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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

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大菩薩峠

こんにちは、田村です。

ひさしぶりに「山サイ」してきました。
目指したのは、大菩薩峠です。
同名の時代小説で有名なので、
ある意味、舞台訪問サイクリングかも?
しかし、さすがに中里介山は読んだことがありません(汗)。
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ルートはこんな感じ。
大菩薩峠は、甲州の塩山と、東京最西部の奥多摩を
結びます。
走行距離は55kmくらいになりますが、そのうち、
登山道は6kmくらい。
現在は、柳沢峠が両地域を結んでますが、
江戸時代は、大菩薩峠が街道だったとのこと。
昔の人はスゴいですね。
今の大菩薩峠はハイキングコースですが、
「山サイ」のコースとしても定番で、
1991年に発行された名著『MTBツーリングブック』(山海堂)では
中級コースとして紹介されています。
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思いっきり平日の木曜日、
塩山駅に降り立ちました。
降水確率ゼロ%の晴天予報が、背中を押しました。
天気予報を見てから旅立ちを決めるという、
ヒマな自営業ならではの行動です(汗)。

塩山駅に到着したのは7時49分。
池袋から始発に乗れば、もう20分ほど早く着くのですが、
それだと4時台に家を出ないとならないので尻込みし、
5時に出て乗ることができる
電車を選んだ次第。なんにせよ、
この季節はもう日が短いですから、早めに走り出さないと……。

「え〜、塩山から走るんか……」と、
ベテランの方は嘆きそうですね。
塩山駅から走り出すと、裂石という国道・県道分岐地点を経て、
登山口の入り口である上日川峠まで、
激坂の連続となります。
ふたつ新宿よりの甲斐大和駅から上日川峠を
めざしたほうが、少々距離は伸びても効率的です。

前述のたいへん男らしい名著では
「塩山から裂石まではバスで体力の消耗を避ける」
とありますし、
我らがバイブル(?)、『シクロツーリストVol.10』の
上日川峠の紹介記事でも、
「厳しいだけなので登りにはお勧めしない」
とあります。これは、自分より速くて経験豊富な
Nさんご執筆の記事なので、間違いない内容です。

じゃあなんで、キミは塩山スタートにしたのかと
言いますと、特に深い考えも計画もないのですが……
二十年前の自分が、塩山から裂石を経由して、
大菩薩峠を訪ねているのです。
かなり記憶があいまいなのですが、
裂石にある雲峰寺を見学したことは覚えています。

雲峰寺は、戦国時代の武田氏の遺品(孫子の旗とか)が
保存されている古刹で、当時ハタチくらいの自分は
ゲームや小説の影響で武田勝頼(信玄の跡継ぎ)に
ロマンを感じていたので、見に行ったんです。

そんなわけで、過去の自分を見つめ直し、
今の自分と向き合うために、塩山から
走ることにしました。
今も昔も、動機が中二病的です(笑)。
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今回の愛機はアンカーのMTBです。
駅の北口で、輪行袋をほどきます。
5月の王滝以来、ほとんど乗ってなかった
MTBの出番を作りたかったのも、
大菩薩峠をめざした理由のひとつ。
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タイヤやサスなどは、王滝を走った仕様のまま。
あいまいな記憶でも、本の情報でも
大菩薩峠越えで担ぎはなさそうですが、
念のため、ボトルケージは外してきました。
かわりに、ハイドレーションパックを背負うことに。
その荷室とサドルバッグに、
レインウェア一式と長袖ジャージ、輪行袋、ライト類、
補給食などを収納しました。

シューズの選択は少し迷ったのですが、
舗装路の登りが多いことと、登山道でも
担ぎなどはない(たぶん)と思われるので、
走りを優先してSPDシューズとしました。
本来は、トレッキングシューズ+フラットペダルが
無難だとは思います。
自分は「山サイ」の経験が少ないので、装備など
あんまり参考にしないでくださいね。

さて、8月に訪れた塩山は、気温40度に届くかという
猛烈な酷暑でしたが、この日は気温15度ほど。
日陰にいると寒さを感じるほどで、
季節の移ろいは早いものです。
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駅を後にして青梅街道に出ると、
すぐにコンビニがあります。
ここで水とおにぎりを購入。
水は1.5リットルほどをハイドレーションに入れ、
残りはその場で飲みました。
荷物を詰め直したりしていると、
あっという間に時刻は8時半に。
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青梅街道をそのまま北上すれば
裂石に至るのですが、国道だけにクルマが
やや多いので、住宅地を並走する県道に入ります。
「一葉のみち」とあります。樋口一葉の両親が、
塩山に住んでいたそうです。
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裂石の分岐に着いたのは
9時40分。
覚悟していたとはいえ、いきなり激坂が続くので、
足が悲鳴を上げました。
塩山駅の標高は400mほど。裂石は900mほど。
距離9kmほどで500mも上がるので、
道中の勾配はしばしば10%を越えました。

勾配や距離にはあまり関係なく、
10分の走行で100mの標高を稼ぐのが、
登りにおけるマイペースだと思ってましたが、
今年はそれが発揮できないようになってきました。
悲しいことですが、フィギュアばかり作ってる報いですね(汗)。
10分100mというペースは、
サイクリングならまあまあのレベルでしょうか。
数字のキリがよく、所要時間の計算が楽なので
重宝していたのですが、
今後は見直す必要がありそうです……。

なにはともあれ、裂石の分岐で自販機休憩。
平日だからか、茶店にひと気はありませんでした。
トイレで用を足してから、いよいよ上日川峠へ向かいます。
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県道に入ると、すぐに
雲峰寺の参道が現れます。
さすがに今回は寄りません。
昔の自分は、こんなシンドイ登りのあとに、
よくお寺を見学する気になったものだ……。
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ほどなくして人家が途切れ、
木立のなかを進みます。
ときおり、ハイカーらしき人を乗せたタクシーが通りますが、
交通量は非常にすくないです。
県道に入ってからもぐんぐん登りますが、
勾配に緩急があり、足と息が楽になる場所もあります。
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数百メートルごとに、
距離案内が立ってます。
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ところどころ視界が広がり、
クリスタルラインや大弛峠があるであろう
山並みを望むことができます。
はるか下には、柳沢峠に至るループ橋が見えました。
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11時頃、小腹が空いたので
おにぎりをひとつほおばります。
山梨限定だという「まぜごはん」。
もっちりとして美味でした。
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11時20分、ロッジがある
上日川峠に着きました。
ここで標高は1600mくらい。
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いよいよ登山道に入りますが、
なお1kmほどは舗装路が続きます。
大菩薩峠まで、所要75分という案内と、
「熊出没注意」の看板があり、念のため
熊鈴をパックに吊るして進みます。
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11時40分、「福ちゃん荘」に着きました。
かわいい名前の山小屋ですが、
武装した赤軍派が立てこもったあげく
逮捕された「大菩薩峠事件」の舞台だそうです。
自分が生まれる前の事件ですね。
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福ちゃん荘から先は、舗装が途切れます。
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数分進むと、木々の合間に
富士山が現れました。
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さらに進むと、
登山道らしい少々ガレた道となり、
押したほうがラクな区間が多くなります。
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舗装路に備えて4気圧ほどにしていたタイヤから
少し空気を抜き、だいたい3気圧くらいに。
もっと空気を抜いたほうが接地感が向上すると
思いますが、パンクがこわいので高めにしておきました。
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乗ってるとすぐに息が上がりますが、
押してると寒さを感じるので、
レインジャケットをはおりました。
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半分くらいは乗車できるので、
ハイカーに追いついてしまいます。
養護学校の生徒さんと引率の方々と思われる
20人くらいのグループが見えてきたので、
抜かないように降りて押していたら、
「どうぞお先に」と、道を譲ってくれました。
さらに
「自転車なら乗らなきゃ」と、はやされた(?)ので、
彼らが見えなくなるまで乗車。
だいぶ引き離したところで、自転車を降りて
弾んだ息を整えたのは言うまでもありません(笑)。
なにはともあれ、登りでも乗車できる区間があるほど、
緩やかで整った登山道です。
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木々が少なくなり、
笹原が広がるようになると、
峠は間近です。
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山小屋「介山荘」を抜けると……
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大菩薩峠に到着。
雲ひとつない青空が迎えてくれました。
標高は1897m。
12時20分に到着しましたので、
上日川峠からは所要1時間ほど。
案内板にあった標準所要時間よりも
早く着くことができ、ほっとひと安心。
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塩山方面の眺望が見事です。
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奥多摩方面も望むことができます。
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山菜うどんをいただきました。
700円です。
峠に出ると少し風が出てきたので、
暖かい食べ物が身にしみます。
大菩薩嶺までは、峠からさらに1時間ほど
かかるようですが、自分は峠から下りに入り、
小菅村をめざします。
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塩山側より道は細く荒れていて、勾配も急。
乗車するのは怖い区間も現れます。
乗車技術が高い方なら、
ほとんど乗って下れる道だと思いますが、
転んだり落っこちては元もコもないので、
自分が少しでも「怖いな〜」と感じた箇所は、
無理せずに押して進みます。
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紅葉が少しずつはじまっています。
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午後になると、早くも日差しが傾きはじめ、
木々の間に差し込みます。
日の当たるところと影になるところの
明暗差が激しく、路面が見づらくなりますね。

自分のアイウェアは調光タイプで、
明るいと色が濃くなるのですが、こうした山道のように
明暗がコロコロ変わると、レンズの調光が
追いつかず、いっそう路面が見えづらく感じました。
クリアタイプのレンズがふさわしいかもしれません。
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下り出して30分ほどで、
「フルコンバ」と標識がある
尾根の鞍部のような場所に出ました。
おもしろい地名ですね。
この陽当たりのよい場所で、おにぎりを
食べたりして一服。
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フルコンバの先には、
細い木橋がありました。
自転車を押していけなくもないですが、
担いだほうが歩きやすいです。
幸い、自転車を担いだのは、ここともうひとつあった
橋だけで済みました。
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フルコンバから先は、それまでと
道の造りががらっと変わり、
勾配が緩いつづら折りになります。
路面に大きな石が少なくなることもあって、
快適に乗車できるようになりました。
もっとも、急なコーナーを曲がる技術はないので、
そのたびに、足を着いて自転車の向きを変えました(汗)。
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快適に下っていくと、
三叉路に見えなくもない場所に出ました。
もうあと1km足らずで、林道に出そうな地点。
左へ降りていく道筋がハッキリしていたので、
そちらへ進んだところ、ハンディGPSに表示されている
予定ルートから逸れてしまいました。

地図を見たところ、進み出した左の道も
下界まで通じているようですが、念のため、
分岐まで戻ってみます。すると、ハンディGPSの
表示ルートの方向にも、道らしきものが見えます。
しかし、地図にその道はない……。

机上のパソコンでルートを引いた際は、
「ルートラボ」の画面に表示されている道をトレースしました。
だから、その表示どおりである
ハンディGPSのルートに従っていこうと思い、
左へ行くのはやめ、道らしく見える方向へ
入っていくことにしました。

結果的に、この道は登山道ではないようで、
最初の100mくらいこそ、踏み跡があり、
ゴミもあったので「間違いない」と思って進んだのですが、
次第に落ち葉と枯れ枝でルートが
見えなくなってしまいました……。
不安に思いつつも、ハンディGPSのルートを頼りに
15分ほどガサガサ進んでいくと……
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崖の切れ目から、
ひょっこり林道に出ることができました。
こんな場所に登山道の入り口があるわけはないので、
やはり道を間違えたんだと思います。
この時点で14時20分でした。

帰宅後、「ルートラボ」と地形図を照合しました。
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「ルートラボ」の画面です。
これですと、尾根から一気に林道へ
出る道筋になってます。よくもわるくもこのとおりに、
自分は進んでしまった訳です。
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同じ場所を地形図で見ると、
当初、自分が入った左の道が、尾根を避けて
川筋に下がってから林道に出ています。
こちらのほうが正しかった訳です。
やはり、Webの地図は怪しい(?)場合があり、
現地では、紙の地形図か、ちゃんとそれに準拠した
GPS地図データを信用したほうが
いいんだな……と、教訓になりました。
また、「ルートラボ」でGPSファイル用のルートデータを
作る際にも、地形図を参照しながら
線を引かないとダメだなと、反省です。

ちなみに、自分のハンディGPSで使ってる地図は
登山用の「TOPO」なので、
現地でちゃんと正しい登山道も表示されていたのですが、
ルートラボで作成したルートを
信じてしまいました……要は自分の判断ミスですね。

結果として、十分に明るい時間に車道に出ることができ、
大きなトラブルにはなりませんでしたが、
やっぱり、自分のような未熟ものが
ひとりで山に入るのはリスクがあります(汗)。
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小菅村に至る林道は、
半ばくらい未舗装でした。
しかし、登山道に比べれば鏡のように
滑らかに感じられます。
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1kmくらい下っていくと、
本来は出るはずだった
登山道の入り口がありました。
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車道に出てしまえば、さすがに
自転車は速く、15時前には
小菅村の集落に入りました。
やっぱり人里はホッとします。
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下り基調の道を走り続けて
奥多摩湖へ。
青梅街道に出るとトンネルが多いので、
前後のライトがかかせません。
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奥多摩駅に着いたのは15時45分頃でした。
ここでサイクリングは終了。
MTBを輪行袋にしまって、
家路についたのでした。

距離55kmしか走ってなく、しかも山道は
6kmほどに過ぎないのに、クタクタです。
感覚的には、舗装路を200km以上走った
疲労感がありました。

たまには「山サイ」もいいもんだなと思いつつ、
道を間違えたこともあって、
自分一人で実行するのは止めたほうがいいな、
とも思いました。

けっきょく、20年前に大菩薩峠を越えた時の
記憶はあまり蘇ってきませんでしたが、
きっと、同じように疲労と反省に包まれたんだと思います。
成長してませんね〜。
by cyclotourist | 2015-10-11 15:37 | おしらせ | Comments(5)
Commented by taki at 2015-10-11 17:50 x
おっと、冒頭のルートラボの画像は削除して頂けますか?
Commented by taki at 2015-10-11 18:59 x
追記します。
大菩薩峠は過去自転車進入禁止になり、
正式にはまだそれが解除されていないはずです。
また大菩薩峠から石丸峠へは自然公園法の
特別保護地域に当たる部分があり車馬乗入れ禁止です。
さらにそれ以前に山に入るMTBerや山サイ家は
トレイルを公にするのはタブーです。
それを見てどんなフォロワーが山を荒らすか
わかったものではありませんから。
特に公に影響のある人物はトレイル情報の管理に
より慎重になるべきだと思います。
まずルートラボ画像をそのまま貼るのはありえません。
削除してください。
Commented by cyclotourist at 2015-10-11 20:26
taki様
コメントありがとうございます。
大菩薩峠、特に自転車禁止とか、
軽車両禁止とかの標識は、現地で
見当たりませんでした。もし、自転車が
禁止なら、根拠を教えてください。
あらためて、記事にてんまつを追記して
謝罪するなり、必要なら
しかるべき処罰を受けます。
山小屋の方は、好意的に
接してくれた印象でしたが……。
また、大菩薩峠は、
公にするのがタブーというほど、
マイナーだったり私有地だったり、危険な
登山道ではないと思います。
みんなの道ではないでしょうか。
(石丸峠は行ってないので分かりません)
自分は「MTBerや山サイ家」ではないので、
そのあたりの事情に疎いのですが、
メジャーなルートまで秘匿する
必要があるのでしょうか……。
貴兄のブログでも、たくさんの
山サイ体験をご紹介されてますし、
そのルートを察することもできます。
自転車で山に入ることの是非は、
意見が分かれるところだとは思いますが、
よりよいマナーや楽しいコースを
啓発するほうが、建設的では
ないかと思います。
Commented by すどう at 2015-10-12 06:33 x
ミスコースがあったにせよ、無事下山お疲れ様でした。
ハイカーの少ない平日にヤマサイできるのは、良いですね。
Commented by cyclotourist at 2015-10-12 11:15
すどう様
コメントありがとうございます。
大菩薩峠は、上日川峠からピストンする
方が多いみたいですね。小菅村側では
ハイカーとまったく出会いませんでした。
歩くとたいへんそうですからね。
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