こんにちは、田村です。
先の週末は、2年振りくらいにブルベを走ってきました。
仲間と走るフレッシュだけは毎年走ってるのですが、
レギュラーなブルベ(BRM)は本当にごぶさた。
数年前から自身のブルベ熱がだだ下がり状態で、
最近はバイクパッキングでキャンプツーリングという
新たな芸風にハマっていたこともあり、
ブルベと縁のないサイクリングばかり楽しんでましたが、
仲間が主催する200kmブルベが新潟県で
開催されることになり、スタッフとして
参加してまいりました。
ブルベ当日をスタッフとして過ごすと、
走ることができませんから、前日に試走という名目で
走ることが許されています。
だから、ブルベといっても
一人寂しいサイクリングではあったのですが、
ひさびさに「楽しい!」と思えるブルベを体験しました。
なんといってもコースがよかった!「BRM917東京200 新潟棚田」と銘打つだけあり、素晴らしい棚田風景が待っているのでした。広い新潟県の南部を舞台にしたコース。越後湯沢をスタートして、まずは上越(直江津)まで。そこから海岸線を進んで柏崎へ。
前夜祭に合流したいなと。
200kmのブルベは13時間半以内に完走すればいいので、
それを2時間もくりあげて走りきるのは
今の自分には少々荷が重く思えましたが、
そんな目標があったほうが、道中の緊張感が
切れないだろうとも思いました。
国道17号をしばらく走り、国道353号へ。
途端にスノーシェッドが連続する峠路になります。
うわ〜と軽くビビりますが、勾配は8%どまりで、
先日の伊豆のように10%以上が連続する激坂はありません。
32Tのギヤにすがり、淡々と上ります。
いくら時間的な目標があるとはいえ、オーバーペースは
絶対に禁物なのです。
骨折してからというもの、ダンシングを避けていたのですが、
今回は解禁。もちろん、加速のためではなく
ストレッチのようなダンシング。
おかげで、疲労が減ったと思います。
そして、50km弱で本コースのハイライトである星峠へ。
ちょうど実りを迎えた棚田が一望できました。
文句なしに素晴らしい光景でした。
水を張ったばかりの季節にも訪れたいなあと思わせます。
8時半くらいに到着したので、かなりよいペースです。
アップダウンは多いコースなのですが、信号が少なく上り勾配はほどほど、
下りは線形がよくスピードを出しやすい区間が多いので、
思いのほか時間が稼げました。
ブルベで峠というと、情緒も達成感も乏しく、
ただただシンドイだけ……という刷り込みがありましたが、
今回のコースは実に嫌みがなく、癒されます。
まるで北海道のような平坦で直線的な道で上越へ。
風向きはいまいちでしたが、気持ちよく距離が稼げます。
街中に入ると、上杉謙信のイラストが。
春日山城が近いのです。大昔、春日山城を訪れ、
実地調査(?)に基づいて模型を作ったことを思い出します。
上越のコンビニが通過チェック。本来、制限時間があるのですが、上りが多いコースなどでは
制限時間を設けない場合があります。
もちろん、通過の証明にレシートは必要です。
おにぎりをふたつ買い、ひとつはその場で食べ、
もうひとつはポケットに突っ込んで速やかに再スタートします。
通過チェックに到着した時点では、
平均時速が20kmを超えてました。
これなら前夜祭に間に合うだろうと確信しつつ、
ここから海岸線に出るので、風向きがよければ
10時間くらいで完走できるんじゃなイカ? と
高望みが芽生えます。
しかし、弱いながら向かい風で失速(汗)。上越〜柏崎は海岸に近い国道8号を進むのですが、要所要所で県道レベルの道に入るよう指示されており、国道のえぐいトンネルを避けるようになってます。そんな区間では絶景も現れ、よく考えられたコースだなと関心しながら走りました。
3ヶ月前の日本縦断で目にした光景もあり、
速度は稼げなかったものの楽しい時間を過ごせました。
眼下に青海川駅を望める場所も。柏崎から内陸に入り、高柳へ。雰囲気のよい街が点々と現れ、飽きません。今回、通過チェックやPC以外では
止まらないと決めていたので通り過ぎるだけですが、
それでも風情ある街があると癒されます。
160kmほど走って松代のPCに。やはり、上越〜柏崎で速度が出なかったので、
平均時速は19km台に下がりました。
目標の前夜祭には余裕で間に合うだろうと目処がつきつつも、
10時間切りをめざすのはキツイとも分かり、
コンビニで少し長居しちゃいました。
けっきょく、走行速度より、停止時間が
平均速度を下げちゃうんですよね……。
コース終盤は往路と共通なので、安心感があります。
アップダウンの目処がつくので、気も楽です。
結局、10時間40分ほどで湯沢に戻りました。
まあ上出来です。一年前は松葉杖生活でしたから、
ここまで回復すれば御の字です。
コンビニでだらだらしてるうちに、
翌日の本番に備えて参加者やスタッフも到着。
左のひときわ大きな御仁が、本ブルベ主催の
ばっきーさん。新潟県ご出身であり、
その土地勘と郷土愛を込めた
ブルベ開催なのです。
赤いウェアはトシさん。よくキャンプを共にしてきた
ツーリング仲間ですが、今回が初ブルベ参加です。
こうして試走という名の一人ブルベが完了し、
いったんホテルに戻ってさっぱりしてから
湯沢駅前の焼肉屋で仲間と合流。
それはそれはうまいビールをいただき、
ほとんど前後不覚でタクシーでホテルに帰ったのでした。
明くる日曜日がブルベ本番。
台風の接近が報じられ、DNF(参加取りやめ)の方も多めでしたが、
なんと晴れ間も見える空模様に恵まれました。
そして、15名ほどが200kmの旅路へとスタート。
スタッフ3名は、クルマで上越まで巡回。
運転免許のない自分は後席で伸びてるだけという
大名旅行です(汗)。
クルマはなんて速いんだ〜と驚くばかり。
昨日は寄らなかった「日本一うまいトコロテン」。
箸一本でいただくのが、このあたりの流儀らしいです。
しかし、昨日の自分は時間が惜しくて寄らなかったのですが、
ブルベ走行中の半数の方は寄ってましたね。
その余裕に驚くばかり。
上越の通過チェックに続々到着する参加者たち。
みな口々に、コースの走りやすさを伝えていました。
健脚揃いというのもあるのでしょうが、
やはり信号が少なく、凶悪な峠や農道を
組み込んでないコースはいいものだなと実感。
ここで全参加者を見送った我々は、
上越で買い物や昼食を楽しんだ後、
ひと足早く湯沢に戻ってゴール受付に備えました。
上越で買ったプラモデルを組みながら(汗)ゴール待機。一緒にニッパーも買ったのですが、これがかなり優れ物で、
ゲートから部品を切り出すのが快感。
三条で作られているスリーピークス技研の
プラモデル用ニッパーです。
小一時間で完成。塗装なしでボリュームのある
フィギュアが簡単にできるとは、バンダイ脅威の技術力。
すごい時代になったものです。
そうこうするうちに(つまり、スタッフとして何もしてない。汗)
参加者が戻ってきました。
やはり9時間台で続々ゴールしてきます。おそるべし猛者たち。
トシさんも無事にゴール。
よく一緒に走っている方なので、
初ブルベとはいえ、ほとんど間違いなく完走するだろうとは
思ってましたが、実際に完走を見届けると
我がことのようにうれしく思えました。
そして、なんとすべての参加者が無事に完走。
決して易しくはないコースでありながら
(易しいブルベはないというのが定説ですが)
100%の完走率というのは驚きました。
一部で雨に降られたものの、
トラブルも皆無だったようです。
こうして、大勢で後夜祭まで楽しんでから
家路についたのでした。
自分も試走とはいえ完走できたこともあり、
ひさびさのブルベ体験は思いのほか楽しいものでした。
こんなコースならまた走りたいなと
思わせてくれました。