ブログトップ

シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

輪行に出会いを求めるのは間違っているだろうか・第一話(全5話)

こんにちは、田村です。

新米サイクリスト・タムラ・ヒロシは、
妄想を現実に変えるべく、
青春18きっぷで5日間の小旅行を
実行してまいりました。
おもな訪問先は……

・鳥取県の浦安駅
・同じく鍵掛峠
・広島県の呉
・同じく江田島
・大分空港
・国東半島の走水峠

で、ございます。一見して脈絡のない行程ですが、
自分にはそれなりの理由があるのです。
そもそものきっかけは、当ブログにも
コメントをくださる「まりきち」さんのブログでした。
(ちなみに超おもしろいです)

氏のブログで、大分空港の滑走路を舞台にした
サイクリングイベントの存在を知りました。
「大分空港ランウェイ・ライドin空の日」です。
旅客機がばんばん離着陸してる
現役の滑走路を自転車で走ることができるという、
非常に貴重な、ほとんどラノベのような機会です。
滑走路ですよ、滑走路。しかも、
ジェット旅客機がばんばん降りる3000m級です。
フツーは足を踏み入れることすらできません。
そこを、自分の自転車で走ることができるなんて、
ヒコーキも大好きな私には夢のようです。

しかし、開催要項を見てガクゼン。
当日の集合時間が、朝4時半〜5時半なのです。
ほとんど深夜未明の時間帯です。
マトモな時間は、ヒコーキが使ってますから、
しかたないですね。

どうすれば、そんな時間に、大分空港という
鉄道路線から離れた場所(国東半島)にいけるのか……
そう考えたのが、今回の旅のきっかけでした。

もちろん、前日に空路で大分入りして、
近くのホテルに泊まって朝3時頃に起きれば
いいのでしょうが、この単発イベントにかける費用としては
フトコロに厳しすぎます。
案内には、やたら駐車場の説明が詳しかったので、
地元近郊の方がクルマで来ることを
想定したイベントなんだなとは思いましたが、
行ってみたい、という自分の気持ちを
抑えることができません。

すると、不思議なことに、いろんな案件が
リンクしはじめたのです。

・アニメ「琴浦さん」にハマる
数年前に放映されたアニメなのですが、
自分はdアニメで最近になって視聴。
けっこう面白く、劇中に出てきた「琴浦駅」が
気になります。この駅は、鳥取県の琴浦町にある
浦安駅がモデルなのだそうです。

・自転車仲間が呉に転勤した
お世話になってるブルベのクラブで、
一緒にスタッフ活動をさせていただいてる
好男子Kさんが、呉に転勤しました。
いつか、呉にKさんをたずね、居酒屋で
恋バナ(?)など語り合いたいなと思っていたのです。

・青春18きっぷが手に入った
いつかは使ってみたいと思っていた格安切符。
普通列車しか使えませんが、JR全線が
乗り放題になります。中国地方まで乗り通せば、
あっという間にもとが取れます。
しかも、あと3回残ってるきっぷを、
自転車仲間が譲ってくれることに。
実は、サラの18きっぷも買ったのですが、
ご好意に甘えて使いかけを譲っていただき、
新品は払い戻しさせていただきました。
実質、タダみたいな交通費で
とおくまで行けそうです。

・仕事の依頼が入ってきた
某自転車雑誌から、突如として
峠の原稿依頼をいただきました。
なんでも、全国の名峠を紹介してほしいとか……。
安請け合いしたものの、山陰山陽の峠を
まるで経験したことがない事実にガクゼン。
じゃあ、走ってみるか!
ただし、フツーに訪問したら、原稿料より
交通宿泊費が高くなることは明白(汗)。
やはり18きっぷじゃなイカ!?
ちなみに、ちゃんと記事になりましたら、
どの雑誌かあらためてお伝えしますね。

こんな状況がからみあい、
前述した謎の行程が生み出されたのです。
自分のモチベーションが複数の要素で高まり、
ツマへの言い訳が立たなくもない状況に恵まれ、
旅立ちを決めたのでした。

・初日は列車に乗り続けて浦安駅へ。
 宿泊せずに走り出し、二日目に続く。
・二日目は、浦安駅から鍵掛峠まで走り、
 再び列車に乗って呉へ。呉のホテル泊。
・三日目は、呉の目の前に浮かぶ江田島へ。
 江田島を思う存分に走り、いったん呉に戻ったら、
 フェリーで松山へ。さらに八幡浜に移動し、
 深夜フェリーで別府へ。船内泊。
・四日目は、別府から大分空港まで走り、
 奇跡的なイベントを体験したら、国東半島の峠を楽しむ。
 その後、18きっぷで帰路につく。
 しかし姫路あたりで列車が終わる。駅寝か走るか……。
・五日目は、ついでとばかりに姫路から竹田城へ
 足を伸ばし、その後、東京へ帰る。

もちろん机上で考えてますから、どんな鈍行列車も
どんな峠も怖くないと思い込んでます。
大分空港のイベントが5日というのは
動かせませんから、それを軸に予定を組みます。
楽観的じゃないと、欲張ったプランを
立てることはできませんね。

しかも、5日間におよぶ行程ながら、
ホテルを予約したのは、呉のみ。
列車が走ってない時間は、自分で走るか
フェリーに乗ってればいい! そうすれば
宿代も要らないし、移動距離も稼げるじゃなイカ!
と考えたのです。
ぜったいおかしいだろ、と突っ込むもう一人の自分が
いたのは確かですが、
ぜったい大丈夫だよ、と思いこむ気持ちが勝利をおさめ、
旅立ちの日を迎えたのです。
d0211129_1784136.jpg
池袋駅を5時29分発の山手線でスタート。
東京駅から熱海行きの東海道本線に乗り込みます。
東京〜熱海間で1時間50分も乗るので、
新幹線なら名古屋に着いちゃうほどですが
自転車に比べれば、普通列車も速いもんです(笑)。
d0211129_17122647.jpg
しかし、前夜からの大雨で、
東海道線をはじめ周辺の路線に
遅れや運行見合わせが発生……。
自分が乗った列車も速度を落としての運行となり、
熱海に着いたのは14分遅れ。
熱海駅での静岡行きへの乗り継ぎ時間は3分の予定でしたが、
幸い、遅れた自分の列車を待っててくれました。
しかし、徐々に遅れは広がり、30分遅れで静岡に着。
もうこの時点で、本日中に浦安駅に
着くのは絶望的になってきたのです。
予定では実に12回の乗り継ぎを経て、
乗車15時間の果てに23時過ぎに浦安駅着でしたが、
たった30分の遅れでも、鳥取発の米子行き最終列車に
間に合わないのです。
18きっぷだからと、欲張って最終列車まで
乗り尽くそうと考えたのが仇になりました。
やはり、行程に余裕が必要なのは、
鉄道も自転車も同じですね……。
d0211129_1721292.jpg
ますます強くなる雨の中、
静岡駅で浜松行きに乗り換えます。
当初の予定と乗る列車が変わってきたので、
次に乗り換える駅や到着時間、待ち時間が
変わってきます。10分くらいは乗り換え時間があるはずの駅で
飯でも買おうと思っていたのが買えなくなってきたりして、
かなりひもじくなってきます。
しかも、静岡を過ぎるくらいまでは通学時間に
かかっているため、席に空きも少なくて立ちっぱなし。
ふだんまったく立ち仕事をしてない軟弱者なので、
みるみる足がだるくなってきます。
d0211129_17275031.jpg
お昼前に浜松駅に到着。
急に晴れてきました。
やっと食べ物を買うこともできました。
d0211129_1729333.jpg
弁天島を通過。
このあたりは国道一号と東海道本線が寄り添っています。
過去二回、大阪〜東京を走った時は、
サドルの上から列車をうらやましく眺めたものです。
今は、並走する新幹線がうらやましいです(笑)。
d0211129_1731758.jpg
なるべく車端部に輪行袋を置いてます。
今回のナカミはルックです。
乗り換えの手間を減らすため、軽さ重視の選択。
そんな理由で選ばれるルックがかわいそうですが、
実際、その軽さのおかげで、ホームの移動が
あんまり苦にならないのが救いです。たった7kgですからね。
浜松以西は列車のなかも空いてきて、
座ることができるようになりました。
d0211129_17352933.jpg
「艦これ」をはじめたり(汗)。
ちょうど、期間限定イベントの終盤なので、
ヒマな時間を有効利用するために、重さをしのんで
ノートパソコンを持参しているのです。
着替えもあるので、今回はリュックです。
MacBookAir という、重量1kgくらいの割と
軽いパソコンなのですが、リュック全体では
5kgぐらいになりました。経験的に、リュックの重さが
2、3kgを超えると、あきらかに負荷を感じてくるので、
ロングライドでは自転車側のバッグにぜんぶ収めるか、
リュックにしても2kg以下に収めてました。
しかし、今回は致し方ないです。「艦これ」イベントも
クリアしたいし、実は旅行中に送らないと
まずそうな原稿もあったりして(汗)。
d0211129_1739398.jpg
豊橋から大垣へ行く列車に乗れたので、
名古屋近郊の混雑もあまり
気になりませんでした。
すると、写真のような18きっぷカップルが
目につくようになります。妙齢のお二人はよいのですが、
なんだか目も当てられない雰囲気を発散する
未成年ぽいカップルも散見され、何時間も同じ車両にいると
「リア充は○○しろ」と叫びたくなります(笑)。
d0211129_17423416.jpg
大垣を出ると、伊吹山が見えてきました。
やっぱり車窓がよいと気も晴れます。
このあたりの在来線に乗った経験がないので、
なかなか新鮮ではあります。
d0211129_17432814.jpg
米原駅です。
青い空と、青い近江鉄道の列車がすてき。
一ヶ月前、ここから舞台サイクリング活動をしたのが
昨日のことのように思い出されます。
d0211129_1746646.jpg
京都、大阪を過ぎ、尼崎に着いたのは
もう16時すぎです。ここで福知山線に乗り換えます。
d0211129_17472637.jpg
急にローカル線ムードが濃くなり、
武庫川の激しい流れが眼前に。
かなり増水してますね。
d0211129_17511997.jpg
単線のせいか、列車行き違いのための
まとまった停止時間がたびたびあります。
これがうれしいんです。だって、
タバコを吸うことができるから(照)。
無人駅のまえで一人ふかすタバコは最高です。
しかし、18きっぷと喫煙者は相性が悪いですね。
タバコを吸いたくて吸いたくて、なんど列車を
降りちまおうと思ったことか(汗)。
ちなみに、新幹線N700系は喫煙室があるので大好きです。
さらにちなみに、ブルベの時も喫煙がネックになります。
心肺機能とかそういうレベルじゃなくて、
タバコが吸いたくなるから、無駄に止まってしまうんです。
だったら禁煙しろという話なのですが……(汗)。
d0211129_1757850.jpg
福知山駅でもまとまった停車時間があったので、
外に出てみました。駅舎が様変わりしていてびっくり。
18時半を過ぎ、日が暮れてきました。
東京よりはだいぶ日が長いようです。
d0211129_1801299.jpg
福知山から、ようやく山陰本線らしくなります。
国鉄時代の列車がまだまだ現役です。
d0211129_1821420.jpg
日本海沿いに出る頃には真っ暗で、
あいにくもう車窓は望めませんが、
旅情をさそる駅舎が続々と現れます。
香住駅、鎧駅ときて、みっつトンネルを過ぎると……
d0211129_1831559.jpg
21時20分に余部鉄橋を通過。
有名な以前のものより柵が高くなったようですが、
いきなり空に放り出されるようなスリルは健在。
このあたりは、旧余部鉄橋がなくなる直前の5年前に
訪れたことがあるので、なんだか懐かしいです。
そして、18歳の頃にも(なんと四半世紀前……)
訪れてるんですよね。その時は、
東京から下関まで、往復ぜんぶキャンプツーリングでした……。
バカなことよくやったなあと思いますが、
考えてみれば、今もやってることはあまり変わらない(笑)。
d0211129_189798.jpg
夜も更けると乗客は極端に少なくなり、
なんだか異次元に自分だけ連れて行かれそうな、
銀河鉄道っぽい世界を感じたりします。
d0211129_18104414.jpg
モダンな鳥取駅に着いて、
現実に戻ります。
もう22時です。あと少し早く着いてれば、
浦安駅まで行く列車に乗れたのですが、致し方ありません。
なお、さすがにコナンくんには萌えません(笑)。
倉吉行き最終列車まで小一時間あったので、
駅のコンビニで買ったお弁当をいただきました。
d0211129_18131565.jpg
最終列車がやってきました。
まるで新幹線が走ってそうな立派な駅なのに、
架線がない非電化なのが不思議な感じがします。
d0211129_1815368.jpg
日付が変わる5分前に、
終点の倉吉駅に着きました。
堂々19時間の列車旅でした。

ちなみに、普通の乗車料金は10,800円になります。
新幹線・特急をフルに使うと18,990円。
それでも7時間以上かかるのですから
(ヒコーキ+特急でも5時間)
東京から山陰は遠いですね。

なにはともあれ、一日あたり2,300円ほどで済む18きっぷの
メリットを活かしたのは間違いない……と、
ほくそえんでもいたのですが、時間以外にも失ったモノが
かなり多かったことに、
この時は気づいていなかったのです……。
d0211129_18382562.jpg
タクシーが一台だけ止まっていた駅前で、
ついに輪行袋をほどきます。
d0211129_18391672.jpg
予定の浦安駅まで行く列車がなければ、
自分で走ればいいのです。

列車が動いてない時間は、自分で走る。
こうすれば、18きっぷの効力を最大限活かしつつ、
サイクリングも思う存分に堪能できる……かどうか、
身をもって試します。もちろん、宿なんて取ってませんよ。
走ってれば宿なんていらないじゃないですか!


【予告】
小雨降る倉吉駅を走り出した私は、
意気揚々と琴浦駅、そして鍵掛峠をめざす。

深夜のコンビニで邂逅するサイクリスト、
無人駅に集まる謎の組織、
そして霊峰大山がサイクリストに迫る。

次回「輪行に出会いを求めるのは間違っているだろうか」
第二話「峠祭り(パスフィリア)」
とりあえず寝かせるにゃ〜。
by cyclotourist | 2015-09-07 19:08 | おしらせ | Comments(4)
Commented by こじま at 2015-09-07 21:50 x
峠の取材ともろもろの欲望が積み重なって、今回の繋がりの無い目的地の寄せ集めが出来たんですね。納得!国東の峠も取材なのかな?
Commented by cyclotourist at 2015-09-07 22:05
こじま様
コメントありがとうございます。
国東半島は走ったことがないので、
海岸線で一周するかも迷ったのですが、
カッコいい名前の峠があったので、
走ってみようと思いました。
これは100%趣味です。
Commented by まりきち at 2015-09-08 10:09 x
ぼくの稚拙なブログをおもしろいといってくださり恐縮です。

12回の乗り継ぎ予定なのに30分の余裕も無いなんてどれだけの欲望を詰め込んだのだろうと驚きそして笑っちゃいます(失礼)
いくら日本の鉄道が正確といってもトイレが無い列車内でお腹が痛くなったり、ご当地萌えキャラグッズが駅外のショップで売られていたりもするじゃないですか。

でも、のほほんと読ませて貰っているだけの一読者としては過酷なほど面白いです。
次の記事も楽しみです。
Commented by cyclotourist at 2015-09-08 15:01
まりきち様
コメントありがとうございます。
今回の旅のきっかけをいただき、
あらためて感謝です。
そのうち大分空港イベントの
リポートも出てきますので、
生暖かく見守ってやってください(笑)。
<< 輪行に出会いを求めるのは間違っ... 青春18きっぷの旅・予告 >>