こんにちは、田村です。
今日は嶺方峠(白沢峠)へ行ってきました。
シクロツーリストに大人気の、トンネルを抜けると
北アルプスがば〜んと姿を現すという、あの峠です。
長野と白馬を距離45kmほどで結ぶ、国道406号線です。
ここ一年で三回目の訪問です。
今日は絶好の快晴に恵まれました。時期的に
雪化粧した北アルプスは望めないものの、
暑くもなく、寒くもなく、最良のツーリング日和でした。
で、なぜ訪れたというと……
某Hカメラマンの輪行サイクリングデビューのお供です。
奥様手縫いというフレームカバーがニクい!
『シクロツーリスト』誌のスタジオ系撮影を
一手に引き受けるカメラマンです。TOEI写真集も
氏の事務所がすべて担当し、百台を越える名車を
撮影してもらいました。
しかし、最新の撮影機材を揃えることと、ジャズと酒にしか
興味がなかったH氏。自転車の撮影中も、二言目には
「こんなのがいいのかね〜」と、門外漢ならではの
発言を繰り返して僕を冷や冷やさせていたのですが、
ここ数ヶ月、ようやくランドナー系旅行車の
魅力に目覚めた様子。僕のトーエイランドナーを
なかば強奪するように借り受け、ご自宅近所で
乗り心地を確かめていたらしいです。
そして、「どっかサイクリング行こうよ」と
言うまでに開眼し、それならば、と僕が選んだのが、
長野〜白馬の嶺方峠コースなのでした。
50歳代のH氏。これまでサイクリングの経験は皆無。
そんな氏のデビューに、距離が短く勾配が緩いとは言え、
峠まじりのコースを選んだのは、
僕がまた走りたいコースだからと言う理由はもちろん、
ちょっと辛い思いをさせてやろう、という
いたずら心があったのは事実です。
美人エディター田中真理さんの
輪行サイクリングデビューもここでした。
(『シクロツーリストVol.1』を読んでね)
オタク的エディター安井の
輪行サイクリングデビューもここでした。
(『シクロツーリストVol.2』を読んでね)
あるていど走りなれたサイクリストからすれば、
鼻歌まじりで越えられる癒し系の嶺方峠。
その標高は1100mほどで
しかも長野駅がすでに400m近い標高があるので(たしか)、
まあ、あんまり偉そうなことを言えるほど
脚力がある僕ではありませんが、
軽い峠越えです。
とはいえ、経験が浅いサイクリストにとっては、
登りが続くだけで辛いのは事実。実際、
30歳代半ばの安井は、途中から自転車を降りて押す始末で、
さんざんだったのです。
輪行の収納&組み立てもおぼつかないしね。
しかし! 某H氏は「見れば分るじゃないすか」と
フォーク抜き輪行も軽々と事前にマスター。
意気揚々と長野駅から走り出します。
ほぼ10km地点かな?
遠く山の合間に北アルプスが顔を出す
裾花大橋にて。
長野駅から、ちまちまアップダウンがあり、
僕の少ない経験でも、まったくの初心者は
けっこう疲れるはず。でも、H氏は平然……。
貴重な商店・自販機ポイントにて。余裕の表情。
田中真理さんの真似(『シクロツーリストVol.1』参照)
安井の真似(『シクロツーリストVol.2』参照)
平坦なところは、おおむね時速20kmで
僕が優しく先導したのですが、平然とついてきます。
ちょっと悔しくなって、時速25kmペースにしても、
なかなかちぎれません……。僕が辛いので
すぐにペースを戻しました(笑)。
鬼無里(きなさ)にある「旅の駅」で昼食。
ソバに舌鼓を打つ、余裕のH氏。
ほんとにサイクリング初めてかよ〜!?
鬼無里の集落を抜けると、
いよいよ本格的な峠道の始まりです。
勾配が緩いとはいえ、絶景が待つ白沢洞門までは
登りの連続。
僕は淡々と登ります。自分のペースでないと
かえって辛いから。しかし、H氏は余裕で
付いてきます!
どこで覚えたのか、
レーサーのようにドリンクを飲むH氏。
結局、鬼無里の集落の外れから、
一度も休むことなく峠へ。田中さんも安井も、
なんどか休んだのになあ……。
なんなんだ、その余裕たっぷりの笑顔は〜。
「だてにフリーのカメラマンを何十年もやってないすよ」
「ほんとに二人はへばってたんですか?」
「気合いの問題ですね」
「あ、田中さんには言わないでね。安井さんには言って」
恐るべし、Hカメラマン……。
白馬まで下りに下り(下りでも離れないし…)、
ちょうど新宿直行の1438「あずさ」に乗りました。
これだけの走行距離で帰るのはもったいないけど、まあ、
下手にクルマが多い国道を走るのも避けたいということで、
輪行です。しかし、その輪行も余裕のH氏。
僕が手伝いする必要なし。
「こんぐらいじゃビールがうまくないすよ」
う〜む、おそるべし50歳代フリーカメラマン。
うまそうに飲んでるけどね。
まあ、H氏はかなり例外的に走れる方だと思いますが、
ツーリストのデビューに年齢は関係ないのだなあと、
あらためて思った今日一日でした。
「あずさ」のなかで、早く僕のトーエイを返してよ、
自分のを買いなよ、と迫ったのは言うまでもありません。
(H氏と僕の身長はほぼ同じだけど、僕より脚が長い…)