こんにちは、田村です。
ここのところ、天候がめまぐるしく変わりますね。
初夏のような陽射しが差したかと思えば、
冬のように冷たい雨が降り注いだり……。
季節の変わり目を実感する今日この頃ですが、
自転車の機能やバッグなど装備の
雨天耐性を試すには最高のシーズン……かもしれません。
そんな先日、今年二度目の
大洗キャンプを楽しんできました。
新しく買ったアイテムがあると、
怪しい雲行きでも、走る気になるのは
我ながら苦笑を禁じ得ません。
JR常磐線で輪行し、土浦駅に降り立ったのは9時少し前。
共にバイクパッキング道を探求する
トシさんと集合し、一泊二日のキャンプツーリングに出発です。
9時という、少し遅めの時間に集合したのには理由があって……
土浦の駐屯地が、9時半から
開放される日なのでした。
駐屯地の見事な桜を眺める機会なのですが、
残念ながら小雨が降っており、来場者はまばら。
駐屯地にあるコンビニを物色したり……
展示されている車両を見学。
これは、ガルパン劇場版で一気に知名度が
上がったと思われる軽戦車、M24チャーフィーです。
M4シャーマン。
ちょっと前まで強敵だった戦車を貸与され、
我らが陸自で使うことになるとは……。
当時の隊員はどんな想いだったのでしょうか。
99式自走155mmりゅう弾砲という、
比較的新しい装備も。試作車とのこと。砲身がなが〜い。
三式戦車は、あいかわらず
さりげなく鎮座しておりました。
茨城地本の自衛官募集ポスター。
3人娘の「アイピース」(空のひばり、海ののばら、陸の小梅)
だそうです。
なんだかワルキューレっぽい?
資料などの展示館では、このポスターが
無料で頒布されていて、
かなりお持ち帰りしたかったのですが、
搭載スペースに余裕が少ないバイクパッキング仕様なので
涙を呑んで断念。雨だしね……。
そう、雨なのです。
土浦駐屯地を小一時間で辞して
再び走り出しても、一向に雨は止みません。
予報では、時と共に上がるハズだったのですが……。
霞ヶ浦の南岸を回り込むように走って
大洗をめざすコースへ。
今回は、往路・復路とも、トシさんがコースをプランニング。
トシさん、昨年は30回も大洗を訪れたという、
もはや「大洗に帰ろう」の達人です。
自分は霞ヶ浦の南岸を経験したことが
ほとんどないのですが、最近になって
自転車道が再整備されたようです。
走りやすいのですが、例のごとく向かい風基調。
そして止まない雨なのです。
トシさんに撮ってもらった一枚。
カメラが濡れてなにがなにやら……ですが、
雨天が予想されたので、さすがに
完全雨天装備を身にまとっております。
(この時、レイングローブだけ外してます)
最近は、その軽量・コンパクトさが便利で、
モンベルのU.L.サイクル レインジャケットというのを
常用しているのですが、本格的な降雨だと
心もとないことが判明。
独自の防水透湿性素材を使ってるとのことですが、
撥水性は低いし、一時間もしないうちに
裏地までしっとり浸水してきました。
汗による濡れではなく、明らかに染みてる感じ。
やはり、以前から使ってるゴアテックスの
サイクル レインジャケットのほうが優秀でした。
今年から新色も加わったようだし、買い替えようかな……。
ざぶんざぶんと波打つ湖面。
向かい風含みの横殴りの風に
翻弄されながら、のたのたと霞ヶ浦南岸を進みます。
思わず休んで一服したくなるけれど、
休むと濡れはじめたウェアが冷えるという、
まことに心細い状況。ここ最近の自分なら、
もうとっくに輪行モードにチェンジですが、
実は今回、雨に見舞われたのが少しうれしくもあり……。
ほぼ完璧な防水性を発揮するオルトリーブのバッグ。
それが実感できただけでうれしい(笑)。
しかし、濡れてベルト類が緩むのか、または
内部の荷物が圧縮されてたるむのか、
だんだんバッグが下降してくるのが気がかり。
やはり、もう少しベルトの位置や内部のプレートなどを
加工する必要がありそう。
しかし、この額面最大容量16.5Lのサドルバッグに
キャンプ道具のほとんどが収まるのですから、
よい時代になったものです。
フロントのアクセサリーバッグ。
今回はレインパンツ、レイングローブ、シューズカバーの
収納スペースにしたので、それらを着用した状態では
カメラと、土浦駐屯地で買ったお菓子などが入ってるだけです。
こちらも防水性は完璧ですが、ロールアップで開くので、
やはり出し入れはやや不便ですね。
左右をロールアップするアピデュラなどの
フロントバッグよりは格段に開けやすいですが。
トシさんも自分もディスクロードなので、
シューとリムの削りかすが混ざった、
あのドス黒い雨垂れの汚れが発生しないのはうれしいところ。
制動力の低下もほとんど感じられず、
雨天での安心感は、やはりディスクブレーキの
大きなメリットですね。
しかし、なかなか雨は上がらず……。
霞ヶ浦を離れ、北上をはじめると
風向きは割とよくなったのですが、それだけに、
雨雲を引き連れて走っていたのかも……。
結局、鉾田を過ぎて涸沼あたりに
至るまで振り続けられ、コース終盤で
ようやく雨が上がりました。駐屯地の見学時間を除いて、
5時間くらいは降られ続けられたわけで、
とんだ自転車(のテスト)日和だぜ……。
ほぼ距離100kmを走って、
大洗に到着したのは16時40分頃。
何度訪れても、ここで写真を撮ってしまいます。
アウトレットモールからは、
「まいわい市場」の看板が撤去されてました。
近隣の施設に移転するとか……。
泥水やチェーンオイルで
すっかりハードな汚しが
施されてしまいました。
黒い自転車でも意外と汚れが目立ちますね。
受付終了の17時間際に、
ようやくキャンプ場に到着。
ほっとして、やれやれという感じでツェルトを設営。
地面はびしょびしょですが、水はけはよさそうです。
トシさんもツェルトを採用。
自分のはファイントラック製、トシさんのはモンベルです。
トシさんは、地面にエマージェンシーシートを広げて
その上にツェルトを置きますが、自分はツェルトのなかに
エマージェンシーシートを敷いてます。
ツェルトの汚れやキズを防ぐ意味では、トシさんの敷き方が
有効だと思いますが、外部からの浸水を抑えるには
自分の敷き方が適していると思います。どうなんでしょう?
もっとも、もう雨は降りそうにないので、ひと安心です。
大洗温泉に入ってサッパリ。
夕方以降、500円とリーズナブルな
料金で入浴できます。
入浴後、うすやさんに寄って
いつものように揚げ物を大人買い。
近くの山郷ちゃんの酒屋さんでお酒も調達し、
もう何も怖くない状態でウキウキとキャンプ場に戻ります。
布切れ一枚でも、我が家は我が家。
居場所がちゃんとあるっていう安心感は、
自宅や宿泊まりと同じかそれ以上のものがあります(笑)。
いざ宴会モードへ。
いつもは徹頭徹尾ビール派の自分ですが、
寒そうなので日本酒も用意。
トシさんの調理器具は、
メスティンという長方形のクッカーと固形燃料。
燃焼皿は、プラモでおなじみ「万年皿」という
面白いチョイス。
自分も同じように湯沸かし。
先日のブログで紹介した固形燃料用の
器具を駆使……結局は、熱燗してるだけですが(汗)。
ガルパン唯一の悪役(?)、文科省のお役人が
ラベルに描かれた日本酒を湯煎するのは、
なかなかに倒錯した喜び……。
オートバイでいらっしゃってる
キャンパーさんが合流し、ほどほどに賑やかな
宴会が続きました。
なんでも、アーティストが演奏する楽曲を
音符に起こすという仕事をしているそうで、
世の中にはいろんな職業があるんだなと感じ入りました。
自営業なので、しょっちゅう大洗でキャンプしてるそうです。
なんだかどこかで聞いた話だ(汗)。
21時にはツェルトに入り、
シュラフに潜り込んで就寝。
自分のツェルトは狭いので、なかに入ったら
寝るだけです。しかし……寒い!
酔いの勢いで寝付いたものの、なんどか目が
冷めてしまいました。あげく、骨折した左足が
寒さのせいで痛み出す始末……。
今回、もう春だろうと勝手な思い込みで、
気温7度前後対応の、比較的コンパクトなシュラフを
選んできたのですが、これが大失敗。
やはり、冬用のを持ってくるべきでした。
この晩は、おそらく気温3度くらいまで冷え込んだでしょう。
2月にキャンプした時は、ちゃんと0度帯対応の
シュラフを持ってきたので、そのくらいまで気温が
下がってもぬくぬくでしたが、
今回は寒さを舐めてました。しかも、マットが短くて
足先が出てしまうのも寒さに拍車をかけました。
やはり足先を温めたいので、マットを動かし、
必然的にシートについてしまう肩のあたりには
スタッフバッグなどを敷いて過ごしました。
ついに輪行袋を広げて
シュラフの足先を突っ込みました。
昔から「輪行袋はいざとなれば寝袋になる」みたいな
記事が散見されましたが、あんまり効果ないですね(汗)。
こんなことをゴソゴソしてる間に、なんとなく
体が温まって、再び寝付くことができましたが、
やはりシュラフをケチっちゃあイカンなと身に染みました。
今回はじめて使った軽量のエアマット(ニーモ・テンサー)は、
長さはともかくとして、
その保温力や体の収まり具合は良好でした。
なにはともあれ夜明けを迎え、
朝食と撤収作業を同時進行。
もろもろの具材でパワーアップした
チキンラーメンをいただきます。自分の場合、
結局はこの程度しか調理しないことが多いので、
固形燃料で十分だと実感できました。
トシさんのゴトクが不安定そうだったので、
ふとした思いつきで自分のエンド金具をお貸出し。
これがメスティンにジャストフィット。
我々は賢いのです!
風防も兼ねそうな形状なので、
もうこれでいいじゃん? という話になりました。
実践を繰り返すと、いろんな発見があるものです。
二日目は晴天。
朝日を浴びながらサイクリング開始です。
大洗から西進し、筑波連山の
北にある峠エリアを越えて
石岡に出るという渋いコース。距離は90kmほど。
「軽量なバイクパッキングなら、峠も走らなきゃ」という
トシさん。男前なのです。
北関東の平野には、
北海道を思わせる爽快な道が表れます。
垂れ下がってくるサドルバッグ。
荷物を詰め直したりして、タイヤとの
クリアランスを保ちます。やはり、この手のバッグは、
自分のロードのようなホリゾンタルフレームとの
相性がいまいちであることは否めません。
スローピングフレームか、トシさんのルーベのように
シートステーの位置が低いフレームデザインのほうが
フィットさせやすいです。
そのほうがバッグも前下がりにできるので、
安定感も増すように思われます。
標高500mほどの一本杉峠まで
ヒイヒイ言いながら上ります。
どんな峠も飛ぶように上ることができた
あの頃が懐かしい……そんな時はなかったか(汗)。
一本杉峠を過ぎて稜線に出ると、
パラグライダーの発着場が表れます。
木々がはらわれ、ストーンと視界が広がり、
その高度感には足がすくみます。周辺が真っ平らな平地なので、
500mほどの標高でも驚くほどの見晴しが広がります。
茨城の峠には、信州とはまた違う魅力があります。
なんにせよ、久々の峠越えはやっぱり良いものです。
ここのところの仕事生活で心中に溜め込んだ
負のオーラが消えていくようでした。
麓に降りたら、恋瀬川サイクリングロードなどを
伝って石岡駅へ。さくっと輪行してそれぞれの
家路についたのでした。
茨城のような平地メインのエリアは、
いろんなコースが考えられるので、
目的地は同じ大洗でも、
毎回いろんな景色が楽しめるのが魅力ですね。
今回の一泊二日で、我がバイクパッキングの改良点や
装備の適否にあらためて気付かされました。
次回はもっと快適なキャンプ旅を実現できるはず……
そんな伸び代を感じることができ、実践できるのも
バイクパッキングという新しいスタイルの魅力だと思うわけです。
ちなみに……
輪行が楽しいサイクリングを味わうための手段に過ぎないように、
(決して輪行それ自体が目的じゃない)
バイクパッキングも、キャンプツーリングを快適に楽しむための
手段のひとつです。そこを勘違いしてしまうと
単にデカいバッグを付けたヘンなロードバイク乗りに
なってしまうので、
気をつけたいと思います(自省、自省)。