こんにちは、田村です。
「ロングライド」という言葉も
だいぶ一般的になりましたが、
みなさんは何キロくらいの距離が
「ロング」だと感じますか?
個人的には、50kmでも100kmでも、
疲れた時は「なげえな〜」と感じますが(汗)、
やっぱり一日の走行距離が100kmを越えると、
ロングライドっぽくなりますよね。
そして200kmも走れば、立派な
ロングライドではないかと思います。
ブルベですと、200kmは「最短距離」なのですが、
フツー、一日で走るMAXは200kmくらいでは
ないでしょうか。
で、200kmという距離の例として、
自分がよく思い浮かべるのが、自宅(豊島区)から
片道であれば、小諸や静岡あたりです。
周回なら琵琶湖一周でしょうか。
そして、「東京湾一周」も、距離ほぼ200kmに
なることで知られています(たぶん)。
と言いつつ、自分はこれまで東京湾一周を
したことがありませんでした。実際のところ
どんなもんだろう……となんとなく気になってましたので、
先の土曜日に実行してまいりました。
予定コースはこんな感じ。
約10kmのフェリー区間をのぞくと190km。
東京駅までの自走を含めると、自分の場合で210kmくらいになります。
獲得標高は300mくらいしかないというド平坦コースです。
そして、
いま書いてる本にも紹介したいなと思いましたので、
今回は同行者をお呼びいたしました。
ブルベ界では超有名な(?)
Nさんです。
『ランドヌールVol.4』の表紙も
飾っていただいた方ですね。
そして
ばっきー氏と自分。
まあ、写真はNさんだけでいいでしょ(笑)。
集合は朝7時の東京駅です。
走り出した時の気温は5℃くらい。
止まってると寒い寒い。
降水確率は10%ほど。そして、風向きは
「北風のち南風」という予報。うまくいけば、
前半も後半も追い風になるかも……にやり。
さて、出発です! 果たして何時に戻ってこれることやら。
いちばんの不安は自分の気力に他なりません(汗)。
第一京浜を走ること一時間で、六郷橋を渡って神奈川県へ。
走ってれば体がポカポカしてきます。
9時には、横浜みなとみらい。
自分が写ってる写真は、
ばっきー氏が撮ってくれました。
背中のポケットからカメラを出し入れてしてるので、
ジャケットがめくれちゃってますね。
9時20分、根岸のあたりで
最初の休憩。
お二人は休憩を欲してなかったのですが、
自分がトイレに寄りたくなってしまったもので……。
ブルベに慣れてるお二人は、
二時間くらい休憩なしで走ることは
どーってことないって感じで、さすがです。
10時40分頃、横須賀着。
自分の趣味でヴェルニー公園に立ち寄り、
護衛艦「ひゅうが」を遠望。
三笠公園です。
自転車を入り口前に止めて、
かつての連合艦隊旗艦を拝みました。
マストに櫓が組まれていて、なにか改装中みたいでした。
東京湾フェリーが出る久里浜には、
11時20分くらいに到着。
すると係の方が「あと5分で出ますよ〜」と
声をかけてくれました。あわてて切符を買い、
乗船します。フェリーなので、こうして自走で
入ることができます。気分は艦載機です。
自転車込みで大人ひとり1050円。これで
輪行なしで東京湾を横断できるのですから、
リーズナブルな気がします。
金谷まで40分ほどの船旅です。
船内ではさまざまな軽食を
販売してます。
ちょっと早めの昼食ということで、
写真のカレーパンとやきそばをいただきました。
暖かい船室で、ゆっくりできるのはうれしいものです。
ロングライドはけっこう退屈な時間もありますし、
東京湾一周の前半は市街地ばかり。
でも、非日常的な乗船時間のおかげで
後半へのモチベーションが高まります。
車両甲板から再スタート。
このフェリーは車両甲板が前後に貫通しており、
久里浜発の場合は船尾から乗って船首に出るので、
クルマの方はべんりでしょうね。
内房沿いの国道を
どんどん北上していきます。
風向きも上々です。ここまでは……。
国道を逸れると、素朴な
里山が現れ、癒されます。
たいした標高はないけれど、意外と
ひなびた風景が広がります。
せっかくなので、東京湾に突き出した
富津岬をめざします。
岬の浜辺では、
モーターパラグライダーが
離発着をくり返してました。不思議な乗り物ですね。
Nさんの愛機はピンクのネオコット。
ウェアも自転車も装備アイテムも、
ピンク色が中心。女子力の高さは他に類を見ません。
ばっきー氏は男前のサーベロ。
背が高い人の自転車はカッコいいですね。
自分はルックで走りました。
あと3cmは足の長さがほしいところですが、
致し方ありません。今回、登りはほとんどないコースですが、
信号停止が多いので、軽量なルックの走り出しの軽さに
助けられた気がします。
女神のお守り付きです(照)。
さて、富津のあたりで時刻は13時半。
天気も上々で、この先も楽勝かと思いきや……。
木更津を過ぎると進路が北東に変わるため、
かなり横風を感じるようになり、
ペースが下がり気味に。そして魔の国道16号区間の
はじまりです。内陸部を走ると、距離と勾配が増えるので
安直に国道16号を選んだのですが、
やはり大型車が多く、走りやすくはありません。
路肩は広いものの、舗装は荒れ気味です。
以前に走った下り車線よりも、今回の上り車線のほうが
路肩が荒れていると感じました。
しかも、上り車線は工場地帯に沿っているので、
しばらくコンビニなどがありません。
やむをえず反対車線のコンビニに寄ったりして
(用が近いもんで……)
いらぬストレスを感じる区間でした。
京葉臨海鉄道の貨物列車。
タンク車をいっぱい牽いてました。
千葉の手前あたりで国道に別れを告げ、
幕張メッセ方面の臨海コースへ。すると再び
風向きがよくなり、ほっとしました。
実は、この翌日もワンフェスのために
幕張メッセを訪れたという……。
このあたりで時刻は17時を過ぎ、
日が暮れてきました。
さて、このあたりはまったく土地勘がなく、
高速道路と幹線国道が密集するエリアです。
どのように抜けるべきか、見当がつきませんでした。
そこで、東京湾一周のご経験豊富な
ツーリング仲間のRさんお願いして、
事前にルートを教えていただきました。
こんな感じで入り組んだ工場地帯を
抜けることに。右左折は多いものの、
怖い国道を回避できる名ルートでした。
Rさん、あらためてお礼申し上げます。
歩道で運河を渡ります。
灯りが多い市街地は、意外と
夜間もあきないものです。しかし、この後、
なんと雨が降ってきました。
旧江戸川を渡って東京へ。
時刻は18時半ごろ。三人ともレインジャケットを着込んで
帰京です。降水確率が低かったのに、お二人とも
装備は万全。冬のロングライドは備えあれば憂いなし、です。
なにはともあれ終盤。
小雨だし、あと少し走れば東京駅です。
ばっきー氏、痛恨のパンク。
今年に入って6回目のパンクだとか……。
走り過ぎなのか、重力の問題なのか。
ボンベでさくっと空気を入れていたのはさすがです。
自分は怖くてボンベが使えないんですよね……。
19時40分頃、無事に
東京駅に到着〜!
フェリー時間を除くと、ちょうど12時間くらいですね。
平坦とはいえ信号が無数にあるコースでしたから、
この時間で200km近く走れたのは上出来では
ないでしょうか。
ゴール後、三人で食べた温かい
長崎ちゃんぽんの美味しかったこと……。
「東京湾一周」は、見晴らしや情緒が少ない微妙な
コースではありましたが、ぐるっとひと周りしてきたという
達成感はなかなかに大きいものがありました。
いつもは電車で素通りするだけの街の数々を
サドルの上から眺めるのは新鮮でしたし、
地域の広がり具合を足で実感できるのが
サイクリングの魅力ですね。
お付き合いいただいたNさん、ばっきーさん、
ありがとうございました!