こんにちは、田村です。
遅まきながら、オルトリーブの
バイクパッキング用バッグを導入しました!
昨秋に登場してから、バイクパッキング用の
本命か? と期待していた製品です。
前回ブログで紹介した装備軽量化・省スペース化も、
オルトリーブのバッグをより効果的に
使うためなのでした。
まずは、装備(荷物)の見直しを続けます。
前回、固形燃料を使うことで、調理器具(クッカーなど)の
軽量化・省スペース化を図ったわけですが、
結果はいまいち。しかし、ふと気がつきました。
もうガスカートリッジが不要なので、
それを収めることができるのが長所だった
胴鍋型の縦長クッカー(写真左)を使う必要は
ないのでは? と思い至りました。
そこで、以前から使っていた
ユニフレームのアルミ角形クッカーを
ひっぱり出してきました。これは、大小の角鍋が
セットだったのですが、小さいほうだけを使います。
エバニューのチタン製カップを
入れてみました。
角鍋に丸い鍋を入れるのはヘンかもしれませんが、
きれいに収まりました。
カップで湯を沸かす際に必要となる
(固形燃料の限られた熱量を活かすために)
フタをアルミ板で自作。
市販のちゃんとしたフタだと、カサが出て
角鍋に収まりきらないのです。
真鍮線で取っ手も付けました。
ほとんど模型工作の世界(笑)。
これで、400g強あったクッカー一式の重量が、
384gになりました。微々たる違いですが、
角形にしたことでバッグに収めやすい形状・大きさに
なった……ような気がします。
続いて、100円ショップの
燃料をテスト。これが使えれば、
旅先での燃料調達に困らずに済みそうです。
エスビットだと6個で600円しますが、
100円で3個入りと安いですし。
お米を一合炊いてみます。
きれいに炊けました。
燃料は半分くらい燃やせばいい感じ。
エスビットより安くて燃焼時間も長いという、
すばらしい結果です。
お米の炊き方にはいろいろノウハウがあるかと思いますが、
30分くらい浸水させておくことと(水は一合あたり200ccちょっと)、
火を消した後、10分くらい蒸らすのがポイントだと思います。
別途、チタンカップで湯を沸かせば
お味噌汁やスープも同時にいただけるので、
それなりに文化的な食生活が実現できそうです。
続いて、輪行用具一式をシェイプアップ。
輪行袋の本体はSL-100です。
SL-100付属のストラップは薄くて使いづらいので、
いつもはL-100付属のものに換えていたのですが、
SL-100付属に戻します。少し不便でも、ここは軽さを取ります。
タダのヒモでも要は足すのですが、あんまり
切り詰めると、みすぼらしくもなりそうなので……。
あと、サドルカバーを割愛。これで30g減少。
縦型の場合、サドル後端が地に着くので、
汚れやキズを防ぐためにサドルカバーを常備していたのですが、
輪行の時だけコンビニ袋など被せておけば問題なさそうです。
そして、エンド保護金具にはめるシャフトを、
塩ビパイプに交換。135mmで切ったので、スペーサーも不要です。
これで10gくらい軽くなりました。
なお、エンド保護金具本体はオーストリッチのアルミ製です。
マルトなどの樹脂製に換えると5gくらい軽くなります。
これも持ってるのですが、使用時にずれることが
多い印象なので、アルミ製を継続使用します。
これらによって、420gあった重量を
351gまで減らすことができました。
こうして、キャンプに必要な装備を
自分なりに最適化しました。
テントの代わりにツェルトを採用した時点で
大幅に軽量かつコンパクトになったのですが、
新しいバッグを使う前提として、
まずは装備をもう一回、見直した次第です。
ちなみに、
LEDランタンを自転車ライトで代用することも考えましたが、
安全装備の貴重な電源を別の用途で消費するのも
不安だったので、LEDランタンは引き続き持つことにします。
ナイフ(ビクトリーノックス)は、魚肉ソーセージを切るくらいしか
使うことがありませんが、なければないで
不便なこともありそうなので、持つことにします。
そして、これらを収めるべく導入したのが……
オルトリーブのシートパックとアクセサリーパックです。
シートパックは公称最大容量16.5リットル。
重量は456gで、価格は21,500円。
これまで使っていたアピデュラのバッグは
公称最大容量17.5リットル、重量は400g、
価格は17,399円。
つまり、オルトリーブのシートパックは、
少し小さくて少し重くて少し高価という、
スペック上は微妙な位置づけです(汗)。
アクセサリーパックは、本来はハンドルバーバッグ用の
アタッチメントなのですが、単体でもハンドルに装着可能。
公称容量は3.5リットル、重量は200g、
価格は9,000円です。
今回、このふたつは、ベロクラフトさんで
現物を確かめてから購入しました。
(以前、サイスポ誌の取材でも触れましたが)
バイクパッキング用のバッグは、オルトリーブに限らず、
その多くがMTBでの使用をメインに考えて
デザインされているように思います。
だから、比較してシートポストの出代が小さい
ロードバイクやツーリング車では、装備しづらいことが
非常に多いと思います。
そこで、自分の自転車に装着可能かどうか、
店頭での確認が欠かせません。
そして、オルトリーブのシートパックは、
自分のキャノンデールCAAD12ディスクに付けるのは、
かなり難しいことが分かりました。
付くことは付くのですが……。
同社のハンドルバーバックも自分のハンドル幅には過大で、
左右ロールアップなので付くことは付くのですが、
せっかくの容量が活かせないなら、
アクセサリーバッグだけでいいかな、と判断した次第。
じゃあ、満足に付かないシートパックをなんで
買ったんだという話ですが(汗)、
ひとつは、調整次第で付くかも知れないこと。
次に、どうしてもロードに付かなければ
MTBで使えばいいと考えたこと。
そして最後にして最大の理由は、デザインと信頼感が魅力で、
単純に欲しかったから、です(笑)。
ぶっちゃけ、今まで使っていたアピデュラのセットから
フレームバッグを除けばいいのですが、
オルトリーブも使ってみたかったのです。
アピデュラもカッコいいと思ってますが、
やっぱりオルトリーブならではの、見るからに
上質で堅牢な作りは魅力です。
オルトリーブ(下)とアピデュラ。
オルトリーブは細身で前後に長く、
アピデュラは全体的にボリューミー。
シートポストをベルクロで巻きつつ、サドルのヤグラ下に
ストラップを通すという装着方法は
どちらも共通です。
愛用しているアピデュラ。
サドルバッグ先端の形状が
自分のCAAD12ディスクのシート集合部形状と
抜群にフィットします。まったく偶然ですが、
シートポストの出が短いせいもあって(汗)
シートステーで下からバッグを支えるような案配になって、
安定感が向上しているように思えます。
オルトリーブのシートパック。
かろうじて吊るせますが、
シートポストに密着せず、ベルクロが上手く巻けません。
根本的にシートポストの出が足りず、シートステーに
つかえてしまう状態です。
店頭で試したので分かっていましたが、
バッグの前側に樹脂製のプレートが入っているため、
それがつっかえてしまうのです。
買った以上、これで諦めるわけはありません。
あくまで自己責任で、と念押しするのも無粋ですが、
さっそく改造に着手します。
内部プレートやベルトを外します。
オルトリーブのバッグは、縫い目をなくして
本体を完全防水にするためか、
各部にビス留めが多用されてますが、この
シートパックも例外ではありません。だから、
このようにバラバラにすることができます。
プレートは1mm厚くらいの塩ビ版のような素材。
シートポスト側のベルトとバックルは、
アルミ製の台座に固定されていました。
この堅牢な作りは流石といったところですが、
軽さや柔軟性という面ではマイナスでもあります。
プレートの前側を大胆に
切り落とします。
自分のシートポスト長やフレーム形状に
合わせて変形、成形すればベストですが、
とりあえず、干渉しないことを優先。こうすれば、
どんな形にもフィットします(無理矢理ですが)。
シートポストの下側の
ベルトも切り落としました。
巻けるほどシートポストの長さがないですし、
荷重を受ける場所でもないです。二本あっても、
振れ留めの効果も限定的だと思います。
だったら、一本でいいかと。
我ながら思い切りました。
おかげで、48gも
軽くなりました。それで良いのか、という
突っ込みもあろうかと思いますが(汗)、
さっそく装備を収めてみます。
まずはシートパック。
シュラフ以外の大部分を収めます。
今回、ワンセットの着替えも入れてみます。
着替えは、ひとつのスタッフバッグには入れず、
あえていくつかに分けることで、バッグに生じる
デッドスペースを埋めるように突っ込んでいきます。
クッカーが矩形になることで、やはり収納しやすく
なったように思います。
他の装備はたいてい筒型ですが、大小の違いを考慮して、
細い先端部から広い後部まで満遍なく
詰めていきます。この手のバッグは、内部に
大きな隙間があると、吊るした際に形を
保てず(この点、サイドバッグは適当でもいいのが長所?)、
見た目も悪いし、揺れやすくなります。
後部をロールアップした際に、
パンパンになるように詰めていきます。
フロントバッグには、シュラフと
荷物が増えた時に使う
ポケッタブルリュックを入れただけです。
実際は、もう少し細々とした物を入れそうですが、
フロントはなるべく軽くしたいところです。
キャンプ仕様の場合、前後左右のバッグに
荷物を分散するのがセオリーでもありましたが、
こと走行性能に関していえば、前が重くて
いいことはないと思います。
荷物重量が10kg以上とかになる場合は、
前側にも分散せざるを得ないと思いますが。
なお、このアクセサリーバッグは上部のロールアップなので
走行中は無理でも、自転車にまたがったままで
荷物の出し入れができるのが魅力です。
ようやく、フロントバッグを付けることで得られる
「使い勝手」というメリットも生まれそうです。
当然といえば当然ですが、バイクパッキングでは
左右ロールアップで、単なる筒のような
割り切ったバッグが多用されているので、
やっぱり普通に上から出し入れできる
バッグはいいなあと思いました。
フレームバッグは使わないと決めたので
(今回のオルトリーブ仕様では)
大きめなゼファールのツールボトルを用意。
チューブ交換用具一式や最低限の工具類、お守りに加え、
LEDランタンとナイフも入りました。
いよいよ、新たなバイクパッキング仕様、
「改」の完成です。
まったくフツーに見えませんか?
キャンプ仕様には見えないと思いますし、
もはや「バイクパッキング」と、ことさら強調する必要も
薄れるほど、さりげないスタイルに見えると思うのですが、
どうでしょうか?
バッグもフレームもホイールも黒いので、
よくも悪くも地味? でも、それがいい!
キャンプツーリングといっても、僕が楽しむのは
基本的に短期ですし、たとえそうでなくても
わざわざ日本一周してるテイをアピールしたり、
なんかアドベンチャーしてるような感を出したり、はために
そう思われるようなスタイルは、もはやちょっと
恥ずかしいなと思うわけです。
装備の軽量化・コンパクト化と、それに見合ったバッグを
使うことで、さりげないキャンプ旅が
できるなあと期待しております。
総重量は13.38kgになりました。
着替え(700g以上!)を搭載してこの重量ですから、
上出来ではないでしょうか。
実際は、充電器具や虫除けをさらに積むので、
プラス1kgぐらいにはなるでしょうけど。
シートパックは最大容量にせず、
かなりロールアップすることができました。
改造のお陰で、シートポストにも密着。
懸案の固定具合ですが、自転車を揺らせば
バッグもそれなりに揺れるものの、許容範囲と思われます。
アピデュラより少し揺れ幅が大きそうですが、
このあたりや、改造による影響は
実走してからリポートしたいと思います。
そうです、天気のいい日は、こんな自転車&バッグいじりよりも、
本当は走りにいきたいものですね。
近々、この装備・仕様で
キャンプツーリングを実践したいと思います。
貧脚を補ってくれるか、夜は快適に過ごせるのか……
楽しみだな〜。