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シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

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輪行に出会いを求めるのは間違っているだろうか・第三話(全5話)

こんにちは、田村です。

旅の三日目は、呉から江田島に向かいます。
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快適だったビューポートくれホテルを出発。
やっぱりベッドで寝ると疲れが取れますね(笑)。
しかし、昨晩の飲み過ぎが災いして、
6時前には出発しようと思っていたのに、
実際は7時40分にもなってしまいました……。

この日は、江田島サイクリングを90kmほど楽しみ、
フェリーで松山に渡ってから、
さらに八幡浜まで70kmほど走ろうと思っていたのですが、
寝坊したおかげで、狙っていた時間のフェリーに
乗るのは無理そうです。予定はあくまで予定なので、
ソロですし、行き当たりばったりでいいやと
開き直って走り出します。
快晴なので気分が盛り上がります。

さて、江田島はかなり複雑なカタチをしております。
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市としては全体が江田島なのですが、
島としては、右上が江田島、
下が東能美島、左上が西能美島となってます。
呉の目の前に浮かぶ島々で、西に宮島があります。
この江田島を、ぐるぐると走ってみます。
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呉の街を抜けて国道を南下していくと、
とびきり大きな造船所が見えてきます。
ちょうど、国道が坂を越える辺りから
見下ろすことができます。よく見ると……
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「いせ」が入渠しています!
新鋭のヘリ搭載護衛艦です。
アップにしてみましょう。
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定期修理だと思いますが、
拙宅の30倍はあろうかという大きな艦橋に、
びっしり足場が組まれています。
しっかりリフレッシュされて、また海の守りに
ついてくれることでしょう。
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隣接する上屋には「大和のふるさと」と
掲げられています。なんだか胸が熱くなります。
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桟橋には護衛艦と潜水艦がびっしり。
自分がのほほんと毎日を過ごせるのも、
こうした艦艇と乗組員のおかげなんだな〜と、
妙に殊勝な気持ちになります。
もちろん、単純にメカ的にカッコいいぜ、という
中二的好奇心もそそられます。
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名残惜しくも軍港エリアを後にし、
音戸の瀬戸に向かいます。
写真のループ橋で音戸(倉橋島)に渡ることもできますが、
K氏に渡船がおすすめ、と聞いていたので、
船着き場に向かってみます。
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音戸渡船。激渋です。
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自転車は90円です(人込み)。
幅120mの海峡を渡る、
日本一短い定期航路、だそうです。
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桟橋(船がとおるとけっこう揺れる…)に
出て待ってると、小さな渡船がやってきました。
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2、3分の船旅です。
他に乗船していたのは学生さん。
おとなはクルマで渡るんでしょうね。
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音戸の西岸を進みます。
歴史を感じさせる街並です。
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コンビニがあったので小休止。
キットカットなど補給食系も買っておきます。
「しまなみ海道」もそうですが、このあたりの島は、
フツーに栄えてます。「島」という孤立した感じはなくて、
海沿いに小さな街が続きます。
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早瀬大橋を渡って、江田島に入ります。
ちなみに、「えだじま」と思ってましたが、
現地の表記を見て「えたじま」なのだと知りました。
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海沿いを離れた道に入ると、
けっこうな登り坂が待ってました。
ピークの標高はせいぜい100mほどですが、
意外と登り応えがあるものです。
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海へ向かって下ります。
アップダウンがあるほうが、見える景色に
変化が現れて楽しいですね。疲れますけど(笑)。
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海沿いを走っていると、
かなり大きくてスマートな客船が現れました。
舷側のキズが痛々しいですが、新しい船です。
これは……「スーパーライナーオガサワラ」です。
40ノットも出せる高速船として建造され、
時の都知事だった石原氏肝いりで(?)
小笠原航路につくはずだったのが、
赤字確定なので使われずに廃船になったという、
悲しい高性能船です。東日本大震災で宿泊船になったのが
ほとんど唯一の使用実績という……。
江田島にいたんですね。もう解体されるみたいですが、
実にもったいない話です。
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海すれすれの道を北上していきます。
風もなく、おだやかな日となりましたが、
島めぐりの常として、進行方向がくるくる変わるので、
うっかりするとどこへ向かってるのか分からなくなります(汗)。
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秋月から道が登りはじめます。
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ほどなくして、「しびれ峠」に到着。
標高70mほどですから、あっという間です。
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まだお昼前でちょっと逆光気味ですが、
呉までよく見渡せます。
「しびれるほど眺めがいい」と聞いてましたが、
居合わせた地元の方にうかがったところ、
本当にそれが峠の名の由来だそうです。
地理院地形図には記載がない峠ですが、
秋月と小用を結ぶ、十分に立派な峠です。
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峠から下っていくと、
「榛名」と「出雲」の留魂碑がありました。
小用港の沖に停泊してた両艦は、
敗戦の半月ほど前の空襲によって沈んだのでした。
「大義に殉せられた護国の英霊を弔い、これが武勲を永く後世に顕彰せんがため」
碑を建てたと刻んでありました。
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柵の柱には砲弾が……。
まさか本物? しかし、口径的には
巡洋艦クラスでしょうから、少なくとも榛名のではなさそう。
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ささっと小用の街まで降りたら、
住宅を抜ける細道に入って、
古鷹山に伸びる林道をめざします。
標高394mの小山ですが、頂上からの
展望がすばらしいらしいです。さすがに、今回は
山登りはいたしませんが、ふもとの林道を
走ってみたいと思います。
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ピークまでは2km少々。
それで標高200mまで上がりますから、
勾配はけっこう手強かったです。
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展望が開ける区間もありました。
古鷹山の防火帯として設けられた林道とのことで、
交通量は皆無でした。
島めぐりサイクリングは、どうしても海沿いばかりに
なりがちですが、こうしたアップダウンがある道を
組み込むと、メリハリがつきますね。
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江田島の北部、切串に出ました。
広島行きのフェリーが発着する港があります。
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島の北部をくるっと回り、幸の浦峠を越えて南下します。
勾配はそこそこありますが、
さすがに距離が短いので、
峠コレクションがはかどります(笑)。
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江田島の中心部が見えてきました。
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海上自衛隊の第1術科学校です。
今からでも入学できるなら入学したいです……
入学させてもらえる訳がない(笑)。旧海軍兵学校でもあり、
一般者の見学もできるのですが、所要一時間半とあり、
今回は見送ります。寝坊しなければ見学できましたね(泣)。
再訪したときの楽しみに取っておきます。
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江田島と西能美島の境となる
飛渡瀬(ひとのせ)までやってくると、
自転車が何台も止まってる食事処がありました。
ご飯お代わり自由の海鮮丼があるとか……
次々と吸い込まれているサイクリスト。
11時半ごろで、自分も小腹が空いてきたので
入りたくなりましたが、この後の行程を考えて
ぐっと我慢。先をめざすことにします。
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食事処の少し先から細道に入ります。
この先に、「大淀」の碑があるのです。
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米艦載機群との戦闘で、
ここ飛渡瀬で沈んだ軽巡洋艦「大淀」。
その慰霊碑に手を合わせます。

「祖国の栄光を信じつつこの内海に散華された」
「戦争の惨状を後世に伝えると共に
英霊の冥福と平和への願いをこめて慰霊碑は建立された」
(碑文より)
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大きな石碑の横には、
素朴な大淀の模型がありました。
自分が作った大淀さんも奉納したいところですが、
好みが分かれるところなので自粛しておきます。
なにはともあれ、のほほんと「艦これ」で遊び、
あまつさえそのフィギュア作りで小銭をいただいた身としては、
先人に感謝するばかりです。
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江田島湾沿いに北上していきます。
養殖いかだ(たぶん海苔?)が浮かぶ今日の内海は
平穏そのものです。
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軽いアップダウンがあり、
走っていて飽きません。しかし、さすがにお腹が減って……
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買っておいた補給食を取り出したところ、
すっかり溶けちゃってました(汗)。
この日は気温が28度くらいまで上がったので、
チョコ系の補給食は避けるべきでした。
昨日はこんなことなかったのですが……不覚。
さすがに封を切る気にならず、空きっ腹を
抱えて走ることに。力が出ません……。
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西能美島を周回しおわり、
ちょっとした高台にある鹿川水源地を越えて
江田島方面へ戻ります。
いびつなハート形のようなルートで、
島をめぐったことになります。
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数時間前にとおった海沿いの道を
再び通り、小用港をめざします。
午後になると日差しが高くなり、
ますます海がきれいに見えます。
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秋月の港にある集落を抜けようとしたら、
胸を突くような急坂があらわれ、
自転車を押すことに……。急峻な地形に
身を寄せ合うように家が建っているのです。
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再び、しびれ峠です。
呉の街をいっそうはっきり望むことができました。
その景色よりも、すでに足がしびれそうですが(汗)。
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「峠桜」。このしびれ峠にある
いくつもの標識は、地元の有志たちによる
手作りです。なんだか心が和みますね。
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14時すぎ、小用港のフェリーターミナルに着きました。
呉行きのフェリーまで30分ほど待ち時間があったので、
売店でアイスなど買って、空きっ腹をごまかします。
やっぱり飛渡瀬で海鮮丼を食べればよかった……。
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充実したパンフレット。
サイクリングマップは、江田島観光協会のHPで
入手済みでしたが、あらためて一部いただきました。
島内のルートが網羅され、サイクリスト目線で
きちんとまとめらえており、役立つ内容です。
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車両甲板貫通型の
小さなフェリーがやってきました。
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およそ20分の船旅で、呉に戻ります。
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洋上から見る造船所も迫力があります。
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大和ミュージアムの目の前に
フェリーが着きました。写真は戦艦「陸奥」の
舵とスクリューです。驚くほど巨大です。
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「てつのくじら館」。
潜水艦「あきしお」です。
地上で見ると、やっぱり大きいですね。
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松山行きフェリーが出るまで
大和広場でのんびり。
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16時、少し遅れてフェリーがやってきました。
本当は13時すぎの便に乗る予定だったので、
だいぶ時間が押してしまいました。寝坊はダメです(汗)。
なにはともあれ、呉も江田島も見所が多く、
また訪れることになりそうです。
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呉から松山まで、所要2時間です。
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船内で自分と各種機器に
エネルギーを補充します。
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音戸の瀬戸を抜けて、
四国へ向かいます。ひさしぶりに
夏らしい暑い日でしたが、船の上は
風が爽やかで心地がよかったです。
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松山観光港に上陸。
すでに18時。
予定では、伊予灘に沈む夕陽を楽しみながら
八幡浜までサイクリングを楽しむ予定でしたが……
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松山市街を抜ける頃には、
日が落ちてしまいました。
いい加減疲れても来ましたし、
暗い中を無理に走る必要もないと判断。
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伊予市駅からとっとと輪行することに。
本日のサイクリングは距離100kmちょっとで終了です。
八幡浜駅までの乗車料金は1000円ほどなので、
青春18きっぷは温存し、普通にきっぷを買って乗り込みます。
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21時半過ぎに、八幡浜駅に到着。
やっぱり列車は速くて楽です(笑)。
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駅には、輪行に関する
詳細な解説がありました。
規約だけでは分かりづらい(?)、輪行の実際例を
具体的な写真で明示しています。
ここはJR四国エリアですが、手荷物規則は
全JR共通なので、この解説を範とすべきでしょうね。

時々、「〜はいいのか?」「〜ではダメなのか」などなど、
輪行に関する個々の事例を問い合わせる方が
いるようですが、個人的にはちょっと止めてほしいなと思います。
悪気はなくても、規則を厳しくする結果につながりそうです。
このJR四国の解説にしても、そうした事例や
一部の輪行袋に対する注意喚起なのだと思います。
規則を守って、他の利用者に迷惑をかけない輪行を
心がけたいと、あらためて思いました。
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自転車を組み立て、駅から2kmほど離れた
フェリー乗り場に移動します。
ここから別府に渡るのです。
そのフェリーは0時20分発です。
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まだ出港まで時間があるので、
ターミナルはがらんとしてました。
食堂もすでに閉まってます。
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しかたなく、またコンビニ弁当で済まします。
決してコンビニが好きな訳ではなく、
可能ならご当地グルメなども体験したいと思ってますが、
自分の中で食に対する優先度が低いので、
どうしてもこうなっちゃうんですよね……。

さて、フェリーが出る前に日付が変わりますので、
続きはまた次回に。

とりあえず、「江田島はよかった!」と強調しておきましょう。

【予告】
3時間ほど仮眠するはずだったフェリーでは、
近くの女子が気になって眠れませんでした(汗)。

連日のサイクリング疲れが取れないまま、
深夜の別府から走り出す。
およそ38km先の大分空港まで、
2時間以内で走らないとイベントに間に合わない。
しかし足が回らず、コンビニに吸い込まれる……。

次回「輪行に出会いを求めるのは間違っているだろうか」
第四話「迷宮の楽園(エアポートリゾート)」
間に合ってくれ〜。
by cyclotourist | 2015-09-10 10:50 | おしらせ | Comments(4)
Commented by まりきち at 2015-09-10 20:05 x
こんばんわ
小さな渡船……すごく魅力的です。
「大和」建造を秘匿するための大屋根。
そしてTSL「おがさわら」…
フネ好きにとってはもうヨダレが出そうです。
「おがさわら」は一度走っている姿を見てみたいと思っていたのですがそれも叶わないまま解体で寂しいです。
側面の大きなキズは同じく解体待ちだった護衛艦「ひえい」と何度もぶつかった跡らしくそれがまた物悲しい。

予告記事をもう一度読んでみるとネタ的な物を見つけましたよ。
呉での写真に映っている護衛艦ですが、DE232「せんだい」とDE229「あぶくま」が隣り合って停泊していますね。
ってことは「やったー、待ちにまった夜戦だー!」「どこかの夜戦バカには負けないから」とふたりでぎゃんぎゃん煩くいがみ合っている姿が妄想できて……
こんな私キモいですか?
Commented by 輪太郎 at 2015-09-10 22:47 x
個人的には馴染みのある江田島、呉で楽しいレポートとなりました。それにしても、編集長、強行軍でアクティブですね。ところで、本は出ないんですか?
Commented by ミウラSV at 2015-09-11 06:03 x
呉は出張で何回か行きましたが、それにかこつけての大和ミュージアム見学はかないませんでした。
それにしても呉や江田島は艦船模型オタクも兼ねる自分にとって聖地ですね。関東には横須賀もありますが、呉も今度は観光を兼ねて行ってみたくなりました。
Commented by cyclotourist at 2015-09-11 09:15
まりきち様
コメントありがとうございます。
オガサワラのキズは、そんな理由
だったんですね……。
解体されるまでに、もういちど
拝みにいきたくなりました。
「せんだい」&「あぶくま」も、
現地で気づいたら妄想全開だったでしょう(笑)。
なんにせよ、呉&江田島はお船好きには
たまらないですよね。
青春18きっぷはともかく、
新幹線なら4時間ほどですから、
一泊二日程度の輪行サイクリングで
訪れるにはベストに近いエリアだと
感じました。
まりきちさんの輪行デビューに
いかがですか? お供しますよ!

輪太郎様
コメントありがとうございます。
貴兄のお膝元でしたね。
本は、いずれ出すつもりですが、
いまもってはっきりとした
予定は出しておりません。
ご心配かけまして恐縮です。

ミウラSV様
コメントありがとうございます。
初日はミュージアム&呉の港見学、
二日目は江田島サイクリングなんて
プランで訪問したいですね。
いっちゃいますか!?
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