ブログトップ

シクロツーリスト&ランドヌールときどき模型の製作日記

cyclo.exblog.jp

特別な宇治へ その3

こんにちは、田村です。

古代の東山道で最大の難所として
旅人が畏敬した神坂峠は、
アニメの舞台を目指す現代の
サイクリストにも立ちはだかるのでした。
d0211129_13152238.jpg
続いてると思った道は
谷間に消えていきました。
そもそも、東京から京都の宇治をめざすなら、
東海道を淡々と西へ走ればよくって、
距離も短くなるし(約600km→約500km)、
平坦ばかりだし、こんな信州と美濃の境にある
山深い峠を越える必要はないよね……

と、現地で嘆いていても状況は進展しないので、
我々は熟慮の末に果断に実行、
登山道を進むことにしたのです!
d0211129_1423057.jpg
登山道の入り口で、すでに
標高は1200mほどありました。
神坂峠の標高は1600m弱。
登山道の入り口から峠までの距離は
4.6kmと案内に出てましたから、
歩く道としては勾配がさほど急ではないと
予想してました。
実際、かなり歩きやすい道で、
自転車も押して進むことができました。
「ヤマノススメ」的には高尾山くらいでしょうか。
担ぐような細道や巨岩がなくて、本当によかった……。
d0211129_14273045.jpg
自転車で標高を稼ぐよりも、
歩きのほうが体力的には
楽かもしれません。もっとも、
時間はどんどん過ぎていきます。
d0211129_14294310.jpg
休み休み、進んでいきます。
一人だけ、ハイカーとすれ違いました。
さすがにボトルの水や補給食が
乏しくなってきましたが、飢えや乾きを
感じる前に峠に着くことができそうです。
しかし、押している自転車が
だんだんと重く感じられてきます。
さすがに疲れてきたのかと思いましたが……
d0211129_14313725.jpg
ブレーキアーチに泥や草木が詰まって、
車輪が回らなくなってきたのでした。
泥をかき出しても、すぐにまた詰まります。
MTBやツーリング車が、フォーククリアランスを
広く取っている意味がよ〜く分かりました(汗)。

さて、進んでいくほどに涼しくなってきます。
標高が上がっていくので当然だろうなと
思っていましたが、にわかに空が暗くなり、
谷を挟んだ向こう側の山塊にピカッと稲光が
走るようになってきました。
そして、ついに我々の頭上にも
雨が降ってきました。
d0211129_14351289.jpg
待っていても止みそうにないので、
レインジャケットを着て歩きます。
幸い、進むほどに道の勾配は
ゆるやかになってきて、MTBなら
半分は乗車できるかも(元気なら)。
d0211129_14392672.jpg
「牛集牧柵」なるものが現れました。
こんな人里離れたところでも
放牧をしてるとは驚きました。というか、
こんなところで牛に出会ったら腰を抜かしそうです。
d0211129_14405653.jpg
登山道に入って2時間、
ついに稜線に出ました。
高山、というほどの荒々しさはありませんが、
さすがに非日常的な景観が広がります。
幸いにも、雨はほとんど止んできました。
d0211129_1447132.jpg
ついに峠の手前にある山荘に出ました。
15時40分でした。
陽が長い季節で本当によかったです。
かなり大規模な山荘ですが、ひと気はなし。
d0211129_14481221.jpg
2時間ちょっとぶりに舗装路と対面。
心底ほっとしつつ、ブレーキやリム面に着いた
泥や草木を落とし、長い長い下りに備えます。
d0211129_14492212.jpg
山荘から少し下って岐阜側の斜面に出ると、
待望の神坂峠です。そして、
あこがれのつづら折れを眼下に望むことができました。
ワタクシは満足です。同行のMさんが
どう思われたのかは微妙ですが(汗)。

*今回、阿智村の役場に確認し、
 「神坂神社から先の道は、自転車を押してならOK」と
うかがっていたので決行しました。
結果的にOK(といえるか?)でしたが、
安易におすすめできる行程ではありませんので、
ご注意ください、念のため……。
神坂峠を体験するだけでしたら、やはり
中津川からのピストンが、安全面からも
法規面からも無難だとは思います。
-----------

岐阜側の道は植林された杉が生い茂り、
視界に入るつづら折れの道はわずかでしたが、
深くて長い谷が壮観です。
中津川の市街まで、登り返しのない
急勾配の下りが20kmも続くのです。
d0211129_17532459.jpg
ブラインドコーナーばかりの道を
ガーっと下っていくと、何箇所か、
木々が伐採されて視界が広がる区間も。
そんなところが峠から見えたんでしょうね。
一気に麓まで快走、と思いきや……
d0211129_17551052.jpg
Mさんがパンク。
グレーチングのない横溝を越えた衝撃による
リム打ちパンクでした。直前を走っていた自分が、
障害があることを伝えるべきでしたね、すいません……。
手際よくパンクを直していたのはさすが。
なにがあっても慌てない、ように見える
落ち着いたサイクリストなのです。
d0211129_1757359.jpg
ようやく人里へ。
もう17時です。
d0211129_17583186.jpg
はるか頭上に架かる中央道に
びっくり。クルマで走っても怖そう。
d0211129_1759843.jpg
国道に出るとコンビニ発見。
さすがに小腹が空いていたので、
サンドイッチを食べました。
昨日も今日も、日中はコンビニしか寄ってません(笑)。

さて、国道に出れば、中津川駅はすぐそこです。
時間も時間ですし、やっぱり下界は暑いですし、
もう輪行以外の選択肢はありません。
本当に、自走で宇治なんて夢のまた夢。
問題は、どこまで輪行するかです。

翌日は、米原駅に9時に到着し、
宇治・大阪・そして千葉から集う
「舞台サイクリング研究会」のメンバーと
合流する予定です。
ですので、岐阜くらいまでは走っておこうと
当初は考えていたのですが、輪行するなら、
岐阜にこだわる必要はありません。
しかも、この日は、宿を予約してませんでした。
こんなこともあろうかと(笑)。
そこで、大垣あたりにホテルを取って、
翌日は関ヶ原あたりをチラ見しつつ、
米原まで走ろうかと考えました。

コンビニで休みつつ、スマホで大垣のホテルを探し、
4件くらい電話したのですが、なんとすべて満室(泣)。
じゃあもうどうせなら米原のホテルを取って、
そこまで輪行しちゃえば翌日も楽じゃないかと
考えました。サイクリングの走行距離を
伸ばそうなんて心がけは、もう微塵もありません(汗)。

幸い、米原ではホテルが取れたので、
とっとと中津川駅に向かい、輪行の準備です。
d0211129_1885955.jpg
中津川駅です。
以前も、サイクリングの終点として
お世話になったことがあります。
ここから、岐阜を経由して米原まで、地理的には
東西一直線に近いから、そんなに乗車時間も
長くないだろうと思っていたのですが……
d0211129_18102088.jpg
中津川を出る列車は、
すべて名古屋行き。
距離的には岐阜のほうが近そうなのに、
路線・時刻表的には名古屋まわりのほうが速いとのこと。
結局、名古屋に出て、贅沢にも新幹線にふた駅だけ乗って、
米原に到着したのでした。

こんなわけで、この日も輪行ワープとなり、
走行距離は90kmほどとなりました。
なにはともあれ、無事に神坂峠を
越えることができました。
d0211129_18334636.jpg
GPSログを見ると、
迷走っぷりがくっきりと……。

米原のホテルでは、そそくさとシャワーと
洗濯を済まします。ほぼ一張羅の洗濯作戦のおかげで
大型サドルバッグひとつで走りつづけてます。
しかし、輪行と夜の居酒屋用に、
シャツと短パンとパンツだけは携行してますよ。
そんなわけで、
この日も居酒屋で祝杯を
あげました。日中はコンビニ、夜は居酒屋だけという、
自分には天国のような道中です(笑)。

こうして、まるで夢でも見ているような二日間はすぎて……
そしてまた、次の旅がはじまるのです!

次回予告
d0211129_18212535.jpg
ついに集結した
アニメ大好きサイクリストたち。
総勢五人の大艦隊を結成し、
舞台サイクリング研究「会」は、晴れて「部」に昇格(笑)。
意気揚々と、特別な舞台へ走り出す……はず!
by cyclotourist | 2015-08-14 18:44 | おしらせ | Comments(4)
Commented by ミウラSV at 2015-08-14 20:20 x
合流後、お二人の自転車を見て、かなり難儀な道のりだったのだなと、想像しておりましたが、よもやここまでとは!
本当に特別な宇治になりましたね!!
Commented by cyclotourist at 2015-08-16 21:06
ミウラSV様
コメントありがとうございます。
宇治、また行きたくなります。
今度は涼しい季節がいいですね(笑)。
Commented by あるび at 2015-09-01 07:15 x
えらく難儀な神坂峠越えでしたね…
2013年のGWにatsさんと越えたのを思い出します。とても素晴らしい景色に感動しましたっけ。中津川から登り、田村さんが避けられた林道を下ってきました。
当時も通行止で、最上部の100mぐらいにわたって舗装がガタガタで少し陥没している状態で、自転車は乗れないほどでした。地盤が悪そうでもし崩れたらエスケープも困難そうでした、今はドウなのでしょうね。そこ以外は快適で雰囲気も良い道でした。
彼が日記を綴ってます。まだ2年しか経っていないのですね…
Commented by cyclotourist at 2015-09-02 06:19
あるび様
コメントありがとうございます。
峠特集では、神坂峠を
書いてくださいましたよね。
ありがとうございました。
いろいろと懐かしいです。
<< 特別な宇治へ その4 特別な宇治へ その2 >>