpg
道の駅 なとわ・えさんに着いたのは16時過ぎ。
ここにキャンプ場が併設されており、
わずか300円で利用できます。受付は17時で終了なので、
間に合ってなにより。コインシャワーも利用できました。
下北・函館ツーリング_d0211129_17041801.jpg
なんとも開放的なテントサイト。
芝生、海、空、以上! といったシンプルな
風景が思う存分に味わえるキャンプ場です。
下北・函館ツーリング_d0211129_17061381.jpg
陸地側を振り返ると、立派な炊事棟の向こうに
ローソンが見えます(笑)。
圧倒的な開放感と都会的な利便性の双方が備わった
理想的なキャンプ場なのでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_17083560.jpg
道の駅の売店で買った昆布と鮭とばに加え、
ローソンで冷凍ホルモン鍋と麺を調達しました。
もうこれだけで酒飲みのおっさんは幸せ。
ちなみに、すぐ近くにホームセンターもあり、
キャンプ道具一式を買うことも可能です(笑)。
下北・函館ツーリング_d0211129_17143368.jpg
適当な長さに切った昆布をさっと湯がいて
醤油をかけるだけでご馳走に変身。
下北・函館ツーリング_d0211129_17160782.jpg
アルミ鍋に入っているから、火にかけるだけで
仕上がるホルモン鍋。ローソンの冷凍だなにある
隠れた人気商品です。
僕は京都の先輩(神)に教えてもらったのですが、
濃いめの味とビールの相性が抜群。
明日は旅の最終日、走行距離も短い予定なので
もう飲んじゃうぞ〜と宴会モードに突入。
ここまでも毎晩飲んでますが(汗)、
最後の晩餐ともなれば浮かれるってもんです。
ソロキャンプは、ウィズ・コロナ(変な言葉だと思いますが)の
当世における新しい生活としても
評価できるのではないでしょうか(適当)。
下北・函館ツーリング_d0211129_17211668.jpg
締めの麺を投入して満腹、満腹。
こんな生活を永遠に送りたいなとも思いますが、
実践できるほどの勇気と能力はありません(汗)。
そう言えば、大洗にはプロのキャンパーが
いたなあ……Zzzz

●7月18日 恵山〜函館
下北・函館ツーリング_d0211129_17224556.jpg
どどーん、どどーんと波音が響くキャンプ場でしたが、
完全に熟睡。目覚めも爽やかでしたが、
どんより曇り空。梅雨空から逃げるために計画した旅でしたが、
なかなか思うような晴天には恵まれませんでした。
下北・函館ツーリング_d0211129_17262638.png
最終日は函館まで戻るだけなので、走行距離は50km弱。
18時台の新幹線でも東京に帰りつけるので、
かなりのんびりできます。
とはいえ、キャンプ場で朝っぱらから飲むわけにもいかないので、
7時半には走り出しました。


下北・函館ツーリング_d0211129_17252184.jpg
昨日の続きといった感じで国道278号を進みます。
荒々しい海岸風景が続き、越後七浦や笹川流れといった
日本海沿いの景勝地を思わせます。
道南というより、津軽海峡北岸といったほうが
実際のイメージに近いです。
下北・函館ツーリング_d0211129_17303615.jpg
本州連絡橋も夢じゃない、と思わせる近さ。
下北・函館ツーリング_d0211129_17313484.jpg
戸井に残る未成線のアーチ橋。
戦時中、津軽海峡防護の一環として作られつつ、
完成に至らなかった鉄道の遺構です。
国道よりかなり高いので、もし完成していたら
車窓が良い観光路線として人気を博したかも……。
こうしたアーチ橋が沿道に何箇所もあり、
そのいくつかは津波が押し寄せた際の避難場所として
指定されていました。
下北・函館ツーリング_d0211129_17341931.jpg
釜谷富士。標高は200mほどですが、
形はまさに富士山。こういうのを郷土富士と呼ぶそうで、
全国にいっぱいありますね。サイクリングのテーマにもなりそう。
下北・函館ツーリング_d0211129_17353747.jpg
函館空港まで進んでくると、前方に函館山が見えてきます。
そんな沿岸部に、きれいな方形をした志苔館という
武士の居館跡が現れます。
室町時代、このあたりに進出した和人が
拠点とした要塞のような小高い立地の館。
アイヌの蜂起によって攻め落とされたそうです。
普段は意識することがない民族の違いというものを
静かに教えてくれる道南の史跡です。
下北・函館ツーリング_d0211129_17491487.jpg
意識高い系の史跡めぐりから、ベタな観光地へ。
ご存知、五稜郭タワーです。
訪れるのは20数年振り。とても綺麗にリニューアルされてますね。
下北・函館ツーリング_d0211129_17503664.jpg
眼下に広がる魔法陣。
下北・函館ツーリング_d0211129_17510053.jpg
展望室には、下が見えるガラス窓もあったりして足がすくむ……
誰かにしがみつきたいところです。
下北・函館ツーリング_d0211129_17520390.jpg
再び八幡坂へ。上からは青函連絡船が浮かぶ
港の様子が遠望できます。
下北・函館ツーリング_d0211129_17524260.jpg
茶房 菊泉さんへ。大正10年に建てられた
酒問屋の別宅跡だそうで、重厚なただずまいを見せます。
各種の甘味や「くじら汁」を味わえる
本格的な喫茶店です。ひとり旅のおっさんが入るには
あまりに敷居が高い(誤用)店構えとメニュー……。

自分自身の場違い感に戸惑いながらも
思い切ってお店に入ると、きさくな感じの店員さんが、
「ああ、はい。理亜ちゃんの部屋は奥ですよ〜」と
迎えてくれました。
みなまで言わなくてオッケーだよ、分かってるから、
といった感じで、奥まった部屋に案内してくれました。
オタクなのにちゃんと歓迎されて、にわかに涙ぐむ私。
下北・函館ツーリング_d0211129_17571298.jpg
理亜ちゃんの部屋、キター。
下北・函館ツーリング_d0211129_18041846.jpg
下北・函館ツーリング_d0211129_18044495.jpg
くじら汁(野菜スープ)と赤飯のセットを注文。
おめでたい感じがたまりません。
お腹と胸がいっぱいになりました。

もう思い残すことはない。
天気が良ければロープウェイで函館山に上ろうかとも
考えてましたが、見上げた山頂は雲の中。
すでにやりたいことはやりきった感に包まれていたので、
函館駅へ向かいました。
下北・函館ツーリング_d0211129_18054932.jpg
都会ずら〜。
ここで自転車を輪行袋にしまいました。
下北・函館ツーリング_d0211129_18081986.jpg
後輪はセンターノブがだいぶ減りました。
よいタイヤほど磨耗性は低い傾向にありますから、
しかたないですね。

こうして、旅のモチベーションをすべて現実の経験として、
往路と同じように新幹線で家路についたのでした。

自転車はもちろん、すべての装備はほぼ完璧でした。
行程が欲張りだった感は否めませんが、
ほぼ計画通りに遂行できました(だから懲りない)。
そして財布を無くすこともなく(汗)、無事に帰宅。
天気だけは期待ほどよくなかったですが、
自分としては100点満点の旅となりました。

こんなひとり旅も、言ってしまえば不要不急の物見遊山だから、
本当は控えたほうがいいんですかね……。
それとも「仕事です」って臆面もなく言えば許されるのか。

不要不急の物見遊山が仕事の糧にもなってる自分としては
もどかしい限り。
早く優しい世界が戻って欲しいものです。

追伸
下北・函館ツーリング_d0211129_18194563.jpg
帰宅後の儀式に必要な道具たち。
台所用中性洗剤、ワコーズのパーツディグリーザー、
それを入れる容器と刷毛(チェーンを擦る)、スポンジ、ブラシ、
チェーンをかませるローラーと
水を引いてくるホースです。
これらの道具で自転車をきれいにしてはじめて
旅がちゃんと終わった感じがします。
下北・函館ツーリング_d0211129_18211930.jpg
ドロドロにしてごめん。
下北・函館ツーリング_d0211129_18214560.jpg
洗車すれば元どおり。
ちなみに、オルトリーブのバッグも水洗いしてます。
下北・函館ツーリング_d0211129_18220675.jpg
テントや寝袋など、キャンプ道具も干し直します。
しっかり乾いたらテントやマットは収納し、
寝袋は袋に入れないで広げたままガレージに保管してます。
(長期間収納すると、ロフトが潰れる気がするので)

これで次の旅もいつでもはじめられます!




# by cyclotourist | 2020-07-22 19:02 | 製作中 | Comments(0)

梅雨空キャンプツーリング 3/3

こんにちは、田村です。

旅も五日目となると、だんだん日常化してきます。
走るだけ、泊まるだけになりがちで
感覚も鈍くなってきますが、今回のコースには
以前から訪れてみたかった名勝旧跡を
ふんだんに盛り込んでいたので、新鮮な日々が続きました。
そして、怒涛のオチが近づいてくるのでした……。

●6月28日 雨晴〜金沢
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12282584.jpg
氷見線から聞こえる、ガタンゴトンという
今では懐かしさを感じるレールの音で目覚めました。
起きたのは5時過ぎでしたが、雨晴キャンプ場が快適なので、
8時くらいまで長居してしまいました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12330193.png
五日目のコースはこんな感じ。
あえて能登半島には向かわず、その付け根を
なぞるように進んで金沢へ。距離は70km弱。
事前の計画ではもっと先へ進むはずでしたが……。
このコースのお目当は、高岡と金沢の
ほぼ中間地点にある倶利伽羅峠。
源平の戦いの古戦場としてあまりにも有名です。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12352360.jpg
雨晴を後にして高岡市街へ向かうと、
ほどなくして義経と弁慶の像が目に入りました。
「如意の渡」で、弁慶が義経の身分を欺くために
ぶったたいた、というエピソードですね。
源義経にしろ木曽義仲にしろ、エピソードの
所在地が全国に多々あり、その行動力に驚きます。
もちろん、多くはフィクション、伝説なのでしょうけど、
興味はつきません。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12422259.jpg
高岡には素敵な町家が並ぶ通りがありました。
鋳物師の町並みと呼ばれ、加賀藩二代藩主前田利長が
職人を招いて銅の鋳物を作らせたそうです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12452557.jpg
国道8号の脇道を進んでいくと、
自然と旧北陸道の道筋に。往還松と呼ばれる
木立が再現されています。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12472791.jpg
石動(いするぎ)の街を抜けると、
倶利伽羅への道を示す案内があちこちにありました。
この日は雨が降ったり止んだり。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12492456.jpg
舗装路でも倶利伽羅峠に出れますが、
現地に「義仲進軍の道」という案内があり、
それに従って進んでみました。すると舗装が途切れ……
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12505564.jpg
いかにもな風情のある古道。
しばらくは乗車できますが、階段区間もあって
押し歩きも強いられました。
こんな道を、万を超える軍勢が通ったら、
さぞ渋滞したのではないでしょうか。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12524984.jpg
古道を抜けると、よく整備されて公園になっている
倶利伽羅峠の古戦場に出ました。
木曽義仲が用いたという奇策「火牛の計」を再現(?)した
妙にリアルな像がありました。
こんな牛が突っ込んできたら平家もたまったもんじゃ
ないでしょう(もちろん伝説らしいです)。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_12560088.jpg
周辺の山並みを見渡せる展望台がありました。
ピークでも標高は200mほどで、さほど高くありませんが、
北陸道を抑える要所だったことがわかります。
このあたりで源氏5万、平氏10万の軍勢が激突し、
火牛と背後に回った別働隊に襲撃された平氏軍は大混乱、
深い谷底へ落ちていったそうです。

勝利した木曽義仲は、京都に進軍して
いったんは天下取った感がありましたが、
その後に源義経との戦いに破れて討ち死に。
その義経も、ご存知のように頼朝に追われて……。
悲劇性のある武将には不思議と心がひかれます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13035643.jpg
倶利伽羅峠を間に置く北陸道は「歴史国道」として
整備されていて、その看板に従って進んでいきます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13050848.jpg
極上のグラベルが現れて、思わず自撮り(笑)。
乗って楽しい区間は数kmだけですが、
歴史ロマン効果で気分が上がります。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13070971.jpg
雰囲気の良い切り通しもあり、
また訪れたくなる道です。
ロードバイクでは楽しめず、MTBじゃおおげさ。
グラベル系のツーリング車が
実によく似合う道だなあと思いました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13101578.jpg
倶利伽羅をすぎると、金沢の街まではあっという間。
せっかくなので茶屋町にも寄ってみましたが、
観光地すぎて気後れします。
また、朝が早かったせいか昼過ぎの暑さが体に堪え、
金沢から先へ進む気力が失せました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13121506.jpg
整備中の金沢城。
再建された城門がきれいすぎてCGのよう。

周辺にいくつかキャンプ場の目星はつけていたのですが、
なんとなく面倒になったので、
愛用のホテルα-1系列のホテルへ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13130193.jpg
非常に広く、タブレット端末で操作する
マッサージチェアまである豪華な部屋。
これが4300円で泊まれるとは驚き。
ホテルα-1は古びた部屋が多いのですが、
さすが金沢というべきか、レベルが違う。
ちなみに、金沢市は宿泊税(200円)というのを
取るようになってました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13170949.jpg
コンセントも多く、充電がはかどります。
以前の長期キャンプツーリングでは、
ソーラーパネルの充電器なども併用しましたが、
今回は割愛し、2万4000mAhのモバイルバッテリーを
携行してキャンプ中の充電に利用しました(重いけど)。
スマホやGPSなんてないほうが素朴な旅が
味わえるとは思いますが、なかなか……。

ちなみに、電動変速メカ用の充電器も携行しましたが、
まだ出番なし。今回のマキノ号は、アルテグラDi2の
シフトレバーで、XTRのリアディレーラーを動かすという
変則的なメカを採用しており(いまならGRX一択でしょうが)、
電池がどのくらいモツかいまいち不明なのですが、
ここまでの500kmほどはモツことがわかりました。
(この後ももったので、700kmは大丈夫そう)

●6月29日 金沢〜越前大野
ホテルを7時に出発し、国道157号を南下、
越前へ向かいます。福井県です。
自分にとって、いちばん縁が薄い都道府県が
福井県だったりします。今回の旅の目的のひとつが、
その福井県、特に未体験の内陸部を味わうことでもありました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13243271.jpg
「酷道」として名高い国道157号ですが、
金沢側の起点は香林坊なんですね。都会ずら〜。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_13302779.png
この日のコース。距離110kmほど走って、
越前の小京都と呼ばれる大野をめざしました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15193983.jpg
北陸鉄道の鶴来駅。なんと瀟洒な……。
しばらくぼーっと眺めておりました。
街並みも風情がありました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15213936.jpg
鶴来駅から先は廃線区間ですが、
加賀一宮駅はサイクルステーションとして再整備されていました。
トイレも素晴らしく綺麗。
実は現地で知ったのですが、金名線とのこと。
金沢と名古屋を結ぶという、今になっても果たされない
壮大な路線が計画されていたとか。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15222487.jpg
駅舎の裏手から自転車道が伸びてます。
線路と枕木を模したマーキングが楽しい。
手取キャニオンロードという名前です。
このあたりは最近になって整備されたのか、
真新しい装いです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15340830.jpg
いかにも廃線跡のサイクリングロードらしい鉄橋も登場。
気分がいやがおうにも盛り上がります。
天気もどんどんよくなってきました。
自転車道を走ったのは加賀一宮駅〜道の駅 瀬女(せな)の
20kmほどの距離でしたが、もっと手前から、
手取川の堤防も自転車道になっているようです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15381582.jpg
なんとも伸びやかで胸がスカッとするような道。
梅雨の晴れ間に恵まれ、緑が目にしみるほど鮮やか。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15405455.jpg
かつての終着駅、白山下駅を模した休憩所。
金名線の解説などもありました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15420697.jpg
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15431407.jpg
道の駅 瀬女。この先、国道157号は手取川ダムにそって進み、
40kmほど無補給区間が続くと思われたので、
補給食として調理パンを買っておきました。美味しかったです。
また、仏式バルブ対応の空気入れも置いてあったので、
利用させていただきました。
自宅を出て一週間もすると、相応に空気圧が下がっていたので、
助かりました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15452689.jpg
道の駅から急上昇すると見えてきた手取川ダム。
堤が巨大すぎて視界に収まりきらないほど。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15483109.jpg
湖面も広い広い。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15485671.jpg
長さ1000m級のトンネルやスノーシェッドで
ずぼんずぼんと山を貫いていきます。
交通量が少なく、天気も良かったため
白馬〜糸魚川の国道148号のような
恐怖は感じませんでしたが、なかなか気を使う
道ではありました。そういう意味では酷道かも。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15510340.jpg
ついに福井県入り。
このあたりは恐竜の化石が出たそうで、
恐竜街道なんて名前がついており、
転々と恐竜の像が立っていました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15534811.jpg
県境からの国道157号は、勝山まで一気呵成の下り坂。
長大な橋で谷間をまたいでいきます。
相当にお金がかかってそうな道です。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15565272.jpg
えちぜん鉄道の勝山駅。恐竜がお出迎え。
えちぜん鉄道と言えば、三国港など
海沿いのローカル線というイメージがありましたが、
こんな内陸まで伸びているとは。
福井県の地理がようやく少しわかってきました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_15590556.jpg
勝山は商店街の雰囲気がレトロで、模型屋さんもありました。
思わず入りたくなりましたが、なにか買っても持ち帰れないし、
入店して何も買わないのもやらしいので、通り過ぎました。
いま思い返しても惜しい感じがします。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16001528.jpg
勝山城の威容。いくらなんでもすごすぎる(笑)。
復元というより、博物館としての建物だそうですが、
平成バブルの香りを感じさせる代物です。

さて、事前のルートではあと30〜40km走って
大野を過ぎて鯖江まで足を伸ばすつもりでしたが、
やはり暑い午後になると走る気力がなえてくるので、
近場でキャンプ場を探しました。
すると、大野の街はずれ、越美北線の勝原駅の近くに
無料かつ予約不要(市の観光課に電話で確認)の
キャンプ場があるようなので、
そちらへ向かうことに。

越前大野の街は翌日ゆっくり拝見することにして、
スーパーで買い出しを済ませつつキャンプ場へ。
道は線路沿いなのに意外とキツいアップダウンがあって
疲れましたが(ビール背負ってるし)、
16時過ぎになんとか到着。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16075432.jpg
九頭竜川に面した勝原園地。
トイレが汲み取り式だとか
炊事棟がないとか、そんなことが気にならないほど
最高のロケーションです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16093189.jpg
実にいいです。
到着した頃は川遊びをしている兄ちゃんがいましたが、
ほどなくして帰って行きました。
そこで、自分もマッパになって水浴び。
川面をのぞくと、キラキラと小魚のお腹が反射してました。
釣りのスキルがあればなあ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16112156.jpg
最近はコンビニで少量のお米を売ってるので、
自分のようなぼっちキャンパーは助かります。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16120906.jpg
スーパーで買った鶏肉と日本酒を少し入れて炊き込みます。
せっかくのメスティンですから、肉を焼いてるだけじゃ
用途を間違ってます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16130069.jpg
30分ほど浸水させたあと、火にかけます。
いつもながらの固形燃料で、いわゆる自動炊飯ができます。
30gの固形燃料の燃焼時間・火力が、一合ほどの炊飯に
ちょうどいいのです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16143617.jpg
固形燃料が燃え尽きたら、手ぬぐいでくるんで
15分ほど蒸らし。なんだかんだでけっこうな時間がかかりますが、
別に買っておいたツマミでビールを飲んでいれば
あっという間。むしろ幸せな時間。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16163730.jpg
ネギを散らして醤油をかければ完成。
レシピ本に載せられるような料理じゃありませんが、
おっさんひとりには十分すぎる質と量です。

夜はホタルが辺りを飛び回り(自分の技術では撮影できなかった)
なんとも満足感の高い夜を過ごしたのでした。


●6月30日 越前大野〜鯖江
5時頃、風にあおられて目が覚めました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16213893.jpg
また天気は下り坂で、小雨交じりの生暖かい風。
タープが風をはらみます。もっと低く、ピンと張れば
よかったのかもしれません。
適当に朝食を済ませ、6時半には走り出しました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16242603.png
一週間目となるこの日は、60km走って鯖江へ。
取るに足らないような走行距離ですが、
ここまででもっとも濃厚で印象に残る日となりました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16254903.jpg
キャンプ場の最寄駅である勝原駅に寄ってみました。
ザ・最低限といった駅舎。駅舎があるだけいいともいえますが。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16263840.jpg
驚くほど薄いダイヤ。
「乗って残そう越美北線」と看板に書いてありましたが、
乗るのが難しい……。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16275034.jpg
ラノベが置いてあるのが微笑ましい。
朝5時台の列車で大野・福井方面へ出て、
18時台の列車で帰ってくる、
なんていう学生さんがいるのでしょうか。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16292438.jpg
越前大野駅はリニューアル済み。
観光需要がありそうな駅は、全国的に
格子を用いたデザインが増えました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16303358.jpg
きた〜! と、個人的に胸が高鳴ったのがココ。
大野の住宅街にある公園に、朝倉義景の墓所があるのです。
戦国時代、越前に5代100年に渡って覇を唱えた朝倉氏。
その最後を務めることになった悲運の大名が朝倉義景です。
朝倉氏は、関東でいえば北条氏に近い存在でしょうか。

しかし、ドラマやゲームにおける朝倉義景は、
そりゃもう酷い扱いを受けてることでも有名です。
歌や蹴鞠にうつつをぬかし、上洛の機会をみすみす逃し、
織田信長との合戦で連戦連敗、最後は家臣に背かれて自害……

先の義経や木曽義仲も最後は悲劇に終わりましたが、
見せ場が多く華がある武将でもあります。
それにひきかえ朝倉義景は、
徹頭徹尾、信長の引き立て役を担わされ、
ゲームなんかでは武勇も知略も30点代という
なめられた設定になってます。

そんな彼に僕はけっこう惹かれるものがあり、
ここまで来たわけです。そして、地元ではちゃんと
大切に扱われていることがわかり、なんだか涙ぐむような気持ち。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16382840.jpg
墓所の横には「義景清水」なる名水も。
ありがたくボトルに入れていきました。おいしかったですよ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16392739.jpg
大野の街には藩政時代の武家屋敷も残っています。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16435876.jpg
大野の街をあとにして、目指すは一乗谷。
雨脚は強くなるばかりですが、ちっとも苦になりません。

思えば今回の旅は、僕にとってやっぱり
「舞台めぐり」なのかもしれません。
いつもはアニメの舞台ばっかり行ってますが、
今回はゲーム「信長の野望」の舞台。
前述のように僕は朝倉氏が好きなので、
勝山城とか一乗谷とか、ゲームのマップでは
なんども見てきたわけです。
画面上で武将のコマを動かすだけだった北陸や越前の地を、
身をもって自転車で走り、ゆかりの史跡を見て回る……
これはこれでツーリングのテーマとしてありでしょう。
ゲームというとオタクっぽいですが、
歴史小説や大河ドラマに置き換えれば、
普遍的な旅のモチベーションなのかなとも思います。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16493964.jpg
ついに来た。一乗谷朝倉氏遺跡。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16501602.jpg
想像以上に広大な朝倉氏館跡。
土塁や礎石が残るだけですが(あと後代の唐門)
なかなかに見事です。
こうした館や庭園のあとが、小川の左右数kmにわたって続いてます。
戦国時代における城下町の全貌が史跡として
整備されています。率直に言ってすごいです。

信長だろうと秀吉だろうと家康だろうと、
彼らが築いたであろう街並みは
近年の都市化・宅地化で消え去ってますが、
ここ朝倉氏の城下町は保存度、再現度が空前のレベルです。
信長に三日三晩焼き討ちされ、その後も一向一揆などで
荒廃し尽くし、城下町としては忘れ去られ、
長く田畑に埋もれていた越前の都が眼前に復活しているのです。
現代において、朝倉氏は天下とったと
言ってもいいのではないでしょうか。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_16583179.jpg
復元された街並みも圧巻。

梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17301575.jpg
最盛期には人口が1万人を超えていたとか。
現代の東京に住んでる身としては1万人が多いとは感じませんが、
当時は京都、大阪堺に次ぐ大都市だったそうです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17341152.jpg
案内所の一画には、なぜか柴田勝家など
織田方の武将が……。朝倉義景や彼の部将をイケメン化もしくは
美少女化してほしい。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17354771.jpg
模型で再現された一乗谷。こういうの作りたいかも。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17362368.jpg
売店では「越前朝倉氏」大河ドラマ実現を求める署名が。
歌と蹴鞠で天下を救うみたいな、アイドルものはどうでしょう(笑)。
売店に隣接した蕎麦屋で早めの昼食をいただいたのですが、
店の親父曰く、休日には大勢の方が一乗谷を訪れるそうです。
地元でも朝倉氏そのものの人気はイマイチのようですが、
観光名所の史跡としては定着してるようです。
「明智光秀だって10年間もココにいたしの〜」
なんて言ってました。
やっぱり大河ドラマになると、武将の人気は高まるわけだ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17373856.jpg
一乗谷ですっかり満足してから、
のんびりと走りだすと、ほどなくして鯖江に到着。
飛び出し坊やがメガネかけてます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17383967.jpg
昼過ぎには鯖江の駅前に到着したのですが、
ふと見るとα-1があるじゃないですか。
史跡を歩いたことで妙に足が疲れたこともあり、
天気も悪く装備も濡れているので、今日も泊まることに(汗)。
しばらく街を見て回って時間を潰してから、
金沢のそれとは違い、α-1らしい古びた
ホテルにチェックインしたのでした。

●7月1日 鯖江〜奥琵琶湖
朝方まで小雨が降ってましたが、
ホテルをあとにする頃には天気が持ち直しました。
今日も北陸道および北国街道に沿って南下します。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17433128.png
鯖江からどんどん南下し、今庄から
振り返るように北へ向かうコース取り。
これによって、木ノ芽峠と旧北陸本線のトンネル群を
走破するのがこの日のメインテーマです。
走行距離は100kmほど。単に走るだけじゃなく、
見どころを盛り込んだコンテンツ重視のコース設定だと、
自分の足ではこれくらいの距離が精一杯ですね。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17513675.jpg
北陸新幹線の延伸工事が盛大に進んでます。
2022年には福井、敦賀まで伸びるそうですから、
北陸の旅がますます身近になりそうです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17533423.jpg
今庄の宿場町。初代福井藩主である結城秀康が
整備した宿場町は、造り酒屋が多かったです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17551288.jpg
続いて現れる板取宿。越前の南端にあたり、
柴田勝家が整備したそうです。
中山道や東海道の一部にある、いかにも観光地然とした
華やかな宿場町も魅力ですが、北陸道・北国街道の
宿場町は飾らない素朴な雰囲気が魅力かもしれません。
ここまでは勾配も緩く、重装備の
キャンプツーリング車でも余裕余裕……
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_17581329.jpg
板取宿をすぎると、すぐに国道をそれて
今庄365スキー場のゲレンデを上がる激坂へ!
そのまま国道を進めば栃ノ木峠もしくは木ノ芽峠トンネルですが、
ここから向かうのは、いつか越えたかった峠の筆頭、
北陸道の木ノ芽峠なのです。
古来からの官道である北陸道の難所と言われた峠で、
近世になって開削された北国街道の峠が栃ノ木峠です(たぶん)。
狭い範囲に街道の歴史が詰まってます。
しかしまあ、ゲレンデに差し掛かったときは、直登の激坂を見て
軽くめまいがしましたが、途中から林道へ入ると
少しは勾配が緩やかになりました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19184637.jpg
廃業した茶屋の向こうに、
写真で見た木ノ芽峠の茅葺屋根が見えてきました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19195768.jpg
石畳と峠の碑と重厚な茅葺屋根の民家が迎えてくれました。
まさに時代絵巻のような情景が広がる木ノ芽峠。
自分が担当した峠のムックなどで、
京都の先輩サイクリスト・北山さんがいつも
紹介してくれた峠です。
念願かなってやっと訪れることができました。
標高こそ600mほどですが、
上りごたえといい風情といい歴史的な位置づけといい、
文句なしに名峠です。
今さら自分が言うのもなんですが、
多くの方に味わってほしい峠です。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19261894.jpg
豪壮なお屋敷や、かたわらに立つ看板に書かれた峠の由来などを
眺めていると、ご主人と思われる方が声をかけてくれました。
このお屋敷、史跡ではなく、今もご主人が生活されている
現役の家屋なのです。
「築何年だと思う?」
「え〜、ちょっと想像もつきませんが、100年くらいでしょうか」
「ふふ。550年」
「え〜」
「私で20代目」
「え〜」
「もとは平家で、清盛より37代にあたり……」
「え〜」
「飲み物あんのか? 茶でも飲んでけ」
バカみたいな反応しかできない自分を哀れんだのか、
恐れ多くも国宝級のお屋敷に招き入れてくれました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19343136.jpg
囲炉裏に吊るした鉄瓶で
お茶を入れていただきました。このとなりの部屋には、
明治天皇が立ち寄ったこともあるとか……。
(許可をいただいて撮影しました)

電気が通ったのは20年ほど前だそうで、
いまも湯沸しや暖のほとんどを
薪で行っているそうです。
梁などはススで真っ黒。それがまた迫力。
応仁の乱のころに峠にやってきたという
ご先祖様から伝わる物語をうかがいつつ、
しばしホワーっと忘我の境地……。
建物は近年になって一度解体し、組み直したものの、
茅葺屋根を葺き替える職人さんが
少なくなって困ってるそうです。
お話は戦国時代から幕末、そしてご自身の
半生や昨今の国際情勢にまでおよび、
ずいぶんと長くお邪魔させていただきました。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19462605.jpg
「この先へ行ったらええよ」と
教えていただいた道筋で、振り返りながら
お屋敷を後にしました。なんとも貴重な体験で、
なんだから夢のなかのできごとのようでした。
この道筋も、かつての北陸道かもしれません。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19515785.jpg
古道から林道へ抜け、今庄へ戻るように下って行くと
レンガ造りのトンネルが待つ県道に出ました。
これも今日のおめあてのひとつ、旧北陸本線のトンネル群です。
現在の北陸本線は少し東の山中を長大なトンネルで貫いてますが、
それができる前の旧線が今は県道になっているのです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19545730.jpg
トンネルの向こうにまたトンネル。
さほど長くないトンネルがいくつも続きます。
クルマも通る道なので少々怖いですが、
一部に待ち合わせ用の信号もあり、幸いにしてクルマと
すれ違うことはありませんでした。
峠と鉄道は、交通における歴史や技術的な
変遷の象徴的な存在といえます。
そして、両者を存分に楽しめる自転車という
乗り物・移動手段の楽しさをあらためて実感します。

手取キャニオンロード、倶利伽羅峠、一乗谷、勝原園地、
そしていくつもの宿場街と木ノ芽峠に旧北陸本線と
素晴らしい情景を満喫してきた北陸の旅。

ぜひ、みんなにも体験してほしい旅路でしたが、
他人の「楽しかった〜」なんていうレポートは
あんまり面白くないですよね(笑)。
待っててください。もう少しでオチますから。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_19593813.jpg
海岸に出て国道8号を走ると、すぐに敦賀の市街地。
大規模に再開発中で、なんとなく落ち着かず、また例によって
昼過ぎは暑いのでモチベーションが下がって敦賀は素通り。
一目散にキャンプ場を目指します。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_20423626.jpg
ありがとう福井県。
国道161号で滋賀県に入りました。
当初の予定では、その西の林道へ進むはずでしたが、
早くキャンプ地に着きたいという思いが勝って国道へ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_20441827.jpg
海津の交差点で左折すれば、もう琵琶湖です。
ちょうどコンビニがあるので、食材とビールを調達してから、
目星をつけていた奥琵琶湖キャンプ場へ向かいます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_20452502.jpg
木立が多くてハンモック向きな奥琵琶湖キャンプ場。
利用料は2000円と少し高めですが、このエリアの他のキャンプ場は
オートキャンプ向けにもっと高額な設定が多いので、
良心的な金額だと思って選びました。
空きがあれば当日飛び込みOK。
しかも、直火もOKです(やりませんでしたが)。
写真のように模範的と思える状況で設営を終え、
コインシャワーを浴びてさっぱりしてからハンモックに戻ると……
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_20522317.jpg
腰かけた瞬間、見事に破けました。
わずか6回目の使用で終了〜。ストレージなどを含めると
5万円近くしたのに、はかないもんです……。
軽量にふった製品を選んだ時点で、こういうこともあろうかと
覚悟はしていましたが、思ったより早い最期……。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_20550240.jpg
破断部の周辺を見ると、何か所も穴が空いてます。
これでは体重がかかれば、そりゃ裂けるでしょう。

恥ずかしながら喫煙者なので、まず疑われるのはタバコですが、
この前後は確実に吸ってません。
また、ライターを当ててみましたが(どうせダメなので)、
それで開く穴は周囲が黒く溶けて硬くなったので、
やはり熱による損傷ではなさそう。

次に疑ったのは虫除けスプレー。成分が濃いタイプは
衣服などの生地を傷めると聞いたことがあるからです。
これも試しに吹いてみましたが、わずかに生地が変質するように
見えるものの、破けるほどの影響はなさそうでした。

ポケットに入れた鍵やファスナーも損傷の原因にもなりえますが、
鍵は自転車のバッグに入れてますし、ファスナーが着いた
パンツは履いてませんでした。

つらつら思い返すと、設営中にネコを見かけました。
カラスも飛んでました。もしかしたら、自分がシャワーで不在中に
突っついたのかもしれません。
もはや真実は確かめようもありませんが……。

さて、どうしたものか。ビールを飲みながら考えました。
(飲まなければ、移動するという選択肢もあったのだが……)
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21022197.jpg
「これはツエルトだ」と考え、
地面に下ろして使うことにしました。
最初の回で書いたように、防寒のためにスリーピングマットを
持ってきていたので、地面の凹凸は吸収できます。
タープは健在なので、降雨や夜露も防げます。
寝るまでは、衣類を入れたスタッフバッグを
お尻の下に敷けば快適。
(スリーピングマットに座るとパンクしやすい)
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21041658.jpg
このキャンプ場はゴミ袋を提供してくれたので、
それを破断部の下に敷きました。
これでなんの問題もありません。そう思うしかありません。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21082978.jpg
コンビニで買った鶏めしの元を使って炊き込みご飯。
コンビニが近いなら弁当買えば? とは言わないのがお約束。

せっかくのハンモックが大破し、今宵はともかく
明日以降の夜をどう過ごすかが課題です。
なにせ、この旅は種子島に至る7月15日まで続くのですから……。

まず思いついたのは、自宅からテントを送ってもらうこと。
実は、こういう機材トラブルもあろうかと、
テントをはじめとしたキャンプ道具や工具類、
そしてパソコンを詰めたダンボール箱を
自宅に用意してあります。必要があれば家人に連絡し、
翌日もしくは翌々日に予約した宿へ
発送してもらえるように準備済みなのです。

しかし、そのために特定の宿を取るのも
面倒ではありますし、行程に束縛が生まれます。
しかも、翌日は四国・香川の観音寺へ輪行ワープする
予定を組んでおり(都市圏を回避するため)、
そこのお気に入りキャンプ場で
夜を過ごすのがとても楽しみでした。
琵琶湖は全域にわたって鉄道駅が近いですから、
どこから輪行しても京都から新幹線に乗れば、
岡山経由で午前中に観音寺に着きます。
そうしたら、伊吹島に渡って……などなど、
これからも楽しい予定が目白押しなのです。

ハンモックがないならテントを買えばいいじゃない。

奥琵琶湖から京都はすぐ(鉄道なら)。
駅近にモンベルがあるようなので、電話したら
「ムーンライト」の在庫がちゃんとある。

開店直後に行って、買って、再び輪行すれば
お昼過ぎには観音寺だ! なんの問題もない。
数万円の出費など、この貴重なヒマ期間を
有効に生かすためには惜しくもない。

しかも、ムーンライトって一度は手に入れたかった定番テント。
2020年モデルで軽量化も果たしたそうだから、
愛用のヘリテイジ・ハイレヴォには及ばずとも、
十分にバッグに収まりそう。
新色のベージュがいいなあ。短辺に出入り口があるテントって
使ったことないんだけど、どんな感じだろう。
よし、ムーンライトだ。ムーンライトで旅を続けよう。
解決策があるトラブルはトラブルじゃない。
むしろ有縁結縁、

こうして自分の計画に満足し、
かえってワクワクしながら寝に着いたのでした。
幸いにして、ツエルト化したハンモックでも
十分快適に寝ることができました。

●7月2日 奥琵琶湖〜京都
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21275868.jpg
朝食を省いてとっとと撤収。
もうムーンライトを買ったつもりですから、
ハンモック一式はキャンプ場のゴミ捨て場へ(できるかぎり分別して)。
使えるタープやストレージは惜しいですが、
これからの長旅を考えると無駄な荷物ですから。
機会あれば、あらためてハンモックも買おう。

で、奥琵琶湖沿いを少しだけ走って
湖西線の最寄駅、永原へ。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21285019.jpg
7時15分発の京都行きに乗車。
JR西日本では、こういう国鉄型車両をよく見かけます。
JR東日本は味気ないステンレス車両ばかりなので、
かえってうれしいです。しかも、湖西線は高架なので
眺めがいいのです。
どうせ輪行するつもりでしたし、万事順調。京都で朝食だ。

8時半過ぎには京都駅に到着。
モンベルが入ってるイオンが開くのは10時。
駅を出て、どこかでゆっくり朝食をいただけばちょうどいい。
スイカで駅に入ったので、それを収めた財布をポケットから……

財布がない。どこにもない。

湖西線で落としたようだ……。
心当たりは、ないでもない。
ポケットにはメモ帳も入れていて、
モンベルで買うものなどを車内でリストアップしていたから、
メモ帳を出し入れした際に財布がこぼれ落ちたに違いない。

あわてて列車が着いたホームに戻るも、
すでに列車の姿は見えない。折り返したのだろう。

改札の職員に事情を告げると、
遺失物の連絡先を教えてくれた。
まだ9時前だったのでコールセンターが開いておらず、
24時間対応のチャットとやらで
紛失状況を登録する。
(あとで分かったけど、登録できてなかった)

再び改札に行って
「僕どうすればいいですかね」と聞くと、
とりあえず改札を出ていいです、
あとで財布が戻ったら清算してください、とのこと。
また、改札を出たすぐ横に派出所があるので、
そちらへ行くことも勧められた。

派出所へ行って、紛失状況などを伝え、登録してもらう。
見つかれば連絡をするとのこと。

そうこうするうちに9時を回ったので、
遺失物の対応窓口へ電話。さいわいスマホは持ってる。
首尾よくつながったが、まだ該当する遺失物の
届け出はないとのこと。そして、こちらも
見つかれば電話くれるとのことで、それに期待する。

自分が乗った車両が湖西線を往復してるとすれば、
10時くらいには終着駅に着くのではないか?
そこで見つかればいいが……。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_21311245.jpg
京都駅前で時が過ぎるのを待つ。
いい加減お腹が減った。しかし、財布には現金はもちろん
カード類も全部入っており(保険証も)、正真正銘の一文無し。

10時を過ぎてもJRおよび警察から連絡がないので、
これからの身の振り方を考える。

幸い、京都にはお世話になっている自転車店が二軒ある。
どちらも京都駅から10km圏内。このくらいなら空腹でも走れる。

まずその一軒の店主の携帯に電話したけれど、不在。
お店自体は午後からオープンなので、ひとまず諦める。
午後までこの状況で待つのはしんどい。
もう一軒は10時オープンなのでお店に電話したところ、
お世話になっている店主が今日は不在だという。
さすがにスタッフしかいない店舗に乗り込んで
「お金貸して〜」なんて言えないよ……。

意を決し、京都在住の先輩サイクリストに電話。
この日は平日だから、
もちろんお仕事中だろうから迷惑なはず。
でも、一縷の望みを託して……。

「わかりました。上司に外出許可を取って向かいます」

男前すぎる。その人こそ、木ノ芽峠をはじめとして
関西圏のリポートに全幅の信頼を置いている北山さんなのです。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_22002592.jpg
わずか小一時間で救援に現れてくれた北山さん。
本当にありがたく、涙が出そうでした。
そして惜しみなく何万円も貸していただき……
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_22012897.jpg
京都駅で早めのランチまで
ご馳走になってしまいました。

僕は、この歳になってようやく悟りました。
旅において大切なものは、
あれこれの装備や自分の経験などではなく、
頼れる仲間の存在だということを……。
ありがとうございます、ありがとうございます。
梅雨空キャンプツーリング 3/3_d0211129_22040938.jpg
北山さんと分かれて2時間少しのち、
僕はもう東京にいました。
いくら大金を貸して頂いたとはいえ、
(あまりに多かったので、その場で交通費+アルファ以上をご返却)
さすがにクレジットカードやキャッシュカード、健康保険証まで
失って旅を続けられるほど、自分は楽観的ではありません。

こうして、種子島を目指した旅は京都で終わり。
急に帰ってきた自分は、
テレワーク中の妻に「え?」という
驚いた目で迎えられました。


あまりにも竜頭蛇尾、そして自分の甘すぎる失態で
強制終了した旅でしたが、不思議と深い満足感に包まれました。

信越の高原、雨の塩の道、越中の自転車道、
歴史に彩られた北陸路。
そして友情パワー……。

完全な結果論ですが、いま現在、九州をはじめとして
各地が豪雨で大変なことになってます。
進んでいたらどうなったことかわかりません。
被災地の方々には心よりお見舞いもうしあげます。

東京も剣呑な状況になってますし、
旅の続きができるかどうかなんとも分かりませんが、
一週間も旅ができたことに感謝しつつ、
筆をおきます。

ほとんど無駄な長文にお付き合いいただき、
ありがとうございます!



# by cyclotourist | 2020-07-06 23:02 | Comments(4)

梅雨空キャンプツーリング 2/3

こんにちは、田村です。

梅雨時に敢行したキャンプツーリングですから、
やはり雨は避けられませんでした。
もちろん覚悟しており装備も万全ではありましたが……。

●6月26日 白馬〜糸魚川
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_19031000.png
三日目は白馬から北上して糸魚川へ。
距離80kmで獲得標高は850mほどなので、
厳しい上りがあるわけではありません。しかし、
この区間のメインルートである国道148号は
名実ともにサイクリスト殺しとして有名です。
ですので、古来からの「塩の道」を選んでいけば、
クルマやトンネルを避けることができるかも、と考えました。
コース画面で起点から左へ線が伸びてますが、
それは間違えて往復した無駄区間です(汗)。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_19062964.jpg
朝は袋麺でササっと。
ダイソーメスティンは500mlの
容量しかないので袋麺を入れるとキツキツですが、
なんとか作ることができます。
夜半から雨でしたが、タープのおかげで問題なし。
雨天下での快適性は、タープなしのテントより高いかも。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_19072049.jpg
問題は撤収作業なのですが、この日も貸切状態だったので、
屋根付きの炊事棟に移動して、荷物を収納しました。
ハンモックの設営・撤収は、テントより時間がかかりますが、
苦になるほどではありません。
バッグにキチッと収まったときは嬉しいくらいです。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_19095214.jpg
本降りのなか、走り出します。
姫川の増水っぷりが怖い……。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_19120248.jpg
国道を逸れて牛方宿へ。
旧街道に雨は似合うな〜なんて
自己暗示をかけながら、淡々と進みます。
沿道には「塩の道」と書かれた案内板が
ていねいに立っているので、それをたどっていけば
自然と国道を通らないで進んでいける
区間が多いです。もちろん、事前にコースを調べて
ハンディGPSに表示させてはいます。
(それでも道を間違えてますがw)
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11072874.jpg
いい感じのグラベルも現れます。
マキノ号の車輪は700×32Cなので、
このくらいの未舗装路なら余裕。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11083738.jpg
こういうクルマが通れないような道は、
さすがに乗車するのは厳しいです。また、不用意に乗ると
せっかくの泥除けを壊してしまうのは経験済み……。
押し歩きも交えて進んでいきます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11100512.jpg
しばらく進むと国道に合流し、
ちょうど道の駅があったので小休止。
雨は降り止まず、ダムの放水を知らせる
サイレンが鳴り響いてます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11113750.jpg
トレイル系になる区間には、ときおり「自転車進入禁止」の
看板が立てられてました。
押し歩きが混じると時間も途方もなくかかりますし、
塩の道はあきらめて国道の旧道区間を選ぶことに。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11135832.jpg
しかし、閉鎖されているトンネルが多く、
なかば強制的に塩の道へ誘われます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11144350.jpg
石仏群が現れたりして、雰囲気は抜群によいです。
しかし、この雨で足元も危ういですし、
基本的に歩くのが苦手なので、
意を決して国道に戻ります。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11160679.jpg
何度目かの新潟県入り。
県境のすぐ先に長めのトンネルがあるのですが、
その区間は旧道が生きていたので、
そちらで軽く峠越え。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11171796.jpg
緑に飲み込まれつつあるスノーシェッド。
天井が滝のよう。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11181004.jpg
旧道のピーク直下には大仏さまが……。
あたりは廃屋ばかりで、一種異様な迫力。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11191152.jpg
平岩からは旧道区間がなくなり、現国道を行くことに。
県道もありますが、相当大回りで行く気になれません。
濁流と化した姫川にびびります。
いっそのこと大糸線で輪行するかとも思いましたが、
道が下り基調なこともあり、進むことを決意。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11205816.jpg
茶臼トンネル入り口にあった表記は「L=5,777m」
地図で見ると、そんな長いトンネルはないのですが……。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11242928.jpg
スノーシェッドが延々と続き、事実上のトンネル区間。
長さ5777mという表記は決して嘘ではありませんでした。
自転車が走れるような歩道はなく、
路肩も広くはなく、砂利も浮いてます。
32mm幅のタイヤと、明るいテールライトを
信じて疾走します。
ツーリングで全力を出すことはないのですが、
ここだけは懸命に漕ぎました。
おかげでトラックに抜かれたのは2台ほどのみ。
それでも抜かれる瞬間はキュッと心臓が
つかまれるようで、心底こわかったです。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11301558.jpg
小滝トンネルで魔の区間は終了。二度と走りたくない区間ですが、
もう糸魚川は目と鼻の先です。
街外れの公園にキャンプ場があることは確認済みで、
できれば富山県まで進んで入善のキャンプ場を
利用できれば……とも考えていたのですが、
心身ともに疲労した上にずぶ濡れでキャンプしたり
さらに走り続ける気にもならず、
糸魚川でビジネスホテルを取ることにしました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11323046.jpg
糸魚川の街には「牛と牛つなぎ石」の
像がありました。塩の道の起点です。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11340720.jpg
早くも15時過ぎにはチェックイン。
昭和ムードの古いビジネスホテルですが、
雨に打たれないだけで天国です。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11353279.jpg
ウエア一式を洗濯機にほうり込みつつ、
バッグやキャンプ道具も乾燥させます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11363419.jpg
国道148号を無事に通過させてくれたお守りたち。
割と信心深いです。
チャック付きポリ袋に入れておいたのに
湿ってしまったので、しっかり乾かします。

こうして、旅の三日目にして早くも
ホテルで夜を過ごすことになってしまいました。
キャンプ道具を持ってるのに残念ではありますが、
雨なのに無理してキャンプ泊する理由もないでしょう。

●6月27日 糸魚川〜雨晴
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11452380.jpg
四日目、見事に天気は持ち直しました。
糸魚川の街を抜け、ひたすら西へ向かいます。
3年前に訪れた時は、大火の傷跡が目立った糸魚川でしたが、
すっかりきれいな街並みになっていました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_11472109.png
昨日の遅れ(行程の切り上げ)を取り戻すべく、
糸魚川から雨晴まで足を伸ばしました。距離は140kmほど。
親不知の難所を避ける(東から入ると上り基調)ために
山間部に入った区間以外はほとんど平坦です。
ただし、やはり西へ向かうと風向きが悪く、
国道8号を避けて細道や自転車道を選んだこともあって、
期待ほどにペースは上がりませんでした。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16324991.jpg
糸魚川の街を抜けたら、左折して
県道・林道で大平峠へ向かいます。
すると、デンカという企業の巨大な工場群が。
専用軌道もあったりして、威容があたりを圧倒してました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16360383.jpg
工場群を過ぎると、青梅川に沿った爽快な道に。
交通量は皆無に近く、純粋にサイクリングが楽しめます。
この道(県道155号、広域基幹林道橋立・上路線)は当たりです。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16384081.jpg
じわじわと標高700mほどまでアップ。
ピークが近づくと視界が広がり、
遠くに雪渓を抱いた山並みが見えました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16395924.jpg
大平峠に到着。すると眼下に日本海が望めました。
親不知を回避するために選んだ道でしたが、
期待以上のすばらしい峠に出会うことができました。
今後、また峠の本を作ることがあれば、
掲載決定ですね。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16440047.jpg
ディスクブレーキに感謝しながらガンガン下り、
国道8号に合流すると富山県。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16452297.jpg
自転車道の案内があったので、そちらへ。
入り口はごく近年に整備されたようなきれいさ。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16465096.jpg
堤防沿いに自転車道が整備されています。
ただ、まだ整備中のようであちこちで工事区間も。
一般道をおりまぜながら、延々と続きます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16490868.jpg
ほどなくして入善の園部山キャンプ場に到着。
自転車道に隣接してる好ロケーションで無料。
泊まってもいいなと思いますが、宿を早く出たおかげで
まだお昼前。ちょっともったいないですが、
先へ進みました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16510412.jpg
魚津のあたりは「しんきろう」をアピール。
特になにも見えませんでしたが、印象には残ります。
このあたり、スカッとした晴天なら立山連峰も
望めるのですが、自分には見えたことがありません……。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16532180.jpg
滑川のあたりでは自転車道は市街地へ。
すると宿場町風情が現れました。
滑川は加賀藩の年貢米が積み出される港町として
栄えたそうです。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16562429.jpg
富山市に入るとライトレールの終着駅が
自転車道の休憩スペースにもなってました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_16570835.jpg
鉄道むすめが可愛い(笑)。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18193211.jpg
富山新港に架かる新湊大橋。
日本海側では最大級の斜張橋とか。
これで富山市街をパスします。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18202363.jpg
エレベーターで、車道下の歩道へ上昇。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18210284.jpg
長さ500mのプロムナード。
自転車は乗ったらダメで、押し歩きます。
以前訪れた時より窓ガラスが曇っていて、
あまり視界は広がりませんでしたが、
なんとなく非日常的な感覚が味わえます。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18322050.jpg
新湊大橋を降りると、係留されている
海王丸が眼前に迫ります。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18334598.jpg
富山市街を抜けると、狙っているキャンプ場がある
雨晴海岸はすぐそこ。
義経一行が雨宿りしたという景勝地には、
真新しい道の駅ができていました。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18352705.jpg
富山湾に面した雨晴キャンプ場。16時過ぎに到着。
自転車道でアクセスでき、7月と8月以外は無料。
ちょうど土曜日だったので、20張りくらいのテントが
ありましたが、かなり広いキャンプ場なので、
密になるようなことはありませんでした。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18371596.jpg
ハンモックを展開、設営。
身長の2、3倍の間隔で立木があると
いい感じで張れます。地面に凹凸があったり、
傾斜していても関係ないのが
ハンモックの長所ですね。ほかにも3張りほど
ハンモックがあり、流行ってきてるのかもしれません。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18395705.jpg
身軽になった自転車で、近隣のスーパーへ買い出し。
肉も魚も美味しそうです。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18410362.jpg
時間に余裕があって、ちょうど薪も落ちていたので(残置物?)
焚き火もしてみました。あれば楽しかろうと、軽量でコンパクトな
焚き火台「ニンジャファイヤースタンド」というのを
持ってきていたのでした。
自分はあまり焚き火に熱心でなく、冬など暖がほしいときも
網+ペグの組み合わせで間に合わせていたのですが、
さすがに既製品はよくできていて、便利です。
ただ、ここまで出番がなかったことからもわかる通り、
焚き火はキャンプの必需品でもありません。
焚き火を眺めるためにキャンプする、という方も
多いので、このあたりは好みですね。
個人的には、少なくともこの季節なら
焚き火はしなくてもいいかな……。
軽いとはいえ約300gあり、この搭載スペースのために
フォークラックをつけているようなものなので、
次回は割愛するかもしれません。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18471449.jpg
とはいえ、焚き火台があると、なんとなく絵になります。
手持ち無沙汰の時間を潰してもくれますし。
梅雨空キャンプツーリング 2/3_d0211129_18481443.jpg
このキャンプ場は海岸とJR氷見線の間にあります。
ですので、ときおり気動車がゴーッと駆け抜けます。
自分はけっこう鉄道が好きなので、古い国鉄型の
車両がとおるたびに振り向いてしまいました。

こうして、旅の四日目も更けていったのでした。

以下、次回。

# by cyclotourist | 2020-07-05 18:57 | Comments(0)

梅雨空キャンプツーリング 1/3

こんにちは、田村です。

俺のブログ、まだあったんだ……と我ながら思うくらい
放置してしまいました(汗)。

最近はツイッターで短く呟けば
自己承認欲求的なものが満たされますし、
生存報告も兼ねるので便利です。
本に掲載したツーリングは、当然ながら本に記事がありますので、
あらためてブログに記す気にもなりませんし。

そうこうしているうちに2020年も半分終わってしまいましたが、
6月24日から7月2日にかけて、
少し長めのツーリングに出かけてきましたので、
備忘録を兼ねてババッと記しておこうと思います。

いろいろ紆余曲折ありまして、
予定通りなら今も旅を続けているハズだったのですが、
こうしてブログを買いてるくらいなので帰宅しております。

旅のきっかけは、しばらくぶりにまとまった「ヒマ」が
手に入りそうだったこと。そして、
7月15日に種子島でロケットの打ち上げ予定が
あることを知ったことです。

鉄砲伝来とロケットの島、いかにも男心をくすぐる要素がありつつ、
種子島は行ったことがありませんでした。
「ロボティクスノーツ」という
アニメ・ゲームの舞台でもありますね。

6月19日から、いわゆる外出自粛が緩和されます(されました)。
であれば、それ以降に出発し、7月15日に種子島に着くような
ツーリングをしてみよう! と短絡的に考えたわけです。
5月くらいからツラツラ考えていて、
自宅から鹿児島まで自走することも検討しましたが、
そうなると期間内で距離を稼ぐための
平凡なコースしか組むことができません。
3年前に日本縦断した時はそんなコースばかり走ったので、
今度は一日の走行距離にこだわらず、
行きたかった場所、走りたかった道を優先して
行程を組むことにしました。途中で輪行も駆使します。
もちろんキャンプツーリングです。

なるべく初見の道を選びつつ、利用しやすそうなキャンプ場を探し、
走ってみたい道、越えたい峠、見たい史跡などをつないでいったら、
あっという間に24日分のコースができました。
自転車趣味を30年ばかり続けていても、
走ったことがない道ばかりです。
だからこそ、地図や歴史ガイドを眺めながらの
机上旅行も楽しい時間……出かけたくて仕方ない!

信州から越後・越中・越前へ、
琵琶湖に至れば適当なタイミングで四国へ輪行。
そこから九州へ……まさに夢の計画を立てたのでした。

●6月24日 飯山〜妙高高原
仕事の踏ん切りや天気予報の関係で、出発は6月24日となりました。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_14344163.jpg
北陸新幹線で出発。
他県への移動自粛がようやく解除され、
しばらくぶりに輪行できるだけでうれしい……。
まだ浮かれていい時期じゃないのはわかりますが、
サイクリングできることの喜びが勝ってしまいます。

ちなみに、東海道・山陽新幹線では特大荷物に関する新サービスが
導入され、輪行ってどうなるの? と一部で話題になってましたが、
輪行袋は特大荷物に該当しないので、自由席である限り、
これまでと同様に早い者勝ちで車両後端部に置くことができます。
指定席の場合は、荷物スペースも指定したほうが無難でしょう。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_14403291.jpg
長野駅のひとつ先、飯山駅で下車。
梅雨の合間の貴重な晴れ間に恵まれました。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_15025705.png
初日のコース。飯山駅から西へ向かいました。
斑尾高原を抜け、野尻湖に降りてから
妙高高原の笹ヶ峰へ向かうコースです。
笹ヶ峰に当日受付OKなキャンプ場があり、
一度利用したいなあと狙っていたのでした。
距離は60km弱。獲得標高は1800mとなりました。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_15043726.jpg
輪行解除し、旅装を整えたマキノ号。
大型サドルバッグを前提にデザインされたフレーム、
それに合わせて作ってもらった専用バッグ、
そして電動変速とフロントシングル、
スルーアクスルに油圧ディスクブレーキと、
近年の傾向を丸ごと取り入れたツーリング車です。
オーダーメイドによって理想を追求した一台です。

本来はサドルバッグとフロントバッグだけで運用したいのですが、
今回はキャンプ道具をけちらずあれこれ搭載したかったので、
右側フォークにラックと、ステム横にポーチを追加してます。
荷物重量は6kg。軽さを優先すれば3kg台までキャンプ道具を
絞り込むことも容易なのですが、今回は快適なキャンプを
重視してみました。その様子は後述します。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_15162190.jpg
10時過ぎに走り出し、まずは斑尾高原へ。
駅の標高300mほどから1000mまで急上昇です。
よく整備された県道で視界も広がりますが、
それだけに暑い……。しかも、沿道にあると思っていた
コンビニが更地になっていたりして、
まさかの無補給走行を強いられました。なめてました。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_15182573.jpg
新潟県に入ったあたりが斑尾高原のピーク。
平日だからか時節柄か、妙に閑散とした
斑尾高原でしたが、さすがに吹く風が心地よく、
自販機でありついたドリンクが最高に美味かった……。
この日のコースは信越国境沿いにウロウロする感じで、
新潟に入ったかと思えば長野に戻ったり。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17034353.jpg
爽快な下りで野尻湖へ。
湖畔の道は木陰が多くおすすめ。キャンプ場も散見され、
もうココで止まってもいいかなと思いつつ、
せっかくなので予定通り先へ。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17053750.jpg
国道18号に架かる信越大橋は
ちょっと足がすくむので、旧道へ。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17064711.jpg
北国街道の関所が再現されてました。
この先で国道18号に再合流するので、
沿道にあるコンビニに寄って補給食や
キャンプ場での食材を確保しておきます。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17093883.jpg
コンビニの様相も変わりましたね……。
この先、妙高高原の笹ヶ峰までは
小さな個人商店しかなさそうなので、ペンネや袋麺など
キャンプ地での食材を調達。
一方、マストアイテムのビールは、笹ヶ峰キャンプ場の売店で
買えると事前に電話で確かめていたので調達せず。
コンビニがある国道の標高は600mほど。笹ヶ峰は
標高1300mもあるので、ビールを背負わずに進めるのは
ありがたいかぎりです。
自分が必要とするビール量は多いんですよ。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17133005.jpg
スキー場を貫きながら伸びる県道。
キャンプ場には17時までに着かないと受付できないので、
少し焦りながらも淡々と上ります。
天気は下り坂ですが(笑)。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17154780.jpg
首尾よく16時過ぎに笹ヶ峰キャンプ場に到着。
ここから伸びる林道妙高小谷線も狙っていたのですが、
ばっちりと通行止の看板が立っていました。
まだ冬季解除されてないと聞いていたのですが、
現地で明らかに通行止でなければ翌日はこの林道を走って
小谷へ抜けようと考えていたのですが、これでナシに。
もちろん、別コース(戸隠〜鬼無里〜白馬)も
考えていたので、特にガッカリはしませんでした。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17190486.jpg
きれいな芝に適度な感覚で立木があるキャンプ場。
いい感じです。後ほど紹介しますが、今回は
ハンモックテントを持ってきているので、
立木が必要不可欠なのです。この日は他に誰もおらず、
貸切状態。静かな夜を過ごせそう。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17202833.jpg
受付をしようと管理棟へ。
このキャンプ場は休暇村の付帯施設です。
しかし、入り口にカギがかかっており、誰も出ません。
どうしたものかと辺りを見回すと、
裏手で何か作業している方がいました。
こんちは〜と声をかけると、
まだ開業準備中で誰もいないとのこと。
だから、タダでキャンプしてよいです、とのこと。

売店は? 売店は?
「もちろんやってないです。誰もいないですから」

え〜!? 数日前に電話した時は、
ビール買えるって言ってたじゃん……。

この時の絶望感は大きかった。本当に大きかった。
だって、ビールが買えそうな店は遥か手前、
標高差600mの下界です。体力的にキツイのはもちろん、
買いに戻ったら日か暮れる時間になってしまいます。
ビール背負って、真っ暗な道を上り返すほどの根性はありません。

少し戻ったところに高原牧場のレストランや
山小屋がありましたが、まだ休業中……。
いっそのことキャンプをやめて、
下界に宿を取ろうかとも思いましたが、
ようやくたどり着いた素敵なキャンプ場を
手放すのも悲しい。

こうして、中学生以来となるであろう、
アルコールなしキャンプを敢行することに。
幸か不幸か食材は買ってありますから……。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17303648.jpg
今回持参したハンモックテントは、カモックというメーカーの
マンティスULという製品です。
三鷹のハイカーズデポで薦められて購入しました。

実は、外出自粛期間中にコレで一度キャンプしてます。
それは仕事がらみだったので人目を忍びつつ決行したのですが、
今回はそうした縛りもなく、心置きなくハンモックの
居心地、寝心地を試すことができます。
ありがたくて涙が出ます。しかし、ビールはない……。

マンティスULの重量は1kgほどで、
春夏用の寝袋と同じくらいのボリューム。
ここにハンモック本体、タープ、バグネット(蚊帳)、
ツリーストラップなど必要なアイテムがすべて入ってます。
しかし、ビールはない……。

ちなみに、左に写ってるメスティンは、
一部で話題(?)のダイソー製メスティンです(500円)。
一合炊き用なので、本家(トランギア)のメスティンより
ひとまわり小さいのが気に入って起用しました。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17364858.jpg
設営するとこんな感じ。
タープを前に下ろすと開放感が薄れるので、
眠るまでは後ろへかぶせておきました。
(ポールがあれば、前を高くもできます)
前述のようにタープ初心者なので、テントに比べてどうなのか、
それを実感するのも今回の旅の目的でした。
しかしこの時は、ビールなしで夜を過ごせるのか、
寝付くことができるのかが不安で不安で……。

かれこれ30年近く、健康診断の前夜以外は
晩酌を欠かしたことがないですから(汗)。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17415172.jpg
お腹は減ってますので、ささっとペンネとウインナーを茹で、
ペパロンチーノの元をまぶして食べます。
ここにビールがないのが本当に悔やまれ、悲しく、落ち着かず……。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17430824.jpg
前へもタープを下ろし、就寝モードに。
テントのように「家」に入った感が薄く、
非常にスースーします。それが魅力でもあるのですが、
さすがに標高があるだけに涼しく、
寝袋のロフト(かさ)が潰れる背中が冷えます。そこで、
念のためにと持ってきていたスリーピングマットも敷いて
寝袋に包まりました。寝心地はなかなか素晴らしく、
ここまでの疲れと相まって、ビールなしでも
20時には寝付くことができました。

俺ってビールなしでも大丈夫な人なんだ、
アルコール依存症じゃないんだ、という大きな発見を得ました。
金輪際かんべんしてほしいですけどね(笑)。
やっぱり、日本酒やウイスキーなど、少量でも
酔えるお酒を携行するのが無難かもしれません。

●6月25日 妙高高原〜白馬
4時過ぎには目が覚めましたが、
寝付くのも早かったので目覚めはよかったです。
やはり、時々は酒を抜くべきなのかもしれません(汗)。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_17572814.png
二日目はこんな感じで白馬へ。
距離は90kmほど。重めのキャンプ装備と外出自粛明けの
たるんだ自分の足では少々欲張りな距離ですが、
スタート地点の標高のおかげでだいぶ楽ができました。
本来は、林道妙高小谷線で西へダイレクトに抜けたかったのですが、
潔くあきらめて、戸隠〜鬼無里〜白馬へ。
このあたりは何度も走っているので、
その安心感が疲れをおさえてくれますね。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18004690.jpg
笹ヶ峰高原からの下りは、輝く野尻湖が印象的。
雲は厚いですが、降らないだけ上々です。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18031688.jpg
戸隠から軽く上り返して大望峠へ。
アルプスの展望地なのですが、雲しか見えません……。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18500382.jpg
鬼無里の定点観測ポイント。
都会育ちの自分でも、こうした農村風景を見ると
ほっとします。日本人の遺伝子でしょうか。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18511586.jpg
そして嶺方峠へ。やっぱり雲ばかりでしたが、
心の目にはアルプスが輝いてます。10回は訪れてますからね。
いつも見れるわけではないからこそ、
絶景には価値があって尊いのです。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18542194.jpg
するする下って白馬のキャンプ場へ。
白馬グリーンスポーツの森という、複合施設の一角ですが、
とても清潔で利用しやすいです。料金は1000円で、
近隣の入浴施設で使える割引券もいただけます。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18561609.jpg
設営を終えてからお風呂、さらにAコープへ。
Aコープは地元食材が豊富だから好きです。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18574075.jpg
昨日は粗食でしたので、肉をガンガン焼きます。
が、アルミ製のメスティンは焦げ付きやすいことでも有名です。
そこで、今回はバーベキュー用のグリルマットを用意してみました。
耐熱の樹脂シートです。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18585986.jpg
効果絶大。
梅雨空キャンプツーリング 1/3_d0211129_18592861.jpg
肉とエリンギ(どちらも信州産)を交互に焼いて、
ビールを流し込みます。至福のひととき……。

夜半から、とうとう雨が降ってきました。
この季節ですから、致し方ないと覚悟も装備も
備えていたつもりでしたが、
翌日はかつて経験したことがないほどの
試練が待ち構えていたのでした。

以下、次回。

# by cyclotourist | 2020-07-04 20:18 | 製作中 | Comments(0)

冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜

こんにちは、田村です。

無事に終えることができた道北キャンプツーリング。
それを支えてくれた自転車や装備のあれこれを
一気に紹介したいと思います。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_14450614.jpg
モノを選び、使って、印象を確かめることが、
走ることと同じくらい大好きです。
記録しておけば、自分にとってかけがいのない
資料にもなります。

読者さんの参考にもなれば幸いですが、
基本的にすべて自分の備忘録みたいなもので、
要は「個人の感想」です。
自分(田村)の選択と経験が正解、なんて
決して思わないでくださいね。

●自転車
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_14522493.jpg
3年前くらいに購入したメルクスのグラベルバイク、
ストラスブール71です。
当時これを選んだ理由は、オルトリーブの
でかいシートパックを付けるため。
スローピングが強いフレームなのでシートポストが長く出て、
大柄なシートパックがしっかり付くのです。
特に変わった特徴はない自転車ですが、
アルミフレームなので乗り味がシャキッとしており、
さまざまなタイヤに対応できるので重宝してます。

シマノからグラベル用コンポGRXが登場した昨今、
それを採用した新モデルに買い換えたいと
思っている今日この頃ではありますが……。

バッグはオルトリーブで統一してますが
(フロントはアクセサリーパック)
この写真を撮った後に、ドイターの小さなフレームバッグを
追加してます。

雪道を走るのであれば
MTBという選択肢もあろうかと思いますが、
自分が所有するMTBは26インチでVブレーキという
化石仕様なので、あえて乗る機会がありません。
ノキアンの高価な26インチ用スパイクタイヤも
持ってるんですけどね……。

フロントライトはノグのPWRパワーマウンテン、
テールライトはキャットアイのUSB充電タイプと
単四タイプをひとつずつ装着。

あとは、ボトルケージの位置をシマノの
ボトルケージアダプターを使うなどして調節し、
最終的にはシートチューブ側に自転車用サーモスを、
ダウンチューブ側に小さなツールボトルを入れて
フレームバッグのスペースを確保しました。

こんなふうに、旅立つ半月前くらいから、
バッグを付けたり外したり、荷物を入れたり出したりして
感触を確かめました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15015619.jpg
今回あらたに追加したのが、フォーク左右のラック。
とんでもなくデカい冬用の寝袋を吊るすためです。
せっかくなので左右に付け、右に寝袋、
左にテントやシートを収めました。

このメルクスはフォークにダボ穴(アイレット)がないので、
トピークのヴァーサケージに付属する
アダプターを使っています。
固定力は問題ないですが、一週間くらいすると少し緩むので
増し締めしてます。
なお、右のケージは、より太い荷物に対応する
サルサのエニシングケージを付けています。

かなりボリュームが出るので、停車ポジションだと
右の膝が寝袋に触れますが、走行中は問題ないです。
また、寝袋もテント類もかさばる割には軽く
(約1kgちょっとずつ)、
ハンドリングへの影響は見た目ほど大きくないです。

そして、いちばん大切なのがスパイクタイヤ。
シュワルベのマラソンウインター700×40Cです。
これが準備時点でどこも品切れで(問屋さんも)
困っていたのですが、輪友が貸してくれました。
持ち主曰く、雪道はダメだけど凍結路面はOK、
とのことでした。

一本1kgを超す重さがあるので軽快さは薄れますが、
これなしで走るのは除雪路面(たいてい凍ってる)
であっても難しいので、
マストアイテムといえます。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_00431309.jpg
積雪5cm以下なら凍結路面でも
危なげなく走りきったので(一度も転んでないです)
実用性は申し分ないです。ただ、ほかのもっと高額な
スパイクタイヤに比べてどうかはわかりません。

●ウェア
今回の北海道ツーリングにおいて、
自転車やキャンプ道具より何倍も重要なのが
身につけるウェアです。
いわゆるサイクルウェアですと、冬用とうたっていても
0℃対応くらいの製品ばかりですので、
頭を悩ますところです。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15185214.jpg
肌に触れるインナーは上下ともモンベル。
上がメリノウールで、下が化繊の製品です。
メリノと化繊を分けた理由は特にないのですが(汗)、
メリノのほうが保温性に優れるものの(たぶん)
すぐに破ける印象もあるので、下は化繊にした気がします。
いずれも、いちばん厚手のタイプ。

結果的に、上下とも申し分ない印象でした。
下は、サドル・肌とのスレが懸念されましたが、
三泊四日で一日100km以下を走るくらいでは
へんな痛みを覚えることはありませんでした。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15215278.jpg
インナーの上に着た薄手のフリース。
いつ買ったとも記憶にないほど古いノースフェース製。
これで上半身に寒さを覚えることなく、暑くもなく、
ずっと着たままでしたから、
ちょうどよい保温力だったと思います。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15232659.jpg
インナーおよびフリースシャツの上に、
ゴールドウインの冬用サイクルジャージ上下を着用。
サイクルウェアから撤退してしまったゴールドウインですが、
0℃に対応する本格的な製品を出しており、
冬のブルベなんかで愛用していました。
防風性と保温力が、サイクルウェアとしては群を抜いてます。
自分にはややゆとりのあるサイズ感だったので、
下にフリースを着ても問題なかったです。
欠点はかなり重いことでしょうか。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15255445.jpg
ジャージの上に、
ステムデザインのウール製ニッカを重ね着。
これを履くとお腹と膝が冷えないので
冬場のツーリングでは長年愛用してます。
いったん濡れるとなかなか乾かないので雨天時は着れませんが、
その心配がない天候・気温なら心強い存在です。
また、体のラインを隠してフツーっぽい格好になるので、
輪行も気兼ねなくできます。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_19162607.jpg
アウターです。
ジャケットは何年か前に買った、
ファイントラックのエバーブレス。
独自の防水透湿製素材を使っていて、
ゴアと違って伸縮性があるのが気に入ってます。
自転車の姿勢では少し袖が短いのですが、
後述するグローブで袖をカバーできることと、なによりも
目立つ色のジャケットを着たかったので、
今回は起用しました。
最新のゴアテックスシェイクドライ採用モデルに比べると
若干蒸れる気もしますが、低温下では
むしろ保温力として評価できる気がしました。

パンツは、モンベルのレインウェア、
ストレッチレインパンツ。これも伸縮性があるので、
ゴア採用モデルよりお気に入り。長年使ってます。
全日程、雪が降っていたので、結局は
ずっと履いてました。

そう、これらは三泊四日、基本的に着たままでした。

冬以外のキャンプでは、サイクルウェアの着替えに加え
キャンプ中のウェアも別に持つほど
ケッペキショウの自分ですが、
今回のような厚手のウェア類をもうワンペア持つほどの
余裕は、バッグスペース的にも金銭的にもありません。

汗をダクダクかくなんてシーンは皆無でしたし、
機能素材のおかげで気になるコトもありませんでした。
トイレは毎回ウオッシュレットを使えましたし(宗谷岬でも)。
あえて言えば、四日間お風呂にも入ってません……。
まあ、いいじゃないですか。自分が気にならなければ。

帰宅して、娘にそう言ったら
「ギャー」と叫んで離れていきましたが(笑)。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_19554134.jpg
各種防寒アイテム。
ゴールドウィンの腹巻きは、着脱が容易で便利。
これも今回はほとんどつけっぱなし。

バラクラバはネオプレーン生地を使ったもので、
かなり保温力があるタイプ。
雪が吹き付けるシーンで着用しました。
ただ低温下でも息がこもって蒸れるので、
雪が止んだ時は、ゴールドウィンの薄手ヘッドキャップに
代えました。

再びバラクラバに代えると、
息で濡れた口元が凍ったりしてましたが、
すぐに溶けました。
赤いのは、カンパニョーロの
ヘッドキャップ兼ネックウォーマー。
おもにテント内で使用。
バラクラバだと飲食が難しいので。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_20020516.jpg
とても重要なアイテムがグローブ。
左が走行中に着用したもので、今回のために新調した
ブラックダイヤモンドのソロイストという
厳冬期登攀用グローブ。マイナス25℃対応は伊達ではなく、
指先までまったく冷たさを感じませんでした。
ただし、細かい作業は非常にやりづらいです。
慣れないうちは、ヘルメットのバックルすら
留めることができませんでした。

右上は、0℃対応のパールイズミ製グローブ。
晴天の上りなど、熱がこもるシーンを想定して
持参しましたが、結果的に出番なし。
右下はモンベルのメリノウールインナーグローブ。
テントの設営中や、カメラをいじったりする時、
そしてテント内で着用。風が吹く屋外では寒く、テント内なら
軍手でもいいんじゃないかという微妙な存在ですが、
欠かせないことは間違いありませんでした。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_20075628.jpg
足元です。
ここも耐寒性能が重要になるパートです。
左端はショートスパッツ。
レインパンツとシューズの上に被せると、
雪の侵入を防いでくれます。
当初、さすがにコレは要らんだろうと思ってましたが、
雪中ランの先輩に勧められて採用。
たしかに走行中は要らないのですが、
自転車を路肩に止めたり、
テント設営時にずぼっと積雪にハマることもあったので、
役立ってくれました。
つけ外しが面倒なので、走行中も常に
つけたままでした。

時計回りに、パールの0℃対応(たしか)シューズカバー、
ノースウェーブのSPDシューズ・ラプターGTX、
そして右下がウールの極厚ソックスです。

本来、厳冬期で雪を考慮するなら、
トレッキングシューズ+フラットペダルが
ふさわしいだろうなとは思います。
昨冬はそれで陣馬形山へ行きましたが、
やはり走りにくかったのが悔やまれたので、
今回は防寒性に一抹の不安を抱えても
SPDシューズ・ペダルを採用しました。

ノースウェーブのSPDシューズ・ラプターGTXは
マイナス3℃〜プラス15℃まで対応という、
同社のウインターシューズでは
入門(?)クラスのモデル。
これより低い気温に対応するモデルもあるのですが、
かなり高価ですし、厳冬期しか使えないシューズというのも
あまりに汎用性がなくて贅沢な装備なので、
コレを買ってました。

もちろん道北での使用には不安があるので、
パールのシューズカバーを併用し、
厚手のソックスを履きました。

結果的に、マイナス7℃くらいでも
「少しつま先が冷えるかな」くらいで
問題なく過ごすことができました。

シューズカバーは着脱が面倒ですし、
歩くと先端がずれたりしますが、
なんとか手持ちのアイテムで
補った……という感じです。
シューズカバーの裏にホッカイロを
貼ったりもしましたが、効果は
薄い印象でした。
再び冬の北海道へ行くなら、
マイナス10℃対応という
最上位モデルが欲しいところです。

●キャンプ道具
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_15124894.jpg
バッグに収めたキャンプ道具や防寒着も
さまざま吟味しました。
写真左上の厚手フリースは割愛し、実際には
フリースブランケットを採用しました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_22524967.jpg
クッカーやバーナーなど調理器具関係です。
スノーピークのアルミ製ラーメンクッカーに
エバニューのチタンカップ2サイズを入れ込み、
そこにプリムスの小型バーナーと、
固形燃料で必要になるゴトクや
プレートを収めました。
ほかのもろもろは、
高さ違いの風防、軽量テーブル、スポーク(スプーン兼フォーク)、
まないた、水筒、マルチツール(ナイフ)、
調味料といったところです。

結果的に、ガスカートリッジが
現地で入手できたこともあり、
固形燃料は使いませんでした。
テント内での調理が多かったので、テーブルや
風防はなくてもなんとかなりました。
水もペットボトルで買ったので、
(野良キャンプでは炊事棟なんてない)
水筒(プラティパス)も要らなかったですね。
すべて今回の結果論なので、状況が異なれば
役立つシーンもあるでしょう。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23024414.jpg
ツールボトルに収めた予備チューブ(2本)、
お守り(大事)、クッキングペーパーとトイレットペーパー、
ポンプと携帯工具、輪行用品一式、
鍵、予備のライト、予備の電池、アミノバイタル、
ミニ三脚、トートバッグ(緑)、吸水タオル(青。サイスポ誌の付録)。

こうしたチマチマした持ち物が
スペースと重量を押し上げるのですが、
あれば安心な物ばかりなので、今回は削れませんでした。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23064491.jpg
収納式のトートバッグは、カモシカスポーツ(登山用品店)の
会員証代わり(!)のエコバッグなのですが、
かなり大きくなるので、輪行時に外したサドルバッグや
フォークラックに付けた荷物、まだ身につけない防寒具の
持ち運びに役立ちました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23091961.jpg
テントに入ったら着るダウンウェアたち。
モンベルのダウンジャケットとパンツ、
イスカのテントシューズをフル装備。
いずれもそれなりにかさばりますが、
運動による発熱が期待できないキャンプ中は
欠かせません。これらを着たまま寝袋で寝ました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23134984.jpg
携帯リュックとスタッフバッグ。
前者は買い出しで増えた荷物の一時収納用。
セコマで食材を買ったらコレに入れて運び、
翌朝、それらから出たゴミも入れ、セコマで
「昨晩買ったものなんで」と伝えて
捨てるまで役立つわけです。

スタッフバッグは
外した防寒具(アウターやグローブ)を入れて、
寝るときの枕にしてました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23190726.jpg
やっと大物の紹介です。
左から、寝袋、銀色のはマット、
グリーンは厚手のエマージェンシーシート、
赤いのは大ぶりなペグ、それを収納する袋、
黄色い筒がエアマット、テントポール、テント本体、
その下はフリース素材のブランケットです。

寝袋はイスカのエア630EX。
マイナス15℃対応をうたう冬山登山用の製品です。
重量1kg以上でボリュームもあり、
今回のバッグ内に収めようがないので
フォークラックに固定しました。
これにスッポリ入ってジッパーを閉めて
フードをかぶると、外気温マイナス7℃、
テント内でおそらくマイナス3℃くらいは
余裕でした。熱がこもりすぎて、夜半に
ジッパーを開けることもあるくらいでした。

ただし、天塩の夜は、これでも寒さを感じました。
着込んで入っての印象なので、
なにをもってマイナス15℃対応なのかは
よくわかりません。

テントには、中にエマージェンシーシートを敷き、
その上に薄手の銀マットを重ねて敷きました。
関東での冬キャンに銀マットを持ち出すことは
ないのですが(かさばるので)、
今回は底冷えを防ぐために持参。
寝るときはエアマットに乗るので
要らないといえば要らないのですが、
それまでの間、テント内で飲み食いするときに
お尻や足が冷えにくいので助かりました。
エアマットに座ると、パンクの原因になりますから。

そのエアマットは、いつも愛用してる
ニーモのテンサーインシュレーテッド(旧モデル)。
180cm長タイプなので、自分の身長(171cm)なら
頭から足先までカバーしてくれます。
今回も十分な保温力を発揮してくれました。
空気で膨らますタイプなので、
破損(パンク)が心配ではあります。
これの空気が抜けると、とても寝てはいられないので、
そうした不安を解消できる
フォームタイプ(壊れようがない)の
マットがもたらす安心感も魅力ですが、
収納時の小ささを考えると
エアマットを選んでしまいます。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_00552543.jpg
テントは、個人的に昨年のベストバイだった
ヘリテイジのハイレヴォ。
完全自立式でダブルウォールで、
設営が簡単なドーム型でありながら
コンパクトで1kgを切る重量に涙ぐみます。
はっきり言って最高……と思っていたのですが、
冬の北海道では寒かったです(汗)。

軽量化のため、レインフライの丈が短めで、
本体出入り口のパネルにメッシュ部が固定されているので、
(パネルが一枚のみ)
風がスースー通ります。
換気という意味ではよいので
夏〜晩秋は快適だったのですが、
今回は裏目に出た感がありました。
生地が薄いので、ポールを入れる際も引っかかりやすく、
そんなことはこれまで気になりませんでしたが、
強風下でグローブをして設営・撤収してると
イライラすることも……。

もちろん、もろに風が入らないだけで
保温性はありますし、薄々の生地で細いポールでも
強風に耐えてくれました。
設営・撤収に手間取ったのも、自分の不慣れではあります。
なにより、この小ささ・軽さなので、
課題はあれども次もコレを持っていくと思います。

フリースブランケットを持っていくなんていう、
オートキャンパーみたいなこと(?)は初めてでしたが、
フォークラックを使えば収まるので採用。
テント内での座布団やひざ掛けとして
ずいぶん役立ちました。
まあ、なくても困りませんが、
今回のような平坦コースなら重さは
あるていど許容できるので、
スペース的に携行できるなら
ありだなとは思いました。
冬の北海道キャンプツーリング〜装備編〜_d0211129_23554120.jpg
まだあんのか! と我ながら思いますが、
これが最後。

いつも身につけるバッグは避けるのですが
(一時使用の携帯リュックは別として)
今回はウエストバッグを常用しました。
おもにカメラと補給食を収めるためです。
いつもはむきだしで肩がけしてるカメラですが、
雪が降ったらまずかろうということで。
実際、ほとんど全行程で雪まみれになったので
使ってよかったです。

ここにヘッドランプやクリーム、スマホ関係、
モバイルバッテリーなどを収めました。
モバイルバッテリーは重いので、走行中はフロントバッグに
入れることも多かったですが、
最近は飛行機に乗る際にモバイルバッテリーは
手荷物にしないと引っかかるので(預けられない)
その意味でもウエストバッグが役立ちました。

帰宅後、荷物をばらけさせないうちに、
そしてウェアなどは洗濯後に干して
取り込んだときに、
ばばっと撮影して思いつくままに
書いてみました。

本と違って、ブログは字数制限がないので
書くのが楽ですね〜。
お金をいただくような文章ではないので
思いつくまま書いても許されるでしょうしw

いずれの装備も、違う機会に使えば
印象も違ってくると思います。
暑さ・寒さの感じ方は個人差が
大きいのは言うまでもありません。
あくまで自分の備忘録です。

冬の北海道で自転車キャンプしようという
奇特(!)な方がいれば、
先にリポートした実践編と併せて、
ほどほどに参考にしていただければ幸いです。



# by cyclotourist | 2020-01-08 01:06 | おしらせ | Comments(4)